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4章 大志の章
謎の騎士
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すぐるたちが世界樹のそばを離れると、茂みの向こうで話し声がしたので、探ってみることにしました。そこでは、黒い覆面をした男が二人組のゴブリンと話をしています。
「どうだ、見つかったか!?」黒覆面の男が二人組のゴブリンに言いました。
「いいえ、全然見つかりません、ファフナー様」
「こちらも何もなしです・・・」
「我が混沌の帝国のために、何としてでも遺跡のカギを見つけて、例のエネルギー鉱石を見つけねばならんのだ!
再び捜索をつづけろ!」二人組のゴブリンはまた森の中へと消えて行きました。ファフナーと呼ばれた覆面男はゴブリンたちとは反対方向へと消えて行きます。
「まさか、帝国がこの島に来ていたなんて・・・!」
「エネルギー鉱石がどうこうと言っておったな・・・」
「なんだか嫌な予感がするな・・・よし、ここは二手に分かれ、おれたちもその遺跡のカギを見つけるぞ!」
すぐるとリリスはメガロとは反対方向に進んで行き、カギを探すことにしました。しばらく森の中を探っていると、森の東側からファフナーたちとは違う声がします。
「隊長!遺跡のカギを見つけました!」
「遺跡のカギだって!?リリス、行ってみよう!」すぐるとリリスが声のする方へ行くと、そこには、白い覆面を被り、白い半そでシャツとズボンをまとう集団がいました。
「あっ!?ホワイト団だ!」すぐるが言うホワイト団とは、人間至上主義の考えを持ち、異種族や魔法使いをこの世から追い出そうとしている集団です。ホワイト団はすぐるたちに気づきました。
「ややっ!?お前たちは、いつぞやの魔法使いのすぐると、悪魔族の娘リリスだったな!お前たちは我が組織のブラックリストに載っているぞ!」
ホワイト団はすぐるとリリスを取り囲みます。
「ホワイト団まで遺跡のカギを狙っているなんて・・・!何のために!?」すぐるが言います。
「この島の遺跡には、かつての文明の産物である破壊兵器、ゴーレム(石や土などで作られた自動人形)が封印されている!我々には異種族を追い出すための強大な力が必要なのだ!」
「なんだって!?」
「そんなことはさせぬ!」すぐるとリリスは身構えます。
「我々の邪魔をするなら、痛い目にあってもらおう!」ホワイト団が銃や警棒を抜くと、
すぐるは勇者のメダルの力を使い、大きな電撃魔法で集団の敵を迎え撃ち、
リリスも素手による格闘術で、次々にホワイト団員たちを下していきます。
「くそっ!覚えてろ!」ホワイト団員たちは、みな逃げて行きました。
「あっ、石でできた円いメダルがある」すぐるはメダルを拾い上げます。
「おお、これがそのカギなのだな、メガロが言うには、遺跡はこの島の西側にあるそうじゃ!」
森を西へと進んで行くと、木々が晴れて行き、石で造られた壁と柱で出来た遺跡の前に着きました。
「わあ、立派な遺跡だね」
「む?石でできた扉があるぞ・・・!」リリスが石の扉に気づいたその時でした。
「わざわざ遺跡のカギを持ってきてくれたのか、ご苦労なことだ」
「さあ、そのカギを渡してもらおうか!」遺跡の前に二人組のゴブリンが現れると、すぐさま襲い掛かってきました。
それを、すぐるは聖木で作られた杖でナイフを弾き落とし、リリスも左腕で棍棒を防ぎ、右手の毒の爪でゴブリンの腹を突いて下しました。
「待て!そこまでだ!」今度は黒覆面の男が現れたのです。
「ああっ、ファフナー様!」ゴブリンたちが言いました。
「俺の部下たちが世話になったな、さあ、そのカギをよこせ!」
「断る!なぜ、こんなものを必要とするのじゃ!?」リリスが身構えて言います。
「この遺跡の中で眠る破壊兵器ゴーレムの動力源であるエネルギー鉱石、それは我ら帝国に必要だからだ!俺はファフナー、混沌の帝国の幹部候補だ!」
ファフナーは剣を構えて言いました。リリスは右手に炎の魔力を込めてファフナーに挑みかかります。ファフナーも光のオーラを剣に伝えて斬りかかってきます。
リリスは鍛えられた動体視力でファフナーの剣をかわそうとしますが、体のあちこちに赤い筋が出来て行き、最後はふっとばされてしまいました。
「リリス!」今度はすぐるが杖を剣のように構えて向かって行きます。
「お前も悪魔の娘のごとくけちらしてくれる!」すぐるは覇者のメダルの効果で肉体を強化し、
ファフナーの剣を杖で受け止め、すぐるの杖もファフナーの剣で受け止め、両者互角の戦いを展開しています。
しかし、ファフナーがわずかな隙をついて、すぐるの杖を弾き落としてしまいました。
「しまった!」
「勝負はついた!さあ、カギをよこせ!」しかし、すぐるは降参せず、右腰に差してあった短刀を抜き、
今度は生者のメダルの力を使うと、今度はすぐるの全身に風のようなエネルギーが取り巻き、一気にファフナーに向かって行きます。
「ぬっ!は、速い!」すぐるの短刀は、ファフナーの剣の刀身を真っ二つに切断し、ファフナーはその衝撃で吹っ飛ばされました。
「その短刀に、あの杖、もしや・・・!がくっ・・・!」ファフナーはそのまま気を失ってしまいます。
「わあ、生者のメダルで、テイルさんの風の気が使えるようになったぞ・・・!」
「おお、やるではないか!さあ、それで中に入り、ゴーレムを破壊するのじゃ!」
すぐるは扉にあるくぼみに石のメダルをはめ込むと、扉は左右に大きく開いていき、すぐるとリリスは中へと入って行きました。
遺跡の中は薄暗く、部屋の奥には石を組み上げて造られた巨人が立っていました。
「こ、これが破壊兵器ゴーレム・・・!?」すぐるが見上げてゴーレムの無機質な顔をのぞきこむと、ゴーレムの眼が緑色に光って動き出し、すぐる目がけて拳を振り下ろしてきました。
「わあっ!あ、危ない!」すぐるは横に飛びのいてかわします。
「おのれぇ!」リリスも口から炎を吐きだしてゴーレムの顔に浴びせますが、岩石で造られたゴーレムの顔には、焦げ目すらつきません。
「くそっ・・・!」ゴーレムは胸の扉を開けて、その中にある光る石にエネルギーをためはじめます。
「このままじゃ・・・!」まもなく光る石から極太の光線を発射してくると、すぐるたちはぎゅっと目をつむります。もうだめかと思ったその時です。
すぐるが恐る恐る目を開けると、目の前にメガロが現れ、魔力による氷の盾で光線を受け止め、鏡のごとく跳ね返し、ゴーレムの胸の中にある光る石を貫きました。
「む!ヤツが爆発するぞ!早く逃げろ!」メガロがすぐるとリリスを連れて遺跡の外に連れ出すと、ゴーレムは大爆発して、遺跡は大きな音を立てて崩れ去って行きます。
「ふぅ・・・間一髪だったな・・・!」
「メガロさん、ありがとう!」
「・・・お主のおかげで助かったぞ・・・!」
「礼には及ばん・・・!まあなんとか、古代兵器は破壊できた・・・」
「・・・うぬ・・・過ぎた力は人を不幸にすると言うが・・・」
「うん、レムリアンの文明が滅んだのは、やっぱりそういう事なんだね・・・」
すぐるたちが再び世界樹の元に行くと、心なしか、世界樹は元気を取り戻したようです。世界樹の枝が揺れたかと思うと、根元に黒いヤシの実のような世界樹の実が落ちました。
「やった!世界樹の実を手にいれたぞ!きっと、木がお礼を言っているんだ」すぐるとリリスは再びメガロの船に乗り込み、ラグーナ諸島の北島へと帰って行きました。
「どうだ、見つかったか!?」黒覆面の男が二人組のゴブリンに言いました。
「いいえ、全然見つかりません、ファフナー様」
「こちらも何もなしです・・・」
「我が混沌の帝国のために、何としてでも遺跡のカギを見つけて、例のエネルギー鉱石を見つけねばならんのだ!
再び捜索をつづけろ!」二人組のゴブリンはまた森の中へと消えて行きました。ファフナーと呼ばれた覆面男はゴブリンたちとは反対方向へと消えて行きます。
「まさか、帝国がこの島に来ていたなんて・・・!」
「エネルギー鉱石がどうこうと言っておったな・・・」
「なんだか嫌な予感がするな・・・よし、ここは二手に分かれ、おれたちもその遺跡のカギを見つけるぞ!」
すぐるとリリスはメガロとは反対方向に進んで行き、カギを探すことにしました。しばらく森の中を探っていると、森の東側からファフナーたちとは違う声がします。
「隊長!遺跡のカギを見つけました!」
「遺跡のカギだって!?リリス、行ってみよう!」すぐるとリリスが声のする方へ行くと、そこには、白い覆面を被り、白い半そでシャツとズボンをまとう集団がいました。
「あっ!?ホワイト団だ!」すぐるが言うホワイト団とは、人間至上主義の考えを持ち、異種族や魔法使いをこの世から追い出そうとしている集団です。ホワイト団はすぐるたちに気づきました。
「ややっ!?お前たちは、いつぞやの魔法使いのすぐると、悪魔族の娘リリスだったな!お前たちは我が組織のブラックリストに載っているぞ!」
ホワイト団はすぐるとリリスを取り囲みます。
「ホワイト団まで遺跡のカギを狙っているなんて・・・!何のために!?」すぐるが言います。
「この島の遺跡には、かつての文明の産物である破壊兵器、ゴーレム(石や土などで作られた自動人形)が封印されている!我々には異種族を追い出すための強大な力が必要なのだ!」
「なんだって!?」
「そんなことはさせぬ!」すぐるとリリスは身構えます。
「我々の邪魔をするなら、痛い目にあってもらおう!」ホワイト団が銃や警棒を抜くと、
すぐるは勇者のメダルの力を使い、大きな電撃魔法で集団の敵を迎え撃ち、
リリスも素手による格闘術で、次々にホワイト団員たちを下していきます。
「くそっ!覚えてろ!」ホワイト団員たちは、みな逃げて行きました。
「あっ、石でできた円いメダルがある」すぐるはメダルを拾い上げます。
「おお、これがそのカギなのだな、メガロが言うには、遺跡はこの島の西側にあるそうじゃ!」
森を西へと進んで行くと、木々が晴れて行き、石で造られた壁と柱で出来た遺跡の前に着きました。
「わあ、立派な遺跡だね」
「む?石でできた扉があるぞ・・・!」リリスが石の扉に気づいたその時でした。
「わざわざ遺跡のカギを持ってきてくれたのか、ご苦労なことだ」
「さあ、そのカギを渡してもらおうか!」遺跡の前に二人組のゴブリンが現れると、すぐさま襲い掛かってきました。
それを、すぐるは聖木で作られた杖でナイフを弾き落とし、リリスも左腕で棍棒を防ぎ、右手の毒の爪でゴブリンの腹を突いて下しました。
「待て!そこまでだ!」今度は黒覆面の男が現れたのです。
「ああっ、ファフナー様!」ゴブリンたちが言いました。
「俺の部下たちが世話になったな、さあ、そのカギをよこせ!」
「断る!なぜ、こんなものを必要とするのじゃ!?」リリスが身構えて言います。
「この遺跡の中で眠る破壊兵器ゴーレムの動力源であるエネルギー鉱石、それは我ら帝国に必要だからだ!俺はファフナー、混沌の帝国の幹部候補だ!」
ファフナーは剣を構えて言いました。リリスは右手に炎の魔力を込めてファフナーに挑みかかります。ファフナーも光のオーラを剣に伝えて斬りかかってきます。
リリスは鍛えられた動体視力でファフナーの剣をかわそうとしますが、体のあちこちに赤い筋が出来て行き、最後はふっとばされてしまいました。
「リリス!」今度はすぐるが杖を剣のように構えて向かって行きます。
「お前も悪魔の娘のごとくけちらしてくれる!」すぐるは覇者のメダルの効果で肉体を強化し、
ファフナーの剣を杖で受け止め、すぐるの杖もファフナーの剣で受け止め、両者互角の戦いを展開しています。
しかし、ファフナーがわずかな隙をついて、すぐるの杖を弾き落としてしまいました。
「しまった!」
「勝負はついた!さあ、カギをよこせ!」しかし、すぐるは降参せず、右腰に差してあった短刀を抜き、
今度は生者のメダルの力を使うと、今度はすぐるの全身に風のようなエネルギーが取り巻き、一気にファフナーに向かって行きます。
「ぬっ!は、速い!」すぐるの短刀は、ファフナーの剣の刀身を真っ二つに切断し、ファフナーはその衝撃で吹っ飛ばされました。
「その短刀に、あの杖、もしや・・・!がくっ・・・!」ファフナーはそのまま気を失ってしまいます。
「わあ、生者のメダルで、テイルさんの風の気が使えるようになったぞ・・・!」
「おお、やるではないか!さあ、それで中に入り、ゴーレムを破壊するのじゃ!」
すぐるは扉にあるくぼみに石のメダルをはめ込むと、扉は左右に大きく開いていき、すぐるとリリスは中へと入って行きました。
遺跡の中は薄暗く、部屋の奥には石を組み上げて造られた巨人が立っていました。
「こ、これが破壊兵器ゴーレム・・・!?」すぐるが見上げてゴーレムの無機質な顔をのぞきこむと、ゴーレムの眼が緑色に光って動き出し、すぐる目がけて拳を振り下ろしてきました。
「わあっ!あ、危ない!」すぐるは横に飛びのいてかわします。
「おのれぇ!」リリスも口から炎を吐きだしてゴーレムの顔に浴びせますが、岩石で造られたゴーレムの顔には、焦げ目すらつきません。
「くそっ・・・!」ゴーレムは胸の扉を開けて、その中にある光る石にエネルギーをためはじめます。
「このままじゃ・・・!」まもなく光る石から極太の光線を発射してくると、すぐるたちはぎゅっと目をつむります。もうだめかと思ったその時です。
すぐるが恐る恐る目を開けると、目の前にメガロが現れ、魔力による氷の盾で光線を受け止め、鏡のごとく跳ね返し、ゴーレムの胸の中にある光る石を貫きました。
「む!ヤツが爆発するぞ!早く逃げろ!」メガロがすぐるとリリスを連れて遺跡の外に連れ出すと、ゴーレムは大爆発して、遺跡は大きな音を立てて崩れ去って行きます。
「ふぅ・・・間一髪だったな・・・!」
「メガロさん、ありがとう!」
「・・・お主のおかげで助かったぞ・・・!」
「礼には及ばん・・・!まあなんとか、古代兵器は破壊できた・・・」
「・・・うぬ・・・過ぎた力は人を不幸にすると言うが・・・」
「うん、レムリアンの文明が滅んだのは、やっぱりそういう事なんだね・・・」
すぐるたちが再び世界樹の元に行くと、心なしか、世界樹は元気を取り戻したようです。世界樹の枝が揺れたかと思うと、根元に黒いヤシの実のような世界樹の実が落ちました。
「やった!世界樹の実を手にいれたぞ!きっと、木がお礼を言っているんだ」すぐるとリリスは再びメガロの船に乗り込み、ラグーナ諸島の北島へと帰って行きました。
応援ありがとうございます!
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