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6章 正義の章
ゴーシャの現状
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すぐるたちは、イーストメイン大陸の北側にあるゴーシャ国へたどり着きました。そこは白い石の壁と青い屋根のきれいな建物が目立ち、そこかしこに高貴な服を着た貴族たちが行きかっています。
「ここがゴーシャ国か・・・きれいな町だね・・・」すぐるが言いました。
「確か、ここでは混沌の帝国の本拠地であるナイトロードに行くための大きな船を建造しているはずよ。幻想界世界会議でそう決めたって」
「以前はもっと大勢貴族がいたと思ったんだけど・・・そうか、トランバニア国の方に行ってしまったんだっけ・・・」テイルとカインが辺りを見渡しながら話していると、兵士たちが何やら困った様子で話していました。
「あの、どうかしたんですか・・・?」
「ああ、旅の者か・・・実はこの国では、帝国に対抗すべく、大型船を建造しているのだが、貧民街の代官マモンが高い利子で貴族や平民にお金を貸していて、もし、お金を回収できなければ、建造中の船をいただくと言ってきたんですよ・・・」すぐるは驚きました。
「現実界でも、悪代官が貧しい人々をいじめる話はよくあるんだよな・・・」
「やつのせいで、貧民街の者たちは苦しめられているんだ。その財力に物を言わせてな」すぐるたちは、貴族街の東にある貧民街に行ってみることにしました。
貧民街は、石の壁に藁ぶき屋根の粗末な家々が目立つ町で、その周りを貧しい身なりの人々が行きかっていて、そこから人々の不満を聞くことが出来ました。
「マモンの取立ては厳しいんだ」
「マモンはお金を貸す時、倍の利子をつけて来るんだ!いくら働いても、生活は豊かにならない!」
「しかも、マモンのやつ、生活が豊かにならないのは、おれたちの努力不足だって言って聞かないんだ!」
「でも、冬将軍率いる海賊団シルトが、いけ好かない金持ちどもがいるトランバニアから、金品を奪ってきてくれるから、何とか食いつないでいけるぜ」今の会話を聞いて、すぐるとリリスが言います。
「やっぱり、代官のマモンが悪さをしているみたいだ」
「シルト首領のメガロは、この辺りじゃ、冬将軍と呼ばれておるのか・・・」これにカインとテイルも言いました。
「トランバニアの税金逃れの影響は、ここまで来ているみたいだね」
「まるで、初めてここに来た時に戻ったようね・・・」そうやって行くうちに、ぼろの服を着た女性がすすり泣いているのを見つけ、テイルが話しかけてみました。
「あの・・・どうかなさいました?」ぼろの女性はテイルにすがりつき、こう言いました。
「ああ、私の娘のレナが・・・地主のマモンに、借金のカタにさらわれてしまいました・・・!」詳しい話を聞くために、家の中に入ります。
「ああ・・・ちょっと前までは貧しくとも、夫と娘のレナと一緒にそれなりに幸せな日々を送っていました。しかし、あのマモンがこの一帯の地主になってからと言うもの・・・税の取立てが厳しくなり、それでお金を借りると、倍の利子をつけて取立てに来ます・・・それで、返せないと言うと、娘のレナを借金のカタに・・・ううっ!」それを聞いたテイルは怒りのあまり、体が震えています。
「・・・許せないわ!子供を借金のカタにするなんて・・・!」そばにいたレナの父親も言います。
「連盟のおかげで、隣国トランバニアに貴族たちが集まるようになって、その場所はとても豊かで治安のいい場所になったそうですが、その分のしわ寄せがこちらに来ているみたいです・・・!いくら働いても、家計は赤字続きです・・・!そんな中、メガロさんたちがトランバニアからお金を持ってきてくれて、なんとか生活できているという感じです・・・」これを聞いて、すぐるたちは、話し合い始めました。
「なんてことなの・・・!」
「あのパラダイスレポートに書かれていたことは、真実かもしれないね・・・!」
「この町はメガロのおかげで助かっておるようだの・・・ますますわからぬわ!」
「・・・メガロ・・・シルト・・・そうだ!もし、シルトの財宝が本当にあるのなら、この危機を救えるかもしれない!」こうしてすぐるたちは、北のミューダス国を目指して、船着き場から船に乗って行きました。
「ここがゴーシャ国か・・・きれいな町だね・・・」すぐるが言いました。
「確か、ここでは混沌の帝国の本拠地であるナイトロードに行くための大きな船を建造しているはずよ。幻想界世界会議でそう決めたって」
「以前はもっと大勢貴族がいたと思ったんだけど・・・そうか、トランバニア国の方に行ってしまったんだっけ・・・」テイルとカインが辺りを見渡しながら話していると、兵士たちが何やら困った様子で話していました。
「あの、どうかしたんですか・・・?」
「ああ、旅の者か・・・実はこの国では、帝国に対抗すべく、大型船を建造しているのだが、貧民街の代官マモンが高い利子で貴族や平民にお金を貸していて、もし、お金を回収できなければ、建造中の船をいただくと言ってきたんですよ・・・」すぐるは驚きました。
「現実界でも、悪代官が貧しい人々をいじめる話はよくあるんだよな・・・」
「やつのせいで、貧民街の者たちは苦しめられているんだ。その財力に物を言わせてな」すぐるたちは、貴族街の東にある貧民街に行ってみることにしました。
貧民街は、石の壁に藁ぶき屋根の粗末な家々が目立つ町で、その周りを貧しい身なりの人々が行きかっていて、そこから人々の不満を聞くことが出来ました。
「マモンの取立ては厳しいんだ」
「マモンはお金を貸す時、倍の利子をつけて来るんだ!いくら働いても、生活は豊かにならない!」
「しかも、マモンのやつ、生活が豊かにならないのは、おれたちの努力不足だって言って聞かないんだ!」
「でも、冬将軍率いる海賊団シルトが、いけ好かない金持ちどもがいるトランバニアから、金品を奪ってきてくれるから、何とか食いつないでいけるぜ」今の会話を聞いて、すぐるとリリスが言います。
「やっぱり、代官のマモンが悪さをしているみたいだ」
「シルト首領のメガロは、この辺りじゃ、冬将軍と呼ばれておるのか・・・」これにカインとテイルも言いました。
「トランバニアの税金逃れの影響は、ここまで来ているみたいだね」
「まるで、初めてここに来た時に戻ったようね・・・」そうやって行くうちに、ぼろの服を着た女性がすすり泣いているのを見つけ、テイルが話しかけてみました。
「あの・・・どうかなさいました?」ぼろの女性はテイルにすがりつき、こう言いました。
「ああ、私の娘のレナが・・・地主のマモンに、借金のカタにさらわれてしまいました・・・!」詳しい話を聞くために、家の中に入ります。
「ああ・・・ちょっと前までは貧しくとも、夫と娘のレナと一緒にそれなりに幸せな日々を送っていました。しかし、あのマモンがこの一帯の地主になってからと言うもの・・・税の取立てが厳しくなり、それでお金を借りると、倍の利子をつけて取立てに来ます・・・それで、返せないと言うと、娘のレナを借金のカタに・・・ううっ!」それを聞いたテイルは怒りのあまり、体が震えています。
「・・・許せないわ!子供を借金のカタにするなんて・・・!」そばにいたレナの父親も言います。
「連盟のおかげで、隣国トランバニアに貴族たちが集まるようになって、その場所はとても豊かで治安のいい場所になったそうですが、その分のしわ寄せがこちらに来ているみたいです・・・!いくら働いても、家計は赤字続きです・・・!そんな中、メガロさんたちがトランバニアからお金を持ってきてくれて、なんとか生活できているという感じです・・・」これを聞いて、すぐるたちは、話し合い始めました。
「なんてことなの・・・!」
「あのパラダイスレポートに書かれていたことは、真実かもしれないね・・・!」
「この町はメガロのおかげで助かっておるようだの・・・ますますわからぬわ!」
「・・・メガロ・・・シルト・・・そうだ!もし、シルトの財宝が本当にあるのなら、この危機を救えるかもしれない!」こうしてすぐるたちは、北のミューダス国を目指して、船着き場から船に乗って行きました。
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