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第26話 進展
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剣聖セシルとの死闘の後、
しばらくして王国騎士団の父上を始め、
魔法学園まで同行した宮廷魔術師が現れる。
「申し訳ありません、シャルロット殿下……
敵の侵入を許し、更に到着が遅れました」
父上は深々と謝罪する。
陽動作戦により敵の術中に嵌められたのだ。
「相手も準備を尽くしていた……
これからの防衛策を考えましょう」
シャルロットは父上にセシルの襲撃と、
更に俺達によって撃退したと伝える。
「ま、まさかそんなことに」
父上は俺達が立てた功績に驚き目を見開いた。
「ところで、リーベルトはどうなった?」
「奴の屋敷に行った所、
既に国外へと逃亡した後でした」
「そうか……」
リーベルト伯爵は敵国と内通していた。
国内の魔法知識を少しずつ流して、
最後は学園も破壊して逃げたのだ。
更に魔法学園は崩壊してしまい、
それがルミナスの打撃となる。
「陛下に相談しなければならないな……
それにクリスのスキルの件もある」
シャルロットは国王に報告するため、
この場を立ち去った。
「父上……」
「クリス、よく守ってくれた!
王国騎士団の副隊長として感謝する。
そして到着が遅れて申し訳ない」
役職が副団長だったのにも驚いたが、
初めて父が頭を下げる姿を見て、
その姿に困惑してしまう。
「や、やめてください父上」
「そ、そうです、私達は、
父上の訓練のおかげで勝てたのです」
アリスも相当動揺している。
それだけに父が子供達に頭を下げるのは、
レガード家では異常なのだ。
「ゲイル」
「マリア殿下」
「貴方の親族、そして部下に、
私の命は救われました……
感謝をしても仕切れないのは私ですよ?」
「そ、そんな滅相もない」
今度は父上が焦り出す。
今日は珍しい一面が垣間見えた。
「ゲイル、俺には酒を奢れよ」
「分かった……奢る」
その言葉を聞き、カートさんは笑顔になると、
俺たちに挨拶を言い、この場を去った。
「あの、副隊長!
私も!私も!」
「分かった……奢ってやる」
「やった!!おいお前ら!
副隊長が、何でも奢ってくれるぞ!」
そこに居合わせる騎士4名も喜び合う。
「お、おい!」
兵士全員が生還して父上は安堵していた。
城門付近の兵士達の中で重症者がいたが、
宮廷魔術師達によって、
何とか一命は取り留めたようだ。
「ちょっと良いかな?」
「は、はい」
すると俺に声をかけてきた人物がいる。
装いからしても宮廷魔術師の人だ。
「私の名前はフィリア、
宮廷魔術師の1人よ!
貴方達が、クレア様の……」
「は、はじめまして、
クリスと申します」
「私はアリスです」
フィリアは茶色の髪色で20代前半の女性。
眼鏡をかけていて知的な印象だ。
「フィリアはな、クレアの弟子なんだ」
「え?母上の弟子?」
俺もアリスも動揺を隠せない。
初めて聞く弟子という存在。
今まで交流も無かったのは何故だろう。
「ごめんなさいね……
クレア様が亡くなられたのが辛くてね…
貴方達に会えなかったのよ」
「そうだったのですか」
「でも、凄いわね
まさかあのセシルを退けるなんて」
「いえいえ、皆さんのおかげです
本当に全員で勝ち取ったと思います」
思い返すと皆んなで勝ち取った勝利だ。
シャルロット、キャロル、カート、アリス、
ベル、そして俺やマリアもだ。
1人でも欠けていたら全滅していた……
「ふふ、クレア様の息子とは思えないわね」
フィリアは昔を思い出すかのように笑う。
「え?」
「クレア様なら、当たり前だろう!
何せ私が戦ったんだ!
って感じで言ってたわね」
「あぁ、クレアなら言いかねないな」
父上は昔を思い出しながら言う。
「クリス君、今度宮廷魔術師の訓練所に、
遊びにいらっしゃい。
もちろん、アリスちゃんもね」
「え?良いんですか?」
素直に母上がいた場所に興味がある。
今度、俺とアリスで寄らせてもらおう。
そしてフィリアもこれから陛下のところに行くと言い、この場から立ち去った。
「ゲイル、クリスの魔法訓練なのだけど、
今後もずっと私が担当したいのですが」
フィリアが去った後に、
マリアが父上に提案し始める。
「私は大丈夫ですが、
今後もずっと、という事は、
陛下にお願いをされるという事ですね?」
「この後、正式に伝えようかと」
父上は、俺とマリアを交互に見て、
納得した表情を浮かべる。
「まだまだ未熟な若造ですが、
宜しくお願い致します」
俺は自分のことなのだが、
勝手に話が進んでおり、
全く頭が追いついて行かない……
「えーと、どういう事でしょうか?」
「馬鹿者!
後で教えてやるから今は黙ってなさい」
父上にキリッと睨まれ、焦ってしまう。
なぜかアリスも隣で俺を冷ややかな目で見ていた。
「では、クリス、また後で会いましょう
たぶん今日中に謁見あると思うので」
そしてマリアも準備がある為、私室へ向かった。
俺はその後ろ姿を見ながら少し寂しく思う。
「今日、この後に謁見なんだね」
「これだけ大ごとだからな」
そのため皆んなは忙しいのか、
カートもキャロルも持ち場に戻っている。
そして父上は続けて口を開いた。
「クリスよ、お前の功績は大きい!
お前をめぐる貴族間の争いもあるかもな」
「その中でマリア殿下は、公的な立場で、
お前は私のものと宣言すると誓ったのだ!
まあ色々苦労もあるだろうが覚悟しろよ」
へ?どう言うこと?
ただの訓練ではないのか……
「陛下にお願いするのは、そう言う事だ!
お前を王家に取り込むよう働きかけるのだよ!
その建前だよ、訓練は」
「えええええええええ」
「当たり前だろう!
王家側に付く者だからこそ、
訓練とはいえ永久に城に入れるのだ」
俺は前世で見たテレビ番組を思い出した。
その番組では、結婚した夫婦が、
幸せそうに肩を寄り添い合っていた。
進む時は恐ろしいくらいに早く進むと言っていたのを思い出した……
「いきなり過ぎて頭が」
「貴族とはそういうものだ……
マリア殿下はお前を大切にしたいのだ!
その気持ちを裏切るなよ」
父上はそう言い残し、立ち去った。
「お兄様、今からアリスと、
逃避行されますか?」
「い、いや陛下の謁見は、
受けないとヤバいだろう」
「ア、アリスのお兄様が……」
ひとまず謁見は覚悟して臨まなければならない。
この後、初めて会う陛下に予想を遥かに上回る提案をされるとは思わなかったのだった……
しばらくして王国騎士団の父上を始め、
魔法学園まで同行した宮廷魔術師が現れる。
「申し訳ありません、シャルロット殿下……
敵の侵入を許し、更に到着が遅れました」
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陽動作戦により敵の術中に嵌められたのだ。
「相手も準備を尽くしていた……
これからの防衛策を考えましょう」
シャルロットは父上にセシルの襲撃と、
更に俺達によって撃退したと伝える。
「ま、まさかそんなことに」
父上は俺達が立てた功績に驚き目を見開いた。
「ところで、リーベルトはどうなった?」
「奴の屋敷に行った所、
既に国外へと逃亡した後でした」
「そうか……」
リーベルト伯爵は敵国と内通していた。
国内の魔法知識を少しずつ流して、
最後は学園も破壊して逃げたのだ。
更に魔法学園は崩壊してしまい、
それがルミナスの打撃となる。
「陛下に相談しなければならないな……
それにクリスのスキルの件もある」
シャルロットは国王に報告するため、
この場を立ち去った。
「父上……」
「クリス、よく守ってくれた!
王国騎士団の副隊長として感謝する。
そして到着が遅れて申し訳ない」
役職が副団長だったのにも驚いたが、
初めて父が頭を下げる姿を見て、
その姿に困惑してしまう。
「や、やめてください父上」
「そ、そうです、私達は、
父上の訓練のおかげで勝てたのです」
アリスも相当動揺している。
それだけに父が子供達に頭を下げるのは、
レガード家では異常なのだ。
「ゲイル」
「マリア殿下」
「貴方の親族、そして部下に、
私の命は救われました……
感謝をしても仕切れないのは私ですよ?」
「そ、そんな滅相もない」
今度は父上が焦り出す。
今日は珍しい一面が垣間見えた。
「ゲイル、俺には酒を奢れよ」
「分かった……奢る」
その言葉を聞き、カートさんは笑顔になると、
俺たちに挨拶を言い、この場を去った。
「あの、副隊長!
私も!私も!」
「分かった……奢ってやる」
「やった!!おいお前ら!
副隊長が、何でも奢ってくれるぞ!」
そこに居合わせる騎士4名も喜び合う。
「お、おい!」
兵士全員が生還して父上は安堵していた。
城門付近の兵士達の中で重症者がいたが、
宮廷魔術師達によって、
何とか一命は取り留めたようだ。
「ちょっと良いかな?」
「は、はい」
すると俺に声をかけてきた人物がいる。
装いからしても宮廷魔術師の人だ。
「私の名前はフィリア、
宮廷魔術師の1人よ!
貴方達が、クレア様の……」
「は、はじめまして、
クリスと申します」
「私はアリスです」
フィリアは茶色の髪色で20代前半の女性。
眼鏡をかけていて知的な印象だ。
「フィリアはな、クレアの弟子なんだ」
「え?母上の弟子?」
俺もアリスも動揺を隠せない。
初めて聞く弟子という存在。
今まで交流も無かったのは何故だろう。
「ごめんなさいね……
クレア様が亡くなられたのが辛くてね…
貴方達に会えなかったのよ」
「そうだったのですか」
「でも、凄いわね
まさかあのセシルを退けるなんて」
「いえいえ、皆さんのおかげです
本当に全員で勝ち取ったと思います」
思い返すと皆んなで勝ち取った勝利だ。
シャルロット、キャロル、カート、アリス、
ベル、そして俺やマリアもだ。
1人でも欠けていたら全滅していた……
「ふふ、クレア様の息子とは思えないわね」
フィリアは昔を思い出すかのように笑う。
「え?」
「クレア様なら、当たり前だろう!
何せ私が戦ったんだ!
って感じで言ってたわね」
「あぁ、クレアなら言いかねないな」
父上は昔を思い出しながら言う。
「クリス君、今度宮廷魔術師の訓練所に、
遊びにいらっしゃい。
もちろん、アリスちゃんもね」
「え?良いんですか?」
素直に母上がいた場所に興味がある。
今度、俺とアリスで寄らせてもらおう。
そしてフィリアもこれから陛下のところに行くと言い、この場から立ち去った。
「ゲイル、クリスの魔法訓練なのだけど、
今後もずっと私が担当したいのですが」
フィリアが去った後に、
マリアが父上に提案し始める。
「私は大丈夫ですが、
今後もずっと、という事は、
陛下にお願いをされるという事ですね?」
「この後、正式に伝えようかと」
父上は、俺とマリアを交互に見て、
納得した表情を浮かべる。
「まだまだ未熟な若造ですが、
宜しくお願い致します」
俺は自分のことなのだが、
勝手に話が進んでおり、
全く頭が追いついて行かない……
「えーと、どういう事でしょうか?」
「馬鹿者!
後で教えてやるから今は黙ってなさい」
父上にキリッと睨まれ、焦ってしまう。
なぜかアリスも隣で俺を冷ややかな目で見ていた。
「では、クリス、また後で会いましょう
たぶん今日中に謁見あると思うので」
そしてマリアも準備がある為、私室へ向かった。
俺はその後ろ姿を見ながら少し寂しく思う。
「今日、この後に謁見なんだね」
「これだけ大ごとだからな」
そのため皆んなは忙しいのか、
カートもキャロルも持ち場に戻っている。
そして父上は続けて口を開いた。
「クリスよ、お前の功績は大きい!
お前をめぐる貴族間の争いもあるかもな」
「その中でマリア殿下は、公的な立場で、
お前は私のものと宣言すると誓ったのだ!
まあ色々苦労もあるだろうが覚悟しろよ」
へ?どう言うこと?
ただの訓練ではないのか……
「陛下にお願いするのは、そう言う事だ!
お前を王家に取り込むよう働きかけるのだよ!
その建前だよ、訓練は」
「えええええええええ」
「当たり前だろう!
王家側に付く者だからこそ、
訓練とはいえ永久に城に入れるのだ」
俺は前世で見たテレビ番組を思い出した。
その番組では、結婚した夫婦が、
幸せそうに肩を寄り添い合っていた。
進む時は恐ろしいくらいに早く進むと言っていたのを思い出した……
「いきなり過ぎて頭が」
「貴族とはそういうものだ……
マリア殿下はお前を大切にしたいのだ!
その気持ちを裏切るなよ」
父上はそう言い残し、立ち去った。
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逃避行されますか?」
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