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第32話 誘惑
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前世で彼女など出来たことは一度もない…
そして初めて想いを交わしたのはマリアだ。
この状況、どうして良いのか分からない。
生きてきた中でも最大の危機?を迎えようとしている…
フィリアによりベッドに押し倒され、
俺はうつ伏せになり倒れている。
そして、その上から抱きしめられている。
「クリス君……
私、寂しかったの……」
「は、はい…」
あの、退いてほしい。
いきなり真剣な空気になってしまって、
切り出すタイミングを逃してしまった…
「クリス君、成長するとクレア様に
本当に似てるから…」
「へ?」
獣王剣で姿を変えると母上に似てるのか。
俺は小さすぎて母上の顔は薄らとしか覚えていない。
俺は母上の事を言われると少し気になってしまう。
しかし、酔っているのか覚めているのか分からないフィリアが更にキツく抱きしめてきた。
「クリス君……
どこにも、行かないで…」
フィリアは泣きながら悲痛な声で言い始める
しかし、フィリアの身体の感触が全て伝わってしまい、それどころではない。
うわあああ
ヤバい…
このままでは…
このまま……では…
「大丈夫だから、どこにも行きませんから、
と、とりあえず離れましょう…
ねっ!」
「クリス君、良かった…」
大丈夫、どこにも行かない。
その言葉だけがフィリアに伝わり、
その後のフレーズは聞こえなくなってしまったようだ。
「はぁ……クリス君……」
くそ……
どうにか退かせる手は無いのか、
すると、俺の頭にフレーズが一言浮かぶ。
「お、重いです。
退いてください…」
「へ?酷いよ…
クリス君、ぐす……」
俺は選択を誤ってしまったのだ。
泣き始めるフィリア。
あああああ
もう埒が開かない…
正直に言おう…
「ど、退いてください…
胸が当たってるんです…」
「へ?」
「………」
「クリス君のえっち…」
そう言いながら文句を言うフィリア。
ようやく離れてくれた……
最初から正直に言えば良かったと心から後悔をしたのだった。
つ、疲れた。
何とか乗り切った。
マリア、俺は勝った!
そして俺は宿屋の自分の部屋へと向かった。
初日からこのドタバタ劇にとても不安を感じてしまうのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
自分の部屋に戻ってすぐに寝ようと思っていたが、オーク退治から深夜まで色々あり悶々としてしまい寝付けなかった。
「災難な1日だった…」
魔力などは昨日の夜に休憩スキルを使っているため、回復している。
しかし眠れなかったのと心労の影響で疲れが溜まっていたのだろう。
久しぶりにスキルの確認をしようと思い立ち、鑑定の腕輪を使用する。
名前:クリス・レガード Lv.32
MP:1300
取得スキル:
休憩 Lv.2
獣王剣Lv.9
覇王Lv.1
強化格闘術Lv.3←new
取得魔法:火魔法Lv.2
回復魔法Lv.2
水魔法Lv.3←new
ああああ。
やっぱり取得してしまったか!
嬉しいけど、何故かマリアに申し訳なく思ってしまう。
今日取得したスキルのレベルが高いのは休憩Lv.2の効果か…
そういえば強化格闘術は魔力消費型のスキルだったのか。
「あ!クリス君、おはよう」
「フィ、フィリアさん!」
俺は急に声をかけられて動揺してしまう。
気のせいか顔が熱い…
昨夜の事を思い出してしまう。
「どうかしたの?」
「へ?」
何かあったのかフィリアが尋ねてくるが、
まさかフィリア自身が原因とは全く思ってもいない。
「フィリアさん、昨日の夜にあった事、
覚えてないの?」
「え?何のこと?」
全く忘れているのか…
これから、フィリアにはお酒を飲ませ過ぎたら駄目だな。
「ま、ま、まさかクリス君に迷惑かけた?」
フィリアはかなり焦っている。
過去に飲んで記憶がなくなったことはあったのだろう。
「いえ、僕も悪いとは思ってますから」
「ご、ごめんなさい!」
かなり謝ってきている。
逆に俺も色々と申し訳なくなってくる。
「あの、それはもう良いのですが、
僕もスキルを覚えさせてもらったので、
この話しはこれで終わりにしましょう!」
「へ?スキル?」
そして俺は休憩スキルの特性を伝えた。
昨日のオーク戦から魔力を送り休憩スキルを使った事で強化格闘術と水魔法を得た事を伝える。
「な、な、なんてズルいの!」
「まあ、そう思いますよね……」
フィリアの年単位の努力を一瞬にして、
コピーしてしまうのである。
嫉妬心も芽生えるだろう。
「昨日はフィリアさんが水魔法を連発、
たまに強化格闘術で攻撃されたので、
俺も力を得られたのだと思います」
「そうか、それなら好都合ね!
修行の時は私の戦闘スタイルで、
訓練しましょう」
フィリアは、完全に同じスタイルで訓練した方が見本として目指しやすいとアドバイスする。
「そうか、基本スタイルをフィリアさんと
同じにすれば、確かに昨日のオーク退治
みたいに戦えますね」
そして俺たちは急ぎの旅でもあるため、
早朝に馬車で出発する。
だが街の危機を救った命の恩人だ。
沢山の住人が集まり感謝を述べつつも、
食料や衣類を渡していく。
そして次の町へと旅立っていく。
まだまだ道のりは遠い。
「フィリアさん、
凄い荷物になっちゃいましたね…」
「こ、こんなに貰えると思わなかったわね」
「フィリアさん、でもお酒の飲み過ぎは、
駄目ですからね!」
「わ、分かってるわよ~」
そう言って、俺はフィリアをからかう。
気づいてみればルミナスを出発をする前よりも距離は近づいたのかもしれない。
「ねぇクリス君…
貴方はクレア様の事は覚えてないの?」
「母上ですか?
俺は薄らとしか覚えてないのですが…
とても優しかった気がしますね…」
フィリアは馬車を運転しながら少し遠くを見つめる。
昔を思い出しているのだろうか…
「生前にね、私にこんな事を言ったわ…
どうしても大切な人が出来たら、
必ず貴方の力で守り抜きなさいってね。」
「母上がそんな事を…」
「だから、私は貴方を守ってみせるわ…
クリス君の師匠としてね…」
フィリアは過去に誓ったクレアとの約束を思い出し、俺に宣言した。
もう二度と自分の前からいなくならないでほしい。
昨日の夜に聞いた言葉を思い出してしまう。
それは悲痛にも感じる言葉だった。
「フィリアさん…」
「まだまだ弟子には負けないわよ」
フィリアさんは今までで一番輝く笑顔を俺に向ける。
その笑顔に一瞬だが俺は見惚れてしまう。
今見せた表情が本当の彼女の魅力なのかもしれない。
まだまだ旅は始まったばかり。
でも、俺のたった一人の師匠から沢山の事を学べるはずだ。
そしてそれは俺にとって大切なものになるのだろう。
そして初めて想いを交わしたのはマリアだ。
この状況、どうして良いのか分からない。
生きてきた中でも最大の危機?を迎えようとしている…
フィリアによりベッドに押し倒され、
俺はうつ伏せになり倒れている。
そして、その上から抱きしめられている。
「クリス君……
私、寂しかったの……」
「は、はい…」
あの、退いてほしい。
いきなり真剣な空気になってしまって、
切り出すタイミングを逃してしまった…
「クリス君、成長するとクレア様に
本当に似てるから…」
「へ?」
獣王剣で姿を変えると母上に似てるのか。
俺は小さすぎて母上の顔は薄らとしか覚えていない。
俺は母上の事を言われると少し気になってしまう。
しかし、酔っているのか覚めているのか分からないフィリアが更にキツく抱きしめてきた。
「クリス君……
どこにも、行かないで…」
フィリアは泣きながら悲痛な声で言い始める
しかし、フィリアの身体の感触が全て伝わってしまい、それどころではない。
うわあああ
ヤバい…
このままでは…
このまま……では…
「大丈夫だから、どこにも行きませんから、
と、とりあえず離れましょう…
ねっ!」
「クリス君、良かった…」
大丈夫、どこにも行かない。
その言葉だけがフィリアに伝わり、
その後のフレーズは聞こえなくなってしまったようだ。
「はぁ……クリス君……」
くそ……
どうにか退かせる手は無いのか、
すると、俺の頭にフレーズが一言浮かぶ。
「お、重いです。
退いてください…」
「へ?酷いよ…
クリス君、ぐす……」
俺は選択を誤ってしまったのだ。
泣き始めるフィリア。
あああああ
もう埒が開かない…
正直に言おう…
「ど、退いてください…
胸が当たってるんです…」
「へ?」
「………」
「クリス君のえっち…」
そう言いながら文句を言うフィリア。
ようやく離れてくれた……
最初から正直に言えば良かったと心から後悔をしたのだった。
つ、疲れた。
何とか乗り切った。
マリア、俺は勝った!
そして俺は宿屋の自分の部屋へと向かった。
初日からこのドタバタ劇にとても不安を感じてしまうのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
自分の部屋に戻ってすぐに寝ようと思っていたが、オーク退治から深夜まで色々あり悶々としてしまい寝付けなかった。
「災難な1日だった…」
魔力などは昨日の夜に休憩スキルを使っているため、回復している。
しかし眠れなかったのと心労の影響で疲れが溜まっていたのだろう。
久しぶりにスキルの確認をしようと思い立ち、鑑定の腕輪を使用する。
名前:クリス・レガード Lv.32
MP:1300
取得スキル:
休憩 Lv.2
獣王剣Lv.9
覇王Lv.1
強化格闘術Lv.3←new
取得魔法:火魔法Lv.2
回復魔法Lv.2
水魔法Lv.3←new
ああああ。
やっぱり取得してしまったか!
嬉しいけど、何故かマリアに申し訳なく思ってしまう。
今日取得したスキルのレベルが高いのは休憩Lv.2の効果か…
そういえば強化格闘術は魔力消費型のスキルだったのか。
「あ!クリス君、おはよう」
「フィ、フィリアさん!」
俺は急に声をかけられて動揺してしまう。
気のせいか顔が熱い…
昨夜の事を思い出してしまう。
「どうかしたの?」
「へ?」
何かあったのかフィリアが尋ねてくるが、
まさかフィリア自身が原因とは全く思ってもいない。
「フィリアさん、昨日の夜にあった事、
覚えてないの?」
「え?何のこと?」
全く忘れているのか…
これから、フィリアにはお酒を飲ませ過ぎたら駄目だな。
「ま、ま、まさかクリス君に迷惑かけた?」
フィリアはかなり焦っている。
過去に飲んで記憶がなくなったことはあったのだろう。
「いえ、僕も悪いとは思ってますから」
「ご、ごめんなさい!」
かなり謝ってきている。
逆に俺も色々と申し訳なくなってくる。
「あの、それはもう良いのですが、
僕もスキルを覚えさせてもらったので、
この話しはこれで終わりにしましょう!」
「へ?スキル?」
そして俺は休憩スキルの特性を伝えた。
昨日のオーク戦から魔力を送り休憩スキルを使った事で強化格闘術と水魔法を得た事を伝える。
「な、な、なんてズルいの!」
「まあ、そう思いますよね……」
フィリアの年単位の努力を一瞬にして、
コピーしてしまうのである。
嫉妬心も芽生えるだろう。
「昨日はフィリアさんが水魔法を連発、
たまに強化格闘術で攻撃されたので、
俺も力を得られたのだと思います」
「そうか、それなら好都合ね!
修行の時は私の戦闘スタイルで、
訓練しましょう」
フィリアは、完全に同じスタイルで訓練した方が見本として目指しやすいとアドバイスする。
「そうか、基本スタイルをフィリアさんと
同じにすれば、確かに昨日のオーク退治
みたいに戦えますね」
そして俺たちは急ぎの旅でもあるため、
早朝に馬車で出発する。
だが街の危機を救った命の恩人だ。
沢山の住人が集まり感謝を述べつつも、
食料や衣類を渡していく。
そして次の町へと旅立っていく。
まだまだ道のりは遠い。
「フィリアさん、
凄い荷物になっちゃいましたね…」
「こ、こんなに貰えると思わなかったわね」
「フィリアさん、でもお酒の飲み過ぎは、
駄目ですからね!」
「わ、分かってるわよ~」
そう言って、俺はフィリアをからかう。
気づいてみればルミナスを出発をする前よりも距離は近づいたのかもしれない。
「ねぇクリス君…
貴方はクレア様の事は覚えてないの?」
「母上ですか?
俺は薄らとしか覚えてないのですが…
とても優しかった気がしますね…」
フィリアは馬車を運転しながら少し遠くを見つめる。
昔を思い出しているのだろうか…
「生前にね、私にこんな事を言ったわ…
どうしても大切な人が出来たら、
必ず貴方の力で守り抜きなさいってね。」
「母上がそんな事を…」
「だから、私は貴方を守ってみせるわ…
クリス君の師匠としてね…」
フィリアは過去に誓ったクレアとの約束を思い出し、俺に宣言した。
もう二度と自分の前からいなくならないでほしい。
昨日の夜に聞いた言葉を思い出してしまう。
それは悲痛にも感じる言葉だった。
「フィリアさん…」
「まだまだ弟子には負けないわよ」
フィリアさんは今までで一番輝く笑顔を俺に向ける。
その笑顔に一瞬だが俺は見惚れてしまう。
今見せた表情が本当の彼女の魅力なのかもしれない。
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