休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

文字の大きさ
42 / 182

第42話 母親

しおりを挟む
燃えたぎる炎が少しずつ収まり、
周りを囲っていた炎の牢獄が少しずつ消滅していく…


クレアは目の前の炎に飛び込めず、
胸が張り裂けそうな思いだった。
そして何故かクリスを絶対に失ってはいけないと強く思っている。


そして徐々に炎の牢獄が消えて、
隙間からクリスの姿が見えてくると、
クレアは我慢出来ずに走り出していた。


「クリス!」


気付いたら俺は母親に抱きしめられていた…
過去に抱きしめらた記憶は、幼すぎて覚えていない。
だが二度と会えないと思っていた母親に抱きしめられている。
こうして触れ合っている事が無性に嬉しくて、気づけば瞳は涙で溢れていた…


母上…


「ば、ばか……心配させるな…」


「クレアさん」


一瞬、母上と言いかけるが言葉を飲み込む…
本当は打ち明けたい…
でも、もし理解されずに離れてしまうことの方が今は辛い。
そう思ってしまう…


「お前が生きていてくれて…
 本当に、良かった…」


母上は涙声で伝えてくれた。
その言葉を聞いた瞬間に、母親に自分の存在を認められた気がして涙が出てくる…


「クレアさん、ありがとうございます…」


「な、なんでお前が感謝するんだ…
 私の方が言わなければだろう…」


「え?」


「お前こそ、イフリートを倒し、
 私たちを救ったじゃないか…」


そうか、母上とユーリを守れたんだよな…
今でもまだ信じられない…


「そうでしたね…
 でも、偶然、相性が良かっただけで…」


母上と抱き合っていると、
遅れてユーリも到着した…


「くりじゅー」


すごい顔でユーリが到着する。
涙と鼻水で洪水のようだ。
ユーリも俺を心配してくれたのかな。


でも、俺はそんなユーリの顔を見て、
面白くて吹き出してしまった。



「ふふふ、あはははは」


「ひどいよ…くりす…」



ユーリはせっかく心配してるのに、
笑われて拗ねている。
いつものユーリと違って、
このような表情もとても可愛らしい。


あれから俺達はイフリートと契約をすることになった。
契約の腕輪を母上が所持していたため、
その場で契約できたのだ。
その後、イフリートは精霊界へと去っていった。



そしてようやく、精霊の森を抜ける。
思えば色々あった森だが、うまく切り抜けることが出来た。


「やっと抜けた~」


森を抜けると少し上り坂だが、遠くに村が見える。
待ちに待った村にユーリは、我慢が出来なくなり走り出した。



「あ、あねご!
 ちょっと偵察に行ってくる…」


ユーリはお腹が空きすぎて限界なのだ。
森に入ってから半日以上は経っている。
俺一緒に食べた串焼きや、喫茶店での食事は、
とっくに消化し終わっている。



「転ぶなよ~」



ユーリは、先に走り出してしまい、
少しの間、母上と二人きりになる。


「クリス…
 ありがとうな…」


「え?」


「ユーリのことだよ…
 友達になってくれて…」


ユーリに友達は一人もいなかった。
【魔女】が原因なのか、
ユーリから親しい者も去っていった。


「俺も楽しいですから…
 ユーリと一緒にいると…」


「クリス…」


「もちろん、クレアさんもですよ…」


急に自分に向けて言われると思っていなかったのか、一瞬驚いた素振りを見せるが、
俺に向けて優しい笑顔を向ける。


「あぁ…私もだよ…
 クリス…」


その笑顔に俺は見惚れてしまう。
母上は、美しい容姿をしているが、
それだけでなく、その笑顔に母性を感じたのかもしれない。


アリスにも会わせたら、
きっと喜ぶだろうな…



「おーい!あねご、クリス!
 お団子無くなるぞ~」



村に入って、団子の在庫をチェックしたユーリが大声で叫ぶ。



「本当食いしん坊なやつだ…」


母上は、夢中になっているユーリを見て自然と笑顔になっている。


「さあ、俺たちも行きましょう!
 団子なくなりますからね」




母上と一緒にユーリの元へと駆けていく…



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



この村は山の麓に位置しているだけあって、
登山客や冒険者が多い。


「おい、あいつ閃光のクレアだぜ…」


早速、母上の噂話が聞こえてくる。
本当にどこでもその名が轟いているんだな…


俺たちは今、団子屋のベンチに座って、
仲良く3人で団子を食べている。
ちなみにユーリは目を星のように輝かせている。


少しずつ見物人が増え始めて、
母上の眉間に皺がよる…
だがせっかくユーリが幸せそうに団子を頬張っているのに、邪魔してやりたくない。
母上は必死に我慢しているようだ。


そんな中、人混みをくぐり抜けて、
俺たちに向かってくる人物がいた。



「よお!クレア」



「お、おまえは……
 カートじゃないか……」




まさか、俺は麓の村でカートに出会うとは思っていなかった。
10年前のカートはあまり変わっていなくて、吹き出しそうになる。


カートおじさん…
10年前もおじさんじゃないか…


「クレア、これからどこに向かうんだ?」


「この先の山に登るのだが…」


「そりゃあ、良い!
 俺も同行させてくれ!」


母上の実力は規格外だ。
敵にしてしまえば、一瞬で光の剣の犠牲になるだろう。
しかし仲間であるなら話は違う。
一緒に同行できるならば、道中の安全は約束されたようなものだ。


「お、おい…」


「俺一人だけだと心許なくてな…
 お礼に夕飯はなんでもご馳走するぞ…」


「な、何だと…」


どうやら母上はユーリへの奢りを心配していたようだ。
ユーリは大食らいだ。
過去の逸話で、店にある食材を食べ尽くしたと聞いた。
何でも奢ると言ったのを後悔しているのかもしれない。


「わ、わかった…
 お前の同行を許可する…」


「あねご、奢りに負けやしたね…」


ユーリがジト目で母上を見ると、
母上は少し頬を赤くして反論する。


「う、うるさい…
 こいつが何でも奢ってやると言ったのだ…
 ユーリも遠慮せず食いまくれ…」


「な、何と!あねごから、
 真の力を解放する許可がおりた!」


ユーリはその言葉に目を輝かせているが、
俺はこの後のカートさんのボーナスを心配した。
一瞬で消え去ってしまうだろう。


「おまえ、見ない顔だな…」


「はじめまして、クリスと申します…」


「俺はカートだ…
 そこのクレアと同じルミナスに所属する。
 俺は騎士団だがな」


挨拶を終えて、野次馬もかなり集まってきたので俺達は移動する事にした。
ユーリの待ちに待った夕食の時間。
食事処へと向かっていく…


俺はカートおじさんが好きだ…
普段であれば会うことが出来て物凄く嬉しいだろう。
だが、この時代では会いたくなかった…
何故なら、母上の死を目にしたのがカートさんなのだ。
俺達の旅は少しずつ終わりに向かっているのかもしれない…
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

DIYと異世界建築生活〜ギャル娘たちとパパの腰袋チート

みーくん
ファンタジー
気づいたら異世界に飛ばされていた、おっさん大工。 唯一の武器は、腰につけた工具袋—— …って、これ中身無限!?釘も木材もコンクリも出てくるんだけど!? 戸惑いながらも、拾った(?)ギャル魔法少女や謎の娘たちと家づくりを始めたおっさん。 土木工事からリゾート開発、果てはダンジョン探索まで!? 「異世界に家がないなら、建てればいいじゃない」 今日もおっさんはハンマー片手に、愛とユーモアと魔法で暮らしをDIY! 建築×育児×チート×ギャル “腰袋チート”で異世界を住みよく変える、大人の冒険がここに始まる! 腰活(こしかつっ!)よろしくお願いします

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...