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第69話 妹
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俺たちはレガードの屋敷に帰ってきた。
そして今は父上の書斎に呼び出されている。
父は王国騎士団に報告に向かい、俺達のすぐ後に帰宅した。
「改めてだが、
よく戻ってくれたな…」
「父上、やっと…
家に帰れました…」
父上は俺の声を聞き優しい表情に変わる…
そして俺は幼い妹について話をしていく。
「驚きました…
俺に妹が出来ていたなんて…」
「ん?そうか、お前の世界では、
リリスは産まれていなかったな…」
前の世界では母上は亡くなっていた。
そのためアリスしか妹は産まれていない…
「リリスですよね?
今は七歳くらいですか?」
「あぁ、そうだ…
せっかく産まれたが、
すぐクレアに出張命令が出てな…」
母上は幼いリリスに殆ど会うことができない…
父上はそんな母上を気に掛けている。
「エルフも増えて王都の警護も大変だった
だから育てるのにリーナを雇った…」
もしかするとリーナがいない未来の可能性もあった…
なぜならリーナを雇用した理由は、母上が亡くなり子育てが出来なかったからだ。
「父上、大変だったんですね…」
「まあな…」
そして父上からその事実を告げられるまでは、俺もすっかり忘れていたことがある…
「騎士魔法学園のことだが、
入学試験まで後、十日もないからな…」
「はい?」
「試験勉強、死ぬ気でやれよ…」
俺は顔が青くなっているだろう…
勉強なんてせず修行に明け暮れていた日々。
何もかも忘れてしまった…
「が、頑張ります…」
そして母上が王宮から帰ってきた…
ユーリの元気の良い声がレガードの廊下に響いてくる。
「おーい!クリス~!
夕飯だぞーー」
ユーリはスキップしながら呼びに行く。
メイドの仕事だが何故かユーリが率先と動いた。
「そんなに急がなくても、
無くならないのに…」
俺はゆっくり歩きながら食卓に向かい、
帰ってきた母上に挨拶する。
「お帰りなさい…母上」
「ただいま、クリス…」
母上も少し疲れているようだ…
そしてそこにリリスが出迎える…
「母~~」
リリスは嬉しそうに飛び跳ねている。
母上もそんな娘を見ると疲れが吹き飛ぶように笑顔に変わった…
「ただいま、リリス!」
そして家族全員が食卓に集まる…
使用人は別で食事するが、
大所帯には変わりない。
集まっているのは父上、母上、アリス、リリス、ユーリ、サリー、そして俺だ。
気づけばうちも賑やかになった…
そしてテーブルを囲んでいる中、
母上が俺を激励する…
「クリス…
試験勉強頑張れよ…」
「ま、全くやってないので
心配ですが」
不安でしかないだろ…
大丈夫なのだろうか…
「まあベルに教えてもらえ…
ベルもかなり頑張ったからな」
ベルも学校に通うのを忘れていた…
魔力がないと獣王剣を使えない。
魔力の訓練のために学園に通うのだった。
「わ、私で良ければ…」
「宜しく頼むよ…」
使用人に勉強教えてもらうとか情けない…
十日間、死に物狂いで頑張らなくては…
そして続けて母上は明日の予定を知らせる。
「クリス…勉強もだが、
明日は王との謁見だからな…」
「陛下ですか?」
その時、母上の空気が少し変わった気がした。
怒っているわけではないが圧を感じる。
「お前…
マリア殿下と婚約していたんだな…」
「はい…
婚約しております」
ずっとマリアの事は考えていた。
決して忘れられるわけがない…
回復魔法を使う度に思い出していた…
マリアとの日々を…
そして母上たちに言うタイミングを逃していた。
「それでもユーリが好きなのか?」
「はい…」
俺は真っ直ぐ目を見て伝えた…
ここで言い訳をしてはいけない気がしたのだ。
「はぁ…」
母上はため息を吐きながら俺に告げる。
そしてユーリも俺を直視している。
「分かった…
お前のことは事前に王へ伝えてある…
処刑されることはないから安心しろ」
「え?」
処刑だと?
「フィリアとなら王の責任にも繋がるが、
他の女に手を出したらお前の責任だぞ」
母上の視線が痛い…
このプレッシャーに父上は耐えてきたのか…
「まあ良い…
私もユーリは可愛いからな…
お前と一緒になってくれるのなら安心だ」
「あ、あねご…」
ユーリは瞳を潤ませながら母上を見ている。
そして、ユーリへ一言告げる。
「そうなったら本当の家族だな…
ユーリとも…」
「え?
そしたら、あねごじゃなくて
おかあちゃんって呼んだほうが良いの?」
「やめてくれ…
あねごで良い…」
俺は二人のやり取りを聞きながら、
今後のことを考えていた…
「クリス…
マリア殿下には誠実に対応しろよ…
既に事情は伝えてある…
でも、お前自身が伝えないと駄目だ」
「誠実にですね…」
マリアからすると嫌な話に違いない…
婚約者から他に好きな人が出来たなんて言われたら、
どんなに嫌なことか…
正直、誠実もへったくれもない。
でも正直に嘘をつかずにありのまま全てを話そう…
そうすべきだと俺は思っている…
「明日、陛下との謁見後に、
マリアに会えますかね?」
「大丈夫だろう…
まあ事前に話はしてやったからな…
私に感謝するんだな」
母上はそう話すと夕食を食べ始めた。
確かに過去に遡った事情が伝わっていれば、俺からも打ち明けやすい…
俺は母上に返しきれない恩を感じていた…
そしてマリアに誠実に話せば分かって貰える
全てを正直に話せば理解してもらえる。
この時まではそう信じていた…
しかし既に歯車が狂い始めていたことに全く気づいていなかった…
そして今は父上の書斎に呼び出されている。
父は王国騎士団に報告に向かい、俺達のすぐ後に帰宅した。
「改めてだが、
よく戻ってくれたな…」
「父上、やっと…
家に帰れました…」
父上は俺の声を聞き優しい表情に変わる…
そして俺は幼い妹について話をしていく。
「驚きました…
俺に妹が出来ていたなんて…」
「ん?そうか、お前の世界では、
リリスは産まれていなかったな…」
前の世界では母上は亡くなっていた。
そのためアリスしか妹は産まれていない…
「リリスですよね?
今は七歳くらいですか?」
「あぁ、そうだ…
せっかく産まれたが、
すぐクレアに出張命令が出てな…」
母上は幼いリリスに殆ど会うことができない…
父上はそんな母上を気に掛けている。
「エルフも増えて王都の警護も大変だった
だから育てるのにリーナを雇った…」
もしかするとリーナがいない未来の可能性もあった…
なぜならリーナを雇用した理由は、母上が亡くなり子育てが出来なかったからだ。
「父上、大変だったんですね…」
「まあな…」
そして父上からその事実を告げられるまでは、俺もすっかり忘れていたことがある…
「騎士魔法学園のことだが、
入学試験まで後、十日もないからな…」
「はい?」
「試験勉強、死ぬ気でやれよ…」
俺は顔が青くなっているだろう…
勉強なんてせず修行に明け暮れていた日々。
何もかも忘れてしまった…
「が、頑張ります…」
そして母上が王宮から帰ってきた…
ユーリの元気の良い声がレガードの廊下に響いてくる。
「おーい!クリス~!
夕飯だぞーー」
ユーリはスキップしながら呼びに行く。
メイドの仕事だが何故かユーリが率先と動いた。
「そんなに急がなくても、
無くならないのに…」
俺はゆっくり歩きながら食卓に向かい、
帰ってきた母上に挨拶する。
「お帰りなさい…母上」
「ただいま、クリス…」
母上も少し疲れているようだ…
そしてそこにリリスが出迎える…
「母~~」
リリスは嬉しそうに飛び跳ねている。
母上もそんな娘を見ると疲れが吹き飛ぶように笑顔に変わった…
「ただいま、リリス!」
そして家族全員が食卓に集まる…
使用人は別で食事するが、
大所帯には変わりない。
集まっているのは父上、母上、アリス、リリス、ユーリ、サリー、そして俺だ。
気づけばうちも賑やかになった…
そしてテーブルを囲んでいる中、
母上が俺を激励する…
「クリス…
試験勉強頑張れよ…」
「ま、全くやってないので
心配ですが」
不安でしかないだろ…
大丈夫なのだろうか…
「まあベルに教えてもらえ…
ベルもかなり頑張ったからな」
ベルも学校に通うのを忘れていた…
魔力がないと獣王剣を使えない。
魔力の訓練のために学園に通うのだった。
「わ、私で良ければ…」
「宜しく頼むよ…」
使用人に勉強教えてもらうとか情けない…
十日間、死に物狂いで頑張らなくては…
そして続けて母上は明日の予定を知らせる。
「クリス…勉強もだが、
明日は王との謁見だからな…」
「陛下ですか?」
その時、母上の空気が少し変わった気がした。
怒っているわけではないが圧を感じる。
「お前…
マリア殿下と婚約していたんだな…」
「はい…
婚約しております」
ずっとマリアの事は考えていた。
決して忘れられるわけがない…
回復魔法を使う度に思い出していた…
マリアとの日々を…
そして母上たちに言うタイミングを逃していた。
「それでもユーリが好きなのか?」
「はい…」
俺は真っ直ぐ目を見て伝えた…
ここで言い訳をしてはいけない気がしたのだ。
「はぁ…」
母上はため息を吐きながら俺に告げる。
そしてユーリも俺を直視している。
「分かった…
お前のことは事前に王へ伝えてある…
処刑されることはないから安心しろ」
「え?」
処刑だと?
「フィリアとなら王の責任にも繋がるが、
他の女に手を出したらお前の責任だぞ」
母上の視線が痛い…
このプレッシャーに父上は耐えてきたのか…
「まあ良い…
私もユーリは可愛いからな…
お前と一緒になってくれるのなら安心だ」
「あ、あねご…」
ユーリは瞳を潤ませながら母上を見ている。
そして、ユーリへ一言告げる。
「そうなったら本当の家族だな…
ユーリとも…」
「え?
そしたら、あねごじゃなくて
おかあちゃんって呼んだほうが良いの?」
「やめてくれ…
あねごで良い…」
俺は二人のやり取りを聞きながら、
今後のことを考えていた…
「クリス…
マリア殿下には誠実に対応しろよ…
既に事情は伝えてある…
でも、お前自身が伝えないと駄目だ」
「誠実にですね…」
マリアからすると嫌な話に違いない…
婚約者から他に好きな人が出来たなんて言われたら、
どんなに嫌なことか…
正直、誠実もへったくれもない。
でも正直に嘘をつかずにありのまま全てを話そう…
そうすべきだと俺は思っている…
「明日、陛下との謁見後に、
マリアに会えますかね?」
「大丈夫だろう…
まあ事前に話はしてやったからな…
私に感謝するんだな」
母上はそう話すと夕食を食べ始めた。
確かに過去に遡った事情が伝わっていれば、俺からも打ち明けやすい…
俺は母上に返しきれない恩を感じていた…
そしてマリアに誠実に話せば分かって貰える
全てを正直に話せば理解してもらえる。
この時まではそう信じていた…
しかし既に歯車が狂い始めていたことに全く気づいていなかった…
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