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第90話 君を守りたい
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クリスは目の前に何故マリアがいるのか、
信じられないでいる。
ベルに任せて見張らせていた筈だった。
しかしマリアは城の訓練場まで来てしまった。
「ベル、なんでだよ…」
「ごめんなさい、クリス様…
私…」
ベルは涙目で謝っている。
無理矢理にでも城へ向かうマリアを止めることができなかった。
クリスを心配する想いはベルも同じだったからだ。
「ベルは悪くないわ、
全て私の意志で来たの」
マリアは迷いなく言い切っている。
そしてシャルロットは、自分であれば婚約者の家で待つことは出来ないと思っていた。
聞いた時に嫌な予感はしていたが口に出せず、
その予感は当たってしまった。
「ふははは、
まさか王女から来てくれるとはな」
マリアが現れて一番歓喜しているのは、
まさに四天王バルガスだろう。
今回の襲撃の討伐対象が向こうから現れたのだ。
「クリス達に危害は加えないで…」
マリアは自分の幻惑魔法が解けたことで、
クリスの危機を察知した。
そして居ても立っても居られなくなり、
レガードの屋敷を抜け出した。
クリスを救うために。
「駄目よ、マリア」
シャルロットは、マリアを犠牲にすることは到底受け入れられない。
ここは刺し違えてもバルガスを倒すつもりでいた。
「申し訳ないけど、マリア…
君は絶対に死なせない…」
クリスは輝きを失った聖剣から愛用の剣へ持ち替えて、バルガスへと身体を向ける。
そしてクリスも一世一代の覚悟を決めた。
「例えスキルがなくても…」
「マリア…
君を守りたい!」
そして俺はバルガスの元へ駆け抜けていく。
一瞬だけ時が止まったように静かになった。
何も聞こえない。
静寂の世界。
その中で俺は思い出していた。
マリアと初めて出会ったあの日。
確かフードを被っていて、
顔がよく見えなかった。
でも、男に追われているのを放っておけなくて気付いたら君を追いかけていた。
そういえばあの時、何もスキルを覚えていなかった。
例え、スキルを一つも使えなくても、
例え、レガード流の抜刀術しか無くても、
俺は君を守りたい…
何故なら、
俺は…
君のことを…
マリアのことを愛しているんだ。
気づいたら剣を鞘に収めて走り抜けていた。
そして憎き敵に向けて懸命に剣を振る。
しかし、その視界に見える敵は、
嫌らしい笑みを浮かべている。
気づけば俺は、胸を刺されていた。
そして周りの声が徐々に聞こえて来る。
泣き叫ぶ君の悲鳴が聞こえる。
本当は君の笑顔が好きなのに…
本当はもっと君と一緒に時を刻みたいのに…
君に…
もっと俺の言葉を伝えたいのに…
そして俺はこのまま、
息絶えてしまったのかもしれない…
何も聞こえない
何も感じない
その暗闇の中で、
一人の男が見える…
赤い長髪の男は銀色の鎧を身に纏っている。
そして、その男は俺に告げた。
「お前のスキルを信じろ」
「お前だけの…」
「休憩スキルを…」
そして俺は休憩スキルを張り叫ぶ。
愛する君を守るために…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
マリアは目の前の光景を受け入れられない。
最愛の婚約者がバルガスに刺され倒れてしまった…
そしてマリアは膝から崩れ落ちてしまう。
「クリス、いやだ
いやだよ…」
シャルロットもクリスの死を受け入れられず、
うずくまっている。
「ばか…」
誰しもがクリスは殺されたと諦めた瞬間、
奇跡は起きる。
クリスの身体が休憩スキルの光に包まれたのだ。
そして再度クリスは立ち上がる。
「クリス!」
マリアは涙が溢れていて視界がよく見えない。
しかし潤んだ瞳からでも、
クリスが立ち上がったのは見えている。
「バルガス、これ以上…
お前の好きにはさせない」
クリスは先程とはまるで別人のような風格を見せる。
しかしバルガスは封印魔法を発動して、
再度クリスを殺そうと攻撃する。
「無駄だ」
クリスは休憩スキルで取得した封印魔法を発動し、バルガスの魔法を相殺した。
この瞬間、全てのスキルは使用可能となる。
「な、なんだと…」
スキルが使えると分かった瞬間、
クリスは姿を変えて覇王を発動する。
そして聖剣に力を注ぐと、再度奇跡が起きた。
回復魔法使いが一定距離内にいる場合に、
聖剣を起動させると奇跡が起きる。
聖剣から結界が生まれクリスとマリアを覆い二人の姿は全く見えなくなってしまった。
更にその輝く結界から強力な魔力が感じられ、いかなる攻撃も受け付けない。
そしてクリス達がどうなってしまうのか、
唯一結界を知る人物が言葉を発していく。
その言葉がクリスとマリアを新たな世界へと導いていく。
信じられないでいる。
ベルに任せて見張らせていた筈だった。
しかしマリアは城の訓練場まで来てしまった。
「ベル、なんでだよ…」
「ごめんなさい、クリス様…
私…」
ベルは涙目で謝っている。
無理矢理にでも城へ向かうマリアを止めることができなかった。
クリスを心配する想いはベルも同じだったからだ。
「ベルは悪くないわ、
全て私の意志で来たの」
マリアは迷いなく言い切っている。
そしてシャルロットは、自分であれば婚約者の家で待つことは出来ないと思っていた。
聞いた時に嫌な予感はしていたが口に出せず、
その予感は当たってしまった。
「ふははは、
まさか王女から来てくれるとはな」
マリアが現れて一番歓喜しているのは、
まさに四天王バルガスだろう。
今回の襲撃の討伐対象が向こうから現れたのだ。
「クリス達に危害は加えないで…」
マリアは自分の幻惑魔法が解けたことで、
クリスの危機を察知した。
そして居ても立っても居られなくなり、
レガードの屋敷を抜け出した。
クリスを救うために。
「駄目よ、マリア」
シャルロットは、マリアを犠牲にすることは到底受け入れられない。
ここは刺し違えてもバルガスを倒すつもりでいた。
「申し訳ないけど、マリア…
君は絶対に死なせない…」
クリスは輝きを失った聖剣から愛用の剣へ持ち替えて、バルガスへと身体を向ける。
そしてクリスも一世一代の覚悟を決めた。
「例えスキルがなくても…」
「マリア…
君を守りたい!」
そして俺はバルガスの元へ駆け抜けていく。
一瞬だけ時が止まったように静かになった。
何も聞こえない。
静寂の世界。
その中で俺は思い出していた。
マリアと初めて出会ったあの日。
確かフードを被っていて、
顔がよく見えなかった。
でも、男に追われているのを放っておけなくて気付いたら君を追いかけていた。
そういえばあの時、何もスキルを覚えていなかった。
例え、スキルを一つも使えなくても、
例え、レガード流の抜刀術しか無くても、
俺は君を守りたい…
何故なら、
俺は…
君のことを…
マリアのことを愛しているんだ。
気づいたら剣を鞘に収めて走り抜けていた。
そして憎き敵に向けて懸命に剣を振る。
しかし、その視界に見える敵は、
嫌らしい笑みを浮かべている。
気づけば俺は、胸を刺されていた。
そして周りの声が徐々に聞こえて来る。
泣き叫ぶ君の悲鳴が聞こえる。
本当は君の笑顔が好きなのに…
本当はもっと君と一緒に時を刻みたいのに…
君に…
もっと俺の言葉を伝えたいのに…
そして俺はこのまま、
息絶えてしまったのかもしれない…
何も聞こえない
何も感じない
その暗闇の中で、
一人の男が見える…
赤い長髪の男は銀色の鎧を身に纏っている。
そして、その男は俺に告げた。
「お前のスキルを信じろ」
「お前だけの…」
「休憩スキルを…」
そして俺は休憩スキルを張り叫ぶ。
愛する君を守るために…
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マリアは目の前の光景を受け入れられない。
最愛の婚約者がバルガスに刺され倒れてしまった…
そしてマリアは膝から崩れ落ちてしまう。
「クリス、いやだ
いやだよ…」
シャルロットもクリスの死を受け入れられず、
うずくまっている。
「ばか…」
誰しもがクリスは殺されたと諦めた瞬間、
奇跡は起きる。
クリスの身体が休憩スキルの光に包まれたのだ。
そして再度クリスは立ち上がる。
「クリス!」
マリアは涙が溢れていて視界がよく見えない。
しかし潤んだ瞳からでも、
クリスが立ち上がったのは見えている。
「バルガス、これ以上…
お前の好きにはさせない」
クリスは先程とはまるで別人のような風格を見せる。
しかしバルガスは封印魔法を発動して、
再度クリスを殺そうと攻撃する。
「無駄だ」
クリスは休憩スキルで取得した封印魔法を発動し、バルガスの魔法を相殺した。
この瞬間、全てのスキルは使用可能となる。
「な、なんだと…」
スキルが使えると分かった瞬間、
クリスは姿を変えて覇王を発動する。
そして聖剣に力を注ぐと、再度奇跡が起きた。
回復魔法使いが一定距離内にいる場合に、
聖剣を起動させると奇跡が起きる。
聖剣から結界が生まれクリスとマリアを覆い二人の姿は全く見えなくなってしまった。
更にその輝く結界から強力な魔力が感じられ、いかなる攻撃も受け付けない。
そしてクリス達がどうなってしまうのか、
唯一結界を知る人物が言葉を発していく。
その言葉がクリスとマリアを新たな世界へと導いていく。
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