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第155話 罠
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ルミナスの近郊にそびえ立つ山脈、
リブル山にイグニスの兵士が集結している。
その情報を得た俺と賢者は、敵に気付かれないように犬耳獣人に変装しながら登っていた。
「お疲れ様で~す!」
変装して山を登っているが、すれ違うイグニスの兵士に気付かれない。
軽く挨拶をしながら、堂々と歩いていく。
「よし、山頂まで行くぞ!
ガルムを見つけたら、気絶させて無力化する!」
命を奪わずに身柄を確保して、
後から洗脳を治す作戦だ。
ガルムを確保すれば、
5000人の兵士撤退も可能となる。
俺達はガルム救出を最優先として山頂を目指した。
「賢者!ガルムの隣にいる奴が……」
黒のローブを身に纏い、フードを深く被る。
この距離で、表情は分からないが、
異質な魔力が感じられた。
「この魔力と波動……
奴が討伐対象のユミルに違いない!」
ユミルの動きを観察すると、
リブル山で兵隊に指示を出しながら、
ゆっくりと前進している。
そして、賢者からの指示を聞き行動に移していく。
「ちょうど見晴らしの良いこの場所なら、
狙撃しやすい」
「これで倒せれば洗脳が解けると……」
「あぁ……これで終わらせよう……
水魔法の弾丸を、
ユミルの胸に向けて撃て!」
賢者の指示通り、俺は指先に魔力を込めて、
弾丸を発射する。
威力よりもコントロールを重視した弾丸は、
ユミルの胸を正確に射抜いた。
確かに心臓を撃ち抜いた感触があったが、
当たると同時に霧のように消えてしまった。
「な、何!分身だと!」
「賢者、まさか!」
「認めたくないが、これは罠だ!」
ユミルに向けて狙撃したが、
分身を打ち落としただけで、
俺達の位置を把握されてしまう。
即座に撤退をしようと走り出したが、
敵も大勢の兵士を向かわせてきた。
「なんてことだ!
私達が誘き出されていたなんて……」
「俺達が来るのが分かっていた?」
「もしかすると、
報告に来た兵士が操られていたのかもな」
即座に頭を切り替えて、逃げ始めるが、
あまりに多い兵士達に邪魔されてしまう。
「マズイぞ!
奴がここにいないと言うことは、
既にルミナスに入り込んでいるかもしれない」
「賢者!奴らの狙いがシルフィなら……」
「あぁ……屋敷が危ない!」
敵兵士の攻撃を回避しつつ、
速度を上げて逃げるが、
山道の途中で挟み撃ちをされてしまった。
「囲まれたか……」
緊急事態の中、頭に選択肢が浮かび、
その方法であれば成功率が上がると確信する。
「俺が囮になります……
賢者は先に屋敷に!」
「おい!流石にこの数だぞ!
無茶じゃないか?」
「大丈夫!
いざとなれば覇王を使います」
覚悟を決めた俺を見て、
賢者は意志を尊重してくれた。
「必ず生きて戻れ……
お前を待っている者が沢山いる……」
そう言い残し、賢者は全速力で移動した。
賢者の後を兵士達が追わないように、
格闘術で気絶させる。
「さて……さっさと屋敷まで行きたいが、
そう上手くはいかないか……」
そして俺の目の前に、友と呼べる人物、
獣王ガルムが現れた。
「ガルム!目を覚ませ!」
「…………」
俺の声に全く反応がない……
忘れてしまったのか?
それとも……
「さっきのユミルも偽物だったが、
まさかお前も……」
俺は即座に水魔法バブルバレッドを発射し、
ガルムに向かわせる。
弾丸の速度をガルムが回避出来るくらいの速度に調整したが、そのまま蜂の巣になった。
すると霧のように姿が消えてしまう。
「くそ!完全に分身に誘き出されたのか!」
ガルムの分身を用意して待機させていた。
俺達は完全に敵の計画通りに動かされていたのだ。
精霊術師ユミル……
これ以上、お前の好きにはさせない……
そして俺は姿を変えて、覇王を発動する。
更に俺と同じ想いだと主張するかのように、
マリアとユーリから魔力が流れてきた。
「ガルムもユミルも屋敷に向かっている!
1秒でも早く俺も向かわなければ!」
俺は神速スキルを使いながら、
イグニスの兵士達の攻撃を回避して、
次々に気絶させる。
これ以上ルミナスに行かせないように、
戦力を削ぎ落としていった……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
王都の入り口から爆発音が聞こえてくる。
イグニスの兵士が爆薬を投下して、
門を破壊した瞬間だった……
しかし、事前に防衛作戦を立てており、
門では王国騎士団が守っている。
「誰一人として中に通すなよ!」
キャロルが指示しながら兵士を統率して、
侵入した敵を倒していた。
門を破壊されたが、手練れの兵士達によって食い止めている。
そして、そこに賢者が到着した。
「上手く食い止めているな!
だが、精霊術師がいない……
やはり既に中にいるのか!」
賢者は、仲間と合流するために、
スキルを使用する。
「探知で向かう!
シャルロットの場所は……」
探知スキルを使うと、シャルロット達は、
城に向かっていると分かった。
緊急事態の際、レガードの屋敷の者達は、
城に避難すると決めている。
「くそ!
だからリブル山に誘き寄せたのか!」
城からクリスと賢者を引き離して、
戦力を分断するのが相手の狙いだった。
その作戦を確認できたと同時に、
賢者は身体強化を全身にかけて、
全速力で駆け抜けた……
リブル山にイグニスの兵士が集結している。
その情報を得た俺と賢者は、敵に気付かれないように犬耳獣人に変装しながら登っていた。
「お疲れ様で~す!」
変装して山を登っているが、すれ違うイグニスの兵士に気付かれない。
軽く挨拶をしながら、堂々と歩いていく。
「よし、山頂まで行くぞ!
ガルムを見つけたら、気絶させて無力化する!」
命を奪わずに身柄を確保して、
後から洗脳を治す作戦だ。
ガルムを確保すれば、
5000人の兵士撤退も可能となる。
俺達はガルム救出を最優先として山頂を目指した。
「賢者!ガルムの隣にいる奴が……」
黒のローブを身に纏い、フードを深く被る。
この距離で、表情は分からないが、
異質な魔力が感じられた。
「この魔力と波動……
奴が討伐対象のユミルに違いない!」
ユミルの動きを観察すると、
リブル山で兵隊に指示を出しながら、
ゆっくりと前進している。
そして、賢者からの指示を聞き行動に移していく。
「ちょうど見晴らしの良いこの場所なら、
狙撃しやすい」
「これで倒せれば洗脳が解けると……」
「あぁ……これで終わらせよう……
水魔法の弾丸を、
ユミルの胸に向けて撃て!」
賢者の指示通り、俺は指先に魔力を込めて、
弾丸を発射する。
威力よりもコントロールを重視した弾丸は、
ユミルの胸を正確に射抜いた。
確かに心臓を撃ち抜いた感触があったが、
当たると同時に霧のように消えてしまった。
「な、何!分身だと!」
「賢者、まさか!」
「認めたくないが、これは罠だ!」
ユミルに向けて狙撃したが、
分身を打ち落としただけで、
俺達の位置を把握されてしまう。
即座に撤退をしようと走り出したが、
敵も大勢の兵士を向かわせてきた。
「なんてことだ!
私達が誘き出されていたなんて……」
「俺達が来るのが分かっていた?」
「もしかすると、
報告に来た兵士が操られていたのかもな」
即座に頭を切り替えて、逃げ始めるが、
あまりに多い兵士達に邪魔されてしまう。
「マズイぞ!
奴がここにいないと言うことは、
既にルミナスに入り込んでいるかもしれない」
「賢者!奴らの狙いがシルフィなら……」
「あぁ……屋敷が危ない!」
敵兵士の攻撃を回避しつつ、
速度を上げて逃げるが、
山道の途中で挟み撃ちをされてしまった。
「囲まれたか……」
緊急事態の中、頭に選択肢が浮かび、
その方法であれば成功率が上がると確信する。
「俺が囮になります……
賢者は先に屋敷に!」
「おい!流石にこの数だぞ!
無茶じゃないか?」
「大丈夫!
いざとなれば覇王を使います」
覚悟を決めた俺を見て、
賢者は意志を尊重してくれた。
「必ず生きて戻れ……
お前を待っている者が沢山いる……」
そう言い残し、賢者は全速力で移動した。
賢者の後を兵士達が追わないように、
格闘術で気絶させる。
「さて……さっさと屋敷まで行きたいが、
そう上手くはいかないか……」
そして俺の目の前に、友と呼べる人物、
獣王ガルムが現れた。
「ガルム!目を覚ませ!」
「…………」
俺の声に全く反応がない……
忘れてしまったのか?
それとも……
「さっきのユミルも偽物だったが、
まさかお前も……」
俺は即座に水魔法バブルバレッドを発射し、
ガルムに向かわせる。
弾丸の速度をガルムが回避出来るくらいの速度に調整したが、そのまま蜂の巣になった。
すると霧のように姿が消えてしまう。
「くそ!完全に分身に誘き出されたのか!」
ガルムの分身を用意して待機させていた。
俺達は完全に敵の計画通りに動かされていたのだ。
精霊術師ユミル……
これ以上、お前の好きにはさせない……
そして俺は姿を変えて、覇王を発動する。
更に俺と同じ想いだと主張するかのように、
マリアとユーリから魔力が流れてきた。
「ガルムもユミルも屋敷に向かっている!
1秒でも早く俺も向かわなければ!」
俺は神速スキルを使いながら、
イグニスの兵士達の攻撃を回避して、
次々に気絶させる。
これ以上ルミナスに行かせないように、
戦力を削ぎ落としていった……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
王都の入り口から爆発音が聞こえてくる。
イグニスの兵士が爆薬を投下して、
門を破壊した瞬間だった……
しかし、事前に防衛作戦を立てており、
門では王国騎士団が守っている。
「誰一人として中に通すなよ!」
キャロルが指示しながら兵士を統率して、
侵入した敵を倒していた。
門を破壊されたが、手練れの兵士達によって食い止めている。
そして、そこに賢者が到着した。
「上手く食い止めているな!
だが、精霊術師がいない……
やはり既に中にいるのか!」
賢者は、仲間と合流するために、
スキルを使用する。
「探知で向かう!
シャルロットの場所は……」
探知スキルを使うと、シャルロット達は、
城に向かっていると分かった。
緊急事態の際、レガードの屋敷の者達は、
城に避難すると決めている。
「くそ!
だからリブル山に誘き寄せたのか!」
城からクリスと賢者を引き離して、
戦力を分断するのが相手の狙いだった。
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賢者は身体強化を全身にかけて、
全速力で駆け抜けた……
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