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このままずっと
25.
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「熱いから気をつけてね。」
ハルキが牛乳を温めてくれた。今日作ったクッキーはかなり甘いので、牛乳と一緒に飲み込む。ハルキは次々に口に運んでいるが、甘いのが好きなのだろうか。ここも随分と生活感が出てきた。使い込まれた布巾や茶渋のついた湯のみ、誰かが一緒に住んでいるからこその面倒が心地いい。
「うん。」
前に置かれたマグカップとハルキの前に置かれたマグカップは色違いで同じもの。家族とはこう言うものだっただろうか。
「ハルキ、お父様は今も探しているの。」
コップに触れている手に力が入る。
「気になるの。」
質問を質問で返されてしまう。どうしてかは分からないけど気になるのは本当で、忘れられてはいないか怖くてたまらない。首を縦に一回振る。
「警察に任せきりにしてる。仕事中でも、少し苛立っていたり、落ち着かないことは増えてきたかな。」
怒っているだろうか。この家出はただのわがままで、もう引き返せないところまで来ている。
「そっか、ごめん。気にしてもどうしようもないよね。」
なんだか、心がごろついて落ち着かない。
「いつまでも、とは行かないけど、僕が捕まるまでは居ていいんだよ。僕は君に心から笑っていてほしいと思ってるから。」
喉の奥が熱くなって、視界が歪む。机の上にポトリと音を立てて雫が落ちた。泣いていると気づいた時にはもう止まらなくなっていた。きっとお父様はもう帰ってこなくてもいいと思っているかもしれない。もう帰っても居場所なんて無くなってて、ただ何処にも行かないようにだけ気を使われるんだろうな。ここにもずっと居ることができるわけじゃないから、居場所なんてもうないのかもしれないな。頭を撫でられる。
「泣いてもいいんだよ。」
大泣きして、ずっと忘れてたことを思い出した。ずっと泣いてはいけないと思っていた。泣いてしまうと、悲しい気持ちが人に伝わってしまうから、泣いてはいけない。感情を抑えていなさいと、言われていたから。
「素直になればいいんだよ。わがままなくらいがちょうどいい。」
「ハルキはいつも甘いね。」
差し出されたティッシュを受け取り目の周りを拭き取る。
「めぐりちゃんだけだよ。」
悲しいのか嬉しいのかわからない。でも、ここに居ると知らない感情の名前を知れる気がした。
「落ち着いた。」
ハルキがホットミルクを温め直してまた差し出してくれた。
「ありがとう。」
熱すぎないそれは優しい甘さで、幸せってこういうことだと思う。このままずっと、ここにいたい。
ハルキが牛乳を温めてくれた。今日作ったクッキーはかなり甘いので、牛乳と一緒に飲み込む。ハルキは次々に口に運んでいるが、甘いのが好きなのだろうか。ここも随分と生活感が出てきた。使い込まれた布巾や茶渋のついた湯のみ、誰かが一緒に住んでいるからこその面倒が心地いい。
「うん。」
前に置かれたマグカップとハルキの前に置かれたマグカップは色違いで同じもの。家族とはこう言うものだっただろうか。
「ハルキ、お父様は今も探しているの。」
コップに触れている手に力が入る。
「気になるの。」
質問を質問で返されてしまう。どうしてかは分からないけど気になるのは本当で、忘れられてはいないか怖くてたまらない。首を縦に一回振る。
「警察に任せきりにしてる。仕事中でも、少し苛立っていたり、落ち着かないことは増えてきたかな。」
怒っているだろうか。この家出はただのわがままで、もう引き返せないところまで来ている。
「そっか、ごめん。気にしてもどうしようもないよね。」
なんだか、心がごろついて落ち着かない。
「いつまでも、とは行かないけど、僕が捕まるまでは居ていいんだよ。僕は君に心から笑っていてほしいと思ってるから。」
喉の奥が熱くなって、視界が歪む。机の上にポトリと音を立てて雫が落ちた。泣いていると気づいた時にはもう止まらなくなっていた。きっとお父様はもう帰ってこなくてもいいと思っているかもしれない。もう帰っても居場所なんて無くなってて、ただ何処にも行かないようにだけ気を使われるんだろうな。ここにもずっと居ることができるわけじゃないから、居場所なんてもうないのかもしれないな。頭を撫でられる。
「泣いてもいいんだよ。」
大泣きして、ずっと忘れてたことを思い出した。ずっと泣いてはいけないと思っていた。泣いてしまうと、悲しい気持ちが人に伝わってしまうから、泣いてはいけない。感情を抑えていなさいと、言われていたから。
「素直になればいいんだよ。わがままなくらいがちょうどいい。」
「ハルキはいつも甘いね。」
差し出されたティッシュを受け取り目の周りを拭き取る。
「めぐりちゃんだけだよ。」
悲しいのか嬉しいのかわからない。でも、ここに居ると知らない感情の名前を知れる気がした。
「落ち着いた。」
ハルキがホットミルクを温め直してまた差し出してくれた。
「ありがとう。」
熱すぎないそれは優しい甘さで、幸せってこういうことだと思う。このままずっと、ここにいたい。
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