スキル名【すんごい、おっぱい】なんだけど、これってどうなの!?

かわさきはっく

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すんごい、おっぱいは世界を救う(?)編

第47話 魔王とすんごい仮説

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 王城の最上階にある作戦司令室。
 国王陛下、バルトーク騎士団長、そして私たち勇者パーティ。その中央に、助言者として招かれた元・魔女ヘクサーナが静かに座している。
 これが、世界の命運を左右する、最後の作戦会議だった。

「魔王様は純粋な『無』の化身。感情も慈悲もありません」
 ヘクサーナは静かに語り始めた。
「あの方が望むのは、ただ一つ。この世界の全てを生まれた時の完全な無に還すこと。そのための儀式に必要な最後の『神の枷』を手に入れるため、まもなく自らグライフェン砦へとお姿を現すでしょう」

「魔王の弱点は何だ」
 ユウキ様の問いに、ヘクサーナは静かに首を振った。
「ありません。少なくとも、私たちが知る限りでは。あの方は概念そのもの。物理法則も、魔法理論も、あの方の前では意味をなさないでしょう」

 絶望的な言葉に司令室は重い沈黙に包まれた。
 弱点のない敵。どうやって戦えというのか。

 その沈黙を破ったのはシルヴィアさんだった。
「……一つ、仮説があります」
 彼女は立ち上がると、全員の視線を集め、そして、私をまっすぐに見た。

「魔王が世界の法則を超越した存在であるのなら、対抗できるのは、同じく、世界の法則から逸脱した存在だけです」
 彼女の言葉に誰もが息をのむ。

「これまで、ルルナさんのスキルは、彼女の胸が、何かに、ほんの僅か、接触するだけで発動してきました。その結果は、天候操作、大規模浄化、物理法則の改変……いずれも神の御業としか思えぬ奇跡です」
 シルヴィアさんの声が、熱を帯びた響きで部屋に満ちる。

「では、問います」
 彼女は、一度、言葉を切った。
「〝ほんの僅かな接触〟でこれです。もし、万が一にも、その胸が、完全に衆目に晒されたとしたら? あまつさえ、誰かが、その手で、神の領域ともいえるその胸を、強く、揉みしだいたとしたら……一体、何が起こると思いますか?」

 その、あまりに突拍子もない、しかし、核心を突いた問いに、誰もが言葉を失う。

 シルヴィアさんは結論を告げた。その声は、わずかに震えていた。
「……私には、予測できません。あるいは時空が歪み、この世界そのものが消滅する可能性さえ、否定できないのです」

 ルルナのおっぱいが、世界を滅ぼす、最終兵器?

 その恐るべき仮説に、国王陛下は、ごくり、と喉を鳴らした。
 彼は玉座からゆっくりと立ち上がると、震える声で、しかし、断固たる意志を持って宣言した。

「……全軍に、そして全国民に、余の名において布告する!」
「『王国の聖女』ルルナ様の胸は神の枷と同等、いや、それ以上に丁重に扱うべき、我が国の至宝である!」
「これを意図的に、あるいは好奇の目で見ようとする者、ましてや、それに触れようなどと画策する者は、魔王に与する者と同等の、国家への最大反逆罪とみなし、家門の取り潰しを含む、極刑に処すものとする!」

 前代未聞の、おふれだった。

 こうして、私たちの最終作戦は決定した。
 グライフェン砦へ向かい、最後の『神の枷』を確保する。そして、魔王と対峙する。
 ただし、何があっても、ルルナのおっぱいを、揉んではいけない。

「まじかよ……おっぱいを見るだけで死刑って、どんな国だよ……」
 ユウキ様が小声で呟く。

 私は、ただ、顔を真っ赤にして、この場から消えてなくなりたいと、心の底から願うばかりだった。
 世界の命運は、今や、完全に、私の胸一つにかかっている。いろんな意味で。
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