スキル名【すんごい、おっぱい】なんだけど、これってどうなの!?

かわさきはっく

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すんごい、おっぱいは世界を救う(?)編

第60話 至宝とすんごい共鳴

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 魔王が討たれ、世界に平和が戻った。
 王都ソリスティアは祝賀ムードに包まれ、人々は英雄たちの名を呼び、未来への希望を歌っていた。
 私たちも、城に与えられた部屋で、ノアとヘクサーナと共に、家族のように穏やかな、夢のような日々を過ごしていた。
 この平和が、ずっと続けばいい。誰もが、そう信じていた。

 数日後。
 私たちは国王陛下の名において、王城の最深部にある、王家の宝物庫へと招集された。
 三つ全ての『神の枷』を、正式に、この宝物庫へと奉納する、最後の儀式のためだった。

「これにて、混沌神復活の脅威は永遠に断たれた。全て、勇者殿、そして聖女ルルナ様、あなた方のおかげだ」
 国王陛下が満足げに頷く。

 宝物庫の中央には、この日のために用意された、一つの巨大な黒曜石の祭壇が鎮座していた。その上には、三つの窪みが用意されている。
 王宮魔術師長が、厳かに一歩前に出た。
「陛下。かつて、古代の神々が恐怖のあまり三つに分けて世界に封じたという『神の枷』。今、我らが王国の力と、英雄たちの活躍により、一つ所に集まりました。これを我らが編み出した『絶対封印結界』にて、まとめて永久に封じ、我が国の栄光を万世に示す儀式を、これより執り行います」

 その、あまりに自信に満ちた言葉に、シルヴィアさんが静かに眉をひそめた。
「お待ちください、魔術師長。それらは、危険すぎるために三つに分けられたはず。それを一つの場所に集めるのは、あまりに危険ではありませんか?」

 魔術師長は、シルヴィアさんの懸念を鼻で笑った。
「エルフ殿のご心配はもっとも。しかし、それは古代の未熟な魔法しか持ちえなかった者たちの話。我々王家の魔術の粋を集めたこの結界の前では、神の遺物とて、ただの石くれも同然です」

 その過信が最後の引き金だった。
 魔術師たちが、三つの『神の枷』を、厳かに祭壇へと運んでいく。
《嘆きの神の枷》である、サファイアの腕輪。
《憤怒の神の枷》である、ルビーの篭手。
 そして、《沈黙の神の枷》である、黒い鉄の首輪が、黒曜石の祭壇の上に並べられた。

 三つが、揃ってしまった。

 魔術師長が杖を高く掲げ、封印の詠唱を始めようとした、その瞬間だった。

 ――ゴオオオオオオッ!

 地鳴りのような、低い唸り声。
 三つの『神の枷』が、まるで互いを求め合うかのように、禍々しい混沌の光を放ち、共鳴を始めたのだ。

「いかん! 枷が共鳴を始めた! 馬鹿な、我らの魔力制御を上回るだと!?」
 魔術師長が絶叫する。

 凄まじい衝撃波が宝物庫全体を揺るがす。私たちは、なすすべもなく、その場から吹き飛ばされた。
 三つの『神の枷』は、ゆっくりと宙に浮かび上がると、まるで熱された飴のように、どろり、と溶けて、一つになろうとしていた。

 それは、混沌神の、不完全な、しかし、確実な復活の兆しだった。

「……最後の最後で、とんでもねえのが出てきやがったな!」
 ユウキ様が悪態をつきながら立ち上がる。
 ダインさんとシルヴィアさんも、私をかばうように、その前に立ちはだかった。

 しかし、一つになった混沌の塊は、私たちを攻撃しようとはしなかった。
 それは、自らの器となる、最も優れた魂を探しているかのようだった。

 やがて、その混沌の塊は、三つの、色の違う、光の奔流へと分かれた。
 嘆きの青。憤怒の赤。沈黙の黒。

 三つの光は、まるで獲物を見つけた蛇のように、凄まじい速度で私たちに襲いかかってきた。

 青い光は、シルヴィアさんの体を。
 赤い光は、ダインさんの体を。
 そして、黒い光は、ユウキ様の体を。

 寸分の狂いもなく、正確に貫いた。

「「「ぐああああああっ!」」」

 三人の悲痛な絶叫が、宝物庫に響き渡る。
 私は、ただ、目の前で、大切な仲間たちが禍々しい光に包まれ、その身をよじらせるのを見ていることしかできなかった。

 私の、本当の、最後の戦いの相手は。
 魔王では、なかった。
 他ならぬ、私の愛する仲間たちだったのだ。
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