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桜蔭高校

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 それからあっという間に夏休みは終わっていた。真希にぃともあれ以来喋ってない。お父さんがあまり会わないで欲しいと言うからだ。お父さんと真希にぃの間には何かあるのかな?

 僕はいろいろ考えながら今日から通う桜蔭高校の制服をつけている。この制服は結構気に入ってる。黒のズボンに白のシャツ、ネクタイは黒く赤い桜の模様がある。なんか、カッコいい。僕は着替え終わるとお父さんとお母さんがいるリビングに向かった。


「お父さん、お母さんどう?似合ってる?」

と少し照れながら言った。

「あっら~、天ちゃんとっても似合ってるわ~誰かに拐われてしまいそうだわ~。やっぱり高校に行くのはやめない?あそこはあまり治安が良くないのよ~」

「天、とても似合ってるよ。でも、治安が悪いのは本当だ。でも、ここで近くの高校と言ったらあそこしかない。もし、何かあればすぐに逃げるんだぞ。」

「僕、喧嘩は強いよ!護身術を習ってたって何回も言ってるじゃん!」

「だとしても心配なのよ~天ちゃん、男は全員、獣よ!それだけは覚えておきなさい!」

獣?何言ってるんだ?人間に決まってるじゃないか?まさか、僕みたいなやつもいるってことか?う~ん…

「大丈夫だよ!獣でもなんでもちゃんと倒して帰ってくるから!」

「はぁー、この子全くわかってないわ」

「あぁ、心配だな…」

お父さんとお母さんはため息をつき心配しながら僕を見送ってくれた。てか、もう8時45分⁉︎たしか学校は8時50分からだったはず!やばい、初日から遅刻はやばい。僕は急いで走った。




セーーーーフ、間に合った~

えっ?ここが桜蔭高校?なるほど、お父さんとお母さんが心配するわけだ。

桜蔭高校はヤンキー校だったのか…




僕は校門をくぐり職員室に向かった。

コンッコンッ


「失礼します。今日、転校しにきた神条 天なんですが…」

何故か職員室にいる先生全員にガン見をされている。なぜ?

「あぁ、すまない。お前が天だな。俺はお前の担任の蛇虎 秀平(へびとら しゅうへい)だ。よろしく。」

「神条 天です。よろしくお願いします。」

「あぁ。クラスに案内しながらクラスのことは説明する。」

「はい。お願いします。」

「まず、お前はSクラスだ。Sクラスは成績優秀・運動神経・顔面偏差値・家柄など何かしら長所を持っている奴らの集まりだ。ちなみにお前は成績優秀と顔面偏差値だな。」

ん?

「あの~すいません、僕は顔はあまり良くないので成績優秀だけだと思いますが?」

「あぁ?お前何言ってんだ?どう見ても顔面偏差値高めだろうが!いや…もしかしてお前天然か?」

「天然が何かはわかりませんが多分違いますよ?」

「はぁー、まぁいい。よし、ここが教室だ。人数はあまりいないが気にするな~それと俺が名前を呼んだら入ってこーい。」
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