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2巻
2-2
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ログインするプレイヤーが最も多くなるコアタイムを外れているため、ブランタンにはそれほどプレイヤーはいない。まばらに席についているプレイヤーたちも、仲間内で午後のティータイムを楽しんでいるようで、アランのことを気にも留めていないようだった。
「チャイラテをひとつ」
店内をざっと見渡した後、アランはカウンターの向こうに立っていたカイゼル髭が似合う執事風NPCに注文を出した。
チャイラテは、現実世界と同じインド式ミルクティーのことだが、この世界では一定時間ステータスアップ効果がある。
グランホルツのカフェには、この他にも一定時間スタミナが減らなくなる「パンチェッタとマスカルポーネのサンド」といったメニューが並び、訪れたプレイヤーの舌を楽しませている。
ゲーム内で香りや味を楽しめるというのは、五感に刺激を与えられて遊ぶドラゴンズクロンヌの醍醐味のひとつだ。美しい景色を求めて世界中を回るプレイヤーと同じように、グルメなプレイヤーたちが、食を求め世界中を回り、毎日のようにSNSやブログにグルメレポートを掲載している。
「アランちゃ~ん!」
カップを受け取ったアランの耳に、絡みついてくるような粘り気のある声が飛びこんできた。
「……ああ、ノブさん」
手を振りながらこちらに駆け寄ってきたのは、ド派手なショッキングピンクのシャツを着た男性。
件のスタイリスト、ノブだ。
短く刈り込まれた頭髪に彫りが深い顔立ち。厳つい系に属するノブはどこからどう見ても男性アバターだったが、彼の挙動やしゃべり方には、女性の雰囲気がある。
何を隠そう、ノブはいわゆる「オネエ系」のスタイリストだった。
「ちょっと、しばらくぶりじゃない? 元気にしてた?」
「DICEからスポンサー契約を切られないくらいには、元気にやってますよ。えーと、ノブさんはミネラルウォーターでいいですか?」
「あら、久しぶりなのにアタシがカフェイン駄目なの覚えててくれたんだ」
「こっちの世界にカフェインなんてないんで、何を飲んでも平気だと思うんですけどね」
「気分よ、気分」
アランは苦笑しながら、ミネラルウォーターをひとつ頼み、ノブとともにカウンターに設置された席に腰を降ろした。
「それよりも、先日の配信、生で観たわよ」
「え、配信?」
「あのでっかいドラゴンよ。ヒヤヒヤしたけど、さすがアランちゃんだわ」
「……ああ、ドレイクのことですね。わざわざ見てくれたなんて、ありがとうございます」
ノブは仕事以外でこちらに来ることはあまりないと言っていた。たまたま仕事で来ていたのかもしれないが、時間を作って見てくれたのは正直、嬉しい。
「それで、今日はクロっちと一緒に撮影なんでしょ? アンタたちって面識あるの?」
「クロっち?」
「もう、クロシエのことよ」
「……ああ」
にんまりと笑みを浮かべるノブに、アランは苦笑いで答えた。
「面識はないです……というか、ノブさんはクロシエと面識あるんですか?」
「あら、言ってなかったっけ。アタシTwinklingの現場にもお呼ばれするのよ?」
ノブはDICEのスタイリストであるが、専属というわけではなく、他のアパレルメーカーとも仕事をしている、と以前聞いたことがある。
クロシエと契約を結んでいるTwinklingにも出入りしているのは知らなかったが。
「初耳ですね。クロシエってどんな人なんです?」
「ん~、そうね。なんというか、クロっちは紳士的な女性ね」
「紳士的ですか。確かに動画からはそんな空気が感じられます」
クロシエの動画はこれまで何度も視聴してきた。
高いテクニックとクールな口調の女性で、世間ではアランに勝るとも劣らないプレイヤーという評価だ。あの程度で自分と同レベルなんてまったくもって馬鹿馬鹿しい評価だが、彼女のプレイに華があるのは間違いない。
「あの娘、口調がちょっと冷たい感じだけど、よく気が回るし、将来はいい奥さんになると思うのよね。そのギャップが男性の心を鷲掴みするポイントかも」
「なるほど。女子力が高いノブさんが言うと、なんだか説得力があります」
「うそ~、ホント~? もう、アランちゃんったら上手いんだからっ!」
そう言って、ばしばしと肩を平手打ちするノブだったが、グランホルツはプレイヤーキル行為禁止エリアのため、痛みも何も感じない。
「でも安心して。アランちゃんもクロっちと同じくらい可愛いから。ふたりが一緒の現場なんて、アタシすご~く興奮しちゃうわ」
ノブの意味深な言葉にアランは思わずごくりと唾を呑み込んでしまった。
ノブはオネエ系だが、可愛ければ男性でも女性でもどちらでもイケると、本人から聞いた記憶がある。Twinklingの広告に載っていたクロシエは、どちらかというと妖艶な系統の女性だったが、あれは「同じ女性目線」からすると可愛いに属するのだろうか。
「にしても」
ふと、カフェに設置されている時計に視線を送るノブ。
「五十嵐、遅いわね」
「確かにそうですね。いつもなら最初に到着してるのに」
撮影の全体管理をしている五十嵐は、最初に待ち合わせ場所に到着することが多い。撮影のタイムスケジュールを確認したり、現地の天候変化についてドラゴンズクロンヌ運営と確認したりと、事前準備をする必要があるからだ。
だが、カフェに五十嵐の姿はない。それに、来ると言っていたTwinklingのスタッフの姿もない。
時間にきっちりした五十嵐と、カメラマンやその他のスタッフも全員遅れている……なんてことはないはず。
もしかして、何かあったのだろうか。
「関係ないけど、こっちの世界じゃなくて現実世界の方でね、撮影現場に照明スタッフが遅刻したことがあったんだけど。あのときのイガちゃん、怖かったのよね」
「え、そうなんですか」
ポツリとこぼすノブに、アランは目をぱちくりとさせてしまった。
それは意外な話だが、なんとなくわかる気もする話だった。
五十嵐は普段は温厚だが、地雷を踏んでしまったら恐ろしそうな、そんな危険な空気を感じてしまうことがある。
「いつもどこか気が抜けてる感じだけど、現場に入ると急に締まるじゃない? あのときはさらに、ピリピリして――」
「一体、何年前の話だ」
不意にアランたちの後ろから、どすの利いた声が放たれた。
そこに立っていたのは、いつもの黒いスーツに身を包んだ、五十嵐だった。
「あ、イガちゃん、オハ~」
「おつかれさまです、五十嵐さん。ギリギリに来るなんて珍しいですね」
「すまない。ちょっと問題が起きてな」
眉を顰めながら謝罪する五十嵐の言葉に、なんとなく嫌な予感がしたアラン。
この場所にTwinklingのスタッフが来てないことと関係しているのだろうか。
「実は、Twinklingのスタッフが待ち合わせ場所を勘違いして、現地に向かってしまったらしい」
「あらら」
ノブが浮かべたのは「仕方のない人たちね」と言いたげな苦笑いだった。全く見当違いな場所に向かったのであれば、苦笑いではすまない問題だが、向かった先が現場ということであれば、五十嵐が気に揉む必要はないはず。
「他に何か問題が?」
「それが……何を考えたのか、途中で下船したらしい」
「え? 降りちゃったんですか?」
船は一度乗り込んだら、どこかの港か、決められた停船地点に到着するまで外に出ることはできない。
途中で下船したということは、どこかの停船地点で降りたということだ。
「イガちゃん、向こうの営業さんをビビらせちゃったんじゃないのお? あの照明さんを怒鳴りつけたときみたいに『お前ふざけるな』って」
「い、いや、そんなことは言ってない」
否定しながらも、鼻の頭を掻く五十嵐。何か気まずいことが起きているときの仕草だ。
ノブが言うとおり、多分向こうの営業を怒鳴りつけたのだろう。そして、それに焦った営業は慌てて下船した、と。
グランホルツからプラージュ諸島方面に出ている定期船は、リゾート地「サンフォスタン」行きの便だけ。サンフォスタン行きで途中下船できる場所があったか、アランは記憶を辿るが、思い出せなかった。
「それで、どこで降りちゃったんです?」
「ええと……ムラウってところらしいんだが、知ってるか?」
「え」
チャイラテのカップを持ったまま、アランは固まってしまった。
「ム、ムラウって、ムラウ鍾乳洞のことですか?」
ムラウ鍾乳洞は高レベル向けに用意されているダンジョンで、プラージュ諸島エリアの代表的Mobである半魚人「サハギン」が住むダンジョンでもある。
サハギンは、別名「海の悪魔」とも呼ばれている、非常に厄介なMobだ。
彼らの主な武器はその鋭い爪なのだが、もうひとつ、彼らが悪魔と呼ばれる由縁の武器がある。
サハギンは設定上、遠くエルフの血を引く種族らしく、強力な魔術を使ってくるのだ。
「多分そこだと思う。入り口で俺たちを待っていたらしいが、魚みたいなMobに襲われて、奥に逃げ込んだらしい」
「どうしてそんなところにわざわざ降りちゃうかなあ。一回全滅してホームハウスに戻った方が早くない、それ?」
ため息交じりで漏らすノブに、アランも同意してしまった。
撮影で使うアイテムといえば、Twinklingで用意している衣服ぐらいだろう。全滅してダンジョン内にアイテムを落としたとしても、すぐに替えの衣服は手配できるはず。
「いや、そうもいかない。なにせ所持しているのは『Twinklingの発表前の作品』なわけだからな。もしムラウ鍾乳洞に落として、誰かの手に渡ってしまえば大変なことになってしまう」
「……なのに、そんな危ない場所に行っちゃったの?」
「そういうことだ」
高ぶる心を落ち着けるつもりなのか、チャイラテをオーダーする五十嵐。すぐさま手渡されたカップになみなみと注がれていたそれを、一気に喉奥へと流し込んだ。
「でも、ですよ」
またたく間に空になった五十嵐のカップを一瞥し、アランが続ける。
「向こうには、クロシエがいるんですよね?」
Twinklingとスポンサー契約を結んだ専属のモデルであるクロシエ。ムラウ鍾乳洞が高レベル向けダンジョンだと言っても、クロシエが一緒なら危険はないはずだ。
「いや、それが、な」
言葉を濁しながら、五十嵐がふと背後に視線を送る。
その視線に誘導されるように、アランとノブの視線がそちらへと向けられた。
「……あ」
カフェ「ブランタン」の入り口。アランの目に映ったのは、ひとりのプレイヤーだった。
赤い刺繍が施された黒いローブを着た、アランと同じ銀の髪を持つ女性。特徴的なのは、黒いローブとのコントラストが映える白い肌と、猫のような瞳――
「あら、クロっち」
そこに立っていたのは、Twinklingの広告で何度も見た、妖艶さに危険な空気を伴わせた美しいデーモン種の女性、クロシエだった。
「お久しぶりです、ノブさん」
あっけらかんと問いかけるノブに、クロシエは小さく頭を垂れる。
その状況がいまいち把握できなかったアランは、しばし黙考してしまった。
Twinklingのスタッフと一緒のはずのクロシエ。彼女がここにいるということは――
「ちょっと待ってください、五十嵐さん。Twinklingのスタッフたちは、彼女なしでムラウ鍾乳洞に?」
「現地集合だと思っていたらしいからな。残念だがそういうことになる」
「マジですか」
アランは頭を抱えてしまった。
ドラゴンズクロンヌ内で撮影を行う際、護衛として信頼がおけるプレイヤーを同行させるのが普通だ。だが、Twinklingのスタッフがサハギンに襲われてダンジョンの奥に逃げ込んだことを考えると、護衛は低レベル、もしくは不在と考えていいかもしれない。
他のプレイヤーならまだしも、今回はランキング二位のクロシエがモデルなのだ。中途半端な護衛を数名雇うより、彼女自身に守ってもらう方が確実。
Twinklingのスタッフがそう考えていたとしてもおかしくない。
「というわけなんだ、アラン」
話の流れが理解できたアランは、そう切り出した五十嵐の言葉に顔を顰めてしまった。
つまり、これからムラウ鍾乳洞に逃げた撮影スタッフを救出して、撮影に向かおうというのだ。
「……本当に申し訳なく思っている」
そう切り出したのは、じっとこちらを見つめていたクロシエだった。
「できるならば私とともに、彼らの救出を手伝って欲しい。責任はすべてこちら側にある」
そう言って頭を下げるクロシエに、アランは驚きすら覚えてしまった。
五十嵐がTwinklingの営業を恫喝したことが原因のひとつであるはずなのに、クロシエはすべてはTwinkling側のミスだと言い放った。
そう言うことで、相手は何も気負うことなく救出を手伝えるからとはいえ、なんとも律儀な女性だ。
ノブが言った「クロシエは気が回るいい子」という言葉が、アランの脳裏に蘇った。
「わかったよ。行こうか、ムラウ鍾乳洞に」
残ったチャイラテを飲み干し、アランはカウンターにカップを置いた。
いわばこれは、高レベル向けダンジョンに残された撮影スタッフを救出しろというクエストだ。
撮影スタッフがサハギンに殺されてしまえばゲームオーバーの高難易度クエスト。障害になるのは、こちらのレベルでもプレイヤースキルでもなく、時間。
なんとも億劫になってしまう状況だが、ひとつ救われたことがアランにはあった。
ちらりと視線を送った先。自分の肩越しに見えるのは、ノブと何やら思い出話に花を咲かせているクロシエの姿――
彼女はどうやら、こちらのことをそんなに目の敵にしているわけではなさそうだ。
***
船はどうも苦手だ。
グランホルツ発サンフォスタン行きの定期船。甲板で風にあたっていたアランは、目が覚めるような美しい景色を眺めつつ、心の中でそう吐き捨てた。
三半規管が刺激されることにより発生する自律神経の失調、いわゆる「船酔い」は仮想現実世界にはもちろんないものだが、ふわふわとした不快感は、ありがたくもリアルに再現されている。
アランはこれまで幾度か船を利用しているが、その不快感には未だに慣れなかった。
「アラン」
「ん?」
吹きつける風の音とともに、ふと女性の声がアランの耳を撫でていった。
アランたちと一緒に定期船に乗り込んだクロシエだ。
「クロシエ? どうした?」
「いや、大したことではないのだが、そういえばまだしっかりと挨拶をしていなかったと思ってな」
確かに、とアランもそのことに気がついた。
気もそぞろに、流れで定期船に飛び乗ってしまったから、仕方がなかったのかもしれない。
「……じゃあ、改めて。アランだ。よろしく」
「クロシエだ。今回は迷惑をかけてすまない」
こういったときは握手でもすべきなのかと考えたアランだったが、クロシエは特に握手を求めているわけでもなかったので、軽く会釈する程度に止めた。
それにしても、とアランはクロシエの姿を見て思う。
デーモン種の女性アバターはどうも苦手だ。
以前すずたちを襲った魔術師もそうだが、デーモン種は高圧的で近寄りがたい雰囲気を放っているプレイヤーが多い。そういう雰囲気が好きな男もいるのだろうが、自分は苦手な部類だ。デーモン種に限らず、女性は全般的に苦手なのだが。
「動画は拝見させてもらっている。覇竜ドレイク討伐おめでとう」
「え? あ……ど、どうも」
「予備動作なしの【ドラゴンブレス】を躱したのは見事だった。私なら直撃を受けていたかもしれない」
謙遜している様子もなく、「魔術職だったらどう対策するか」と考察しはじめたクロシエに、アランは思わず笑みを浮かべてしまった。
「何かおかしいことを言ったか?」
「いや、悪い。俺の動画を見ているって、社交辞令だと思っていた」
「私が動画を見ているのは変か?」
クロシエは小さく首をかしげる。
「いや変じゃない。実は……俺も君の動画は見ている」
「む、そうなのか」
「動画だけじゃなく、ブログも」
「う……なんだか恥ずかしいな」
少し頬を赤らめながら、気恥ずかしそうに視線を遠くへとそらすクロシエ。
どうやら感情を表に出さないわけでもないようだ。ノブが言っていたとおり、クロシエは見た目ほど冷たい女性ではないのかもしれない。
「クロシエは……クラス魔術師か。ビルドは何系?」
「雷系だ」
「雷系か。なら、サハギンには有効だな」
サハギンなどの海棲生物に特に効果が高い魔術が雷系魔術だ。
さらに、雷系魔術は他のツリー【炎系】【水系】【氷系】【土系】に比べて、広範囲に攻撃を加えられる魔術が多く、集団で襲いかかってくることが多いサハギンには特に効果的な魔術ツリーだった。
「それに、ムラウ鍾乳洞には何度か行ったことがある」
「それは頼もしいな。先導は任せていいか?」
「もちろんだ」
クロシエが力強く頷く。
通常、魔術師のような後衛職は後方支援がセオリーだが、熟練者で高レベルの魔術師で、さらに地理にも精通しているとあれば、先導してもらった方がいいだろう。
パーティのメインアタッカーは彼女に任せて、逆に自分はサポートに回る。
五十嵐たちには定期船の終着点であるサンフォスタンの街で待機してもらい、ふたりでスタッフの待つ場所へ向かえば、意外と簡単に合流できるかもしれない。
だが問題は合流した後、撮影スタッフと出口に向かうときだ。多数のサハギンに同時に襲われたら、撮影スタッフに被害が出てしまうかもしれない。最悪、自分がサハギンを足止めして、クロシエとスタッフに脱出してもらうことも考えておいた方がいい。
「見ろ、アラン」
ひゅう、と一陣の風が甲板を通りぬけ、クロシエのフードから溢れる美しい銀の髪が大きくなびいた。いつの間にか、風は暖かい南国の風に変っている。
「プラージュ諸島か」
クロシエが指す先。美しいコバルトブルーの海の中に広がるいくつもの島々。
そして、まるでアランの言葉に返事をするように、停船を告げる甲高い鐘の音が辺りに鳴り響いた。
***
サンフォスタン行きの定期船が停船したのは、ムラウ鍾乳洞があるムラウ島沖、つまり海のど真ん中だった。
定期船はチケット購入の際に、下船する場所を選定することができる。
サンフォスタンに向かうまでに下船できる場所は五ヶ所。その中のひとつがムラウ鍾乳洞にほど近いムラウ島沖だった。
「はあ……後は手で漕いでいけってわけね。なんとも素晴らしいサービスだわ」
定期船から下船する際に貸し出される小舟の中、自らすすんでオールを手にしながら愚痴をこぼしたのはノブだ。
「というか、ノブさんと五十嵐さんはこのままサンフォスタンで待っていた方がいいんじゃないですか?」
撮影場所が向こうなのであれば、合流場所はサンフォスタンでもなんら問題はない。
むしろ、余計な心配事が増えるからサンフォスタンに行ってもらった方がいいのだが。
「何言ってるの、アランちゃん。こんな面白いことをアタシが逃すわけないじゃない」
「面白いことって……撮影スタッフの救出が、ですか?」
「そうよ。ランキング一位のアランちゃんと二位のクロっちが一緒にプレイするなんて、この先二度とないかもしれないじゃない?」
「チャイラテをひとつ」
店内をざっと見渡した後、アランはカウンターの向こうに立っていたカイゼル髭が似合う執事風NPCに注文を出した。
チャイラテは、現実世界と同じインド式ミルクティーのことだが、この世界では一定時間ステータスアップ効果がある。
グランホルツのカフェには、この他にも一定時間スタミナが減らなくなる「パンチェッタとマスカルポーネのサンド」といったメニューが並び、訪れたプレイヤーの舌を楽しませている。
ゲーム内で香りや味を楽しめるというのは、五感に刺激を与えられて遊ぶドラゴンズクロンヌの醍醐味のひとつだ。美しい景色を求めて世界中を回るプレイヤーと同じように、グルメなプレイヤーたちが、食を求め世界中を回り、毎日のようにSNSやブログにグルメレポートを掲載している。
「アランちゃ~ん!」
カップを受け取ったアランの耳に、絡みついてくるような粘り気のある声が飛びこんできた。
「……ああ、ノブさん」
手を振りながらこちらに駆け寄ってきたのは、ド派手なショッキングピンクのシャツを着た男性。
件のスタイリスト、ノブだ。
短く刈り込まれた頭髪に彫りが深い顔立ち。厳つい系に属するノブはどこからどう見ても男性アバターだったが、彼の挙動やしゃべり方には、女性の雰囲気がある。
何を隠そう、ノブはいわゆる「オネエ系」のスタイリストだった。
「ちょっと、しばらくぶりじゃない? 元気にしてた?」
「DICEからスポンサー契約を切られないくらいには、元気にやってますよ。えーと、ノブさんはミネラルウォーターでいいですか?」
「あら、久しぶりなのにアタシがカフェイン駄目なの覚えててくれたんだ」
「こっちの世界にカフェインなんてないんで、何を飲んでも平気だと思うんですけどね」
「気分よ、気分」
アランは苦笑しながら、ミネラルウォーターをひとつ頼み、ノブとともにカウンターに設置された席に腰を降ろした。
「それよりも、先日の配信、生で観たわよ」
「え、配信?」
「あのでっかいドラゴンよ。ヒヤヒヤしたけど、さすがアランちゃんだわ」
「……ああ、ドレイクのことですね。わざわざ見てくれたなんて、ありがとうございます」
ノブは仕事以外でこちらに来ることはあまりないと言っていた。たまたま仕事で来ていたのかもしれないが、時間を作って見てくれたのは正直、嬉しい。
「それで、今日はクロっちと一緒に撮影なんでしょ? アンタたちって面識あるの?」
「クロっち?」
「もう、クロシエのことよ」
「……ああ」
にんまりと笑みを浮かべるノブに、アランは苦笑いで答えた。
「面識はないです……というか、ノブさんはクロシエと面識あるんですか?」
「あら、言ってなかったっけ。アタシTwinklingの現場にもお呼ばれするのよ?」
ノブはDICEのスタイリストであるが、専属というわけではなく、他のアパレルメーカーとも仕事をしている、と以前聞いたことがある。
クロシエと契約を結んでいるTwinklingにも出入りしているのは知らなかったが。
「初耳ですね。クロシエってどんな人なんです?」
「ん~、そうね。なんというか、クロっちは紳士的な女性ね」
「紳士的ですか。確かに動画からはそんな空気が感じられます」
クロシエの動画はこれまで何度も視聴してきた。
高いテクニックとクールな口調の女性で、世間ではアランに勝るとも劣らないプレイヤーという評価だ。あの程度で自分と同レベルなんてまったくもって馬鹿馬鹿しい評価だが、彼女のプレイに華があるのは間違いない。
「あの娘、口調がちょっと冷たい感じだけど、よく気が回るし、将来はいい奥さんになると思うのよね。そのギャップが男性の心を鷲掴みするポイントかも」
「なるほど。女子力が高いノブさんが言うと、なんだか説得力があります」
「うそ~、ホント~? もう、アランちゃんったら上手いんだからっ!」
そう言って、ばしばしと肩を平手打ちするノブだったが、グランホルツはプレイヤーキル行為禁止エリアのため、痛みも何も感じない。
「でも安心して。アランちゃんもクロっちと同じくらい可愛いから。ふたりが一緒の現場なんて、アタシすご~く興奮しちゃうわ」
ノブの意味深な言葉にアランは思わずごくりと唾を呑み込んでしまった。
ノブはオネエ系だが、可愛ければ男性でも女性でもどちらでもイケると、本人から聞いた記憶がある。Twinklingの広告に載っていたクロシエは、どちらかというと妖艶な系統の女性だったが、あれは「同じ女性目線」からすると可愛いに属するのだろうか。
「にしても」
ふと、カフェに設置されている時計に視線を送るノブ。
「五十嵐、遅いわね」
「確かにそうですね。いつもなら最初に到着してるのに」
撮影の全体管理をしている五十嵐は、最初に待ち合わせ場所に到着することが多い。撮影のタイムスケジュールを確認したり、現地の天候変化についてドラゴンズクロンヌ運営と確認したりと、事前準備をする必要があるからだ。
だが、カフェに五十嵐の姿はない。それに、来ると言っていたTwinklingのスタッフの姿もない。
時間にきっちりした五十嵐と、カメラマンやその他のスタッフも全員遅れている……なんてことはないはず。
もしかして、何かあったのだろうか。
「関係ないけど、こっちの世界じゃなくて現実世界の方でね、撮影現場に照明スタッフが遅刻したことがあったんだけど。あのときのイガちゃん、怖かったのよね」
「え、そうなんですか」
ポツリとこぼすノブに、アランは目をぱちくりとさせてしまった。
それは意外な話だが、なんとなくわかる気もする話だった。
五十嵐は普段は温厚だが、地雷を踏んでしまったら恐ろしそうな、そんな危険な空気を感じてしまうことがある。
「いつもどこか気が抜けてる感じだけど、現場に入ると急に締まるじゃない? あのときはさらに、ピリピリして――」
「一体、何年前の話だ」
不意にアランたちの後ろから、どすの利いた声が放たれた。
そこに立っていたのは、いつもの黒いスーツに身を包んだ、五十嵐だった。
「あ、イガちゃん、オハ~」
「おつかれさまです、五十嵐さん。ギリギリに来るなんて珍しいですね」
「すまない。ちょっと問題が起きてな」
眉を顰めながら謝罪する五十嵐の言葉に、なんとなく嫌な予感がしたアラン。
この場所にTwinklingのスタッフが来てないことと関係しているのだろうか。
「実は、Twinklingのスタッフが待ち合わせ場所を勘違いして、現地に向かってしまったらしい」
「あらら」
ノブが浮かべたのは「仕方のない人たちね」と言いたげな苦笑いだった。全く見当違いな場所に向かったのであれば、苦笑いではすまない問題だが、向かった先が現場ということであれば、五十嵐が気に揉む必要はないはず。
「他に何か問題が?」
「それが……何を考えたのか、途中で下船したらしい」
「え? 降りちゃったんですか?」
船は一度乗り込んだら、どこかの港か、決められた停船地点に到着するまで外に出ることはできない。
途中で下船したということは、どこかの停船地点で降りたということだ。
「イガちゃん、向こうの営業さんをビビらせちゃったんじゃないのお? あの照明さんを怒鳴りつけたときみたいに『お前ふざけるな』って」
「い、いや、そんなことは言ってない」
否定しながらも、鼻の頭を掻く五十嵐。何か気まずいことが起きているときの仕草だ。
ノブが言うとおり、多分向こうの営業を怒鳴りつけたのだろう。そして、それに焦った営業は慌てて下船した、と。
グランホルツからプラージュ諸島方面に出ている定期船は、リゾート地「サンフォスタン」行きの便だけ。サンフォスタン行きで途中下船できる場所があったか、アランは記憶を辿るが、思い出せなかった。
「それで、どこで降りちゃったんです?」
「ええと……ムラウってところらしいんだが、知ってるか?」
「え」
チャイラテのカップを持ったまま、アランは固まってしまった。
「ム、ムラウって、ムラウ鍾乳洞のことですか?」
ムラウ鍾乳洞は高レベル向けに用意されているダンジョンで、プラージュ諸島エリアの代表的Mobである半魚人「サハギン」が住むダンジョンでもある。
サハギンは、別名「海の悪魔」とも呼ばれている、非常に厄介なMobだ。
彼らの主な武器はその鋭い爪なのだが、もうひとつ、彼らが悪魔と呼ばれる由縁の武器がある。
サハギンは設定上、遠くエルフの血を引く種族らしく、強力な魔術を使ってくるのだ。
「多分そこだと思う。入り口で俺たちを待っていたらしいが、魚みたいなMobに襲われて、奥に逃げ込んだらしい」
「どうしてそんなところにわざわざ降りちゃうかなあ。一回全滅してホームハウスに戻った方が早くない、それ?」
ため息交じりで漏らすノブに、アランも同意してしまった。
撮影で使うアイテムといえば、Twinklingで用意している衣服ぐらいだろう。全滅してダンジョン内にアイテムを落としたとしても、すぐに替えの衣服は手配できるはず。
「いや、そうもいかない。なにせ所持しているのは『Twinklingの発表前の作品』なわけだからな。もしムラウ鍾乳洞に落として、誰かの手に渡ってしまえば大変なことになってしまう」
「……なのに、そんな危ない場所に行っちゃったの?」
「そういうことだ」
高ぶる心を落ち着けるつもりなのか、チャイラテをオーダーする五十嵐。すぐさま手渡されたカップになみなみと注がれていたそれを、一気に喉奥へと流し込んだ。
「でも、ですよ」
またたく間に空になった五十嵐のカップを一瞥し、アランが続ける。
「向こうには、クロシエがいるんですよね?」
Twinklingとスポンサー契約を結んだ専属のモデルであるクロシエ。ムラウ鍾乳洞が高レベル向けダンジョンだと言っても、クロシエが一緒なら危険はないはずだ。
「いや、それが、な」
言葉を濁しながら、五十嵐がふと背後に視線を送る。
その視線に誘導されるように、アランとノブの視線がそちらへと向けられた。
「……あ」
カフェ「ブランタン」の入り口。アランの目に映ったのは、ひとりのプレイヤーだった。
赤い刺繍が施された黒いローブを着た、アランと同じ銀の髪を持つ女性。特徴的なのは、黒いローブとのコントラストが映える白い肌と、猫のような瞳――
「あら、クロっち」
そこに立っていたのは、Twinklingの広告で何度も見た、妖艶さに危険な空気を伴わせた美しいデーモン種の女性、クロシエだった。
「お久しぶりです、ノブさん」
あっけらかんと問いかけるノブに、クロシエは小さく頭を垂れる。
その状況がいまいち把握できなかったアランは、しばし黙考してしまった。
Twinklingのスタッフと一緒のはずのクロシエ。彼女がここにいるということは――
「ちょっと待ってください、五十嵐さん。Twinklingのスタッフたちは、彼女なしでムラウ鍾乳洞に?」
「現地集合だと思っていたらしいからな。残念だがそういうことになる」
「マジですか」
アランは頭を抱えてしまった。
ドラゴンズクロンヌ内で撮影を行う際、護衛として信頼がおけるプレイヤーを同行させるのが普通だ。だが、Twinklingのスタッフがサハギンに襲われてダンジョンの奥に逃げ込んだことを考えると、護衛は低レベル、もしくは不在と考えていいかもしれない。
他のプレイヤーならまだしも、今回はランキング二位のクロシエがモデルなのだ。中途半端な護衛を数名雇うより、彼女自身に守ってもらう方が確実。
Twinklingのスタッフがそう考えていたとしてもおかしくない。
「というわけなんだ、アラン」
話の流れが理解できたアランは、そう切り出した五十嵐の言葉に顔を顰めてしまった。
つまり、これからムラウ鍾乳洞に逃げた撮影スタッフを救出して、撮影に向かおうというのだ。
「……本当に申し訳なく思っている」
そう切り出したのは、じっとこちらを見つめていたクロシエだった。
「できるならば私とともに、彼らの救出を手伝って欲しい。責任はすべてこちら側にある」
そう言って頭を下げるクロシエに、アランは驚きすら覚えてしまった。
五十嵐がTwinklingの営業を恫喝したことが原因のひとつであるはずなのに、クロシエはすべてはTwinkling側のミスだと言い放った。
そう言うことで、相手は何も気負うことなく救出を手伝えるからとはいえ、なんとも律儀な女性だ。
ノブが言った「クロシエは気が回るいい子」という言葉が、アランの脳裏に蘇った。
「わかったよ。行こうか、ムラウ鍾乳洞に」
残ったチャイラテを飲み干し、アランはカウンターにカップを置いた。
いわばこれは、高レベル向けダンジョンに残された撮影スタッフを救出しろというクエストだ。
撮影スタッフがサハギンに殺されてしまえばゲームオーバーの高難易度クエスト。障害になるのは、こちらのレベルでもプレイヤースキルでもなく、時間。
なんとも億劫になってしまう状況だが、ひとつ救われたことがアランにはあった。
ちらりと視線を送った先。自分の肩越しに見えるのは、ノブと何やら思い出話に花を咲かせているクロシエの姿――
彼女はどうやら、こちらのことをそんなに目の敵にしているわけではなさそうだ。
***
船はどうも苦手だ。
グランホルツ発サンフォスタン行きの定期船。甲板で風にあたっていたアランは、目が覚めるような美しい景色を眺めつつ、心の中でそう吐き捨てた。
三半規管が刺激されることにより発生する自律神経の失調、いわゆる「船酔い」は仮想現実世界にはもちろんないものだが、ふわふわとした不快感は、ありがたくもリアルに再現されている。
アランはこれまで幾度か船を利用しているが、その不快感には未だに慣れなかった。
「アラン」
「ん?」
吹きつける風の音とともに、ふと女性の声がアランの耳を撫でていった。
アランたちと一緒に定期船に乗り込んだクロシエだ。
「クロシエ? どうした?」
「いや、大したことではないのだが、そういえばまだしっかりと挨拶をしていなかったと思ってな」
確かに、とアランもそのことに気がついた。
気もそぞろに、流れで定期船に飛び乗ってしまったから、仕方がなかったのかもしれない。
「……じゃあ、改めて。アランだ。よろしく」
「クロシエだ。今回は迷惑をかけてすまない」
こういったときは握手でもすべきなのかと考えたアランだったが、クロシエは特に握手を求めているわけでもなかったので、軽く会釈する程度に止めた。
それにしても、とアランはクロシエの姿を見て思う。
デーモン種の女性アバターはどうも苦手だ。
以前すずたちを襲った魔術師もそうだが、デーモン種は高圧的で近寄りがたい雰囲気を放っているプレイヤーが多い。そういう雰囲気が好きな男もいるのだろうが、自分は苦手な部類だ。デーモン種に限らず、女性は全般的に苦手なのだが。
「動画は拝見させてもらっている。覇竜ドレイク討伐おめでとう」
「え? あ……ど、どうも」
「予備動作なしの【ドラゴンブレス】を躱したのは見事だった。私なら直撃を受けていたかもしれない」
謙遜している様子もなく、「魔術職だったらどう対策するか」と考察しはじめたクロシエに、アランは思わず笑みを浮かべてしまった。
「何かおかしいことを言ったか?」
「いや、悪い。俺の動画を見ているって、社交辞令だと思っていた」
「私が動画を見ているのは変か?」
クロシエは小さく首をかしげる。
「いや変じゃない。実は……俺も君の動画は見ている」
「む、そうなのか」
「動画だけじゃなく、ブログも」
「う……なんだか恥ずかしいな」
少し頬を赤らめながら、気恥ずかしそうに視線を遠くへとそらすクロシエ。
どうやら感情を表に出さないわけでもないようだ。ノブが言っていたとおり、クロシエは見た目ほど冷たい女性ではないのかもしれない。
「クロシエは……クラス魔術師か。ビルドは何系?」
「雷系だ」
「雷系か。なら、サハギンには有効だな」
サハギンなどの海棲生物に特に効果が高い魔術が雷系魔術だ。
さらに、雷系魔術は他のツリー【炎系】【水系】【氷系】【土系】に比べて、広範囲に攻撃を加えられる魔術が多く、集団で襲いかかってくることが多いサハギンには特に効果的な魔術ツリーだった。
「それに、ムラウ鍾乳洞には何度か行ったことがある」
「それは頼もしいな。先導は任せていいか?」
「もちろんだ」
クロシエが力強く頷く。
通常、魔術師のような後衛職は後方支援がセオリーだが、熟練者で高レベルの魔術師で、さらに地理にも精通しているとあれば、先導してもらった方がいいだろう。
パーティのメインアタッカーは彼女に任せて、逆に自分はサポートに回る。
五十嵐たちには定期船の終着点であるサンフォスタンの街で待機してもらい、ふたりでスタッフの待つ場所へ向かえば、意外と簡単に合流できるかもしれない。
だが問題は合流した後、撮影スタッフと出口に向かうときだ。多数のサハギンに同時に襲われたら、撮影スタッフに被害が出てしまうかもしれない。最悪、自分がサハギンを足止めして、クロシエとスタッフに脱出してもらうことも考えておいた方がいい。
「見ろ、アラン」
ひゅう、と一陣の風が甲板を通りぬけ、クロシエのフードから溢れる美しい銀の髪が大きくなびいた。いつの間にか、風は暖かい南国の風に変っている。
「プラージュ諸島か」
クロシエが指す先。美しいコバルトブルーの海の中に広がるいくつもの島々。
そして、まるでアランの言葉に返事をするように、停船を告げる甲高い鐘の音が辺りに鳴り響いた。
***
サンフォスタン行きの定期船が停船したのは、ムラウ鍾乳洞があるムラウ島沖、つまり海のど真ん中だった。
定期船はチケット購入の際に、下船する場所を選定することができる。
サンフォスタンに向かうまでに下船できる場所は五ヶ所。その中のひとつがムラウ鍾乳洞にほど近いムラウ島沖だった。
「はあ……後は手で漕いでいけってわけね。なんとも素晴らしいサービスだわ」
定期船から下船する際に貸し出される小舟の中、自らすすんでオールを手にしながら愚痴をこぼしたのはノブだ。
「というか、ノブさんと五十嵐さんはこのままサンフォスタンで待っていた方がいいんじゃないですか?」
撮影場所が向こうなのであれば、合流場所はサンフォスタンでもなんら問題はない。
むしろ、余計な心配事が増えるからサンフォスタンに行ってもらった方がいいのだが。
「何言ってるの、アランちゃん。こんな面白いことをアタシが逃すわけないじゃない」
「面白いことって……撮影スタッフの救出が、ですか?」
「そうよ。ランキング一位のアランちゃんと二位のクロっちが一緒にプレイするなんて、この先二度とないかもしれないじゃない?」
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