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計画的犯行??

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にやける顔を引き締める。

私は誇り高いエルフ族


初めてを捧げて興奮してる場合ではありません。
好みの年下とはいえ寝込みを…あれは魅了のせいですわ!!
ノーカン、ノーカンですの!!
とはいえしてしまったものは後戻りできませんわ。
そこでハッと気づく。
もしこれで妊娠してしまえばどうなるか……



「これはいけませんわ。」


即座に自分の失態に気づくと計画を立てる。
どうにか自然にそう言うことにならないといけない。かと言って愛のないものはエルフの誇り…はもういい。
さて私も副隊長としてしっかりとしなければいけない身。
となれば魅了に負けたとあっては部下に示しがつかない。
こうなれば向こうから求めてきてもらいませんと!!


ミレーナはマリーが眠る自室に戻るとマリーを叩き起こす。
そういえばマリーは今発情期。先祖返りはこれがあるのでこのせいにしてしまえばいいが私はできない。
なんともうらやま…けしからんですの!!


起こしたマリーと救出したもの達に事情聴取を取りに行く。
名前はトウヤと言うのですか。はぁ私の初めての殿方!
いけませんわ!気を引き締めませんと!!
まだジョブを持っていない彼はおそらく養蜂家。伯爵様の思惑を考えればこの方と産めや増やせやと言うことですわね。まぁこの際お嫁に行けるかどうか怪しい女騎士なんて仕事に入ったのだからその思惑にのるのが得策ですわね。

益体もないことを考えながら聴取を続ける。

ジョブの儀式のためには神殿に行かなければならないのでこの夢魔の異臭を放つ状態ではパニック必至!!
すぐさま馬を走らせて対応してもらう。
私はその間に救出したもの達の衣類を調達することに。

村に到着するとすでに建っていた建物を一瞥すると工兵と輸送兵に帰還指示を出す。
まだまだ仕事は多いですわ。


いくつかの指示を終えて隊員の様子を見回ろうかと思っていると屋敷の前にトウヤがいた。
これはチャンスではなくて??
ここで私のことを覚えていただきましょう。

「不思議に思いますわよね。たった数時間でこんなものが建つんですもの。」

当たり障りのない言葉を選び声をかける。

「そうですね。魔法ですか?」
「まぁそれもありますわ。でもこれは工兵隊の建築家か大工のジョブを持ってる方のスキルでしょうね。」
「ここを拠点に村の復興していくってことですよね?全員ここで寝泊まりするんですか?」
「そうなりますわね。」

あら?もしかして見知らぬ人と共同生活は嫌、と言うことでしょうか??

「いいんですか?俺たちの近くにいるとどうなるかわかりませんよ??」

まぁ!!自分の状態をしっかり把握して私達の気遣いまで!!!
あぁなんと聡い子。

「そうですわね。我々にも責任はありますし、そうなった時は仕方ありませんわね。」
「え!?」
「12歳になったばかりのあなたが気にすることではありませんわ。どうしても無理って方は除隊するか街との連絡係として向こうに待機いたしますの。それにこの村の蜂蜜は良質の薬を作れますので領主様はあわよくばなんて思っていますわ。」

そう、私達が子供を産めばこの村の村民が増える。
女性である私達なら都合もいいのですわ。今回はその思惑に乗っかってあげますからトウヤとの関係をしっかりと!

「は?」
「子供ができれば儲け物ってことですの。」
「そ、それはさすがに…」
「いえ、養蜂家ってのは定住してしまえば他の地域に移住する人なんてしませんわ。となるとここで養蜂家になる子供を増やすしかありませんの。まぁ近親者が増えるのは問題ですから魅了の効果が完全に落ち着いたら他の場所から引っ越してくる方もいるでしょうけど……それ以前にここは盗賊に襲われた村という印象が濃いですから誰も進んで住みたいとは思いませんわ。噂も落ち着くまでは我々と一緒に住むことになりますの。まぁ基本は自分たちでなんとかしてくださいまし。隊員は…まぁ無理やりでなければお好きにしなさいな。」

さぁここまでいえば私達を性の対象としてきちんとみてくださいますわよね??
我慢ならなくなったら同村の女性達とだけ、なんて許しませんわよ!
そんなもの見せつけられて悶々と過ごすのはお断りですの。
簡単な会話を終えて仕事に戻る。正直もっと話していたかったがそうも行かない。




夕食どきとなり何やらマリーが隊員に指示を出している。
そういえば何か街でもこそこそ指示を出して……は!マリーもトウヤと!!
いや、発情期なんですもの仕方ありませんわ。それにみんな悶々としているのがよくわかる。
特に先祖返りのもの達は我慢できずに襲わないようにと距離を置いている様子。まぁそれも時間の問題でしょう。
一緒に住んでれば夜這いの一つもする子は必死。
あれはケーキ?そう誕生日……抜かりましたわ!!
隊員にケーキの出す時間を支持し終えたマリーがなんだか艶っぽい。

食事も終わりあとはケーキを残すのみ。
マリーの指示した通りケーキが出てくるとトウヤの目がうるうるとして口角も上がる。あぁなんて可愛いんですの。
あれ?なんですの?この匂い……悶々と……は!!


「まずいですわね。みな自室に待避なさい!!夢魔の匂いが強くなってますわ!!」


えぇえぇまずいですわ!!みんなより先に抱かれたいのにこんなんじゃ今日みんな夜這いをかけてしまいますわ!!
隊員に指示を出すとすでに鼻の穴がぷっくりと膨らんだものが出始めている。
すぐに部屋へ連れて行くように指示し魅了にかかっていた子供2人も抱えて部屋へと連れて行く。
少し暴れられましたが子供の力ではどうしようもありませんの!!
隊員の数名も様子がおかしかったがそんなものはもうどうでもいい。
まずは隙を伺って…ふふ。

食堂に向かう足が速くなる。

いや……がっつきすぎですわね。

我に返ったところで足が止まる。
隊員の模範であらねばならない私がこれではいけませんわ。もう少し時間をかける必要がありそうですわ。
冷静になると再び今度はゆっくり歩き出す。


「んふぅ」
「あ!」
「あぁ~~~」


食堂に近づくと色っぽい喘ぎ声が聞こえてくる。
あぁあぁもうお楽しみなんですの!!
魅了にかかって自制が効かないのはわかりますがこんなお預けってありませんわ!!


「んふぅ~~」


どこか聞き覚えのある鼻息が聞こえてくる。
は!!まさか!!

たったったった!

食堂に駆け出すとトウヤと絡み合うマリーの姿
あ!!
足を止め呆然と立ち尽くす。
羨ましい、羨ましいけど今はダメ!一歩二歩と後ずさると自然と股間に手を当てる。
だめ!今はダメ!!トウヤはいま魅了に抗ってるようで時折頭を振ったり拳を握りしめて歯を食いしばり耐えようとしている様子。今行ってしまえば……
心が傷ついてるであろうトウヤに追い打ちをかけてしまいかねない。
私が癒して差し上げますわ。その時まで、そのチャンスまで我慢ですわよ!!
自分を慰めてなんとか耐え忍ぶ。

声が聞こえなくなりしばらくするとマリーとトウヤの会話が聞こえてくる。
声が小さくよく聞こえないが部屋に戻るようだ。もうすぐこっちにくる!!もう隠れる時間もありませんわ!!
ここは堂々として。


「マリア隊長……お疲れ様…ですの………後の片付けは私わたくしがいたしますので続きはお部屋でなさってくださいまし。」


なんとか声を振り絞る。
平常心平常心


「んふぅ。すまない……これでは皆に……」
「はぁ、みんなも発情期のことは知ってますの。マリーは特に先祖の血を色濃く受け継いでいますからそれだけ発情期に苦労していることは見てればわかりますわ。今回の件を思えば今まで我慢できたのが奇跡的と言っても過言ではありませんの。まぁ…追々他の先祖返りの子が同じようなことになることを思えば……マリーが初めにこうなってしまえばみんなの罪悪感も薄れて仕方ないと納得するんでなくて?魔が差しても……ねぇ?」


そう私が魔が差したとしても仕方がありませんわよね?
もうかなりギリギリですわ!あぁトウヤ!!もうすぐもうすぐ癒して差し上げますわ。

そう言い残すと足早に食堂に入る。
な!!床は水浸しで机と椅子もヌルヌルとしている。よく見ると血液のようなものまで……
机の上のケーキには何?あの白いものは??頭がクラクラする匂い。

カラン

手を机に着くとフォークが床に落ちる。
は!!いけませんわ!!
すぐに我を取り戻すとケーキを捨てに食堂へと持って行く。
これは危ない!

入り口のところでこちらを振り返るトウヤの姿がチラリと見える。

あぁぁ私のことが気になりますのね。
もう少し我慢してくださいな。

ゴミ箱の前に立つとふとこのまま捨てていいものかと思い直す。
この匂いの発生源はこの白いもの。このまま捨てれば明日の食事当番は??
いけません!!ではどこに??密閉する何かは見当たらずどうしようかと考えてみる。
あ!!そうですわ!!お腹の中にしまってしまえばいいんですの!!
思いついたら即実行。ふふ!トウヤの体液ですの。

ケーキを食べ終えしばし余韻に浸った後食堂を掃除するが罪悪感に悶え苦しむ。

部屋に戻るとフクロウが窓の外に止まっていた。どうやら伯爵からの伝令のようだ。
マリーではなく私にくるところを見ると発情期のことを知っていて人を与えたのがうかがえる。
なんと指示の多いこと。
フクロウの背中にあるカバンの中には本のように閉じられた紙束がある。
一通り目を通すと口角が緩む。


「うふ!一夫多妻……隊の人間も煽れとは……」


薄闇の中ミレーヌは笑いをこらえる。




朝食をとりながら考える。
いつみんなに伝えるか。煽れ…でもトウヤは同村のもの以外を抱こうとは思っていない様子。マリーは昨日のこともあったから例外か……
かなり自分を責めているような気もする。不自然なまでに距離を置こうとまでしている。
ならトウヤのいる時に…

そこまで考えてふと辺りを見回すとちょうどみんないるようだしちょうどいいですわ。
ここだ!!そう思って伯爵様の指示書を一部読み上げる。
みんな動揺してはいるものの嫌という感情はなさそうである。それもそうだろう今ここにいるものはトウヤの匂いに逆らえるものはほとんどいない。パタヤとライラ2人もの夢魔に魅了の体液を浴びせられ犯されたのだそうそう耐えれはしないだろう。
それにここの隊員はいろんな事情から結婚を諦めてきてたものも多い。
孤児院育ち、貴族の認知していない隠し子、先祖返りで力が有り余りまともな仕事に就けないもの。
こんなんじゃまともに結婚できないだろうと思うものは多い。
結婚を諦めて騎士として生きることを決めているのだ。それでも子供を産んでみたいと思っているものは多い。
今回はトウヤのことを利用するようで申し訳ないと思っているものも多いだろうがそれでも上からの命令ともなれば免罪符をもらったも同然。

一様みんなに無理強いするのはダメだと釘を刺す。

さてみんなも子供を産めるかもしれないと嬉しそうだがどうにもそわそわしてるものがいる。
ベネットだ。男っ気はなく発情期の時には仕事を休んでいる子であるがどうしたのだろう??
この指令に嫌というものもいるだろうとは思っていたがそれはここにくる前に可能性がある旨は行ってあった。
どうしても無理だというものは他の仕事をしてもらうように向こうで待機や仕事を斡旋もしたが………

考え込んでる間にベネットがトウヤに告白した。
「発情期の時はお願いします」それは反則ですわ!!
そんな手がありましたのね!!

ベネットが走り去る後ろ姿をついつい睨め付ける。
わっと笑いが聞こえて我に帰ると同様しているトウヤがいた。これはこれでチャンス!!


「ベネットを悪く思わないであげてね。別にあなたの匂いに当てられたとかではありませんのよ。あの子は救出の時にはマリー、マリア隊長と行動してましたの。救出後もあなたのことを心配してましたわ。それに先祖返りの子は少なからずあなたと近づきたいと思ってるようですの。我慢しきれず押し倒さないように距離を置いてるのはなんとなく気づいてますわよね?」
「あ、はぁ。でも匂いですよね?」


匂いではないと印象付けないと私も…


「そうですわね。それもないとは言いませんの。でもそんな匂いのせいでと思われながら抱かれたい人なんていませんの。しっかり女として愛してあげて欲しいですわね。そうしたらその匂いがなくなってもあなたのことを愛してますわよ。きっと。」
「そう、ですね。」


えぇそうですわ。申し訳なさそうに耐えるように抱かれるマリーを見てしまえばね。


「あぁそれと発情期の人はみんな特別な人間に惹かれますの。神殿のジョブの洗礼の後で調べましたら発情期の女性に言い寄られる傾向にあるって描いてましたわ。」
「それは、嘘ですよね?」
「気は楽になりますわよ?」
「ハハッ。そうですね。じゃあ俺ってモテモテですね。」
「ええ。ハーレムというやつですわね。考えても滅入るだけなら楽しめばいいんですの。」


そうもっと気楽にしていただけると私も……







「はぁ」

仕事もひと段落してため息が漏れる。


「お風呂の設営とはこうも大変なんですわね。」


独り言なので誰も聞いていない。
トウヤに頼まれてお風呂の設営をしていたのだ。魔術師のジョブを持っている私は魔法を使えばなんとかお風呂ぐらいは作れる。なので屋敷の一部屋を潰して多少無理やり作ったのだが思ったよりも疲れる。初めは他の隊員と一緒にしていたのだが後半は皆魔力が持たず1人で作業していたのだ。


「こんだけやったのですからご褒美の一つも欲しいですわね。」


せめてもの抵抗で男湯と女湯を隔てる壁を作らずにいるのは許してほしいものである。
どうにかトウヤが入ってる時に間違えて入ってしまった。なんてシュチュエーションを作りたいのだ。
夕食をすませるとトウヤがお風呂に入りに行ってしまった。


「ふふ、私も…」


そう思って立ち上がるが今日の村の様子を報告していないことを思い出す。
急いで私室に戻って村の状態を報告書にまとめてフクロウを使って街へと送る。
慌ててお風呂に入るとすでにトウヤはいなかった。
風呂上がりがっくりと肩を落として外をぼんやりと眺めると松明の明かりが村の外へと向かっているのが見える。
訝しげに思って目をこらすとトウヤだった。
慌てて跡を追うと報告書にあった村人の墓に花を供えているところだった。
やはり精神的に答えているのだろう1人の時間も必要だと踵を返すが鳴き声が聞こえてくる。
気がつくと後ろから抱きしめて慰めていた。

自分のせいだと責めるトウヤ
辛いのは見ていましたわよ。もっと甘えてくださいまし。
全ては夢魔のせいですの。

なんて言ったのかは覚えていないが頭を優しく撫でることはしっかりと意識した。
するとトウヤは振り返り強く抱きしめてくる。

ここで!!
はやる気持ちを抑える。

ふと目線を上げるとお墓が…流石にここでは終わった後にトウヤはさらに傷つく。そう思って一度突き放す。
あぁぁぁなんともったいない。

せめて部屋まで肩を抱いていようと抱きしめて歩く。


「ミレーナさん…もうちょっと……一緒にいたいです。」


なななななんて可愛いんですの!!自然と口元が緩む。


「んふ、いいですわよ。では私の部屋に行きますか?」


まずは落ち着きませんと!お茶でも飲みましょう。
トウヤと2人お茶を飲むと急に立ち上がり戻ろうとする。
ちょっ!ちょちょちょちょちょっと待って!!つい手を握ってしまう。
1秒の沈黙が長い。


「今日はここでお休みになったらどうですの?戻ったらまた…ですわよ??」
「じゃあ。みんなが寝た頃に戻ります。」
「そう…ですわね……では横になった方がよろしいですわ。」


私はなにを言ってるんでしょう?
今の感じですと今日はお預けですわ!!はぁぁせめて添い寝だけでもしませんと。
添い寝して頭を撫でるとバッと押し倒される。
は!!油断したところでご褒美ですの!!


「ごめんなさい。」


トウヤは謝って私の上から退こうとしますがもうここまで来たのなら逃がしませんわ!!


「いいんですわ。それに謝られながら抱かれたくありませんわ。愛があるならいいんですの。」


そこからはもう幸せな時間が……
首元にから鎖骨へとどんどん下がっていくトウヤがもう愛おしかった!!
朝になるとトウヤはもう部屋に戻ってようですけど一度こうなったらもう…ふふふ
今度は一晩付き合っていだだきますわよ。






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ストックが…
場つなぎ的に書いてみたが…微妙?
もっと短くいろんな職業書きたかったんですがね。今主人公の仕事がほぼ出てこない。
ドウシテコウナッタ
鍼灸かぁ~どうしよう。そろそろまともに治療させる予定です。多分
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