盟友

平 一

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 量子頭脳への人格転移マインドアップローディングを達成せる
新帝国〝理事種族〟のひとつ、アドラメレクの共有人格はかく語れり。

『〝光輝帝ルシファー〟サタンが新国家に与えしものは、
文明開発長官としての経験につちかわれし、均衡ある発展政策のみにあらず。



かつて彼女を天文学的危機による滅亡や、
旧帝国〝中枢種族〟の背信による絶望から救いたる、
〝先帝〟種族とその亡命人格群への報恩なり。
はすなわち、
側近団たる〝中枢種族〟間の内戦で滅ぼされし〝先帝〟の遺志を果たすべく、
戦争や災害、疾病による淘汰の犠牲や損失ロス費用コスト危険リスクの無き、
〝全種族のための文明発展〟をかなえんとする、人道主義的熱情なり』

『技術種族ストラスが新国家に与えしものは、
高速・遠距離の精密攻撃によりて大量破壊兵器を無効化しうる、
超空間探査・航法技術のみに非ず。
戦時における兵士・民間人の保護や、戦後復興のための物質・動力エネルギーの回収を
可能とする、統一力場障壁の技術なり 』

『産業種族アスモデウスが新国家に与えしものは、
終戦後の星間社会を担う技術・産業及び発展途上種族からの支援と、
彼女達が有すべき参政権の実現のみに非ず。
政策の大規模化と分権化に必要な人的資源の向上を達成する、
教育・医療の分野における、生体情報産業種族としての貢献なり』

『外周星域種族ベールが新国家に与えしものは、
銀河系外周星域の豊富なる材料・動力資源のみに非ず。
かつて敵対せる中央星域の内戦に巻き込まれるとも、
両星域の融和と共存を願い、関係種族の被害を案じて自衛のみに徹したる、
高き理想と慈愛の精神なり』

『正規軍種族アスタロトが新国家に与えしものは、
渡り鳥から進化せる歴史に由来する、広域作戦能力のみに非ず。
数万の種族からなる大規模戦力においても
新帝国への揺るぎなき信頼と忠誠を得しめたる、
自由と公正を両立させた多種族共存政策なり』

『親衛軍種族バールゼブルが新国家に与えしものは、
旧帝国中最強を誇りたる精鋭部隊の戦闘効率のみに非ず。
過酷な作戦環境下にありても恐怖や憎悪に我を失うことなく、
軍事活動の人道的な制御を確保する、
自動機械兵器アバドン群の活用戦術なり』と。

 以上のげんを聞きたる地球人の代表者は、かく語れり。

『外交官僚種族アドラメレクが新国家に与えしものは、
異種族心理分析の第一人者としての戦略的助言のみに非ず。
自らの混成種族という特質からくる、全種族への分け隔てなき情愛と、
〝理事種族〟同輩に対する確かな鑑識眼ならん』と。
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