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15話 レア鉱石
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ユキムラは採掘場となっている山に行くついでに蜘蛛の巣の様子を見ていく。
今のところ蜘蛛の巣は静寂に包まれており、再び蜘蛛の増殖をするような兆候はなかった。
念のために周囲で適当に材料を集めて洞窟内を明るく照らすように松明を設置する。
洞窟内を明るくすると何箇所か採取ポイント、正確には採掘ポイントがあることに気がつく。
採掘道具を持っていないと反応しないタイプなんだろう、以前来たときは気が付かなかった。
「どうしたの師匠?」
「ん? いや、ちょっとここで借りた道具試してみようかな」
アイテムポシェットからお借りしたツルハシを取り出し、採掘モード、オンである。
レア鉱石を掘るときなんてのは採掘ポイントに何時間も篭って、リポップを掘る、リポップを掘る。
この繰り返しだ。
いい鉱石の取れるポイントはまるで機械のようにプレイヤーが徘徊している。
もちろんユキムラは他のどのプレイヤーよりも採掘している。
石炭✕60
鉄鉱石✕15
ライトメタル鉱石✕2
石ころ✕99
ものの30分ほどで大量の鉱石を掘り出す。石ころは捨てた。石ころ死すべし。
途中レンにもいろいろとコツを教えたものの、一般的な採掘方法を知らないのでうまく教えられないだろうと思っていたが、VOのコツを伝えると、この世界の人には普通の採掘のコツとして伝わるようだ。
これはユキムラにとっていい情報であった。
それからは採掘の鬼となる。
その場で石のツルハシを作成してレンも隣で頑張っている。
単純作業に没頭するタイプのユキムラは、日が傾き、レンが音を上げるまで、黙々と山肌の色々なところで採掘作業に埋没した。
石炭✕198が3スタック。
鉄鉱石✕198と23
ライトメタル鉱石✕23
デイライト鉱石✕5
ミスリル鉱石✕2
石ころ、不明
ミスリル鉱石の一つはなんとレンが掘り出した。
「師匠が薄ら笑いを浮かべながら脇目も振らずに一心不乱にツルハシを振っている姿は少し怖かった」
レンにも引かれてしまった。
明日も来ようと思っていたんだが少し控えることにする。
夜になる前に急いで村へと帰宅する。
採掘成果をサリナの元へ置いて、とりあえずまた明日に来ると言って帰る。
出している途中からずっと口が開きっぱなしだった気もするけど、うん気のせいだな。
ユキムラ達が出かけている間にポンコツだった村長も機能を取り戻して、今後のユキムラがしばらくここを拠点に活動したい、と言っていた話を奥様に聞いたようで、こんなに旨い魚を逃がすわけには行かないということで、急遽空き家だった家を貸してもらえることになった。
村人総出で手入れをしてくれて普通に生活するには十分な家具もセットでいただけた。
敷地的にもまだ正確に区分けされているわけではないので、いろんな設備を作ることもできそうでユキムラは心が踊った。
この時点でVOのストーリーとはかけ離れているが、家を買っての箱庭的要素と同じだと思うことにした。
「実は……」
こんなに素敵な待遇をしてくれたのに村長が申し訳なさそうに言い出してくる。
「ユキムラ様からお預かりしたものがあまりに質、量ともに優れていて、この村からお支払できるお礼がとても賄えず、もしよろしかったらこの家の家賃的なものと相殺というのはいかがでしょうか……?」
「あ、ぜんぜん構わないです。ちょっと周りに施設とか拡張してもいいですか?
いろいろとやりたいこともあるので」
「もちろんです!! ありがとうございます!!」
ユキムラが恐縮してしまうほど村長は何度もお礼を言って帰っていった。
こうしてユキムラは借り物ではあるが一国一城の主となった。
この世界に来て5日目のことである。
先程までレンとサリーさんが来てくれて食事をごちそうになった。
道具はあっても材料はまだだ。
ウサギ肉のシチューとあのパンを持ってきてくれた。
優しい味の美味しい食事に、人と会話しながらの食事。
(いいもんなんだな)
ユキムラは食後のゆったりとした時間で反芻するように噛み締めていた。
そしてこれからのこの場での、この世界での生活にワクワクを抑えられなかった。
「そういえば……」
ユキムラはコンソールをOnにする。
目の前にコマンドやステータス画面が現れる。
JOB商人は歩く距離や制作活動によってスキルレベルが上がるという特徴を持つ。
戦闘能力ない製造特化型のキャラを作ることが出来るのもそういったシステムのおかげだ。
普通製造に傾けるためには器用さと幸運に振るのだが、ミニゲームの精度さえあればかなり上等な制作を可能にする。もちろん、変態技術を必要とする。
そして、ユキムラはそういった変態技術の塊だ。
そういえば通常コンソールに表示されているHP,MPもステータスに乗っけておこう。
ユキムラは家を手に入れたその日から日記をつけることにした。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
ユキムラ サナダ
JOB:商人
BLv 33
JLv 2
HP:431
MP:110
力 57
素早さ 1
体力 1
知性 1
器用さ 1
幸運 1
JOBスキル:足捌きLv10 片手剣Lv10 パリィLv10
クリティカルLv10 カウンターLv10 収納上手Lv3 鑑定Lv2
販売Lv3 買い取りLv3 店舗開設Lv1
特性:秘められた才能《取得経験値全てにボーナスが付きます》
生産型スキル経験値ボーナス
一般スキル:採取Lv4 調理Lv2 作成Lv2 調合Lv2 釣りLv2 解体Lv3 狩猟Lv1 採掘Lv6
称号:ゴブリンスレイヤー
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
昔のユキムラなら夜も寝ずにポイントを巡り一般スキルを、5日もあれば初期上限である10にまで持っていってしまったであろう。
今のユキムラは過去の強迫観念に近い育成への思いが驚くほど穏やかになっていた。
この世界でのんびりと過ごす。
まるで生きていくことのリハビリのように噛み締めながら生きていくと決めていた。
少し硬めのベッドで横になり、過去のことやこれからのことを考えていると、いつの間にか夢の世界へと落ちていた。
今のところ蜘蛛の巣は静寂に包まれており、再び蜘蛛の増殖をするような兆候はなかった。
念のために周囲で適当に材料を集めて洞窟内を明るく照らすように松明を設置する。
洞窟内を明るくすると何箇所か採取ポイント、正確には採掘ポイントがあることに気がつく。
採掘道具を持っていないと反応しないタイプなんだろう、以前来たときは気が付かなかった。
「どうしたの師匠?」
「ん? いや、ちょっとここで借りた道具試してみようかな」
アイテムポシェットからお借りしたツルハシを取り出し、採掘モード、オンである。
レア鉱石を掘るときなんてのは採掘ポイントに何時間も篭って、リポップを掘る、リポップを掘る。
この繰り返しだ。
いい鉱石の取れるポイントはまるで機械のようにプレイヤーが徘徊している。
もちろんユキムラは他のどのプレイヤーよりも採掘している。
石炭✕60
鉄鉱石✕15
ライトメタル鉱石✕2
石ころ✕99
ものの30分ほどで大量の鉱石を掘り出す。石ころは捨てた。石ころ死すべし。
途中レンにもいろいろとコツを教えたものの、一般的な採掘方法を知らないのでうまく教えられないだろうと思っていたが、VOのコツを伝えると、この世界の人には普通の採掘のコツとして伝わるようだ。
これはユキムラにとっていい情報であった。
それからは採掘の鬼となる。
その場で石のツルハシを作成してレンも隣で頑張っている。
単純作業に没頭するタイプのユキムラは、日が傾き、レンが音を上げるまで、黙々と山肌の色々なところで採掘作業に埋没した。
石炭✕198が3スタック。
鉄鉱石✕198と23
ライトメタル鉱石✕23
デイライト鉱石✕5
ミスリル鉱石✕2
石ころ、不明
ミスリル鉱石の一つはなんとレンが掘り出した。
「師匠が薄ら笑いを浮かべながら脇目も振らずに一心不乱にツルハシを振っている姿は少し怖かった」
レンにも引かれてしまった。
明日も来ようと思っていたんだが少し控えることにする。
夜になる前に急いで村へと帰宅する。
採掘成果をサリナの元へ置いて、とりあえずまた明日に来ると言って帰る。
出している途中からずっと口が開きっぱなしだった気もするけど、うん気のせいだな。
ユキムラ達が出かけている間にポンコツだった村長も機能を取り戻して、今後のユキムラがしばらくここを拠点に活動したい、と言っていた話を奥様に聞いたようで、こんなに旨い魚を逃がすわけには行かないということで、急遽空き家だった家を貸してもらえることになった。
村人総出で手入れをしてくれて普通に生活するには十分な家具もセットでいただけた。
敷地的にもまだ正確に区分けされているわけではないので、いろんな設備を作ることもできそうでユキムラは心が踊った。
この時点でVOのストーリーとはかけ離れているが、家を買っての箱庭的要素と同じだと思うことにした。
「実は……」
こんなに素敵な待遇をしてくれたのに村長が申し訳なさそうに言い出してくる。
「ユキムラ様からお預かりしたものがあまりに質、量ともに優れていて、この村からお支払できるお礼がとても賄えず、もしよろしかったらこの家の家賃的なものと相殺というのはいかがでしょうか……?」
「あ、ぜんぜん構わないです。ちょっと周りに施設とか拡張してもいいですか?
いろいろとやりたいこともあるので」
「もちろんです!! ありがとうございます!!」
ユキムラが恐縮してしまうほど村長は何度もお礼を言って帰っていった。
こうしてユキムラは借り物ではあるが一国一城の主となった。
この世界に来て5日目のことである。
先程までレンとサリーさんが来てくれて食事をごちそうになった。
道具はあっても材料はまだだ。
ウサギ肉のシチューとあのパンを持ってきてくれた。
優しい味の美味しい食事に、人と会話しながらの食事。
(いいもんなんだな)
ユキムラは食後のゆったりとした時間で反芻するように噛み締めていた。
そしてこれからのこの場での、この世界での生活にワクワクを抑えられなかった。
「そういえば……」
ユキムラはコンソールをOnにする。
目の前にコマンドやステータス画面が現れる。
JOB商人は歩く距離や制作活動によってスキルレベルが上がるという特徴を持つ。
戦闘能力ない製造特化型のキャラを作ることが出来るのもそういったシステムのおかげだ。
普通製造に傾けるためには器用さと幸運に振るのだが、ミニゲームの精度さえあればかなり上等な制作を可能にする。もちろん、変態技術を必要とする。
そして、ユキムラはそういった変態技術の塊だ。
そういえば通常コンソールに表示されているHP,MPもステータスに乗っけておこう。
ユキムラは家を手に入れたその日から日記をつけることにした。
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ユキムラ サナダ
JOB:商人
BLv 33
JLv 2
HP:431
MP:110
力 57
素早さ 1
体力 1
知性 1
器用さ 1
幸運 1
JOBスキル:足捌きLv10 片手剣Lv10 パリィLv10
クリティカルLv10 カウンターLv10 収納上手Lv3 鑑定Lv2
販売Lv3 買い取りLv3 店舗開設Lv1
特性:秘められた才能《取得経験値全てにボーナスが付きます》
生産型スキル経験値ボーナス
一般スキル:採取Lv4 調理Lv2 作成Lv2 調合Lv2 釣りLv2 解体Lv3 狩猟Lv1 採掘Lv6
称号:ゴブリンスレイヤー
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昔のユキムラなら夜も寝ずにポイントを巡り一般スキルを、5日もあれば初期上限である10にまで持っていってしまったであろう。
今のユキムラは過去の強迫観念に近い育成への思いが驚くほど穏やかになっていた。
この世界でのんびりと過ごす。
まるで生きていくことのリハビリのように噛み締めながら生きていくと決めていた。
少し硬めのベッドで横になり、過去のことやこれからのことを考えていると、いつの間にか夢の世界へと落ちていた。
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