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62話 きゅんきゅん
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「おお、真っ白になってきましたね」
レンは車外で馬を操っているが、馬も含めて周囲の真っ白な雪景色とは思えないほど、快適な環境になっている。
よく訓練されている引き馬達はほとんど負荷のかかっていない状態なら雪道でも平気だ。
吐く息は少し離れた場所で白く変化する。
もし結界による防寒設備がなければきちんとした耐寒装備が全員必要になることだろう。
レンは一応コートは着ているが、もちろん寒さなどは感じていない。
雰囲気を出しているのだ。
「まだサナダ街だと肌寒い程度でしょうね。
ユキムラ様もうすぐアイスフロントの街が見えてくるはずですが、少し視界が悪いですね。」
ソーカも操者の出入り口から頭を出して周囲を伺う。
ユキムラもつられて車外に顔をだす。
ほんの数時間前まで秋の気配だった景色が今では一面冬景色になっている。
チラチラと降り積もる雪が美しく、どこを向いても真っ白だ。
馬車の通った道に車輪の後と馬の足跡だけを残す。
しかしそれも降り注ぐ雪が消していく。
アイスフロントへの旅は順調そのものだった。
さしたる襲撃も受けず、いくつかの採取場や釣り、採掘などをのんびりとこなしながら進んできた。
最低限の照明装置は設置して帰り道の指標にはしているが、予定通りの順調な旅だった。
時折サナダ街からも連絡が来ているが、簡単な話だけでお互い順調だった。
変わった話といえば、一番最初に出会ったボレスが結婚を決めたらしく、ユキムラたちが帰ったら式を挙げるから参加して欲しいという話だった。
ユキムラは内心、
(おい、今から魔王襲撃とか、女神クエストのフラグ立てるんだから余計なフラグ立てるな!)
と、思ったが反対するわけにも行かないので喜んで参加するよと伝えるしかなかった。
ソーカに腕利きにいつも守ってもらえるようこっそりと手配を頼んだ。ソーカははてな顔だ。
お相手は村に移り住んできた16歳の女性だそうだ。
レンの母であるサリーにメロメロだったので年上好きかと思ったら、とんだロ……、
この世界では15歳で成人、16で結婚も珍しくない。
結婚しない、子供を作らない、超高齢化社会になっていた日本の常識で話しても仕方ない。
変なフラグが立ちそうなこの報告はもう一つの副作用があった。
ソーカの熱烈なアピールがはじまったのだ。
風呂に入れば背中を流すといい、事あるごとにユキムラの隣に座り身体をくっつけてくる。
妙に夜ご飯に酒を飲ませようとしたりと、もう隠さなくなってきている。
レンにも師匠にやり過ぎは逆効果だよーって言われているが、そこは恋は盲目……恋なのかな?
まぁ、そんな感じで暴走している。
ユキムラも男の子というかおっさんだからそういうことが嫌いではないが、もうね、過去の強力なトラウマと、あまーい青春なんてものを体験したことがないために、あまりにガンガン来られると引いてしまっている。
「ソーカねーちゃん、焦ると逆効果だと思うよー」
最後の野営になるであろう今晩、ソーカは勝負をかけるつもりだったがレンに止められた。
本当は今日には着いている予定だったが思ったよりも吹雪が酷くなってきて無理をせずに、吹雪が去るまで係留することにした。
すでに周囲に結界は展開されているので不自然に馬車周囲は穏やかになっている。
地面の雪もどかして地面も軽く乾かしている。魔法って便利!
「ちょっとレンどいてよ、ユキムラ様お風呂でしょ?
背中を流しに行くんだから!」
「師匠がね、落ち着いて風呂に入れないから足止めしてくれってさ」
「な……! もう! ユキムラ様はなんで手を出してくれないの?
ま、まさか、レンみたいな男の子が好きなんじゃ!?」
「はぁ……師匠はね、もっとちゃんと段階を踏んだほうがいいよ。
もしソーカねーちゃんがほんとに師匠のことが好きなら、きちんと自分の気持を伝えて、友達から恋人になってから、師匠はそういうタイプだと思うよ」
「……だって、そんなの恥ずかしくて……」
耳まで真っ赤にしているソーカだ。
そもそもソーカは狼から助けられた時からユキムラに惚れている。
別に権力者とかだからではないのだが、なんか露天風呂のときにも遊女みたいな誘い方になってからすれ違っている。
「風呂場に襲いに行ったり寝床に侵入するのは恥ずかしくないの……?」
「なんていうか、勢い?」
「はぁ……」
レンは頭を振りながら大きなため息をつく。
そういえばソーカは今でこそ武術に開眼して立派な地位にいるけど、もともと残念な娘だったなと思い返す。
水を汲みに桶を担いで水場へ行けば、水場の花が綺麗だったという理由で桶いっぱいの花を持ち帰ったり。
怪我をしたレンの傷を塞ぐためにスカートを引きちぎったらお尻丸出しになって、村に帰るまで気が付かないとか、いろいろ残念なエピソードがある。
だが、善人であることは間違いない、しかも今はユキムラに次ぐ強さも持っている。
レンとしても師匠であるユキムラの恋人として悪くはないと思っている。
「なんにせよ、最初が悪いよ。
露天風呂の話を師匠は愛人侍らかす悪人みたいなイメージになっています。
もし、ソーカネーチャンが師匠のことを本当に好きなら告白しなさい、いきなり既成事実を作る路線から頭を切り離してください!」
「告白……私が……ユキムラ様に……?」
顔を真赤にしてにやぁって笑ったりブンブン顔を振ったりしている。
多分そういうとこを見せたほうがユキムラは好きになってくれると思うんだけどなぁ、 レンは変化するソーカの顔を見ながらそう思った、でも、それはソーカには伝えない。
初恋の人とはほろ苦いものなのだ。
吹雪は翌朝にはすっかりやんでいた。
そして遠くにアイスフロントの町並みが浮かび上がっていた。
レンは車外で馬を操っているが、馬も含めて周囲の真っ白な雪景色とは思えないほど、快適な環境になっている。
よく訓練されている引き馬達はほとんど負荷のかかっていない状態なら雪道でも平気だ。
吐く息は少し離れた場所で白く変化する。
もし結界による防寒設備がなければきちんとした耐寒装備が全員必要になることだろう。
レンは一応コートは着ているが、もちろん寒さなどは感じていない。
雰囲気を出しているのだ。
「まだサナダ街だと肌寒い程度でしょうね。
ユキムラ様もうすぐアイスフロントの街が見えてくるはずですが、少し視界が悪いですね。」
ソーカも操者の出入り口から頭を出して周囲を伺う。
ユキムラもつられて車外に顔をだす。
ほんの数時間前まで秋の気配だった景色が今では一面冬景色になっている。
チラチラと降り積もる雪が美しく、どこを向いても真っ白だ。
馬車の通った道に車輪の後と馬の足跡だけを残す。
しかしそれも降り注ぐ雪が消していく。
アイスフロントへの旅は順調そのものだった。
さしたる襲撃も受けず、いくつかの採取場や釣り、採掘などをのんびりとこなしながら進んできた。
最低限の照明装置は設置して帰り道の指標にはしているが、予定通りの順調な旅だった。
時折サナダ街からも連絡が来ているが、簡単な話だけでお互い順調だった。
変わった話といえば、一番最初に出会ったボレスが結婚を決めたらしく、ユキムラたちが帰ったら式を挙げるから参加して欲しいという話だった。
ユキムラは内心、
(おい、今から魔王襲撃とか、女神クエストのフラグ立てるんだから余計なフラグ立てるな!)
と、思ったが反対するわけにも行かないので喜んで参加するよと伝えるしかなかった。
ソーカに腕利きにいつも守ってもらえるようこっそりと手配を頼んだ。ソーカははてな顔だ。
お相手は村に移り住んできた16歳の女性だそうだ。
レンの母であるサリーにメロメロだったので年上好きかと思ったら、とんだロ……、
この世界では15歳で成人、16で結婚も珍しくない。
結婚しない、子供を作らない、超高齢化社会になっていた日本の常識で話しても仕方ない。
変なフラグが立ちそうなこの報告はもう一つの副作用があった。
ソーカの熱烈なアピールがはじまったのだ。
風呂に入れば背中を流すといい、事あるごとにユキムラの隣に座り身体をくっつけてくる。
妙に夜ご飯に酒を飲ませようとしたりと、もう隠さなくなってきている。
レンにも師匠にやり過ぎは逆効果だよーって言われているが、そこは恋は盲目……恋なのかな?
まぁ、そんな感じで暴走している。
ユキムラも男の子というかおっさんだからそういうことが嫌いではないが、もうね、過去の強力なトラウマと、あまーい青春なんてものを体験したことがないために、あまりにガンガン来られると引いてしまっている。
「ソーカねーちゃん、焦ると逆効果だと思うよー」
最後の野営になるであろう今晩、ソーカは勝負をかけるつもりだったがレンに止められた。
本当は今日には着いている予定だったが思ったよりも吹雪が酷くなってきて無理をせずに、吹雪が去るまで係留することにした。
すでに周囲に結界は展開されているので不自然に馬車周囲は穏やかになっている。
地面の雪もどかして地面も軽く乾かしている。魔法って便利!
「ちょっとレンどいてよ、ユキムラ様お風呂でしょ?
背中を流しに行くんだから!」
「師匠がね、落ち着いて風呂に入れないから足止めしてくれってさ」
「な……! もう! ユキムラ様はなんで手を出してくれないの?
ま、まさか、レンみたいな男の子が好きなんじゃ!?」
「はぁ……師匠はね、もっとちゃんと段階を踏んだほうがいいよ。
もしソーカねーちゃんがほんとに師匠のことが好きなら、きちんと自分の気持を伝えて、友達から恋人になってから、師匠はそういうタイプだと思うよ」
「……だって、そんなの恥ずかしくて……」
耳まで真っ赤にしているソーカだ。
そもそもソーカは狼から助けられた時からユキムラに惚れている。
別に権力者とかだからではないのだが、なんか露天風呂のときにも遊女みたいな誘い方になってからすれ違っている。
「風呂場に襲いに行ったり寝床に侵入するのは恥ずかしくないの……?」
「なんていうか、勢い?」
「はぁ……」
レンは頭を振りながら大きなため息をつく。
そういえばソーカは今でこそ武術に開眼して立派な地位にいるけど、もともと残念な娘だったなと思い返す。
水を汲みに桶を担いで水場へ行けば、水場の花が綺麗だったという理由で桶いっぱいの花を持ち帰ったり。
怪我をしたレンの傷を塞ぐためにスカートを引きちぎったらお尻丸出しになって、村に帰るまで気が付かないとか、いろいろ残念なエピソードがある。
だが、善人であることは間違いない、しかも今はユキムラに次ぐ強さも持っている。
レンとしても師匠であるユキムラの恋人として悪くはないと思っている。
「なんにせよ、最初が悪いよ。
露天風呂の話を師匠は愛人侍らかす悪人みたいなイメージになっています。
もし、ソーカネーチャンが師匠のことを本当に好きなら告白しなさい、いきなり既成事実を作る路線から頭を切り離してください!」
「告白……私が……ユキムラ様に……?」
顔を真赤にしてにやぁって笑ったりブンブン顔を振ったりしている。
多分そういうとこを見せたほうがユキムラは好きになってくれると思うんだけどなぁ、 レンは変化するソーカの顔を見ながらそう思った、でも、それはソーカには伝えない。
初恋の人とはほろ苦いものなのだ。
吹雪は翌朝にはすっかりやんでいた。
そして遠くにアイスフロントの町並みが浮かび上がっていた。
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