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125話 嵐の中心
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「今回は以前よりもとんでもないことになるようだぞ」
ハワード王が食後のティータイムで今回の宝について切り込んできた。
「ユキムラ達はあれどうするつもりなんだ、とんでもねーぞ、ほんとに……」
今回はガレオンも一緒にいる。
今回の宝は前回よりも更に輪をかけてすごい内容なようでギルドは厳戒態勢。
学者も血眼になってその価値を調べているそうだ。
「俺も初めて本物の聖剣ってやつを見たよ……」
「あ、オリジナルの聖剣ありましたか」
「あんまり驚かないんだなユキムラは……」
ガレオンは全くコイツはって感じでヤレヤレしている。
「どうせまた鉱石とかそこら辺を受け取るのか?」
「たぶん素材を貰いたいですねー、何があるか楽しみにしています」
「師匠はどんな鉱石がほしいんですか?」
「そうだなー、そろそろアダマンタイトとかオリハルコン、超鉄、隕鉄あたりも欲しいなー、賢者の石とかあったら嬉しいなぁ……」
「おいおい、神話の中の話みたいだけど……まさか、あるのか? ほんとに……?」
さすがのハワード王もユキムラの発言が本気の本気であることに確信を得られない。
「ハワード……、今ユキムラが挙げたものが今回有るぞ……」
「ほんとか!?」
「お、何があるんですか?」
「まぁ、どうせお前らにはいずれ教えるからな、オリハルコンが確認されているよ。
鑑定では出るが、実物見たものがいないし、資料も神話的な表現しかないから確認が難航してる。
まぁ、鑑定で出たんだからそうなんだろうがな……」
「それは……どれくらいの価値が……」
「価値も何も、加工できる技術を持つものがいないから、観賞用になる。普通ならな……」
ガレオンはちらっとユキムラを見る。
「オリハルコンあれば、量にもよるけどやっぱ武器が先かなぁ……合金にすれば防具にも回せるかなぁ……」
ぶつぶつと手に入れた後のことに思いを馳せている。
「やっぱり、利用できるんだな……はぁ……ほんと来訪者ってのはとんでもねーな……」
「師匠……」
すこし、残念なものを見るようにレンがユキムラにため息をつく。
白狼隊の面子は慣れてきているが、ここにいるのは間違いなく、この王国のNo1,No2なのだ。
それを前にここまで自然体でいられるユキムラに、ある意味尊敬する他のメンバーだった。
「それで、ユキムラ達はもう次のところへ行くのか?」
ハワード王は少し真面目な顔をしてユキムラへと尋ねる。
「はい、つぎはアイスフロントの北、氷龍の住む山へ向かいます」
「あそこらへんは最近龍の機嫌が悪く、いろいろとおかしいらしいしな。俺らでも調査しないととは思っていたのだが、ユキムラ達が行ってくれるなら安心だな」
ガレオンの耳にもあの地の異変は入ってきているようだ。
「ん……? まさかと思うが、あそこにもダンジョンがあるのか?」
「ええ、多分あると思いますよ」
しれっとユキムラが答えるとハワード王とガレオンは頭を抱えてしまう。
「未発見だよな?」
ハワード王はガレオンに確認する。
「ああ、そうだ。ハワードもういいよな? ユキムラ達に独占させよう、もう無理だこれ以上」
「儂は何も聞いてない。知らん。ユキムラが偶然ダンジョンを発見したのならその宝の権利はユキムラにある。儂は何も知らん」
「ああ、そうだな。俺も何も知らん」
「ははははは……」
王国に莫大な利益をもたらす存在は、同時に大きな嵐も持ち込んでくる。
当の本人が無自覚なのがまた質が悪い。
それでも王国の暮らしは目に見えて良くなっていくことになる。
「ユキムラが帰ってくるまでにはなんとかオークションの目処を立てておく。
まぁ心配はしてないが武運を祈る!」
ハワード王とガレオンに別れを告げて白狼隊は一旦懐かしのサナダ街へと向かう。
季節は夏の暑さも和らいできた。ほぼ一年ぶりの帰還となる。
出立の日の朝妙にニコニコ、いやニヤニヤしているユキムラとレン。
二人して昨日は遅くまで作業をしていた。
ソーカとヴァリィが準備を終えて宿を出て来る。
なぜかいつもの車に白い布でその姿が隠されていた。
「あれ? ユキムラさん車はどうしたんですか?」
「ふっふっふ、車はこれだー!!」
バサッっと白い布をどかすともともと馬車、と言っても引く馬はいないが、として大きかった車体が更に延長している。中間部に蛇腹のような構造がありそこで可動ができる作りだ。
前方車両は6輪、後方車両は4輪だ。後方車両分大型化されているが全体としてのデザインも変更されている。全体的にフォルムが丸くなっていて四角い巨大な箱から、車に近い形態に変化した。
その後ユキムラによる早口で熱くなった説明が長々と続いた。
基本的には新しい素材を利用して、駆動系の強化、外殻の強化、武装の強化、内部空間の拡充となっている。見送りに来たガレオンもその異形に度肝を抜かれている。
「はー、これが馬が引かない馬車か……なんだこれ、家じゃねーか……」
中を見て呆れるしかないガレオンだった。
ハワード王が食後のティータイムで今回の宝について切り込んできた。
「ユキムラ達はあれどうするつもりなんだ、とんでもねーぞ、ほんとに……」
今回はガレオンも一緒にいる。
今回の宝は前回よりも更に輪をかけてすごい内容なようでギルドは厳戒態勢。
学者も血眼になってその価値を調べているそうだ。
「俺も初めて本物の聖剣ってやつを見たよ……」
「あ、オリジナルの聖剣ありましたか」
「あんまり驚かないんだなユキムラは……」
ガレオンは全くコイツはって感じでヤレヤレしている。
「どうせまた鉱石とかそこら辺を受け取るのか?」
「たぶん素材を貰いたいですねー、何があるか楽しみにしています」
「師匠はどんな鉱石がほしいんですか?」
「そうだなー、そろそろアダマンタイトとかオリハルコン、超鉄、隕鉄あたりも欲しいなー、賢者の石とかあったら嬉しいなぁ……」
「おいおい、神話の中の話みたいだけど……まさか、あるのか? ほんとに……?」
さすがのハワード王もユキムラの発言が本気の本気であることに確信を得られない。
「ハワード……、今ユキムラが挙げたものが今回有るぞ……」
「ほんとか!?」
「お、何があるんですか?」
「まぁ、どうせお前らにはいずれ教えるからな、オリハルコンが確認されているよ。
鑑定では出るが、実物見たものがいないし、資料も神話的な表現しかないから確認が難航してる。
まぁ、鑑定で出たんだからそうなんだろうがな……」
「それは……どれくらいの価値が……」
「価値も何も、加工できる技術を持つものがいないから、観賞用になる。普通ならな……」
ガレオンはちらっとユキムラを見る。
「オリハルコンあれば、量にもよるけどやっぱ武器が先かなぁ……合金にすれば防具にも回せるかなぁ……」
ぶつぶつと手に入れた後のことに思いを馳せている。
「やっぱり、利用できるんだな……はぁ……ほんと来訪者ってのはとんでもねーな……」
「師匠……」
すこし、残念なものを見るようにレンがユキムラにため息をつく。
白狼隊の面子は慣れてきているが、ここにいるのは間違いなく、この王国のNo1,No2なのだ。
それを前にここまで自然体でいられるユキムラに、ある意味尊敬する他のメンバーだった。
「それで、ユキムラ達はもう次のところへ行くのか?」
ハワード王は少し真面目な顔をしてユキムラへと尋ねる。
「はい、つぎはアイスフロントの北、氷龍の住む山へ向かいます」
「あそこらへんは最近龍の機嫌が悪く、いろいろとおかしいらしいしな。俺らでも調査しないととは思っていたのだが、ユキムラ達が行ってくれるなら安心だな」
ガレオンの耳にもあの地の異変は入ってきているようだ。
「ん……? まさかと思うが、あそこにもダンジョンがあるのか?」
「ええ、多分あると思いますよ」
しれっとユキムラが答えるとハワード王とガレオンは頭を抱えてしまう。
「未発見だよな?」
ハワード王はガレオンに確認する。
「ああ、そうだ。ハワードもういいよな? ユキムラ達に独占させよう、もう無理だこれ以上」
「儂は何も聞いてない。知らん。ユキムラが偶然ダンジョンを発見したのならその宝の権利はユキムラにある。儂は何も知らん」
「ああ、そうだな。俺も何も知らん」
「ははははは……」
王国に莫大な利益をもたらす存在は、同時に大きな嵐も持ち込んでくる。
当の本人が無自覚なのがまた質が悪い。
それでも王国の暮らしは目に見えて良くなっていくことになる。
「ユキムラが帰ってくるまでにはなんとかオークションの目処を立てておく。
まぁ心配はしてないが武運を祈る!」
ハワード王とガレオンに別れを告げて白狼隊は一旦懐かしのサナダ街へと向かう。
季節は夏の暑さも和らいできた。ほぼ一年ぶりの帰還となる。
出立の日の朝妙にニコニコ、いやニヤニヤしているユキムラとレン。
二人して昨日は遅くまで作業をしていた。
ソーカとヴァリィが準備を終えて宿を出て来る。
なぜかいつもの車に白い布でその姿が隠されていた。
「あれ? ユキムラさん車はどうしたんですか?」
「ふっふっふ、車はこれだー!!」
バサッっと白い布をどかすともともと馬車、と言っても引く馬はいないが、として大きかった車体が更に延長している。中間部に蛇腹のような構造がありそこで可動ができる作りだ。
前方車両は6輪、後方車両は4輪だ。後方車両分大型化されているが全体としてのデザインも変更されている。全体的にフォルムが丸くなっていて四角い巨大な箱から、車に近い形態に変化した。
その後ユキムラによる早口で熱くなった説明が長々と続いた。
基本的には新しい素材を利用して、駆動系の強化、外殻の強化、武装の強化、内部空間の拡充となっている。見送りに来たガレオンもその異形に度肝を抜かれている。
「はー、これが馬が引かない馬車か……なんだこれ、家じゃねーか……」
中を見て呆れるしかないガレオンだった。
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