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161話 遭遇ストーンドラゴン
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「おおりゃぁ!! 大旋風!!」
夜のゲームの鬱憤を敵にぶつける。
巨大なハンマーをグルグルと振り回し触れる敵を打ち崩したり吹き飛ばしたり、相変わらずの無双っぷりだ。
ユキムラ以外のメンバーは少し練習するだけでみるみるうちに上達して、すっかりユキムラより強くなってしまっていた。
普段完璧超人に見えるユキムラに勝てるせいでついつい調子に乗ってしまい、ユキムラが不貞腐れて寝るというのがパターンになっていた。
「師匠荒れてますね」
「あー、昨日飛車角金落ちでボコボコにしちゃったのよねぇ……」
「私もパーフェクトゲームで勝ってしまって……」
「まぁ、僕も全部一色にしたら怒っちゃって……もうやらない、って言われました」
「それでもまたやってくれるのがユキムラちゃんの良いところよねー」
「私がユキムラさんに何か教える日が来るとは、嬉しい……」
一応残党を狩りながらだが、優雅な会話である。
このあたりの魔物が一匹でも外に出たら帝国兵総動員で退治するような敵ではあるが、白狼隊は散歩するかのように闊歩する。
現在73階層。このダンジョンに入って10日が経過している。
未だにさしたる苦戦もしていない。
宝から手に入ったものをその場ですぐに武器や防具に反映して最適化しながら進んでいるので、敵の強化よりも装備の強化が上回っているのだ。
「ソーカちゃん新しい鎧のデザインはどう?」
「あ、すっごく動きやすいし、なんか可愛くしてくれてありがとうございます」
ソーカの鎧は甲冑と忍者みたいな格好からフレアを効かせた西洋風なデザインに変わっている。
素材が凄まじいので布状に見えるヒラヒラでもとんでもない防御力が秘められている。
結果プレート上の作りは限られた部分だけにして洋服に近い構造に出来た。
それによって可動性が上昇している。
「ソーカちゃんどんどん成長するからちょこちょこいじるからきついと思ったら言ってね」
「え……? 私……もしかして……太り……ました?」
「違うわよん! ここと、ココ!」
ヴァリィは自分の胸を揉みおしりをパチンと叩く。
成長すれども老化せず。よく食べよく動きよく寝る。
ソーカも女性らしく発展途上なのだ。
ユキムラもレンも体つきが男の子から男性になってきている。
若いパーティである以上避けられないことだ。
「みんなー、この先階段あったよーレンマッピング終わってるよね確か?」
「あ、はい師匠大丈夫です!」
「じゃぁ合流しますか」
ユキムラは皆より二部屋くらい先行している。
敵よりもユキムラが無尽蔵に弾き飛ばす敵だったものが危ないからだ。
「次の階マッピング終わったらセーフゾーンで宿泊かなぁ」
「そうですねだいたい今夕方くらいですね」
談笑しながら階段を降りて扉を開ける。
ズーンと何か重いものが落ちたような音がする。
「すぐ接敵だね、普通に戦うから一気に入り口周囲を制圧しよう」
ユキムラが扉から飛び出す。
実はVOの俯瞰視点は階層移動時が一番危ない。
扉の向こう側が扉を開けた瞬間に作成されるからだ。
なのでその扉の前にいたのが巨大な龍で、しかもユキムラが入ってすぐに扉の前に偶然塞ぐ形で居座ってしまった形になったのは不運としか言いようがなかった。
「開かない!! 師匠! 師匠!!」
「この扉って絶対に破壊できないのよね……」
「ユキムラさん……」
扉がしまってしまうと連絡も通じなくなる。
一時的に異次元扱いになるからだろうとユキムラは話していた。
一度構成されたダンジョンは扉を閉めても階層を移動しても変化しない。
信じるしか無かったユキムラがなんとかしてくれるのを……
「でかいなぁ……連絡つかないってことは扉は閉められちゃったかぁ……久々に1人だな……」
今まで感じたことの無い寂しさがユキムラを襲っていた。
「さっさと倒そっと、皆に早く会いたいし……」
敵はストーンドラゴン、土龍が石をバクバクと取り込んで外皮が岩のようになっているドラゴン。
石像ではない。生きているドラゴンなのだ。
「つまり、肉!!」
寂しさが吹っ飛ぶほどのやる気が出る。
「よっし! こいつを倒して今日は焼肉だな!!」
ユキムラにとって久しぶりのソロ戦闘だ。
まずはこちらに興味を持たずに寝っ転がっているドラゴンに、その気になってもらわなければいけない。
以前見た土龍よりも巨体だ。全長は100m近いんじゃないんだろうか?
流石にここまで巨大だと物理攻撃だと骨が折れそうだ。
「とりあえず! メテオストライク!」
魔法陣が空中に展開される。魔法陣から燃え盛る岩がドラゴンへと降り注ぐ。
ドラゴンは意に介さずユキムラへ口を開ける。
「おっとー」
ユキムラは横っ飛びでその攻撃を避ける。
今ユキムラが呼び出した隕石と同じくらいの大きさの岩が超高速で打ち込まれていた。
「俺のほうが凄いって煽ってるのかー?」
燃えた隕石が激突して岩の装甲が幾つか剥がれ落ちたが本体へのダメージは与えられていないようだ。
「うーん、なんか、鈍ってるなぁ俺。最近頼りすぎてたからなぁ……」
ポキポキと指を鳴らす。
「昔を思い出しますかね……!」
夜のゲームの鬱憤を敵にぶつける。
巨大なハンマーをグルグルと振り回し触れる敵を打ち崩したり吹き飛ばしたり、相変わらずの無双っぷりだ。
ユキムラ以外のメンバーは少し練習するだけでみるみるうちに上達して、すっかりユキムラより強くなってしまっていた。
普段完璧超人に見えるユキムラに勝てるせいでついつい調子に乗ってしまい、ユキムラが不貞腐れて寝るというのがパターンになっていた。
「師匠荒れてますね」
「あー、昨日飛車角金落ちでボコボコにしちゃったのよねぇ……」
「私もパーフェクトゲームで勝ってしまって……」
「まぁ、僕も全部一色にしたら怒っちゃって……もうやらない、って言われました」
「それでもまたやってくれるのがユキムラちゃんの良いところよねー」
「私がユキムラさんに何か教える日が来るとは、嬉しい……」
一応残党を狩りながらだが、優雅な会話である。
このあたりの魔物が一匹でも外に出たら帝国兵総動員で退治するような敵ではあるが、白狼隊は散歩するかのように闊歩する。
現在73階層。このダンジョンに入って10日が経過している。
未だにさしたる苦戦もしていない。
宝から手に入ったものをその場ですぐに武器や防具に反映して最適化しながら進んでいるので、敵の強化よりも装備の強化が上回っているのだ。
「ソーカちゃん新しい鎧のデザインはどう?」
「あ、すっごく動きやすいし、なんか可愛くしてくれてありがとうございます」
ソーカの鎧は甲冑と忍者みたいな格好からフレアを効かせた西洋風なデザインに変わっている。
素材が凄まじいので布状に見えるヒラヒラでもとんでもない防御力が秘められている。
結果プレート上の作りは限られた部分だけにして洋服に近い構造に出来た。
それによって可動性が上昇している。
「ソーカちゃんどんどん成長するからちょこちょこいじるからきついと思ったら言ってね」
「え……? 私……もしかして……太り……ました?」
「違うわよん! ここと、ココ!」
ヴァリィは自分の胸を揉みおしりをパチンと叩く。
成長すれども老化せず。よく食べよく動きよく寝る。
ソーカも女性らしく発展途上なのだ。
ユキムラもレンも体つきが男の子から男性になってきている。
若いパーティである以上避けられないことだ。
「みんなー、この先階段あったよーレンマッピング終わってるよね確か?」
「あ、はい師匠大丈夫です!」
「じゃぁ合流しますか」
ユキムラは皆より二部屋くらい先行している。
敵よりもユキムラが無尽蔵に弾き飛ばす敵だったものが危ないからだ。
「次の階マッピング終わったらセーフゾーンで宿泊かなぁ」
「そうですねだいたい今夕方くらいですね」
談笑しながら階段を降りて扉を開ける。
ズーンと何か重いものが落ちたような音がする。
「すぐ接敵だね、普通に戦うから一気に入り口周囲を制圧しよう」
ユキムラが扉から飛び出す。
実はVOの俯瞰視点は階層移動時が一番危ない。
扉の向こう側が扉を開けた瞬間に作成されるからだ。
なのでその扉の前にいたのが巨大な龍で、しかもユキムラが入ってすぐに扉の前に偶然塞ぐ形で居座ってしまった形になったのは不運としか言いようがなかった。
「開かない!! 師匠! 師匠!!」
「この扉って絶対に破壊できないのよね……」
「ユキムラさん……」
扉がしまってしまうと連絡も通じなくなる。
一時的に異次元扱いになるからだろうとユキムラは話していた。
一度構成されたダンジョンは扉を閉めても階層を移動しても変化しない。
信じるしか無かったユキムラがなんとかしてくれるのを……
「でかいなぁ……連絡つかないってことは扉は閉められちゃったかぁ……久々に1人だな……」
今まで感じたことの無い寂しさがユキムラを襲っていた。
「さっさと倒そっと、皆に早く会いたいし……」
敵はストーンドラゴン、土龍が石をバクバクと取り込んで外皮が岩のようになっているドラゴン。
石像ではない。生きているドラゴンなのだ。
「つまり、肉!!」
寂しさが吹っ飛ぶほどのやる気が出る。
「よっし! こいつを倒して今日は焼肉だな!!」
ユキムラにとって久しぶりのソロ戦闘だ。
まずはこちらに興味を持たずに寝っ転がっているドラゴンに、その気になってもらわなければいけない。
以前見た土龍よりも巨体だ。全長は100m近いんじゃないんだろうか?
流石にここまで巨大だと物理攻撃だと骨が折れそうだ。
「とりあえず! メテオストライク!」
魔法陣が空中に展開される。魔法陣から燃え盛る岩がドラゴンへと降り注ぐ。
ドラゴンは意に介さずユキムラへ口を開ける。
「おっとー」
ユキムラは横っ飛びでその攻撃を避ける。
今ユキムラが呼び出した隕石と同じくらいの大きさの岩が超高速で打ち込まれていた。
「俺のほうが凄いって煽ってるのかー?」
燃えた隕石が激突して岩の装甲が幾つか剥がれ落ちたが本体へのダメージは与えられていないようだ。
「うーん、なんか、鈍ってるなぁ俺。最近頼りすぎてたからなぁ……」
ポキポキと指を鳴らす。
「昔を思い出しますかね……!」
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