198 / 342
198話 センテナの街
しおりを挟む
シズイルの街を出た白狼隊一行は一路、車で次の街センテナへ向かう。
暖かさの落ち着いた気候に、澄み渡った空、緑の平原、自然豊かな風景にドライブ気分でユキムラがハンドルを握っている。
「うーん、あえて自然の天候を感じながらの走行が気持ちいいねぇ~」
「暑すぎないし、風はパリッとして気持ちがいいし。
今日は天気も最高ですねー」
レンも身体を窓から乗り出して風を感じている。
「ユキムラさんこのままだと夕方には到着できそうですね」
「そうだねー、それにしてもこの国はあんまり道路事情は良くないみたいだねー」
走行している道も人が通っているから道っぽく形成されているが、人の手が入って作られた道路と言うには程遠いものだった。
「師匠、考えたんですが土木作業系のしごとGUにさせることって出来ないのですか?」
「……できる……出来るなぁ……」
「もちろんそれをあまりすすめると人の職を奪うことになってしまうと思うんですが、もし積極的にそういう仕事につく人間が少ないようならそういう選択肢もあるのかなと思ったんですが……」
「ああ、それはいい考えだ。サナダ街みたいにめっちゃやる気になって道路作る人がいない時は、昼夜問わず働けるし……それは考慮に入れておこう、戦闘用ほど強固に作る必要もないしね」
「それならまずは国の王様には許可を得ないとねぇ」
「そうだね、でも、凄くいい案だと思うよレン。ありがとう!」
ふとしたきっかけでに今後の運用を変化させるような大きな発見があったりするものだ。
道中は特に何の問題もなくセンテナの街が見えてくる。
フィリポネアの諸島のほぼ中心に位置する比較的穏やかな内海に面する街。
そしてダンジョンである海底洞窟を有する街。
当然冒険者も多く物流も盛んだ。
北に位置するベイストやシズイルに比べると暑さもより強くなっている。
ジャングルと呼ばれる密林が散在しており、魔獣の数も北部よりは多くなっている。
センテナの街も他の2つの街よりも立派な外壁が備えられている。
基本この世界では町の外に獣や魔物、魔獣がいるために人の住む場所は外壁で覆われている。
巨大な街だと外壁の更に外に街が形成され、粗末な防壁で怯えながら暮らす人もいる。
大きな街になると人が多くなり、魔物のたぐいも寄ってきにくくなる。
そのせいでそこにすがりつくように暮らす人も出てくる。
巨大な城壁を持つ街ほど簡単に城壁の拡張を行うことは難しい……
「いずれ魔道具による防壁に置き換わればそういった問題は少なくなりそうですね」
レンは頭が柔らかく発想が斬新だ。
城壁を無くし、魔道具による防壁に置き換わる日が訪れれば確かにそういった問題は大きく前進することになる。
ユキムラはレンの発想に度々感心させられていた。
「レンはそのままでいて欲しいな……」
最近いろいろな面で成長著しいレンを頼もしくもあり、少しさみしい気もするユキムラであった。
そもそも現状の成長すれども老化せずという状態は何なんだろうとユキムラは疑問に思っている。
成長期であるユキムラ、レン、ソーカなどは数年滞在していると明らかに成長している。
しかし、女神たちによると老化はしていないらしい……
たぶん全てのイベントを終えて世界が本当の姿を取り戻したときにいろいろと巻き戻しやらが起きるんだろうとユキムラは考えている。
そして、それを考えるといつも思うことがある。
ソーカといたしたことはどういう扱いになるのだろうか?
奥手も奥手のユキムラが、やっとのことで乗り越えた男女の垣根、これが巻き戻られたらどうなるんだろう?
記憶は? 思い出は? 関係は?
実は最近ユキムラはソーカと過ごす時間が長くなり、幸せな時間を多く過ごすたびにこのことが心の何処かに引っかかっていた。
一緒にいると悩み<男の子としての感情。となって幸せな時間を過ごしているのだが……
そんなことをグルグル考えていると気がついたら宿の前についていた。
シズイルとベイストの二つの街からのしっかりとした推薦状があるため街へ入るのはスムーズにVIP待遇で扱われる。
宿もセンテナの街で一番の宿、高台から海を一望できるホテルの最上階だ。
すぐに拠点を作るにしても、翌日の領主との面会や拠点準備までの贅沢な滞在場所となる。
なお、ユキムラが上の空で運転しているときもレンとソーカがテキパキと事務的なことはこなしてくれていた。上の空の運転は危険なので絶対にやめた方がいいが、余談になるがユキムラ達の使う車は魔法による自動運転や、障害物、人物などを察知して適切に対応するシステムがついている。
事故をおこす心配は無いのである。
「うわーー!! 素敵……」
日が傾きオレンジ色の太陽が海面を照らす。
ベランダから一望できる海外線の風景は非常に魅力的で美しかった。
ソーカは思わず声を上げてしまったが、白狼隊の男性陣もその美しさには感動していた。
「綺麗な海岸だなぁ……たぶん昼は真っ白なんだろうね……」
今は傾いた太陽に照らされてオレンジ色に輝いている。
近くに石材を切り出せる場所が乏しく、街の建物も木製の建物も多い、その木製の町並みが、この海外線と気候と合わさって本当に一体としての雰囲気を作り出している。
海の上にコテージのような家が立ち並び、家と家の間を木の道路が結んでいる一画は、特に白狼隊達の目を引いた。
「なんか、あそこで食事できるとこもあるそうですよ!」
「今日はホテルで食事して明日以降に一度は行ってみたいね!」
新しい街はやはり、ワクワクする。
街へ入る前の不安もいつの間にかユキムラは忘れていた……
暖かさの落ち着いた気候に、澄み渡った空、緑の平原、自然豊かな風景にドライブ気分でユキムラがハンドルを握っている。
「うーん、あえて自然の天候を感じながらの走行が気持ちいいねぇ~」
「暑すぎないし、風はパリッとして気持ちがいいし。
今日は天気も最高ですねー」
レンも身体を窓から乗り出して風を感じている。
「ユキムラさんこのままだと夕方には到着できそうですね」
「そうだねー、それにしてもこの国はあんまり道路事情は良くないみたいだねー」
走行している道も人が通っているから道っぽく形成されているが、人の手が入って作られた道路と言うには程遠いものだった。
「師匠、考えたんですが土木作業系のしごとGUにさせることって出来ないのですか?」
「……できる……出来るなぁ……」
「もちろんそれをあまりすすめると人の職を奪うことになってしまうと思うんですが、もし積極的にそういう仕事につく人間が少ないようならそういう選択肢もあるのかなと思ったんですが……」
「ああ、それはいい考えだ。サナダ街みたいにめっちゃやる気になって道路作る人がいない時は、昼夜問わず働けるし……それは考慮に入れておこう、戦闘用ほど強固に作る必要もないしね」
「それならまずは国の王様には許可を得ないとねぇ」
「そうだね、でも、凄くいい案だと思うよレン。ありがとう!」
ふとしたきっかけでに今後の運用を変化させるような大きな発見があったりするものだ。
道中は特に何の問題もなくセンテナの街が見えてくる。
フィリポネアの諸島のほぼ中心に位置する比較的穏やかな内海に面する街。
そしてダンジョンである海底洞窟を有する街。
当然冒険者も多く物流も盛んだ。
北に位置するベイストやシズイルに比べると暑さもより強くなっている。
ジャングルと呼ばれる密林が散在しており、魔獣の数も北部よりは多くなっている。
センテナの街も他の2つの街よりも立派な外壁が備えられている。
基本この世界では町の外に獣や魔物、魔獣がいるために人の住む場所は外壁で覆われている。
巨大な街だと外壁の更に外に街が形成され、粗末な防壁で怯えながら暮らす人もいる。
大きな街になると人が多くなり、魔物のたぐいも寄ってきにくくなる。
そのせいでそこにすがりつくように暮らす人も出てくる。
巨大な城壁を持つ街ほど簡単に城壁の拡張を行うことは難しい……
「いずれ魔道具による防壁に置き換わればそういった問題は少なくなりそうですね」
レンは頭が柔らかく発想が斬新だ。
城壁を無くし、魔道具による防壁に置き換わる日が訪れれば確かにそういった問題は大きく前進することになる。
ユキムラはレンの発想に度々感心させられていた。
「レンはそのままでいて欲しいな……」
最近いろいろな面で成長著しいレンを頼もしくもあり、少しさみしい気もするユキムラであった。
そもそも現状の成長すれども老化せずという状態は何なんだろうとユキムラは疑問に思っている。
成長期であるユキムラ、レン、ソーカなどは数年滞在していると明らかに成長している。
しかし、女神たちによると老化はしていないらしい……
たぶん全てのイベントを終えて世界が本当の姿を取り戻したときにいろいろと巻き戻しやらが起きるんだろうとユキムラは考えている。
そして、それを考えるといつも思うことがある。
ソーカといたしたことはどういう扱いになるのだろうか?
奥手も奥手のユキムラが、やっとのことで乗り越えた男女の垣根、これが巻き戻られたらどうなるんだろう?
記憶は? 思い出は? 関係は?
実は最近ユキムラはソーカと過ごす時間が長くなり、幸せな時間を多く過ごすたびにこのことが心の何処かに引っかかっていた。
一緒にいると悩み<男の子としての感情。となって幸せな時間を過ごしているのだが……
そんなことをグルグル考えていると気がついたら宿の前についていた。
シズイルとベイストの二つの街からのしっかりとした推薦状があるため街へ入るのはスムーズにVIP待遇で扱われる。
宿もセンテナの街で一番の宿、高台から海を一望できるホテルの最上階だ。
すぐに拠点を作るにしても、翌日の領主との面会や拠点準備までの贅沢な滞在場所となる。
なお、ユキムラが上の空で運転しているときもレンとソーカがテキパキと事務的なことはこなしてくれていた。上の空の運転は危険なので絶対にやめた方がいいが、余談になるがユキムラ達の使う車は魔法による自動運転や、障害物、人物などを察知して適切に対応するシステムがついている。
事故をおこす心配は無いのである。
「うわーー!! 素敵……」
日が傾きオレンジ色の太陽が海面を照らす。
ベランダから一望できる海外線の風景は非常に魅力的で美しかった。
ソーカは思わず声を上げてしまったが、白狼隊の男性陣もその美しさには感動していた。
「綺麗な海岸だなぁ……たぶん昼は真っ白なんだろうね……」
今は傾いた太陽に照らされてオレンジ色に輝いている。
近くに石材を切り出せる場所が乏しく、街の建物も木製の建物も多い、その木製の町並みが、この海外線と気候と合わさって本当に一体としての雰囲気を作り出している。
海の上にコテージのような家が立ち並び、家と家の間を木の道路が結んでいる一画は、特に白狼隊達の目を引いた。
「なんか、あそこで食事できるとこもあるそうですよ!」
「今日はホテルで食事して明日以降に一度は行ってみたいね!」
新しい街はやはり、ワクワクする。
街へ入る前の不安もいつの間にかユキムラは忘れていた……
10
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる