317 / 342
317話 ラストピース
しおりを挟む
「海底ダンジョンはいつも綺麗ですねユキムラさん」
「水族館にしたいよなー……」
「師匠、スイゾクカンっていうのは?」
「ああ、こんな感じに海の中の生物を観察できる……見世物? なのかな?
動物なんかを展示すると動物園、花とか植物を展示すると植物園って呼ぶんだよ」
「あら、花の展示は素敵よねー」
「ワンワン!」
まるで談笑でもしながら散歩しているようだが、先程から水竜や突撃魚などの襲来を受けている。
久しぶりの5人での戦闘だが、むしろ以前よりも連携は上昇している。
なんだかんだ言っても、白狼隊が人を連れて戦闘している時は連れている人間のフォローをしながらの戦闘になってしまう。
ほぼほぼフォローをしなくてもいいレベルの人間も増えてきているが、5人での全力戦闘はやはり別物と言ってもいい。
ダンジョンの宝を利用した装備の改良と、その試運転も兼ねた戦闘の犠牲になった魔物は運がない。
白狼隊の前に立たねばならないのだから、どんな状況下でも運はないのかもしれない。
「師匠。アルテス様の策はどれぐらいの時間稼ぎが必要になりそうですか?」
「うーん、まだわからないそうだ。
敵側の侵食速度が想像以上に伸びているらしいから、確実性を持たせるためには30分から1時間くらいらしい……」
「な、魔人との戦闘を一時間ですか……」
「それは……きついわねぇ……」
「さらに時間停止使われたらほぼ無限にまで時間が伸びるよねぇ……
なんとかこのダンジョン攻略の間に向こうの開発が済めばいいけど」
「あのぽっちゃりしたキサラ様が凄腕なんてちょっと信じられないですね」
「キサラ様とオトハ様は天才だってアルテス様が太鼓判押してたよ。
その二人が組むことを信じよう」
「アンアンアン!」
「んー? 大丈夫? タロが言うならその通りだろうねー」
ソーカは居合で竜の首を落としながらタロの頭をナデナデする。
タロはタロでソーカの手にスリスリすると颯爽と飛び出して巨大なシーゴーレムの腹に風穴を開けると何事もなかったかのようにソーカの隣に戻ってくる。
ヴァリィはユキムラとコウとナオに作った執事服とメイド服のコンセプトの打ち合わせをしながら敵をなぎ倒し、レンは今後のサナダ商会の国を隔てた活動時の、会社としての形態を模索しながら魔法で援護を行っている。
サクサクと探索、殲滅をしながらダンジョンをグイグイと進んでいく。
探索も小型ドローンのような魔道具を利用するために無駄なく効率的な進行が可能だ。
こんなダンジョン探索が一般化したらすでに冒険とは言えないのではないか? という疑問がついて回る。ユキムラ自身も時々自問しているが、現状では自身の冒険心よりも効率を重視している。
いずれのんびりと世界を旅をするときなどは、制限プレイでもするかぁ。と、のんびりと構えている。
敵自体も決して弱くない。
レベル帯的にもかなり様々な戦法でプレイヤーを苦しめてくる段階だ。
パーティバランスを考えられた攻勢で攻めてくるし、こちらの攻撃が中途半端なら通用しない。
耐性装備を用意しても完全には押さえきれなくなってくる域に入ってきている。
出来る限り被弾を減らして消耗を押さえて、早く戦闘を終わらせていくことが重要性を増してくる。
もちろんとんでもないエネルギーを秘めた魔石は大量に供給されているので採算は取れているが、ボス戦などでの大量消耗は常に考えて置かなければならない。
強大な力を持った装備を操る白狼隊だからこそ、常にガス欠は考慮に入れなければならない。
ユキムラは対策として、魔石の在庫を国家運用レベルで貯め込んではいる。
それに環境中の魔力を効率よく取り込むエンチャントも施している。
「でもなぁ、魔人戦って環境の魔力が消耗してくんだよねぇ……
たぶん魔人自体が魔力を使用しちゃうんじゃないかと思ってるんだけど……」
「以前の観測結果のアレですか?」
「うん、正直そこは心配したことがなかったから、スキルで作れるアイテムではどうこうできないから開発していくしか無いんだよね……」
一時的に魔石を利用して爆発的な魔力を産み出す増幅器ブースターは作成に成功している。
ただ、膨大な魔力を秘める魔石を組み込むと、増幅器が耐えきれず故障するので使い切りになってしまう。緊急時の切り札的な位置づけだ。
「師匠……切り札を一体いくつ作ったんですか……」
「ほ、ほら、ホントに最後の切り札にならないように準備しただけだよ」
使い捨てで気軽に使えるぐらいは作成してある。
「魔人がもし環境魔力を消費するなら、あまり環境に魔力を満たすとこっちが不利になりそうだしね。
出来る限り、こっちは魔力を使えて、相手は使えない状態で戦いたい」
「そのための貯蔵機バッテリーですね……」
魔力貯蔵機、複数の魔石を魔導回路上に設置して、魔石の容量を遥かに超えた魔力を貯めておける魔道具。これが対魔人戦闘で鍵をにぎるとユキムラは考えている。
現行で手に入る中でも最高級品による貯蔵機を利用した装備。
白狼隊は全員その特別仕様の装備になっている。
特に、今回は女神たちが用意した特殊な閉鎖された空間での戦闘になる予定だ。
出来る限りの準備はユキムラ達も行っている。
【おまたせ~。みんなのネックレスにプログラム送れるようになったわよー】
ダンジョンも最深部に近づいた時、今回のクエストの最後のピースが女神によって届けられる。
「水族館にしたいよなー……」
「師匠、スイゾクカンっていうのは?」
「ああ、こんな感じに海の中の生物を観察できる……見世物? なのかな?
動物なんかを展示すると動物園、花とか植物を展示すると植物園って呼ぶんだよ」
「あら、花の展示は素敵よねー」
「ワンワン!」
まるで談笑でもしながら散歩しているようだが、先程から水竜や突撃魚などの襲来を受けている。
久しぶりの5人での戦闘だが、むしろ以前よりも連携は上昇している。
なんだかんだ言っても、白狼隊が人を連れて戦闘している時は連れている人間のフォローをしながらの戦闘になってしまう。
ほぼほぼフォローをしなくてもいいレベルの人間も増えてきているが、5人での全力戦闘はやはり別物と言ってもいい。
ダンジョンの宝を利用した装備の改良と、その試運転も兼ねた戦闘の犠牲になった魔物は運がない。
白狼隊の前に立たねばならないのだから、どんな状況下でも運はないのかもしれない。
「師匠。アルテス様の策はどれぐらいの時間稼ぎが必要になりそうですか?」
「うーん、まだわからないそうだ。
敵側の侵食速度が想像以上に伸びているらしいから、確実性を持たせるためには30分から1時間くらいらしい……」
「な、魔人との戦闘を一時間ですか……」
「それは……きついわねぇ……」
「さらに時間停止使われたらほぼ無限にまで時間が伸びるよねぇ……
なんとかこのダンジョン攻略の間に向こうの開発が済めばいいけど」
「あのぽっちゃりしたキサラ様が凄腕なんてちょっと信じられないですね」
「キサラ様とオトハ様は天才だってアルテス様が太鼓判押してたよ。
その二人が組むことを信じよう」
「アンアンアン!」
「んー? 大丈夫? タロが言うならその通りだろうねー」
ソーカは居合で竜の首を落としながらタロの頭をナデナデする。
タロはタロでソーカの手にスリスリすると颯爽と飛び出して巨大なシーゴーレムの腹に風穴を開けると何事もなかったかのようにソーカの隣に戻ってくる。
ヴァリィはユキムラとコウとナオに作った執事服とメイド服のコンセプトの打ち合わせをしながら敵をなぎ倒し、レンは今後のサナダ商会の国を隔てた活動時の、会社としての形態を模索しながら魔法で援護を行っている。
サクサクと探索、殲滅をしながらダンジョンをグイグイと進んでいく。
探索も小型ドローンのような魔道具を利用するために無駄なく効率的な進行が可能だ。
こんなダンジョン探索が一般化したらすでに冒険とは言えないのではないか? という疑問がついて回る。ユキムラ自身も時々自問しているが、現状では自身の冒険心よりも効率を重視している。
いずれのんびりと世界を旅をするときなどは、制限プレイでもするかぁ。と、のんびりと構えている。
敵自体も決して弱くない。
レベル帯的にもかなり様々な戦法でプレイヤーを苦しめてくる段階だ。
パーティバランスを考えられた攻勢で攻めてくるし、こちらの攻撃が中途半端なら通用しない。
耐性装備を用意しても完全には押さえきれなくなってくる域に入ってきている。
出来る限り被弾を減らして消耗を押さえて、早く戦闘を終わらせていくことが重要性を増してくる。
もちろんとんでもないエネルギーを秘めた魔石は大量に供給されているので採算は取れているが、ボス戦などでの大量消耗は常に考えて置かなければならない。
強大な力を持った装備を操る白狼隊だからこそ、常にガス欠は考慮に入れなければならない。
ユキムラは対策として、魔石の在庫を国家運用レベルで貯め込んではいる。
それに環境中の魔力を効率よく取り込むエンチャントも施している。
「でもなぁ、魔人戦って環境の魔力が消耗してくんだよねぇ……
たぶん魔人自体が魔力を使用しちゃうんじゃないかと思ってるんだけど……」
「以前の観測結果のアレですか?」
「うん、正直そこは心配したことがなかったから、スキルで作れるアイテムではどうこうできないから開発していくしか無いんだよね……」
一時的に魔石を利用して爆発的な魔力を産み出す増幅器ブースターは作成に成功している。
ただ、膨大な魔力を秘める魔石を組み込むと、増幅器が耐えきれず故障するので使い切りになってしまう。緊急時の切り札的な位置づけだ。
「師匠……切り札を一体いくつ作ったんですか……」
「ほ、ほら、ホントに最後の切り札にならないように準備しただけだよ」
使い捨てで気軽に使えるぐらいは作成してある。
「魔人がもし環境魔力を消費するなら、あまり環境に魔力を満たすとこっちが不利になりそうだしね。
出来る限り、こっちは魔力を使えて、相手は使えない状態で戦いたい」
「そのための貯蔵機バッテリーですね……」
魔力貯蔵機、複数の魔石を魔導回路上に設置して、魔石の容量を遥かに超えた魔力を貯めておける魔道具。これが対魔人戦闘で鍵をにぎるとユキムラは考えている。
現行で手に入る中でも最高級品による貯蔵機を利用した装備。
白狼隊は全員その特別仕様の装備になっている。
特に、今回は女神たちが用意した特殊な閉鎖された空間での戦闘になる予定だ。
出来る限りの準備はユキムラ達も行っている。
【おまたせ~。みんなのネックレスにプログラム送れるようになったわよー】
ダンジョンも最深部に近づいた時、今回のクエストの最後のピースが女神によって届けられる。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる