老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件

穴の空いた靴下

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324話 準備&準備

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「レン様、ケラリス神国から余剰物資の算定が出たと報告が来ました」



「聖都に集めて置いてください後で回収に向かいます」



「レン様、テンゲンが魚介類と肉類のトレードを申請してきています」



「そっちの書類に物資の交換についてまとめてあります。

 基本的に物資の取扱は首都へ集中させてください。

 午後に各国へ向かうのでそれまでに出来る限り移動を終わらせておいてください」



「レン様、ゲッタルヘルンでファウスト派の残党が我らの息の掛かった武器商人に接触した模様です」



「ライガー王子達が把握しているなら監視のみ、もし把握していないなら情報流して。

 表立っては行動しなくていい」



「レン様、フィリポネアのギルドから親交の証として物資が寄贈されたようです」



「ああ……あとで代表代行としてヴァリィさんに行ってもらうとお伝え下さい。

 ヴァリィさんはそのままフィリポネア担当になると伝えてあげてください」



 レンは多忙を極めていたが、優秀なスタッフもタロのお陰で大量に増えている。

 基本的に特訓に関してはプラネテル王国はユキムラ、ゲッタルヘルン帝国はソーカ、フィリポネア共和国はヴァリィ、テンゲン和国はタロが担当する。

 ケラリス神国はほぼ完成しているので、空いた時間に報告などを含めて様子を見るだけで済んでいる。



「どうレン、長距離連絡用魔道具の様子は?」



「ああ、師匠! 良好ですね。問題なく稼働しています」



「よかったー、オープンワールド後にちゃんと動くか心配だったんだよねー」



「女神様達が頑張ってくれているんでしょうね」



「明日から各国巡って、話して訓練の具体的なことを話しあって……

 レンほどじゃないけど、忙しくなりそうだねー」



「スタッフも何名かつけますから、いつでも僕に連絡がつくようになってます。

 何かあれば頼ってください!」



「頼りがいのある弟子を持って師匠冥利に尽きます」



 ガシガシとレンの髪をなでつける。

 レンは嬉しそうにそれを受け入れている。

 残念ながらヴァリィは不在だ。



「それと師匠、例の魔王軍の大地なんですが、やはり監視は出来ないですね。

 濃厚な霧に覆われていて遠距離からの観察は不可能、監視用の魔道具はその霧に触れると制御不能になります。人員を送り込むのは危険が伴いますし……」



「人は駄目だ。基本的には魔王の土地と近い3カ国の監視体制の強化。

 遠い2カ国も外部からの監視体制をしっかりとすることで対応しよう」



「情報網の整備は師匠たちに持っていってもらう魔道具でかなり賄えるはずです」



「しっかし、今更ながら交通や流通をチートで滅茶苦茶にしてるよなー俺たち……」



「今更ですかー。既存の仕事には影響が無いように、あくまで次に来る戦いの準備のため、ということで各国の商業ギルドへの打診は済んでいます。

 師匠の名前を出すとどこも交渉がスムーズで助かってますよ」



「各国を渡り歩いてきた甲斐があったね」



「そうですね……サナダ商会と言う謎の商会が、いきなり世界中で商売始めているなんて異常事態も、普通に受け入れてもらえているのは本当に助かります」



「そこら辺は神様たちに感謝だね」



 実際神達は不眠不休で頑張りました。

 今もネックレスの中で色々とデータを送ったり受け取ったり、神様、頑張っています!



「それじゃぁレン。俺も各国に持っていく魔道具作成してるから、何かあったら工房に連絡してね」



「ダンジョン内でやると連絡取れなくなってしまうので、スミマセン……」



「いいよいいよ、久々になまった腕を鍛えないとね! これから忙しくなるからね!」



「師匠の腕がなまったのを見たことがないのですが……」



「いやいや、やりこんでた時はもっとこう……第六感的なモノが降りてきて……」



「なんか、そこに至る過程が恐ろしいことになってそうでその話はまた今度ということで……」



「ああ、今度ゆっくり教えてあげるよ!」



(そういう意味ではなかったんですが……)



 嬉々とした顔で去っていくユキムラに酷なことは言えないレンであった。

 続々と舞い込んでくる報告に目を通し、的確な指示を飛ばしていく。

 レン個人の実働部隊もMDによる育成計画を立てている。

 もちろん、裏のレンの活動を支える部隊も計画されている……

 ユキムラの前に立ちはだかる問題を解決するのに、綺麗事だけでは解決できないこともある。

 そういった場合にレンの手足となって暗躍できる組織。

 私利私欲ではない、あくまでユキムラのためにそういった組織が必要であることをレンは理解している。



「師匠は、反対は……しないかな? 

 衣装とか武器とか凝りだしそうだな……別に隠すこともないし今度相談してみようっと」



 この予想は大正解だった。

 表のサナダ隊、裏のヤマブシ隊。

 忍者衣装に各種装備。

 諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺などに有益な忍び道具など、忙しいにも関わらずかなりノリノリで開発を行うことになる。

 ユキムラに相談したときの目の輝きを見たレンは、あ、これヤバイやつだ。と自分の浅慮を嘆いたという。

 それでも一緒に色々なアイテムを考えている時間は楽しいのだから、仕方がない。



 各国の王ともスムーズに話ができた。

 いままでさんざん足がかりを作ってきて、国家的な問題も解決しているのだから当然と言えば当然だ。

 あの長き日々が全て、来るべき魔王軍、魔人達との戦いに活かされる。

 

 すべての国を巡ってわかったことは、ユキムラがあの旅をしていた時期は同時に開始されている。

 簡単に言えばユキムラが最初のプラネテルに降り立った日からすべての国にユキムラ達が現れて、神風のように様々な問題を解決していった。ということになっているようだった。

 全くもって無茶苦茶な話だが、全員が流石は来訪者! ということで納得していた。

 神々の苦労が伝わってくる。



 各国でユキムラ達は冒険者や兵士たちに効率よく訓練を重ねていく。

 これにより別次元とも言える精強な戦士たちが量産されていく。

 ダンジョンを利用した育成は、時間効率が異常だ。

 一ヶ月の訓練を一日で終えられる。精神と○の部屋だ。



 各国の生産体制も同時に改善、革命と言っていいレベルで成長させていく。

 交通網が整備され、家庭環境は改善され、人々の暮らしは急速に改善されていく。

 経済活動はバブルのように活発になり、誰しもが成功できる。そんな世界になっていく。



 図らずも戦争の準備のおかげでユキムラが思い描いている世界の土台が出来上がりつつあった。 
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