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2.みしょう動物病院
息を呑むほどの
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***
診察室に入るとすぐ、ど真ん中に白い診察台があるのが目に入った。
その診察台の向こうには幅広のデスクが壁にぴったり張り付くように設置してあって、机上にはデスクトップパソコンが一台と、高性能そうな顕微鏡が一台置かれていた。
机下の下肢空間にはキャスター付きの丸椅子が収納されていて、顕微鏡を覗いたりパソコンを操作したりする時に、先生がそこに腰掛けるのかな?とか思った結葉だ。
椅子に座った際に見えるであろう正面の壁には 照明付ディスプレイがあって、結葉はレントゲンの説明などもここで聞くのね、と実感させられて。
いつも自分がお世話になっている内科などの診察室とは少し様相が違うけれど、ここも紛れもなく病院なんだな……と当たり前のことを今更のように思ってしまった。
動物病院に来た事自体初めてだった結葉は、物珍しさにキョロキョロしすぎてしまったらしい。
「――今日は福助くんの健康チェックと飼育のアドバイスでよろしいですか?」
クスッと笑う声がして、そんな声が掛けられる。
それは待合室にいた時、散々結葉が心奪われた、低く甘やかに響く美声。
どうやら一通り結葉がキョロキョロするのを待っていてくれたらしい声の主は、先程受付けで結葉が書いた問診票を見たんだろうという質問を投げかけてきた。
「あっ、――はいっ」
つい物珍しさから先生の存在をすっかり忘れていたことを恥ずかしく思って、ぶわりと顔が熱くなったのを感じた結葉は、そこで初めて声の主を視界に収めた。
さすがに照れのせいでまともに見つめることは出来なくて、うつむきがちにチラチラと垣間見たその人は、ターコイズブルーのスクラブの上に白衣を羽織っていた。
結葉より二〇センチくらい高い位置から、眼鏡の奥で柔らかな眼差しが結葉を捉えている。
髪型は綺麗にオールバックに整えられていて、目は切れ長。スッと通った鼻梁に、薄めだけど形の良い仰月型の唇。
目が与えるクールな印象を、黒縁の眼鏡と、微笑んでいるように見える唇の形が絶妙に打ち消していて、すごくハンサムな人だと思って。
芸能人だと言われても納得してしまうほどの美形に、結葉は思わず息を呑んだ。
(えっと――私、ドラマの撮影とかに乱入しちゃったんじゃないよね? あ、当たり前だけどっ)
御庄偉央という男は、結葉が思わず変な確認をしてしまいたくなってしまうような、そんな浮世離れした雰囲気を持つ超絶イケメンな獣医師だった。
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机下の下肢空間にはキャスター付きの丸椅子が収納されていて、顕微鏡を覗いたりパソコンを操作したりする時に、先生がそこに腰掛けるのかな?とか思った結葉だ。
椅子に座った際に見えるであろう正面の壁には 照明付ディスプレイがあって、結葉はレントゲンの説明などもここで聞くのね、と実感させられて。
いつも自分がお世話になっている内科などの診察室とは少し様相が違うけれど、ここも紛れもなく病院なんだな……と当たり前のことを今更のように思ってしまった。
動物病院に来た事自体初めてだった結葉は、物珍しさにキョロキョロしすぎてしまったらしい。
「――今日は福助くんの健康チェックと飼育のアドバイスでよろしいですか?」
クスッと笑う声がして、そんな声が掛けられる。
それは待合室にいた時、散々結葉が心奪われた、低く甘やかに響く美声。
どうやら一通り結葉がキョロキョロするのを待っていてくれたらしい声の主は、先程受付けで結葉が書いた問診票を見たんだろうという質問を投げかけてきた。
「あっ、――はいっ」
つい物珍しさから先生の存在をすっかり忘れていたことを恥ずかしく思って、ぶわりと顔が熱くなったのを感じた結葉は、そこで初めて声の主を視界に収めた。
さすがに照れのせいでまともに見つめることは出来なくて、うつむきがちにチラチラと垣間見たその人は、ターコイズブルーのスクラブの上に白衣を羽織っていた。
結葉より二〇センチくらい高い位置から、眼鏡の奥で柔らかな眼差しが結葉を捉えている。
髪型は綺麗にオールバックに整えられていて、目は切れ長。スッと通った鼻梁に、薄めだけど形の良い仰月型の唇。
目が与えるクールな印象を、黒縁の眼鏡と、微笑んでいるように見える唇の形が絶妙に打ち消していて、すごくハンサムな人だと思って。
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(えっと――私、ドラマの撮影とかに乱入しちゃったんじゃないよね? あ、当たり前だけどっ)
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