【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

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10.厳しい管理下

御庄家の電話事情

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 昨今、みんな携帯電話を持っているのが主流で、家に固定電話を設置している家庭の方が少なくなっているだろう。

 だが、御庄みしょう家では少し違っていて。

「はい、御庄でございます」

 御庄偉央いおの妻である結葉ゆいはは、夫から携帯電話を持たせてもらっていない。

 彼女の旦那の偉央いおが、妻が自分の預かり知らぬところで誰かと繋がることを許さないからだ。

 独身時代には持っていた携帯電話も、結婚して専業主婦になった時に「結葉ゆいはは家にいるんだし、必要ないよね?」と解約させられた。

 以来、結葉ゆいはは自分名義の携帯電話を持っていない。

 外出する用がある時だけ、偉央いおから〝子供用携帯〟を渡される。

 偉央いおが〝管理者として〟ロック番号を管理しているそのキッズ携帯は、ネットサーフィンをすることはおろか、偉央いおが認めた人間――アドレス帳に登録された番号――からの着信しか受け付けないように設定されている。

 ちなみにアドレス帳に登録されている番号は、自宅の番号と『みしょう動物病院』の番号、それから偉央いおの携帯番号と結葉ゆいは偉央いおの両親の携帯番号、両家の自宅の固定電話の番号のみ。

 電話帳に登録されていない番号からの着信ははなから拒否されるし、結葉ゆいはが勝手にアドレス帳をいじることも偉央いおから固く禁じられている。

 もし何か新しい番号を追加したい場合は偉央いおに許可を求めなければならないのだけれど、今まで一度だって了承されたことはないのが現実だ。
 いわく、「自宅の電話からかければ済む話でしょう?」と。

 その固定電話にしても、毎日偉央いおに発着信の履歴をチェックされているし、通話の明細書も動物病院宛に届くようになっていて、全て偉央いおが管理している形だ。
 だから結葉ゆいはには勝手なことが出来ない。

 友人たちからは偉央いおと共有で使っているパソコン宛にメールがくるか、こんな風に昼間、偉央いおが居ない時に家の方に電話がかかってくるかのどちらかでしか連絡を取り合うことができないのだ。

 もちろんそのパソコンのメールにしたって一日の終わりには逐一ちくいち偉央いおにチェックされてしまう。


 結婚してから数年。
 結葉ゆいはは、あんなに身近に感じていたはずの幼なじみのそうとも全く話せていない。

 結葉ゆいはが実家に行く時は必ず偉央いおも付いてくるし、一人で実家に行きたいと言えば、「昼休みに僕が送って行くから待ってて? 帰りは僕が迎えに行くまでご両親とゆっくりしているといい」と有無を言わせぬ調子で言われてしまって、結果何となく山波家おとなりに顔を出すのもはばかられる雰囲気を作られてしまう。
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