52 / 228
10.厳しい管理下
御庄家の電話事情
しおりを挟む
昨今、みんな携帯電話を持っているのが主流で、家に固定電話を設置している家庭の方が少なくなっているだろう。
だが、御庄家では少し違っていて。
「はい、御庄でございます」
御庄偉央の妻である結葉は、夫から携帯電話を持たせてもらっていない。
彼女の旦那の偉央が、妻が自分の預かり知らぬところで誰かと繋がることを許さないからだ。
独身時代には持っていた携帯電話も、結婚して専業主婦になった時に「結葉は家にいるんだし、必要ないよね?」と解約させられた。
以来、結葉は自分名義の携帯電話を持っていない。
外出する用がある時だけ、偉央から〝子供用携帯〟を渡される。
偉央が〝管理者として〟ロック番号を管理しているそのキッズ携帯は、ネットサーフィンをすることはおろか、偉央が認めた人間――アドレス帳に登録された番号――からの着信しか受け付けないように設定されている。
ちなみにアドレス帳に登録されている番号は、自宅の番号と『みしょう動物病院』の番号、それから偉央の携帯番号と結葉と偉央の両親の携帯番号、両家の自宅の固定電話の番号のみ。
電話帳に登録されていない番号からの着信は端から拒否されるし、結葉が勝手にアドレス帳をいじることも偉央から固く禁じられている。
もし何か新しい番号を追加したい場合は偉央に許可を求めなければならないのだけれど、今まで一度だって了承されたことはないのが現実だ。
いわく、「自宅の電話からかければ済む話でしょう?」と。
その固定電話にしても、毎日偉央に発着信の履歴をチェックされているし、通話の明細書も動物病院宛に届くようになっていて、全て偉央が管理している形だ。
だから結葉には勝手なことが出来ない。
友人たちからは偉央と共有で使っているパソコン宛にメールがくるか、こんな風に昼間、偉央が居ない時に家の方に電話がかかってくるかのどちらかでしか連絡を取り合うことができないのだ。
もちろんそのパソコンのメールにしたって一日の終わりには逐一偉央にチェックされてしまう。
結婚してから数年。
結葉は、あんなに身近に感じていたはずの幼なじみの想とも全く話せていない。
結葉が実家に行く時は必ず偉央も付いてくるし、一人で実家に行きたいと言えば、「昼休みに僕が送って行くから待ってて? 帰りは僕が迎えに行くまでご両親とゆっくりしているといい」と有無を言わせぬ調子で言われてしまって、結果何となく山波家に顔を出すのも憚られる雰囲気を作られてしまう。
だが、御庄家では少し違っていて。
「はい、御庄でございます」
御庄偉央の妻である結葉は、夫から携帯電話を持たせてもらっていない。
彼女の旦那の偉央が、妻が自分の預かり知らぬところで誰かと繋がることを許さないからだ。
独身時代には持っていた携帯電話も、結婚して専業主婦になった時に「結葉は家にいるんだし、必要ないよね?」と解約させられた。
以来、結葉は自分名義の携帯電話を持っていない。
外出する用がある時だけ、偉央から〝子供用携帯〟を渡される。
偉央が〝管理者として〟ロック番号を管理しているそのキッズ携帯は、ネットサーフィンをすることはおろか、偉央が認めた人間――アドレス帳に登録された番号――からの着信しか受け付けないように設定されている。
ちなみにアドレス帳に登録されている番号は、自宅の番号と『みしょう動物病院』の番号、それから偉央の携帯番号と結葉と偉央の両親の携帯番号、両家の自宅の固定電話の番号のみ。
電話帳に登録されていない番号からの着信は端から拒否されるし、結葉が勝手にアドレス帳をいじることも偉央から固く禁じられている。
もし何か新しい番号を追加したい場合は偉央に許可を求めなければならないのだけれど、今まで一度だって了承されたことはないのが現実だ。
いわく、「自宅の電話からかければ済む話でしょう?」と。
その固定電話にしても、毎日偉央に発着信の履歴をチェックされているし、通話の明細書も動物病院宛に届くようになっていて、全て偉央が管理している形だ。
だから結葉には勝手なことが出来ない。
友人たちからは偉央と共有で使っているパソコン宛にメールがくるか、こんな風に昼間、偉央が居ない時に家の方に電話がかかってくるかのどちらかでしか連絡を取り合うことができないのだ。
もちろんそのパソコンのメールにしたって一日の終わりには逐一偉央にチェックされてしまう。
結婚してから数年。
結葉は、あんなに身近に感じていたはずの幼なじみの想とも全く話せていない。
結葉が実家に行く時は必ず偉央も付いてくるし、一人で実家に行きたいと言えば、「昼休みに僕が送って行くから待ってて? 帰りは僕が迎えに行くまでご両親とゆっくりしているといい」と有無を言わせぬ調子で言われてしまって、結果何となく山波家に顔を出すのも憚られる雰囲気を作られてしまう。
0
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【完】経理部の女王様が落ちた先には
Bu-cha
恋愛
エブリスタにて恋愛トレンドランキング4位
高級なスーツ、高級な腕時計を身に付け
ピンヒールの音を響かせ歩く
“経理部の女王様”
そんな女王様が落ちた先にいたのは
虫1匹も殺せないような男だった・・・。
ベリーズカフェ総合ランキング4位
2022年上半期ベリーズカフェ総合ランキング53位
2022年下半期ベリーズカフェ総合ランキング44位
関連物語
『ソレは、脱がさないで』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高4位
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高2位
『大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位
『初めてのベッドの上で珈琲を』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高9位
『“こだま”の森~FUJIメゾン・ビビ』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 17位
私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。
伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。
物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敏腕SEの優しすぎる無償の愛
春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した祭りは、雨の夜に終わりを願う。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。
癒やしの小児科医と秘密の契約
あさの紅茶
恋愛
大好きな佐々木先生がお見合いをするって言うから、ショックすぎて……。
酔った勢いで思わず告白してしまった。
「絶対先生を振り向かせてみせます!」
そう宣言したものの、どうしたらいいかわからずひたすら「好き」と告白する毎日。
「仕事中だよ」
告白するたび、とても冷静に叱られています。
川島心和(25)
小児科の看護師
×
佐々木俊介(30)
小児科医
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる