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2.本音がスルリ
生家
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さて、かつてはそんな両親と、弟や妹とともに家族五人でワイワイ暮らしていた生家は、今や実篤ひとりで住まう殺風景なものになってしまっている。
弟の八雲は東京の方の大学に進学したのを機に、就職もあっさりそちらでしてしまった。
商社マンとかそう言うのになるのかと思いきや、子供の頃に取った杵柄とでも言うのだろうか。
大手スポーツジムが経営するスイミングセンターのインストラクターになっている。
妹の鏡花も、そんなすぐ上の兄を倣ったように、今では都会の大手銀行に勤めるOLだ。
ふたりとも盆暮れ正月、山口県に戻って来られればいい方で、両親が広島に越してからは下手すると実篤も広島県に出向く形でワイワイすることも増えてしまった。
田舎の大きな家だ。
会社がある麻里布町まで車で約40分の由宇町に位置している実家は、かつては岩国市ではなく玖珂郡と呼ばれていた場所にある。
市町村合併で、今でこそまるっと「山口県岩国市」というくくりになってはいるが、旧市内と呼ばれる、合併前から岩国市だった地域と、合併後に岩国市になった地域とでは住んでいる人間側に何となく気持ちの隔たりがあって。
朧げではあるものの、よその地域から岩国市に働きに行っているという感覚が未だに拭えない実篤だ。
通勤のことを考えると、旧市内の方へアパートを借りるのも手かも知れんなぁとは思いはするのだけれど、家というものは住む人間がいなくなると傷むのも必定。
不便だ何だの言いながらも自分が住んでいる間はそれなりに庭の手入れもするし、屋内の掃除だってする。窓を開けて室内の空気を入れ替えたりもする。
そう言うのがなくなるのは「良ぉーないかも知れんけぇのぅ」とも思う実篤だ。
ガソリン代も高騰してきた今のご時世、片道20キロ近い通勤路はネックではあるのだけれど、生家への愛着もあって色々と悩ましい。
さて、かつてはそんな両親と、弟や妹とともに家族五人でワイワイ暮らしていた生家は、今や実篤ひとりで住まう殺風景なものになってしまっている。
弟の八雲は東京の方の大学に進学したのを機に、就職もあっさりそちらでしてしまった。
商社マンとかそう言うのになるのかと思いきや、子供の頃に取った杵柄とでも言うのだろうか。
大手スポーツジムが経営するスイミングセンターのインストラクターになっている。
妹の鏡花も、そんなすぐ上の兄を倣ったように、今では都会の大手銀行に勤めるOLだ。
ふたりとも盆暮れ正月、山口県に戻って来られればいい方で、両親が広島に越してからは下手すると実篤も広島県に出向く形でワイワイすることも増えてしまった。
田舎の大きな家だ。
会社がある麻里布町まで車で約40分の由宇町に位置している実家は、かつては岩国市ではなく玖珂郡と呼ばれていた場所にある。
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朧げではあるものの、よその地域から岩国市に働きに行っているという感覚が未だに拭えない実篤だ。
通勤のことを考えると、旧市内の方へアパートを借りるのも手かも知れんなぁとは思いはするのだけれど、家というものは住む人間がいなくなると傷むのも必定。
不便だ何だの言いながらも自分が住んでいる間はそれなりに庭の手入れもするし、屋内の掃除だってする。窓を開けて室内の空気を入れ替えたりもする。
そう言うのがなくなるのは「良ぉーないかも知れんけぇのぅ」とも思う実篤だ。
ガソリン代も高騰してきた今のご時世、片道20キロ近い通勤路はネックではあるのだけれど、生家への愛着もあって色々と悩ましい。
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