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12.月に一度の……?/written by 市瀬雪
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テーブルの上には、紅茶ベースのノンアルコールカクテルが二つ置いてある。
ノンスイートでカロリーが低いらしく、読者モデルをしているという林田さんが飲むにもちょうど良かったらしい。
萌々ちゃんや楓馬がくるまで、恐らくはまだ20分はある。
けれども、いつもは明るくおしゃべりな印象の強い林田さんが、今日はなぜか妙に静かだし……。ってなると、ここはやっぱり、僕が間を持たせるべきだよね。
「林田さん……なんか元気ないね? 仕事で何かあったとか……?」
「えっ……」
「あ……ううん、そういうわけじゃないの」
「そう?」
軽く乾杯してから、それぞれひと口ずつ嚥下する。
まもなく温かな液体が喉奥へと滑り落ちていくのに、思わず僅かに目を細めた。
……なるほど、これは美味しい。レモンとミントがほのかに効いたちょっぴり大人な味というか。思ったよりも熱々だから、猫舌の人はすぐには飲めないかもしれないけれど、そこは僕には関係ない。
「じゃあ……テストの疲れが出てるのかな」
僕はグラスを天板に戻すと、改めて林田さんに微笑みかける。
目が合うと、彼女は淡く目端を染めて、「う、うん。そうかも」と誤魔化すように笑った。
……あぁ。これはあれかな。
さっきから密かに思っていたけれど……今日、もしかして彼女は――。
「ねぇ、柚弦くん……。良かったら、今度……一緒に映画とか行かない?」
「ん?」
「嫌じゃなかったらでいいんだけど……できれば、二人、きりで……」
そっちか……。
彼女の性格からして、もっとストレートに来るかと思っていたけど、意外と慎重なところもあるらしい。
僕は考えるようにカクテルグラスに口を付け、更にゆっくりとそれを数口飲んでから、静かに答えた。
テーブルの上には、紅茶ベースのノンアルコールカクテルが二つ置いてある。
ノンスイートでカロリーが低いらしく、読者モデルをしているという林田さんが飲むにもちょうど良かったらしい。
萌々ちゃんや楓馬がくるまで、恐らくはまだ20分はある。
けれども、いつもは明るくおしゃべりな印象の強い林田さんが、今日はなぜか妙に静かだし……。ってなると、ここはやっぱり、僕が間を持たせるべきだよね。
「林田さん……なんか元気ないね? 仕事で何かあったとか……?」
「えっ……」
「あ……ううん、そういうわけじゃないの」
「そう?」
軽く乾杯してから、それぞれひと口ずつ嚥下する。
まもなく温かな液体が喉奥へと滑り落ちていくのに、思わず僅かに目を細めた。
……なるほど、これは美味しい。レモンとミントがほのかに効いたちょっぴり大人な味というか。思ったよりも熱々だから、猫舌の人はすぐには飲めないかもしれないけれど、そこは僕には関係ない。
「じゃあ……テストの疲れが出てるのかな」
僕はグラスを天板に戻すと、改めて林田さんに微笑みかける。
目が合うと、彼女は淡く目端を染めて、「う、うん。そうかも」と誤魔化すように笑った。
……あぁ。これはあれかな。
さっきから密かに思っていたけれど……今日、もしかして彼女は――。
「ねぇ、柚弦くん……。良かったら、今度……一緒に映画とか行かない?」
「ん?」
「嫌じゃなかったらでいいんだけど……できれば、二人、きりで……」
そっちか……。
彼女の性格からして、もっとストレートに来るかと思っていたけど、意外と慎重なところもあるらしい。
僕は考えるようにカクテルグラスに口を付け、更にゆっくりとそれを数口飲んでから、静かに答えた。
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