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34.邑が襲われる理由とは
しおりを挟むA's eyes
ライラ、ソニヤさまと一緒にネルヤ邑に向かっている道中。
そろそろネルヤ邑が見えてくる頃に不思議な一団がこっちにむかってきたわ。
一目で分かるわ。只者じゃないわね~。多分ネルヤ邑から出て来たわね。少なくても武家の者達だと思うのだけど。彼らだけで外に出るのは珍しい。だって邑や”家”を守るのが武家の役目よ。
何があっったのかしら?
先行しているライラに特に変わった所はないけど。
「ライラ。どう思っているの~」
「ん?何の事?」
「こっちに近づいている武家達よ。只事じゃないわよね~」
「ああ、そっちね。大丈夫だと思うよ。向こうもこちらに気づいているけど警戒はしていないようだし。何かあっても私達なら問題ないでしょ?」
「ま~、そうだけどね~。でも無駄に挑発しないでよ。ネルヤ邑も大変な事になっているらしいからね~」
「そうね。丁度良いから聞いてみようか」
ライラは相変わらず冷静ね。でもあの子に敵う者は武家でもいないから実力行使されても問題ないのだけど~。余計な諍いは避けたいわよね~。
私の後ろのソニヤさまは緊張しているようだけど。彼女は私が守れば問題ないかな。
ライラは武家の人達に近づいていく。私は少し距離を取って万が一に備える。装備が物々しい。狩猟なの?
武家達はライラを警戒しているわね。話はしているようだから戦いにはならないのかな?
でも話をしていたのは少しだけね。どちらかというと武家達が強制的に話を終わらせたのかも。東に向かうのかしら?あっちはどこにも邑は無いし。ライラが戻ったら聞いてみよ。
ソニヤさまは緊張しているみたいだけど。武家達は私達には興味がないみたい。ひとまず安全ね。
ライラが戻ってきた。
「何か分かったの~?」
ライラは不審な表情のままだわ。
「何も・・・・。身のこなしから武家である事は確かよ。多分だけど裏者だね。以前に負傷した連中と会ったのだけど装備が似ている。セランネ家の”裏者(うらもの)”だと思う」
「え?裏者。ネルヤ邑は大丈夫なのかな?」
「分からない。これだけ裏者が外に堂々と出ているのよ。ネルヤ邑には何かが起こっている可能性が高い。やはりネルヤ邑は遠目からでも確認したほうがいいわね」
「ライラの目ならある程度は把握できると思うけど。問題は異能持ちの謎の連中ね~」
「邑の会議でも当然話題になったのだけど正体不明。遠くから見た者はいるのだけど近隣の邑の者では、ないらしい程度しか分からなかったみたい」
「曖昧よね~。ネルヤ邑にもその・・不審者が向かったのかな?」
「分からない。そもそも姉さんの言う不審者が何名なのかも分からないからね」
「む~、近隣の邑人で無い事程度しか分からないのね~」
「そういう事ね」
なんとも気持ち悪い連中よね~。それもかなり高位の異能持ちみたいだし。壁を壊すなんて異能知らないし。
ソニヤさま顔色悪いわね~。知ってもらいたくて話はしているのだけどね。ソニヤさまはある意味当事者だし。気の毒だけど自分の邑を襲った者達がどのような者か思い出してほしいのよね~。
何しろ情報が足りない。気づけば近隣の邑は全部制圧されそうな状況だし。
ソニヤさまのキュメネ邑は武家が少ないから制圧されたのだろうけど。それでも圧倒的な武力で攻撃されたとか。
確かに不審者達の正体や目的は少しでも知りたい所ね。
ソニヤさまも大変だろうけどもう少し付き合ってくださいね。
L's eyes
ネルヤ邑が見えて来た。姉さんは当然だけど。ソニヤ殿は良く付いてきてくれた。かなり疲労が残っているだろうに。ここで少し休憩してもらう事にしよう。
邑からの距離は五百メートル程かな。加護がある私の目なら十分に見える距離だ。この距離では姉さんは難しい。
ソリヤ家の本家の者は他の邑人より目が良い。でも私の視力はその倍は楽にある。この距離ならばネルヤ邑の邑人は私達には気づけない。様子を見るには適した距離なのだ。
実は私一人で様子を見るつもりだった。姉さんとソニヤ殿を先に邑に戻しても良かったのだけど。不審者の襲撃の可能性を考えた。万が一は避けたい。
それにしても気になるのは先程すれ違ったセランネ家の裏者だ。彼らが不審者を打ち倒す目的で外に出ているとは考えづらい。何しろ不審者は武家百名以上でも倒せなかったのだから。
単純に不審者を追跡している事も考えたが武装を確認した感じだとそちらは考えづらい。何しろ私達に簡単に感づかれているのだ。
となると・・・・。他の目的があるのか?
話しかけたのだけど完全に無視された。余程の事が無い限り外で誰かに会って無視というのはあり得ない。
そのうち一人は腰の剣を抜こうとしていた。責任者ぽい人が制していたけど。本当にあり得ない。
どういう教育をしているのか。
それほど余裕が無いのか?少なくてもネルヤ邑は通常の状態で無いのは確かなようだ。
本当に色々分からない。
何故急にこんな事になってしまったのだろう。
分からない事ばかりだ。
こんな時に姉さんは冷静だ。見た目とは裏腹に思慮深い。けれどもその思考はケイに傾いている。そこが不安だ。
異常事態な今は家や邑を心配しているようだけども。いつケイの元に走るか分からない。どうにもそんな気がしてならない。
私が率先して情報を少しでも集めないといけない。それが家を存続させるためにもなる。
それにしてもネルヤ邑の状況はどうだ。
外壁は相当な部分が破壊されている。これが不審者達の異能の威力か・・・。どうやったらこのような破壊ができるのだろう。
外壁を修繕している者はいない。やはり相当な死傷者が出ているのかもしれない。
ネルヤ邑の中に入りたいが・・・・外壁周辺に数名の哨戒者が出ている。近づけば感づかれる可能性がある。
このような現状で目的も無く近づけばあらぬ誤解を受ける可能性がある。
やはり・・無理だ。
情報を取るには正式な使者を向かわせて確認するしかないか。
それに日が暮れる前にイキシ邑へ戻らないと。
キュメネ邑が占拠された事。
ネルヤ邑が不審者達の攻撃で相当な被害を受けている事。
我がイキシ邑もその例に漏れない。
一体何が起こっているのだ?
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