1 / 1
復終活
しおりを挟む
満開の桜が舞う卒業式、彼はそこにいなかった。
高校生活が終わり、進学する者や就職する者…
校舎の前で涙を流し別れを惜しんでいる女子グループ、教師に肩を叩かれ期待をされている男子…
彼も、その中にいたはずだった。
3年前、高校の入学式で、これからの高校生活を期待し、希望に満ちたキラキラの目をしていた。
岡本秀行は、期待と不安で緊張気味だったが、たまたま隣の席にいた、加藤勇斗に話し掛けられた。
「君、どこ中?俺は南ニ中で加藤勇斗。」
「俺は、北中…岡野秀行です。」
そこかしこで、同じ様に出身中学を言い合い、自己紹介をしていた。
2人は隣同士と言う事もあり、それなりに仲良くなった。
1ヶ月もすれば、女子の仲良しグループが出来、男子達も話しが合う者同士かたまりだす。
秀行も、いつの間にか勇斗とばかり話していた。
まだ新しい制服の中、お下がりなのか少し色褪せた男子がいた。きっと兄のお下がりか、親戚の物なんだろうと、秀行と勇斗は気にしていなかったが、慣れてくると、集団の中で浮いている者を弾き出した。
最初は、女子の目立つグループがからかい出して、次にその女子達の下のグループ、そして更に下のグループが…
男子達は、それを笑う者や女子達に引く者、そして何もしない者に秀行と勇斗がいた。
「関わると面倒だから、スルーしとこう…」
「う、うん…」
同じクラスの宮田智矢が、その弾かれた標的だった。
朝、校舎の入り口で勇斗と会い、そのままくだらない話しをしながら教室に入ると、女子グループが宮田を囲み、嫌味を言っていた。
グループのリーダー格の高崎香奈実と、その手下みたいな平井恵と大石ゆかりの3人が飽きもせず絡んでいた。
「宮田くん、新しい制服買えないの?」
「もしかして、貧乏だからお古なのかしら?」
「エェッ、今どきそんな人いるの!?」
秀行達はそそくさとカバンを自分達の机に置くと、教室を出て廊下で話しの続きをしていた。
同じ様に、廊下に何人か同じクラスの男子がいた。
チャイムが鳴ると、教室に戻り教師が来るのを待つ、それがいつもの事だった。
1年間、まさにモブキャラをしていた。
2年生になり、勇斗と別のクラスになって少し不安になった。
不運な事に、目立つ女子グループの3人と一緒の上に、1年の時は別のクラスだったが、あまり良くない噂の男子がいた。
藤原拓海は、サッカー部に所属していて、女子には人気があるが…男子からは嫌味な奴として、同じサッカー部の奴らとしかつるんでいなかった。
「宮田遊ぼ~ぜ。」
藤原が女子達から話しを聞き、宮田をからかい出していたが、関わらずモブに徹していた。
秀行は2年になっても目立たない様に気を付け、将来エンジニアを目指し、大学受験の為に勉強をしていた。
(高校生にもなって、イジメみたいな事して楽しいのか?)
教師達はイジメに気が付いている、みんな仲良く集団生活で協調性を学ぶと言うが、そんなモノ上辺を取り繕うのが上手い奴等には何の意味もない事だ。
静かに、悪目立ちせず、必要以上に関わらない、それが秀行の高校生活だった。
唯一の友達の勇斗がいれば、それで良かったのが…2年の終わりに失敗をした。
機嫌が悪そうに、担任が期末テストの答案を教壇に置くと、ため息をつき生徒達を睨んだ。
「お前ら、後少しで3年になるの分かってるのか!?」
生徒達は、期末の結果が悪い事を見るまでもなく分かった。
「出席番号順に取りに来い!」
秀行はドキドキしながらテストを受け取るが、かなり良い点数にホッとした。
生徒全員に答案が戻ると、担任が追試を受ける者の名前を呼びキレた。
クラスの半分が追試だったからだ。
「…このままじゃ、進学どころか進級だって危ないぞ!高校生活を楽しむのはかまわんが…将来どうなるかお前達次第だからな!!」
シーン…と静まる教室に、藤原が笑いながら答案用紙を丸めた。
「センセー、今どきはそれぞれの個性や一芸が注目されんの…ガリ勉だからって、大学に入れるワケじゃないんだよね~!」
薄っぺらい奴ほど個性や一芸などと、努力も何もしていクセに言いたがる、藤原は成績はギリギリだがサッカーの腕前と英語だけはかなりの物だった。
「個性や一芸って言ったが、それだけでみんながみんな入れる所ばかりじゃないだろ、そんな浅い考えじゃ進学なんて無理だな…真面目に授業を受けてない結果がその点数だ、追試を受ける者は放課後残る様にな。」
ピシャンッ!
苛立った担任が、乱暴にドアを閉めて行った。
藤原は仲の良い者達と担任の悪口を言って、その後は他の教師の授業でも、文句を言い難癖をつけた為授業が進まなかった。
放課後になると、宮田はサッサと教室を出て行った。
(ずい分急いでたけど…八つ当たりされない様に帰ったのか?)
帰る生徒や部活に急ぐ生徒でざわつく校舎の出入口に、青ざめた宮田が立っていた。
「あっれ~っ宮田くん、追試じゃなかったんだ?意外に頭良いんだね~。」
藤原の取り巻きをしている女子達に捕まっていた、いつも3人でツルんで藤原に媚びを売り、宮田をからかっていた。
「あ…僕は赤点じゃなかったから…」
カバンを抱え小走りで女子達の横を通り抜け、バス停まで逃げる様に走った。
「あははは…何あれ、めっちゃビビってなかった?」
「アレはビビってたね、ウケる~!」
「でも、ウチら話し掛けてやったのに、あの態度なくない?」
高校生とは思えない派手なメイクの3人は、宮田の態度に笑いながら藤原を待っているのだろう、そしてさっきの宮田の事を藤原に告げ口して煽るのが、見なくても察しがついた。
(アイツら…たち悪いから、宮田も悲惨だな~。)
その次の日の放課後、追試でも赤点だった藤原と数人の生徒が、週末の土曜日に学校で再追試を受ける事になり…更に藤原の機嫌が悪くなった。
「おい藤原、頭悪いのも個性なのか?」
担任の嫌味に何人かの生徒がクスクスと笑い、宮田は下を向いて赤い顔で笑いを堪えていた。
秀行も藤原から顔を背向け、口元を拳で抑えながら肩を揺らしていた。
「チッ!」
眉間にシワを寄せて怒りを露わに、藤原は机を蹴りホームルームも終わらない教室を出た。
いつもの取り巻き女子達も後を追って出て行こうとしていたが、担任は女子達にも嫌味を言った。
「高崎、平井、大石、お前らもその濃い化粧が個性や一芸とか、藤原みたいに言うなよ?」
クラスの女子達がクスクス笑いながら、“キャバなら内定貰えそう…”とか“ヤンキーの嫁が似合う…”等と小バカにする声に宮田が耐え切れず吹き出すと、3人は宮田の背中を睨み出て行った。
ホームルームが終わり、校門の前で待っている勇斗に藤原達の話しを笑いを堪えながら話した。
「ウケるけど、担任がそんな事言っていいのかな?」
「大丈夫だよ、あいつ等は授業の邪魔したり、サボったりして、みんな迷惑してたし担任以外の先生にも何度も注意されてるし…」
勇斗は複雑な顔で秀行に忠告した。
「秀行、あんまりそいつ等と宮田に関わるな…」
「どうした?急に真面目な顔して…」
「いや、藤原はバカだからいいとして…高崎の方がちょっとな、あいつと同中だったんだけど…あいつ中学ん時も似た様な事して、女子1人不登校にしてんだよね。」
秀行の顔から笑みが消えた。
「…マジで?」
「マジだよ、噂だと小遣い稼ぎに危ない出会い系でウリさせてたって、親が呼び出されてたらしいよ…」
中学でそんな事を…とかなり引き気味になった秀行に、勇斗は少し困ったように笑いながら話しを変えた。
「関わらなきゃ大丈夫!それより明日買い物付き合ってよ!」
「あぁ、いいけど何買うの?」
重苦しい事を他愛もない話しで押しのけ、2人はわざとらしいくらいはしゃいで見せた。
翌日は午前中から勇斗に付き合い、本屋やCDショップを回っていたが、昼過ぎに勇斗に掛かってきた電話で解散になった。
「悪いな…まさか母さんに、俺のコレクションがバレるとは…」
この世の終わりか、と言う程勇斗は暗い顔をして頭を抱えた。
「いいけどさ、エロ本見つかったくらいで落ち込むなよ~!」
「なっ!?バカにすんなよ…これから家族会議をされる俺の身になれ!!母さんと婆ちゃんが親父まで呼んで会議されるんだからな…」
ガックリと肩を落とす勇斗に、同情と笑いが止まらなかった。
「ぷふっ、まぁ~頑張れよ…ふふふ…」
「畜生め!!誰かに言ったら、もう口聞いてやらないんだから~!」
「ツンデレか…?」
勇斗が手を振り走って帰る姿に、笑いながら手を振り返した。
(勇斗の家族は面白いな…同情はするが、バレる様な所に隠した自分を恨むんだ。)
1人で帰る途中、何度も思い出し笑っていると、昼飯がまだだった秀行は、コンビニに寄ると挙動不審な女子高生がいた。
(何処の生徒だ?見た事ない制服だけど…)
茶髪の前髪が長くて目元を隠し、冬だと言うのにペラペラのスカートに素脚で少し膝が震えていた。
(…まさか、今どきコンビニで万引きじゃないよな!?そんなの一発で捕まるだろ、せめて俺が出てからにしてくれよ!)
秀行が慌てて菓子パンとコーヒーを買ってコンビニを出ると、その女子高生も買い物を済ませ出て来た。
その女子高生は秀行よりも背が高く、がっしりした肩幅にコーヒーを吹き出しそうになった。
(でけー女だな…確かに俺は低いけど、それでも165cmはあるからな。)
何となく、がに股気味に歩く女子高生が気になったが、万引きじゃなくて良かったと歩くと、前方を歩く女子高生と道がカブったのか、後を追っているみたいになった。
(マジか…こんな昼間から変質者扱いされないよな?お願いだからもう少しで脇道それるから、振り向かないで下さい!!)
表情は平静を保っているが、内心ストーカーもしくは痴漢と誤解されないかヒヤヒヤしていたが、女子高生は振り向かないどころか、秀行の通う高校に向かって歩いていた。
「オェッ、マジかよ~!」
反対側の歩行者が、女子高生の顔を見たらしく嫌なものを見た様に苦笑いをしながらすれ違った。
(失礼かもしれないが…かなりのお顔しているのかな?じゃなきゃあんな反応しないよな…)
秀行が後少し、数歩歩けばいつもの登下校の道に曲がる所で、女子高生が振り向いた。
「エッ!?」
振り向いた顔は、女装した宮田だった。
「岡野くん…」
既に泣き腫らした目をした宮田が、青ざめボロボロと泣き出した。
「宮田くん、どうしてそんな格好してるんだ?…コスプレが趣味なら学校の側はマズ…」
「違う!!あいつ等に脅されて…女装してパシりしろって…うぅ…」
関わらないつもりが、宮田のありえない格好に驚いてしまい、つい声を掛けてしまった。
(正直…関わりたくないが、コレはやり過ぎだろ!?)
どうしてこんな事になったか、宮田に聞いてみると…
「多分…再追試で機嫌が悪かったのと、先生の話しで笑ってたのが原因だと思う。」
「そんな事で!?そしたらクラス全員そうだろ…まったく八つ当たりにしてもたちが悪い。」
ともかく、宮田はこれ以上酷い事になるのはイヤだからと、追試の終わった藤原が待つ教室にコンビニで買った物を届けるからと、コソコソ小走りで立ち去った。
ため息をつき、秀行は散々な土曜日になったと、モヤモヤしながら家に向かっていたがスマホが鳴った。
(勇斗からかな?家族会議が終わって泣き言でも…??)
スマホの画面に、知らない番号から着信が表示されている、出るか出ないか悩んでいると切れた。
また同じ番号からの着信、イヤな予感はしたが出てみると宮田からだった。
イヤな予感が当たった気がした。
「あの、岡野くん…申し訳ないんだけど、学校に…教室に来てくれないかな?」
明らかに藤原達の指し図と分かる、秀行は当然行かない事を告げたが、宮田が中々しつこく粘るのに苛つき強い口調で言った。
「あのさ、まず何で俺の番号知ってるのか気になるんだけど…俺教えてないよね?
それに友達と約束あるから、学校に行くの無理だから…大体理由も言わないで来いって、ちょっとおかしくない?悪いけどそれじゃ!」
何か言っていたが、秀行はイライラしながら家に戻り、誰が番号を教えたのか探した。
(勇斗のワケないから、後は2人くらいだけど…あいつらは宮田の事嫌ってるから、教えないと思うけど…一応確認しとくか?)
勇斗以外の2人に確認したが、どちらも宮田なんかに教えてないと、疑われた事に不満をもらしていた。
「やっぱり違うか…誰だろ?」
宮田は今頃どうなったか、ふと頭をよぎったが秀行は机に向かって勉強に集中して、考えない様にした。
夢中で参考書を見ながら、ノートを文字で埋めていくとスマホが鳴った。
一瞬ドキッとしたが、勇斗の名前が表示され安心して出た。
「もしも~し、秀行聞いてくれよ…」
おそらく家族会議の結果だろうと、秀行は半笑いで返事をした。
「はいはい、コレクションでも処分されたか?」
「そうだけどさぁ~、母さんがめっちゃ怒りながら泣くんだもん、婆ちゃんは変質者扱いするし、1番酷いのは親父だよ!!」
「おじさんがどうしたのさ?」
「リビングのDVDラックの奥に、親父のエロDVD隠してあったのもバレたの…それも俺のせいにしやがってさ、最悪だよ~!」
「マジか!?あはははっ勇斗災難じゃん!」
「笑い事じゃねえからな!俺は当分小遣い無しになったんだから!!」
「でも、なんでおじさんのまでバレたの?」
「それが…親父のエロDVDを見つけた母さんが、俺を疑って部屋を家捜しして…」
「あぁ~、勇斗コレクションが見つかり、お前のだと決めつけられた上に、おじさんが勇斗のだと言った感じか?」
「まったくその通り!!」
「諦めろ…そして後でおじさんに弁償して貰えよ。」
秀行の話しを聞いて、勇斗の声が明るくなった。
「そうだよな!?親父に弁償して貰えばいいか、もしくは小遣いを貰えば…」
「そうだよ、でも暫らくはエロ本は買わない方がいいかもな…ふふふっ」
「笑うなよ、分かったから!それと…今日は悪かったな、付き合ってもらったのに途中で帰る事になって…」
さっきまで忘れていた宮田の事を、急に思い出し胸かモヤモヤして不安になり、つい勇斗に別れた後に起こった話しをした。
「…それヤバくないか?だって藤原の命令で掛けたワケだろ?」
「まぁ多分、宮田が酷い目に合ってるかも知れないけど、俺が行った所でどうにかなるワケじゃないだろ?」
暫らく沈黙が続いたが、勇斗が敢えて最悪な事を告げた。
「…もし、月曜日に宮田が学校に来なかったら、お前気を付けた方がいいぞ!確実に宮田はパシリの最中にお前に会った事を藤原達に言ったから、電話が掛かってきたんだし、お前は呼び出しに応じ無かったんだから…宮田が来たとしても、注意した方がいいな。」
秀行は今更ながら、宮田と話しをした事を後悔した。
運動が苦手な秀行は、ヒョロっとしていて喧嘩などした事もなければ、乱暴な事は一切しない草食男子で、一方宮田は、ケガをして辞めたとは言え柔道をしていたのに、今では藤原達の言いなり…
「分かった…気を付けるよ…」
電話を切った後、勉強をする気になれなくなり、不安で親のいるリビングでテレビを眺めていた。
今まで学校に行きたくない、なんて思った事が無かった秀行が、初めて学校に行く事が嫌で仕方なかた。
(雨の日とか、雪の日だって面倒くさいとは思ったけど…今日は本当に行きたくない…)
ダラダラとしている秀行に、母親は早くしなさいと怒り家から送り出した。
「ハァ~…あの時宮田に会わなければなぁ…」
秀行の家は学校から然程離れていない為、ゆっくり歩いても20分くらいで着いてしまう、その間何度もため息をついていたが、他の生徒に紛れながら教室に向かった。
教室には宮田がいたが、秀行は話し掛ける事なくカバンを置くと勇斗のクラスに行き、勇斗を探した。
「勇斗?来てるみたいだけど、トイレでも行ったのかな…教室にはいないよ。」
秀行はしぶしぶ自分のクラスに戻り、今日をなんとか乗り切る事を考えていた。
不安とは裏腹に、自分どころか宮田も何事もなく放課後になった。
(なんだよ…勇斗が脅すからビビって構えてたけど、逆に平和過ぎて肩の力が抜けちゃったよ~。)
いそいそと、勇斗と一緒に帰ろうと教室を出た所で高崎達に捕まった。
「岡野く~ん、ちょっと付き合ってよ!」
秀行の両腕に平井と大石が腕をガッチリ絡ませ、高崎が歩く後ろを引っ張られながら付いて行った。
「ちょっと!俺友達待たせてるんだけど…」
振り向く高崎が、ニヤニヤしながら秀行の話しをムシして、ジロジロ見て話した。
「岡野くんてさ、ウチらと身長変わんないよね~。」
平井や大石も、クスクス笑いながら話して来た。
「それにウチらよりウエスト細くな~い?」
「そ~!?色も白いし、なんか女子っぽくない?」
イヤな予感しかしない、秀行は乱暴な事はしたくないが、絡んでいる2人から逃げる為に腕を引っ張り離そうとしたが、後ろにいた人物に気付かずぶつかった。
「すいません!急いでて…」
「遅い!宮田行くよ!!」
秀行は謝った相手が宮田と分かると、もう逃げられないと悟り、素直に付いて行った。
両腕に女子2人、後ろに宮田、そして前方の高崎と不自然な組み合わせで、今は廃部になっている水泳部の部室に連れ込まれた。
「遅いよ~香奈実!」
パイプ椅子にドカッと座ってタバコをふかす藤原に、高崎が擦り寄りイチャ突き出した。
「ちょっと!イチャイチャしないで、コイツ着替えさせるの?」
「ウチらも暇じゃないんだから!」
ぶーぶー文句を言う2人に、秀行は驚いた。
(着替えって!?まさか宮田みたいに女装!!)
秀行が勢い良く宮田を振り向くと、宮田は秀行を睨んでいた。
秀行が応じ無かった電話のせいで、宮田がどんな目にあったのか分からないが、宮田の目が怒りに満ちているのは確かだった。
秀行は何も言えなかった、宮田を見捨てた事でこうなったんだと、自分の事しか考え無かった事を恨むしかなかった。
「それじゃ、今から岡野くん改装計画をしま~す。」
高崎がニヤニヤしながら秀行のボタンを外すと、秀行が嫌がり体を反らすと、藤原はアゴで宮田に秀行を抑えさせた。
「宮田くん離してくれ、こんな事君だってしたく無いだろ!?」
宮田は冷たい目で秀行を見下ろし、口元だけで笑った。
「…いや、僕はしたいと思って手伝っているよ。」
両腕を痛いくらいに掴む宮田に、秀行は何も言えなかった。
「良し!大人しくなった処で、香奈実何を着せるんだ?」
藤原は相変わらず、椅子に座ってスマホをイジっている、高崎達は某量販店の袋からゴソゴソと薄っぺらい服を出して笑っいながら、どれにするか選んでいた。
「色白いから、ミニのチャイナ服は?」
「あははは!キワドッ、ナース服もあるよ~」
「やっぱ、これでしょ!!」
高崎が黒いセーラー服を持ち、秀行に当てて似合う似合うと大爆笑すると、秀行の服を脱がしトランクス1枚にしてまた笑った。
「ひゃ~ガリガリじゃん!!」
「これならイケるよ、宮田は酷かったけどね~」
高崎達にセーラー服を着せられ、宮田もかぶったカツラを付けられた、悪ノリした平井がメイクしてあげると、顔に化粧品を塗りたくられ気分が悪くなった。
「ねぇ、ねぇ、拓海見てよ!ウチら凄くない?」
「マジ、プロっぽいよ!女子にしか見えないって!!」
スマホから視線をずらし、秀行を見て藤原が驚いた。
「うぉ、マジ女に見えるわ…でもスカートからトランクスはみ出てるのが萎える…」
藤原の言葉に高崎達が笑い、4人は秀行の女装した姿をスマホで撮りだした。
「止めろ!撮るな!!」
暴れようにも体のガッチリした宮田に抑えられ、抵抗虚しく恥ずかしい姿を盾に、藤原達に逆らえなくなった。
「コレ、バラ撒かれたくないよな?これからは宮田と同じく俺らのパシリだから、逆らったらみんなのスマホに送信しちゃうかもな!」
ガックリと下を向く秀行に、高崎達はヒソヒソと何かを藤原に話していた。
「流石にそれはエグいだろ…」
得意気に笑っていた藤原が渋い顔をして、秀行をチラッと見て呆れた様に高崎達に帰れと言った。
「エェッ何で~?意外にイケると思ったのに…」
「宮田だけじゃ、お金になんないじゃん?」
(金?もしかして宮田、金も巻き上げられて…)
宮田を見上げると、少し赤い顔をした宮田が顔を背けた。
(バレたくないよな、カツアゲされてたなんて…)
高崎達があまりにもうるさく騒ぐので、藤原が苛つきパイプ椅子を蹴り上げると3人は黙って出て行った。
「チッ、宮田そのまま抑えとけ!」
ゴスッ!ゴッ!
藤原は怒りのまま秀行の腹を殴り、憂さばらしをして出て行った。
「ゴホッ!オェッ…」
咳き込みながら吐き気に耐える秀行の両腕を、宮田が離すとコンクリートの冷たい床にへたり込む秀行に脱がされた制服を渡した。
「僕はいつも殴られてた…でも誰も助けてくれなかったよ、先生にも言ったけど無意味だった。」
「ごめん、あの時俺も助けなかったから…」
「別にいいよ…早く着替えて帰った方がいいよ、藤原の奴カバン忘れてるから取りに戻ってくるかもしれない…」
そう言って宮田は出て行くと、秀行は泣きながら着替え顔を洗って、走って帰った。
家に着くと、自分の部屋で声を殺して泣いた。
どれくらい時間が経ったのか、母親が夕飯を食べない秀行に早く食べよう声を掛けたが、腫れぼたい目をした秀行の顔色が悪い事に驚き、具合いが悪いと勘違いして、布団に寝かせお粥を用意してくれた。
母親の優しさに泣きそうになりながら、お粥を少し食べ横になった。
眠れずに色々考えていると夜中にまた泣いた。
朝になり母親が様子を見にきたが顔色が悪く、生気のない目の秀行に休む様に言った。
「お母さん、学校に電話しとくから今日は寝てなさい、パートなるべく早く上がって来るから!」
両親が出掛けた後、殴られてた所を見るとアザが出来ていた。
布団にもぐり、天井を眺めているとスマホが鳴った。
ビクンッ!と体が反応して、恐る恐るスマホを見ると勇斗からの着信だった。
「秀行~体調悪いのか?大丈夫かぁ?」
少し間の抜けた喋り方に、力が抜けたが病欠の理由をどうするか考えながら話した。
「うん、大した事ないけど…腹が痛くて、顔色も悪かったらしく母さんが休む様にって…」
「そうか、それならいいけどさ…藤原達に何かされたかと思ったから…」
心臓がドキッとしたが、秀行は深呼吸をして落ち着かせてから答えた。
「それは大丈夫だったけど、宮田に睨まれたくらいかな…」
「う~ん、それは…宮田には悪いがほっとくしかないよ、関わらないのがいい!」
ズキンと胸が痛んだ、もし自分もイジメられる側になった、なんて言ったら勇斗はどうするか…考えただけで泣きそうになった。
「そうするよ…心配してくれてありがとう、明日は学校に行けると思うから…」
「おぅ、それじゃ明日な!」
電話を切った後、胸が苦しくなった。
誰にも言えない、言った処でどうにもならない…それどころかアレがバラ撒かれたらと考えただけで、秀行は精神が削られる様だった。
翌朝、まだ顔色が悪いままの秀行を心配する母親に、もう大丈夫だからと、作り笑顔で家を出た。
重い足取りで学校に向かうが、近くにつれ…今すぐ家に帰りたくなった。
「秀行~おはよう!」
明るく勇斗が声を掛け、後ろから走って来た。
「おはよう、朝から元気だな~」
「ん?秀行まだ顔色が悪いみたいだけど、本当に大丈夫か!?」
心配してくれる気持ちは嬉しかったが、勇斗まで巻き込んでしまったらと、その日から少しづつ距離を置き出した。
「おはよう~岡野くん、明日って暇かな?」
高崎が話し掛けてきた、断れない事を分かりながらワザとらしく聞いてくる辺り、綺麗な顔なのに性格の悪さが滲み出て醜悪に見えてくる。
「…予定はないけど…」
「そう、ただ聞いただけ~!」
ケタケタ笑いながら、女子3人でツルんで何か話しているが、秀行は親と勇斗に迷惑をかけない事と、進学の事を考え嫌な事を忘れたかった。
(もう少しで3年だし、春休みになればあいつ等に合わないですむ…)
秀行のひと欠片の希望も、春休み前に打ち砕かれる事になった。
3年になる時はクラス替えが無い、それは分かっていたが藤原達の小遣い稼ぎに秀行が使われた。
いつも溜まり場にしている部室で、飽きもせず高崎達は秀行に女装をさせ写メを撮り、藤原は宮田を殴っていた。
「宮田~、何回言えば分かんだよ!俺はコーヒー買って来いって言ったの、なんで炭酸入りのコーヒーってバカじゃね?」
どうやら宮田は、買って来る物を間違えてサンドバッグ並みに腹ばかり殴られていた。
「ごめん、ゴホッ…ペットボトルのコーヒーが売り切れててそれしか無かったから…」
「コンビニまで行けよ!購買の自販機はいつも売り切れが多いんだからさ~」
「ゴホッゴホッ…1分で往復はムリだ…!?」
ドゴッ!宮田の腹を蹴り上げた。
よつん這いで腹を抑え、咽ながら震える宮田に藤原は背中を踏みつけた。
「な~んか、つまんねぇな~!」
秀行の写メを撮り終わり、高崎が藤原に耳打ちした。
「またそんな事言ってんのかよ~…」
「だから、サイトで探して…」
所々聞こえてきたが、多分ロクでもない話しだろうと秀行も宮田も、とにかく藤原の機嫌が悪くならない様にと祈るばかりだったが、暫らくして藤原が機嫌を直し高崎を褒めた。
「香奈実!お前凄いな、それなら今から探すか!?」
藤原と高崎がニヤニヤしながら、平井と大石に合図をすると、キャッキャッとはしゃいでいた。
「それじゃ、ひでゆきだから…ひでこ?」
「可愛くない…ゆきこの方がよくない?」
高崎が2人のセンスの無さに笑い、
「せめて雪乃とか雪音くらいにしないと、冴えない名前だとね~」
秀行は未だ咳き込む宮田の背中を擦りながら、何の話しをしているのかと、気に留めていなかった。
藤原がタバコをふかし、3人はスマホをいじりクスクス笑いながら、時々藤原にスマホの画面を見せていた。
「おっ!いいんじゃね!?」
「それじゃ、雪乃ちゃんを可愛くしないとね!」
いつもの量販店の袋からセーラー服を出し、ご丁寧にハイソックスと女性用の下着まで秀行に渡し、着替える様命令した。断れば…と高崎は女装した秀行の写メを見せた。
仕方なくカーテンの影で着替えたが、下着だけは抵抗がありモジモジしていると、藤原が早くしろ!と宮田をボコボコ蹴りつけ、宮田が嗚咽をあげた。
窮屈な下着を履き、しぶしぶカーテンから出るとスカートを捲り確認した。
「確認とは言え…あんまり気分良くない…」
藤原は複雑な顔をしたが、高崎達がいいから、いいから、と秀行を両サイドから腕を絡ませ女子3人に連れて行かれた。
「良かったな宮田、お前は厳つくてある意味助かった感じ?サンドバッグくらいですんで…岡野は男として最悪だよ~自殺しちゃうかもね?」
うずくまりながら藤原を見上げて聞いた。
「…どういう意味ですか?」
「女って、金が絡むと怖いもの知らずだよな~…岡野は今からおじさん達相手に売られて行きました。そして香奈実達は金を受け取ったら…岡野を残しドロンして俺と遊びに行きます!」
体の痛みで思う様に動けない宮田に、笑いながら捨てゼリフを言った。
「大体、お前が岡野を巻き込んだんだろ?帰って来たら頭の良い人同士慰めてやれば?そんじゃまた来週~!」
いそいそと藤原は出て行くと、宮田は震えながら涙を流し自分の太ももを何度も殴った。
高崎達は、駅前でサイトで見つけた中年男性達を待っていた。
「遅くねぇ?」
「待ち合わせ何時よ?」
ブツブツ文句を言っていると、4人の男達が声を掛けて来た。
「えっと、雪乃ちゃんとその友達かな?」
高崎達がにっこり笑いながら、可愛らしく媚びて返事をしていた。
「はぁい、私達雪乃ちゃんの友達で~す。」
秀行が着いて行けずオロオロとしていると、平井や大石が黙っていろ!と秀行を蹴った。
「みんなオールでいいのかな?違うのかな?」
「雪乃ちゃんはOKだけど、私達はカラオケまでかな~ごめんね!」
高崎が可愛らしくウインクして小首をかしげる、あざといがおじさん達は鼻の下を伸ばしていた。
「大丈夫だよ!これはおじさん達からお小遣いね。」
高崎が亀井と名乗る男から封筒を受け取ると、カラオケ店に連れていかれ歌など歌わずに色々話しをしていた。
「雪乃ちゃん大人しいね?」
「その子、人見知りなんですよ~」
「それなのに1人でオールって…」
「あははは、ソッチは大好きだから欲張りなんですよ~」
高崎達の話しで興奮気味の男達は、秀行をジロジロと頭からつま先まで舐め回す様に見ていた。
居心地の悪さに立とうとすると、隣の平井が腕を引っ張り阻止した。
「おじさん達頑張らないと、雪乃ちゃんに負けちゃうかな?」
笑いながら酒を飲み、1時間もすると高崎のスマホが鳴り、藤原からなのかニコニコしながら男達に帰ると告げた。
「ごめんね~親から帰って来いってラインきちゃった~!」
「そうなんだ、おじさん達残念だなァ~!」
「そんな事言って~本当は早く雪乃ちゃんと遊びたいんでしょ?たっぷり遊んであげてね~!!」
3人は秀行を残し、手を振って帰って行った。
ギラつく目をした男達は、秀行を囲み酒をムリヤリ飲ませると、カラオケ店を後にした。
秀行は酒のせいでフラつき、男達に支えられながら歩いていたが、何処に向かっているか分からず、気が付いた時はホテルの1室だった。
理解した処で、逃げ場が無かったが…
「帰して下さい!俺、本当は男なんです!!」
秀行が殴られるのを覚悟で言ったが、男達は何をいまさら…と笑った。
「知ってるよ、だって雪乃ちゃん男の娘なんでしょ?」
「そうだよ、ラインでお小遣いくれたら、オールでおじさん達の相手するって、雪乃ちゃんが言ったんだよ?」
男の娘?何を言っているんだ?不思議そうな顔で男達を見ていた。
「それに…複数プレイとハードプレイをして♡ってお願いされたから、色々用意したよ…ほら!」
青ざめて床にへたり込み、涙を流しながら家に帰して…と何度もつぶやいていたが、秀行は容赦なく男達の欲望を受け、最後には壊れた人形の様に何度もケイレンをして気を失った。
しかし男達はそれでもなお、秀行をオモチャにして一晩中愉しむと、秀行にタクシー代と1万円札を渡しホテルを後にした。
ヨレヨレのセーラー服姿で藤原達の溜まり場に秀行が現れた、誰もいない部室に秀行の制服が置いてあった。
カツラを投げ捨てセーラー服を脱ぐと、体中余す事なく男達が付けたアザが痛々しかった。
「うっ、うぅ~っ…」
裸で自分の制服を抱え泣き出した。
ガチャッ!部室のドアが勢い良く開くと、宮田が入って来た。
「岡野くん!?」
泣きながらビクビクしている秀行に、宮田が手を伸ばすが、後退り怯えていた。
秀行の体には、縛られた跡やミミズ腫れとあちこちに赤黒い跡が付いて、どんな目にあったのか想像もつかなかった。
「大丈夫…大丈夫…俺は…大丈夫…」
宮田は部室を飛び出した。
(…今は、1人がいいんだ…悪いな宮田…)
しかし宮田が戻って来た。
「ごめん、こんな事しか出来ないけど…」
新しいタオルとバケツにお湯を入れて持って来た、バケツにタオルを入れ絞り、少しビクつく秀行をなだめながら体を拭いた。
「……」
2人共無言のまま、秀行が落ち着くまで部室の隅に座っていたが、秀行がフラつきながら立って宮田にお礼を言った。
「ありがとう…」
「いや、気にしないでいいよ…」
部室を出ると、グランドから野球部のランニングの掛け声がした。
「日曜なのに…怠くないのかな?」
秀行が、少しづつ調子を戻そうと話し掛けていた。
「そうだね、僕も元柔道部だったから朝練はキツかったよ…」
ぽつぽつと、あまり続かない会話をしながら途中まで宮田が送ってくれた。
「ここでいいよ…」
「うん、また明日…」
「宮田くん…昨夜は宮田くんの家に遊びに行って、そのまま泊まった事にしてくれないかな?連絡無しで外泊したから…」
「うん、いいよ!そのくらい気にしないで言ってよ」
そして、家に着くと…母親は怒りながら心配をした。
「ごめんね!連絡入れようと思ったんだけど…うっかり宮田くんとゲームに夢中になっちゃって、本当ごめんなさい!!」
「もう、次無断外泊したら外出禁止にするからね!?」
怒る母親をなだめながら、父親が秀行に優しく注意した。
「母さん落ち着いて、秀行もワザとじゃないみたいだし、だが秀行はキチンと連絡してから、遊び行くなり、友達の家に泊まるなりしなさい。」
「うん…次から気を付けます!」
謝ると、父親は母親の後ろで“早く部屋に行け!”とジェスチャーをして、母親にお茶を勧めていた。
(父さんありがとう…)
部屋に戻ると作り笑顔が能面の様になり、肩を抱いて部屋の隅で壁に寄りかかりながら、死んでしまいたいと涙を流した。
それでも無情にも月曜の朝になる、作り笑顔で家を出て行き、歩きながら自分の存在を消したくて仕方なかった。
学校に着き、教室に入ると藤原と高崎の2人がニヤニヤして秀行の耳元で、また小遣い稼ぎよろしく~と秀行の心を抉った。
週末になると小遣い稼ぎをさせられ、秀行は段々と表情が無くなり、様子がおかしい事が周りにも分かった。
藤原達もこれ以上はマズいか?と思ったが、かなりの金額を運ぶ秀行を手放すのも…そうした中、秀行が進路の相談を担任にしている話しを、高崎が聞きつけ怒り狂った。
秀行の目指す大学の推薦を推す担任と、推薦枠が1つしかない事、運悪く高崎もその大学に受験を希望していた。
女の嫉妬は残酷な事を平然とこなす…
「ねぇ拓海~、そろそろパシリで遊ぶのも、小遣い稼ぎもヤバいから~次で最後にしない?」
「そうだな、受験も控えてるし…岡野に至っては、ヘンな病気移ってそうだしな!」
「だから~岡野と宮田セットで売る?」
「宮田も!?」
オェッ、と舌を出して吐きそうな顔をした。
「なんか~いつもの常連?…ソイツにセットで売って倍額貰える様に聞いたらOKしてた!」
「いいんじゃね?」
夏休みに入るまでは、ただのパシリとサンドバッグだったが夏休みが入ってすぐ、藤原達から3日間予定を空けておけと命令された。
秀行は大事な時期だか、仕方なく予定を空けた。
「そうなんだ、友達と勉強会をしようって事になって…3日間なんだけどダメかな?お互いの苦手な科目を教えあおうって事なんだ、絶対サボらないから…」
頭を下げお願いポーズをする、母親は疑う様な目をしていたが、普段わがままを言わない秀行のお願いに負けて了承した。
「約束して、休憩はしなさい…あまりお菓子ばかりたべない、お友達のご家族に迷惑かけない、そして何かあったらすぐ連絡しなさい…分かった?」
「ありがとう!」
秀行は喜ぶフリをしながら、心では泣き叫んでいた。
(母さんごめんね…でも受験は本当に頑張るから!)
夏休みに入って1週間が過ぎた日、秀行と宮田は2人で駅前に立っていた。
「宮田くん、外泊許可貰えたんだ…」
「うん、友達と勉強会って言ったらすぐ…岡野くんも?」
「うん…本当は行きたくも無いんだけどね…」
駅のロータリーに白い乗用車が入って来て、2人の前に停まった。
窓か下がると、高崎がいつもの倍派手なメイクで笑いながら手を振った。
「お待たせ~後ろにサッサと乗って!」
言われるがまま後部座席に乗ると、運転しているのが藤原だった。
驚く2人に、サングラスをずらしドヤ顔をした。
「夏休み前に免許取ったんだ~岡野のおかげでな!」
前にいる2人はゲラゲラ笑い、後ろの2人はこの世の終わりの様に沈んでいた。
車を走らせながらもイチャつく2人に、無言で窓の外を眺めどんどん顔色が悪くなっていった。
1時間以上走らせると、寂れたキャンプ場らしき場所についた。
バンガロータイプだが、そのバンガローもあまり無い所で、何か出そうな雰囲気の人気がなさそうな場所に、2人はすぐにでも帰りたかった。
「やっと着いた!香奈実~後ヨロ。」
「はいはぁい!」
車から降りスマホで電話をしていると、バンガローから見た事のある中年男性に秀行は震えた。
高崎が厚みのある封筒を受け取り戻って来ると、秀行と宮田を下ろし自分が乗ると、窓から投げキッスをして走り去った。
「ねぇ岡野くん、あの人知ってる?」
無言で固まる秀行に、亀井はにこやかに笑いゆっくり近づいた。
「やぁ、雪乃ちゃんにお友達の…誰くんかな?」
「あっ、宮田です。」
「宮田くんか、それじゃ付いておいで。」
ジャリジャリと歩く音さえ、不安を煽っている様に聞こえてきた。
「さぁ入って、中はクーラーが効いてるから涼しいよ。」
中に入ると普通の部屋だった。
木製のテーブルと椅子に木製のベッド、荷物置きの棚があり、奥にあるドアはトイレや風呂だろうと想像がつくシンプルなバンガローだった。
「あの…僕達は、ここで何をするんですか?」
亀井の優しそうな感じと物腰の柔らかい話し方に、宮田は安心したのか話し掛けた。
その横に立つ秀行は、心臓の鼓動が周りに聞こえそうな程、激しく脈打っていた。
「香奈実ちゃんに聞いてない?」
「はい、ただ3日間予定を空けろとしか…」
「3日間?1週間って言ったはずだけど?…確認してみるか。」
嫌な想像ばかりが、秀行の中に溢れ出し吐き気さえして来た。
「まぁいいか、君達にはパーティーのお客さんをもてなす手伝いを頼みたいんだ~、まだお昼だから時間まで休んでていいよ。」
亀井が出て行くと、宮田は秀行に聞いた。
「岡野くんは1週間って聞いてた?」
「…3日間って、取り敢えず何か言い訳考えて親に連絡しないと!」
母親とした約束を守れなくても、せめて心配だけは…と慌てて親に連絡をしていた。
「宮田くん、どうだった?」
「めっちゃ嘘つき呼ばわりされた、でもちゃんと勉強するならって、最後は許してくれた。」
「俺も同じ…一応連絡して来たから今回だけって、念を押されたけどね…」
少し落ち着ついた、秀行にすれば宮田がいる事に安堵と不安が混じり複雑だが、1人で怯えるより話し相手がいる事に気持ちが緩んだ。
ジャリジャリ…足音が響き亀井が戻って来た。
「いや~、香奈実ちゃんが謝ってたよ!予定勘違いしてたって、君達は大丈夫かな?」
「はい、さっき親に連絡して1週間になったって伝えました。」
バカ正直な宮田が答えたると、うんうんと頷き。
「そうだね、心配かけちゃうからね…」
亀井は何も喋らない秀行に、にっこり笑い紙袋をムリヤリ渡した。
「雪乃ちゃんはコレに着替えて、宮田くんはそのままでいいから、準備出来た頃に迎えにくるから。」
亀井が出て行く。
「岡野くん、さっきから雪乃ちゃんって呼ばれてるけど…あの人って…」
「…ホモの変態親父だよ!」
秀行の言葉に、秀行以上に青ざめた。
無言で奥のトイレで着替える秀行は、もう諦めて何も考えない事にした。
暫らくしてドアから出て来た秀行は、クラスの女子より可憐で可愛らしかった。
胸元が開いたミニのメイド服に、黒髪のツインテールのカツラ、薄く化粧もしていた。
宮田はその姿に見惚れ、何も言えずボーッと見ていると、秀行が不機嫌そうに聞いた。
「どっかヘン?…まぁ女装の時点でヘンだよな?」
「…いや!ヘンじゃないよ、ヘンじゃないのがヘンって言うか…」
「何言ってんの?ヘンじゃないならいいけどさ…」
お互いおかしな会話に、一瞬笑うが亀井が入って来てすぐ笑顔が消えた。
「それじゃ行こうか、隣の少し大きめの部屋だからすぐだよ。」
秀行は宮田の影に隠れる様に、付いて行くと部屋の中は薄暗く、部屋の手前にあるテーブルに何人かの人影がいるがはっきり見えなかった。
ガチャンッ!鍵を掛ける音に怯え、宮田の腕にしがみついた。
「さぁ、パーティーを始めようか!?」
亀井が声を上げると、一気に部屋のライトが付き一瞬目が眩むが、秀行と宮田は目を見開いて言葉を失った。
部屋の奥は、パーティーとは逆の拷問器具の様な物が並び、シルバーのワゴンには卑猥な道具がギッシリ並んでいた。
固まる2人を囲み、10人近い男達は宮田を椅子に拘束すると、秀行を宮田から見やすい位置で散々弄り回した。
「や…もう、やめ…」
息も絶えだえの秀行を、宮田はただ見ているだけしか無かった。
その後も男達に嬲られ、着ていた服は布きれになり、カツラも外れた秀行をこれ見よがしに犯した。
一晩中行われた、パーティーと言う名の淫らな行為に秀行は気を失しない、宮田は拘束された手首から血が滲んでいた。
「愉しかったよ、また今夜も来るからね。」
「雪乃ちゃんによろしく~!」
男達はニヤニヤと笑いながら出て行った。
「さて、宮田くんには雪乃をキレイしてから休ませてもらうかな…特等席で愉しんだみたいだし。」
かすかに膨らむズボンを見て、意地悪く鼻で笑った。
拘束を解かれ、殴り掛かろうとしたが、長時間の拘束で手足が痺れ立ち上がるのがやっとだった。
なんとか痺れが取れると、ぐったりした秀行を支えながらバスルームでシャワーを浴びるのを待ち、出て来た秀行に怒った様子で聞いた。
「もしかして、いつもあんな事させられてたの!?」
「……たまに…」
いつも大人しい宮田が、テーブルを壊す勢いで叩いた。
「ふざけんな!!」
「…ごめん、俺が早く言って置けば…」
情けない気持ちで下を向く秀行に、宮田は慌てた。
「違う!岡野くんじゃなくてアイツらに怒ったんだ。」
フラつきながらベッドに潜る秀行に、備え付けの冷蔵庫から食べ物を出すが、いらない…と断られ宮田も少しだけ食べて秀行の隣のベッドに入った。
2人共いつの間にか寝息を立てていた。
夕方に目が覚めると、ベッドの足元に紙袋が置かれていた。
宮田の足元にもあり2人で覗くと、秀行には女物の浴衣で、宮田には男物の浴衣だった。
「…俺、浴衣なんか着たことない…」
「僕もだよ…どうしようか?」
2人が浴衣を広げて悩んでいると、亀井が来てワザとらしく驚いた。
「あれ!まだ着替えて無いの!?」
「…着方分からなくて…」
「仕方ない、着せてあげるから急いで!」
亀井は2人に浴衣を着付けると、下着は脱ぐ様に言ってまた隣の部屋に移動したが、2人の足取りは重くのろのろと歩いていた。
部屋の中は昨日と同じで、震える秀行を天井から垂れ下がる縄で縛り、宮田はまた椅子に拘束された。
「今夜は和風に、縛りと張り型で愉しみましょうか!」
亀井の声に客達が秀行に群がり、また淫らな行為が一晩中行われ、秀行が気を失っても朝まで続いた。
客が帰ると、宮田が秀行を介抱し、風呂に入れ眠る、それが続いた。
5日目、客が半分に減り秀行は少しホッとしたが、亀井はとんでもない事を言って客を沸かせた。
「今日でパーティーはお開きですが、飽きて来たお客さんにサプライズです。今日は雪乃の親友が最後に雪乃を壊れるまで犯します。」
「!?」
2人は驚き、お互いを見て固まった。
ペラペラのセーラー服の秀行は、宮田に見せつけられながら何度も犯され、宮田は拘束されていたがムリヤリ何かを飲まされた。
「雪乃、今お友達にたっぷり精力剤あげたから、いっぱい焦らしてあげようね。」
拘束されてた宮田のズボンは、はち切れそうに膨らみ男達を盛り上げた。
「彼は中々のモノだね、あれはかなり大きいから本当壊れるかもね。」
「ふふっ、それもいいね~」
秀行を嬲りながら、散々犯すが宮田が暴れ出すと…
「そろそろ限界が来たかな?」
「それじゃ、雪乃ちゃんのレイプショーの撮影会でもしますか!」
秀行は必死に体を捩り、カメラから逃れようとしたが逆にキツくくい込み身動きが出来なくなった。
その秀行に、精力剤のせいで目が血走った宮田が服を脱ぐのも面倒なのか引き千切り、秀行の中に荒々しく
巨大に膨れたモノをねじ込んだ。
「ヒギィッ!!」
短い悲鳴を上げ、体を震わせながら涙が溢れた。
グボッグボッ…激しく動くたび、大きな音が響くと男達は一斉に声を上げ喜び、獣の様に犯す宮田と涙を流し悲鳴を上げる秀行を、余す所無くカメラに収めた。
「いいぞ!もっと奥まで抉ってやれ!!」
「いや、後ろから突きまくれ!」
男達の野次に、宮田は反応して言われるがまま秀行を犯しまくり、出しても出しても収まらない。
秀行は声も出せなくなりぐったりするが、まだまだ興奮している男達は秀行に媚薬を飲ませた。
薬が効き始め、秀行のモノも反応し出した。
「雪乃ちゃんの可愛らしいのが、ぴくんぴくん跳ねて堪らないね。」
男達の言葉は、薬の効きが強くてそれどころじゃなかった。
散々犯されても、感じる事がなかった秀行が感じ始め、宮田に突かれるたび声を上げていた。
「…また、イク…出ちゃ…出…!」
体を仰け反らせ体液を飛ばした。
それでも宮田激しく抉られ、突かれまくると、声を出してねだった。
「やめ、や…止めないで、もっともっとかき回して!?」
涙とよだれを垂らし、虚ろな目でもっと犯される事を望むと、男達も堪らず宮田に突かれ喜ぶ秀行の、乳首に吸い付き、秀行のモノを擦りだした。
「アッ、アッ、アヒッ!」
部屋の中は、獣の様に秀行を貪る行為が朝まで続くと、男達は最後に秀行の顔に体液をぶち撒け、満足そうに帰って行ったが、宮田は未だ止まらなかった。
「おい、そろそろ離せ!本当に友達をヤリ殺す気か!?」
亀井が宮田を引き離すと、秀行の太ももに大量の体液がつたって流れてきた。
秀行は既に気を失っていて、宮田はかろうじて意識はあるものの、フラフラで役に立ちそうもない。
「パーティーを昨日迄にして正解だったね、今日からは私1人で残り2日間を愉しむとするか!」
宮田に犬用の首輪を付け、外れない様に南京錠まで付けてクサリで柱に繋ぐと、秀行を抱えてバスルームに入って行った。
複数人を相手するより亀井1人ならと思うが、そうでもなかった。
鼻歌まじりで服を脱ぎ捨て、秀行をバスルームに転がすといそいそと何かを用意していた。
まだ体が思う様に動かない秀行に、冷たいシャワーで汚れを丁寧に流した後、口をゴム製の物で塞ぎ、後ろに腕を拘束してよつん這いにさせた。
「さぁて、雪乃…中もキレイにしましょうね~」
秀行の後ろで、ズズッズズーッ…聞いた事のない音がして怖くなった。
「雪乃、そんなにお尻を震わせて…大丈夫だよ、今お腹いっぱいにしてあげるよ。」
クプンッ、細く硬い物が入った。
ガラス製のカンチョウ器を、亀井が楽しそうにゆっくり押し出し、冷たい液が流れ込んできた。
「ぐっ!ぅぐぐ…」
「慌てないでいいよ、1リットルあるからゆっくり入れてあげる。」
1リットルの半分程度入った辺りで、秀行は腹が膨れ圧迫されて、吐き気を催した。
「オェッ、オェッ…ゴホッ!」
「もうお腹いっぱいかな?」
亀井がスポンと抜くと、ヒクつく穴から液が漏れ出した。
「ダメダメ、我慢しないと中がキレイにならないよ。」
そんな事をいいながらも、厭らしくニヤつきもだえ苦しむ秀行の姿に興奮した。
「仕方ないから…栓をしようね。」
亀井が手にしたモノは、6個のピンポン玉がくっついた様な形だが、尖端から根元に向かって少しづつ大きくなっていた。
ジュプッ、ジュプッ、ジュプッ…ゴプッ!
「キヒッ!!」
「最後のは、ちょっと大き過ぎたかな?でも大丈夫だよ、スイッチ入れたらきっと気に入るから…」
カチカチ…小さな音がした後、ヴィ~~ンッヴィ~~ンッ…秀行の腹から重低音が響いた。
秀行は白目を向き、尻だけが震えていた。
「凄いだろ?激しく振動しながら回転して、きっと中をキレイにしてくれるから、そのまま愉しんでなさい。」
亀井はガウンを羽織り柱の前に来ると、抜け殻の様にボーッと動かない宮田の頬を殴った。
「目は覚めたかな?」
優しい口調が返って恐かったが、宮田が頷いた。
「おじさんね、愉しむ為にお金払ってるんだよ、だから分かるだろ?ちゃんと愉しませないと帰れないよ。
」
涙目で震えながら必死に宮田が頷くと、良い子だと頭を撫でて、菓子パンと飲み物を床に置いた。
「食べたらお手伝いを頼むよ。」
震える手で食事を取る姿を見てニヤつき、ゆっくりとバスルームに戻った。
バスルームでは、秀行が脂汗を滲ませ藻搔いていた。
「そろそろ頃合いかな?」
秀行の腹を擦り、突然グッ!と押した。
「オゴッ!?…オェッ…」
震える尻を撫で栓を一気に抜くと…噴水の様に液が吹き出した。
「思ったよりキレイだったね、シャワーを浴びてでようね。」
秀行と床をキレイにすると、またカンチョウ器を挿し液体を注入するが、今度は媚薬入りのローションを注入して栓をしてバスルームを出た。
宮田の前に降ろすと、亀井は秀行の口の拘束具を外し自分のモノを秀行の口に突っ込んだ。
「くうっ、歯を立てるとお仕置きだからね…宮田くんお手伝い出来るよね?雪乃のお尻の栓なんだけど、スイッチを入れたら…激しく出し入れしなさい。」
震える手でスイッチを入れると、秀行の尻が左右に揺れた。
「おぉ…雪乃、もっと強く吸うんだ!」
宮田は揺れる尻を抑え、栓の端を掴むと激しく出し入れをした。
「クフッ…クゥ…」
「雪乃も気持ちが良いらしい、遠慮なくやってくれ!」
残りの2日間は亀井と宮田に犯され続け、ありとあらゆる道具で責められて、秀行と宮田は欲望に呑まれた。
2人は駅前で車から降りると、無言で別れ家に帰って行った。
その後、藤原達は夏休みにハメを外し過ぎて、学校の許可無く免許を取り、乗り回していたのがバレ4人で連帯責任と、残りの夏休みは学校での補習になった。
秀行はたまに体が激しく疼き、親のいない昼間に宮田を呼び出し、夏休み中2人は時間さえあれば激しく求めた。
2学期になり、成績の落ちた2人を担任が心配したが、中間テストにはもち直した、学校が始まり2人で会う時間が無くなり少しづつ落ち着いていた。
藤原達は、秀行と宮田にちょっかいを出さなくなった。
流石に受験を控えてそれどころじゃなくなり、今更勉強をし出した感じだった。
色々と落ち着き、勇斗とも前の様に一緒に帰ったり、たまに息抜きで遊んだりしていた。
9月…10月…11月…と日々が過ぎて、12月になると、同じ大学を受ける者はライバルとなり、クラスの中がピリピリしていた。
冬休みを前にしても、浮かれているのは就職先の内定が決まっている者だけで、息苦しい雰囲気になった。
珍しく宮田が教室で秀行に話し掛けた。
「岡野くん、今日放課後って時間ある?」
秀行はもしかして…と思い、宮田の誘いを断わった。
「放課後に勇斗の家に寄る約束してるんだ…受験の対策をするんだごめんな!」
秀行は急いで教室を出て、校門の前で待つ勇斗と帰った。
「秀行、参考書は持ってきたか?」
「持ってきた、3冊は重いよ~」
他愛もない話しをしていると勇斗の家に着き、勇斗の部屋で参考書を広げた。
「ちょっと待ってて、なんか飲み物とお菓子持ってくるから!」
「はいよ、出来ればチョコがいいな~」
「分かった、ちょっと待って!」
秀行がマーカーだらけの参考書を捲っていると、お盆に飲み物とお菓子を乗せられるだけ持って来た。
「勇斗!そんなに持ってきておばさんに怒られないか?」
「大丈夫、母さんは気にしない人だから、それにパートの後買い物して来るんだけど、特売してるとパンでもお菓子でもあるのに買って来ちゃうんだよね…」
「うちの母親もそうだよ、バカみたいにシャンプーとかストックしてるのに、また買って来る…」
2人は雑談をしながら参考書を広げ、鉛筆を走らせた。
「…秀行は工科大だよな?」
「うん、勇斗は何処にしたの?」
「実は…俺も工科大なんだ。」
勇斗はスマホを取り何か操作していたが、秀行は参考書を見ながら話しをしていた。
「そうだったんだ、じゃあ2人で同じ大学行けるといいな!」
「う~ん、でも秀行は推薦枠何だろ?なんでそんなに勉強してんの?」
秀行が勇斗を見ると、無表情の勇斗がじっと秀行を見ていた。
「いや、推薦は別の人になったんだ…夏休み明けのテストが平均以下の科目があって、だから普通受験するんだよ…」
勇斗の今まで見た事のない、ゾッとする笑顔をした。
無表情の顔の口元だけがニヤッと笑った。
「でも、ライバルには変わらないよな?…なぁ秀行、これ何だか分かる?」
勇斗がスマホの画面を見せた。
「なんで!?」
青ざめ震える秀行に、勇斗は話しを続けた。
「コレ?香奈実から貰った、香奈実も亀井って奴から貰ったらしいよ…だって香奈実と俺付き合ってんだ!」
頭が混乱して、勇斗が言っている言葉が入って来なかった。
「香奈実さぁ、夏休み明けに藤原と別れて、俺と付き合い出したら…秀行と俺が同じ大学受験するって言ったら、コレくれたんだ~、ついでに香奈実も同じ大学なんだよ、知らなかっただろ?」
「勇斗…それ、…」
「あぁ~、消さないよ!それにしても…お前凄いな、何人の男とヤッたんだよ?最後は…ムービーもあるぞ!!」
秀行は頭を抱え、何も言えなくなった。
「マジか!?お前めっちゃ宮田にヤラれてんじゃん!」
ゲラゲラと笑い秀行にムリヤリ見せると、目の前で高崎に電話をした。
「香奈?…今見せたら震えてんだけど~…うん…いいよ…ちょっと待って!」
勇斗はスマホをスピーカーにすると、高崎の声が響いた。
「もっしも~し岡野くん、あの亀井って親父が岡野くんと忘年会したいってさ、年末空けとけよ!」
言いたいだけ言って高崎は電話を切った。
「良かったな、秀行…じゃないか、雪乃ちゃん!」
震えの止まらない秀行に、勇斗は脅しを掛けた。
「受験辞めれば、そうすればデータ消すし、香奈にも消させるよ…どうする?」
「あっ!悪いけど忘年会はキャンセル無しで、俺と香奈の卒業旅行の資金だから、アリバイ工作は協力するよ!?」
秀行は参考書をカバンに入れ、勇斗の家を慌てて出た。
(俺…無理だよ…もう死にたい…)
フラフラと家に帰った。
翌日から秀行は学校を休んだ、後2~3日で冬休みなのに、とても行くどころでは無かった。
親に心配を掛けたくない気持ちと、大学受験の事、勇斗の裏切り、1度に起こり秀行自身もどうしていいか分からなかった。
冬休みに入っても勉強が手に付かず、不安と疑心暗鬼でギリギリの精神状態に追い込まれていた。
母親が心配をして声を掛けると、秀行は静かにしてくれ!と怒鳴り、些細な事で騒いだ。
秀行の両親は、受験でピリピリしていると思い、1人で静かに…と年末年始は父親の実家に両親が行く事になった。
12月28日の昼前、カバンを持つ両親から話し掛けられた。
「秀行、父さん達は行くけど…1人で考え過ぎるな!何かあれば連絡しなさい、飛んで帰ってくるから!」
「無理しないでね…お母さん達は受かっても、受からなくても、秀行の事…」
両親の優しさは、今はただ胸を締め付けるだけだったが、秀行は頷いた。
「それじゃ、行ってくるよ!」
頑張れと言わない両親に涙が出たが、そんな気持ちを粉々にする電話が来た。
「秀行?昼過ぎに亀井って親父が、お前の家に迎えに行くから、頑張って来いよ~!」
「なっ!なんで俺んちに!?」
「キャンセル防止だよ、あの親父が来たら早く家から出ないと…雪乃ちゃ~んって呼ばれちゃうかもな!!」
「勇斗!」
電話は切れて、やり場の無い怒りと不安に、胸が苦しくて息が詰まりそうだった。
ピンポーン!
インターホンが鳴り、急いでモニターを見ると亀井が立っている、慌てて外に出ると、ニヤリと笑いながら秀行の手を握った。
手を振り払い、玄関に鍵を掛け亀井の車に乗った。
「雪乃、ちょっと寄り道しようか。」
亀井はショッピングモールに寄り、服や下着を買い秀行をトイレに連れて行った。
(こんな所で着替えなくても…)
しぶしぶ従う秀行を、個室の中に引きずり込んだ。
「さぁ雪乃、全部脱ぐんだ。」
(狭い場所に小太りの親父と2人はキツいだろ、外で待ってればいいのに…)
秀行は服も下着も靴下も全て脱ぎ、寒さに震えていると、亀井は壁に両手を付くよう指示した。
「声を出しちゃダメだからね、すぐ済むからね。」
洋式トイレの便座を跨ぎ、尻を亀井に突き出す格好になった。
「大丈夫ここではしないよ、準備だけだから…」
プスッ!ジュルル…、秀行が思わず振り向くと、亀井は秀行にイチジクカンチョウを挿していた。
「後2つあるから、全部入れたら着替えるんだよ。」
亀井が残りも入れ終わると、秀行が壁から手を離した。
後ろから押され、慌てて壁に手を付くと亀井が耳元で喋った。
「まだだよ、雪乃の大好きな栓をしようね!」
グプッ、グプッ…グボッ!!
拳を噛み、声を殺す秀行にいい子だ…と頭を撫で、服を着せた。
胸元が開いた黒いニットのワンピースに、黒のニーハイソックス、グレーのコート、グレーのショートブーツ…マネキンが着ていた物をそのまま買ったらしい。
「さぁ、下着も履こうね!」
両サイドを持ち、思いっきり上げられ小さな悲鳴が漏れた。
「ヒッ!」
秀行の膝がカタカタ震え、立っているのがやっとだった。
「急いで車に戻るよ!じゃないと雪乃が痴女で捕まっちゃうからね。」
亀井がドアを開けと、誰もいなかったが秀行の手を握り走った。
「ヒャッ!?」
足を動かすたび、中が掻き回され亀井の手を振り解こうとしたが、ガッチリ握られた上にかなりのスピードで走った為、駐車場の車に着く時には、スカートの前が少し膨らんでいた。
「雪乃、もう我慢出来ないの?仕方ない…早く乗りなさい。」
秀行が躊躇した、シートに座ったら全部入ってしまう…モジモジしている秀行の手を、運転席から引っ張り助手席に座らせると、グボッ!!と音がして秀行はシートに仰け反りケイレンした。
亀井は急いで降り、助手席側のドアを閉め車に乗り走り出した。
「気持ち良くて、イッちゃったのかな?」
運転をしながら左手を秀行の尻の下に這わせ、かろうじて出ているスイッチを最大で入れた。
「ヒギィッ~!」
シートの上で仰け反る秀行に、亀井が路肩に車を寄せてシートをフラットに倒し、そのまま走らせた。
「いい子だ、雪乃は本当いい子だね、脚を開いて。」
秀行が脚を開くと、亀井は太ももを撫でたり軽くつねったりして、運転中でも愉しんでいた。
「ハァ…ハァ…ん!…もう…」
秀行がイきそうになると、亀井が秀行のモノを潰さんばかりに握り、イクのを何度も止めていた。
生殺し状態のまま亀井の目的地に着いた。
着いた先は、潰れた店が長屋の様に並んでいる所で、その中の1つに入った。
店の中は濃い赤の壁紙に黒いビニールの床、椅子やテーブルを見ると元々はスナックらしかった。着いてからは、興奮気味の亀井は“いい子だ…”しか言わなくなり、秀行は腹の痛みのせいで大人しく言われるがままになっていた。
薄暗い店の奥は小さなステージになっているが、そこに診察台が置いてありスポットライトを浴びていた。
「雪乃の為に、みんなで色々用意したよ…」
一歩づつ歩くたび、脂汗を吹き出しながらステージに近づくと、座っていた男達が後に続きゾロゾロステージの周りに集まり、診察台に秀行を寝かせた。
亀井と男達は、秀行の服をゆっくり脱がし、手首と足首にベルトを付けて大の字に固定した。
ギュルギュルッ…、秀行の腹が豪快に音を立てると、亀井があぁっ!と何かを思い出したのか笑った。
「何も言わないから、ずっとトイレ我慢してたんだね……でももう少し我慢しようか?今からお医者さんごっこをみんなでするよ!」
周りにいた男達はニヤニヤして秀行の腹を撫でたり、唯一履いていた下着を剥ぎ取ると、栓をしてある部分をギラついた目で見ていた。
亀井は布で覆ったワゴンを運んできて、男達に“診察の道具”と言って布を取った。
「それじゃ、先生達診察を始めましょう!」
男達はカチャカチャと、“診察道具”を選びだした。
「まずは、胸から診察しましょうね。」
亀井が振動するローターを秀行の乳首に当てると、ビクンッと秀行が体を震わせた。
「さぁ、先生お願いします。」
何個ものローターが、小さな突起に当てられた。
秀行が体を捩ったり声を漏らすと、男達は歓喜し異様な雰囲気に興奮して、次は!?と亀井をせっついた。
「次は…お腹の調子が悪い様なので、中をキレイにしてから…腸の検査をしますか。」
そう言うと亀井は別のワゴンを運び、ワゴンからガラス製のカンチョウ器を見せた。
『おぉ~っ!!』
男達が低いを漏らし、俺が!俺が!とざわついた。
「大丈夫!1人1本づつ用意してあります…但し、中身は色々ですけどね。」
亀井はワゴンを秀行の側に置き、秀行の口をゴム製のボールで口を塞いだ。
「準備OK、全部100ccづつ10本、グリセリン、ビール、炭酸水、コーラ、石鹸水、…」
聞いているだけで男達は更に興奮し、秀行はゾッとして手足をバタつかせた。
「ふふふっ、待ちきれなくて催促しているので、早速始めますか。」
「んん~!!」
秀行が呻いても誰も気にも止めない。
最初の男は乱暴に栓を抜くき、グリセリンを一気に押し入れた。
ジュルル~ッ…、秀行は手足に力か入り仰け反り呻く。
「次は石鹸水だよ。」
……
「次は…コーラ。」
……
腹が少し膨れて、口を塞いだボールのすき間から泡をふいた。
「仕方ない、1度出させる方がいいか…」
誰かがバケツを持って来ると、手足のベルトを外しガタイの良い男が秀行を、小さい子供に用を足させる様に後ろから抱えた。
「フーッフーッ…」
虚ろな目で荒い息の秀行は、恥も外聞もなくバケツに腹の中身を出した。
また男達から歓声が上がり、ボロボロと涙が出た。
キレイにされ、診察台に固定されるとお医者さんごっこが続いた。
10本全て無くなるまで続け、中が空っぽになった。
亀井達は汚物や使ったカンチョウ器を片付けると、腸の検査がはじまった。
「ローションをたっぷり付けて、何本指が入るか試しますよ。」
男達は我先にと、太い指を小さな穴にムリヤリねじ込んだ。
「ストップ!ストップ!時間はあるから、ゆっくり愉しまないと。」
5本の指が中を掻き回すと、秀行は腰を浮かせ太ももを震わせつま先を伸ばした。
男達は何度も交代しながら愉しむと、もう我慢出来ないと騒いだ。
「そうですね、そろそろ淫乱な穴にお注射しますか。」
足のベルトを外し、男達が満足するまで秀行の中に欲望を吐き出し続けた。
どれだけ時間が過ぎたのか、ぐったりする秀行に覆いかぶさる男が果てると、亀井は男達の体液でいっぱいの穴にまた栓をした。
「みなさんは少し休憩しましょう、雪乃はコレで我慢してようね。」
スイッチを入れ、秀行は休む暇なく責め立てられ、休憩と言いつつ、男達は酒を飲みながら秀行の体をイジりまわしていた。
その後も、亀井と男達は時間も忘れ、秀行を容赦なく好き放題オモチャにして、亀井に礼を言って帰って行った。
「最高の忘年会だったよ!」
最後の男が帰ると、亀井は秀行に話しをした。
診察台の上によつん這いで縛られ、ペットボトル並みに太く凶暴に暴れるモノが、秀行の腹に歪な膨らみが出たり消えたりして、意識がもうろうとしていた。
「今回は…雪乃の友達に、雪乃を本気で壊してくれって、頼まれたんだよね…」
震える尻を撫で回しながら、更に話しを続けた。
「おじさんは、雪乃のおかげで接待が上手くいったから…お礼に何か望みがあれば聞くけど?」
亀井はさが口を塞いだボールを取ると、秀行は光を失ったガラス玉の様な目で、亀井を見つめながら言った。
「…亀井さん、接待…もっともっとしない?」
秀行の中の感情が、怒りと復讐だけがのこった。
「それはいいけど、雪乃が壊れるよ?」
「女の子でもいいなら、毎日でも大丈夫だよ…」
秀行の言っている意味を理解した。
「それはいいね~、私の趣味と合わない人にも接待出来る!」
秀行は小悪魔の様な笑みを浮かべ、亀井と取り引きした。
「出来るだけ、ドSでハードプレイが大好きな人達を集めてくれる?」
秀行の笑みと言葉にドキッとした亀井は、堪らずスイッチを最大にして、秀行の髪を掴んで顔を上げると、口の中に怒号したモノを喉の奥まで突っ込んだ。
「ハゥッ…いいね、雪乃の為に…ゥッ、用意してあげるよ…ご褒美は、…雪乃だ!!」
口の中で果て、ハァハァ…と荒い息を吐く亀井と同時に秀行もイッた。
寂れたスナックを後にし、亀井に家まで送って貰ったが、深夜になっていた。
「それじゃ、後で連絡するからよろしくね。」
秀行はそう言ってドアを開けようとするが、亀井が秀行の手を引っ張り、前金と言って舌を絡める口付けをした。
ヌメつく舌が、秀行の口の中をヌチュヌチュ…音を立て絡まり、亀井は満足気に離れると秀行はにっこり笑い降りた。
車が去ると、無表情になりペッ!っと唾を吐き出した。
暗い家に入ると、そのままバスルームに向かい身体中を赤くなるまで擦った。
ひと息付いて、スマホを見ると日付は12月31日になっていた。2日間見ていなかったスマホには、母親から1件、宮田から何件も着信があった。
秀行は深夜にもかかわらず、宮田に電話をした。
「はい、もしも…」
「何か用?」
秀行が掛けたのに、面倒くさそうに宮田に聞いた。
「いや…あのさ、岡野くんと仲がいい…加藤くんなんだけど…」
「…高崎と付き合ってるって、知ってるよ!」
「それもそうだけど…加藤くん、藤原と中学の時凄く仲が良かったらしいんだ…」
秀行はもう驚かなかった、どっちも復讐するのに変わらないから、そして宮田も…
「…そう、ありがとう…明日、って言うか今日だけど、空いてる?」
電話の向こうで、宮田が慌てているのが分かりクスッと笑い、返事を待った。
「あ、え~っと…昼間はバタバタしてるけど、夜なら…」
「それじゃ、友達と初詣に行くって言って、うちに来なよ…親いないからさ。」
うわずった声で宮田が、
「はい!…なるべく早く行くよ!」
「じゃ、夜待ってるから…」
秀行は宮田も巻き込んだ、復讐の計画を立てた。
部屋に戻ると、押し入れの奥から箱を出して漁った、前に母親から貰った鍵付きの日記帳、貰ったまま使わずに閉まって置いた物を出した。
開くと、キレイな白紙のページに復讐する人間の名前を書き出した。
次のページに自分がされた事を書き出し、自然に涙が溢れ文字が震えた。
「…クッ、みんな…地獄を見ればいいんだ!!」
復讐方法でページが埋まっていくと、秀行は少し落ち着き、自分が受けた仕打ちより…もっと惨く悲惨な事を思い付く限り書き殴り、日記帳を閉じ鍵を掛けて引き出しの奥にしまうと、小さな鍵を壁に掛かる制服のポケットに入れた。
気付けば昼を過ぎ、取り敢えず母親に連絡をした。
「うん…ごめんね、勉強に煮詰まって母さん達に当たってた。…心配しないで、父さんとゆっくりしてきなよ。……うん、明日は友達と初詣に行って、受験の事お願いしてくるよ、それじゃ…」
電話を切ると、今度は亀井に電話をして、計画の一部を伝えた。
ピンポーン!
玄関モニターに宮田が映る。
「鍵開いてるから、入って来て大丈夫だよ。」
少し赤い顔の宮田が、落ち着つかない様子でリビングに入って来た。
「お邪魔します…」
「何緊張してるの?…それより、話しがあるんだ。」
秀行は、下を向き手を震わせながら宮田に、勇斗と高崎にされた事、亀井と男達にされた事を話し、涙を浮かべ宮田にしがみついた。
「俺…もう死にたい、こんな事宮田にしか言えなくて…アイツら…まだ俺で、小遣い稼ぎするって…うぅっ…」
宮田は秀行を抱きしめ、背中を擦り怒りを露わにした。
「そんな事もうしなくていいよ!…アイツら最低だ!!」
「でも…俺達のムービー、持っててバラ撒くって脅されて…そしたら、言う通りにしないと…」
俺達の…と言われ、宮田は眉間にシワを寄せて秀行の思った通りになった。
「アイツらに、痛い目を見せてやろう!自分達が同じ目に遭わないと、分からないんだよ!!」
秀行は小さく頷き、涙で潤んだ目で宮田を見上げて、感情がたかぶっている宮田に秀行は、服を脱ぎ亀井達の跡を見せた。
「俺と…同じ事、アイツらに味あわせる。…宮田も一緒に復讐しよう。」
秀行は裸で抱きつくと、宮田は秀行に口付けをしてそのまま床に押し倒し、何度も抱き合った。
夜が明ける頃、2人は近くの神社で初詣を済まし別れた。
最初の計画は、藤原拓海…
奴は簡単だった。
高崎に振られてむしゃくしゃしているから、正月早々に宮田が呼び出された。
藤原が禁止されている車を乗り付け、呼び出した場所…学校に現れた。
「なんだ?岡野く~ん、一緒にイジメられたいのか?」
ニヤニヤしながら、溜まり場に行く藤原の後に付いて行くと、中に入った途端に宮田の腹を殴り、パイプ椅子に座った。
タバコをふかし、秀行をジロジロ見ると…部室に置いてあったコスプレの袋を投げて、メイドになれと命令した。
秀行は、ワザと嫌がる素振りをして着替えた。
「宮田、可愛い~メイドさんにご奉仕して欲しいよな?」
うつ向いて黙る宮田に苛つき、秀行の尻を蹴って言った。
「メイドさん、宮田の咥えてやれよ!!」
秀行は、立っている宮田の前にしゃがみ込むと、ファスナーを開け、宮田のモノを咥えた。
「マジか!?いいよ~メイドさん!」
藤原が野次を飛ばし、笑っていたが…宮田が秀行の頭を押さえ呻くと、藤原は秀行の髪を引っ張り引き剥がした。
「そこまで!何イきそうになってんだよ…宮田?」
藤原は空になったタバコの箱を投げつけ、宮田にタバコと飲み物を買いに行かせた。
「メイドさん、俺のもご奉仕してよ~溜まってるから、いっぱい出るかもね!」
秀行は藤原の脚の間に潜り、亀井達に仕込まれた技を藤原に試した。
「うぉっ、…ヤバ、…メイドさん、上手過ぎっ、」
1分も保たずに口に出すと、飲めと命令してもう1度咥えさせた。
「気持ち…良過ぎ!…でも、…うぅっ、…ケツは無理だな…」
宮田が息を切らし戻った。
「つっ、戻んの早~よ!」
藤原は、まだ少し膨らんでいる宮田のズボンを見て、ニヤリと笑った。
「宮田、さっき途中だったから…辛いだろ?続きさせてやるよ!」
秀行に腰を持ち上げさせ、スカートを捲ると尻を叩き、ヤレと合図した。
コンビニの袋を床に置くと、秀行の下着をずらし自分モノを一気にねじ込んだ。
「ウグッ!!」
秀行が呻くと、藤原が興奮しながら笑った。
「宮田のえげつなくデカイな!メイドさん大丈夫?」
秀行の頭を撫でていると、宮田が激しく秀行を何度も突上げると、反動で秀行が藤原のモノを奥まで咥えてしまい、藤原が仰け反ってイッた。
しかし、秀行が離さない為、イッても舌が絡み付き吸い付くので、藤原はイキまくった。
膝に力が入らない藤原は、2人を怒鳴ったが、まだ繋がったまま行為を続ける宮田を蹴ると、コンビニ袋から飲み物を取り一気に飲んだ。
「どんだけ盛ってんだよ、メイドさん意識飛んでないか?」
タバコをふかし、呆れて立とうとした時、藤原は足元から崩れ倒れた。
宮田は秀行の中に出し、落ち着つくと藤原の服を脱がせ、自分が着せられたブレザーの制服を着せてカツラをかぶった。
「岡野、あの薬って大丈夫なんだよな?」
「普通の睡眠剤だよ、ただお酒と一緒に飲むと一気に効くらしいよ…くれた人が言ってた。」
「なら、いいんだ…」
くれた人は亀井だった、秀行達は女装させた藤原を縛り、目を覚ますのを待った。
「…頭いて~…」
「あっ、起きた?おはよう藤原くん。」
秀行はメイド服を着替え、藤原を覗き込み笑っていたが、スッと無表情になると口にガムテープを貼っり、宮田と2人で見下ろした。
「これから、お前にされた事を…そのまま返す。」
宮田が冷たく言い放ち、藤原の腹を蹴り上げた。
「オゴッ!!…ゴホッ、」
衝撃に目を見開いた藤原の目に涙が滲んだ、しかし宮田はもう1度蹴った。
「ぐっ!…うぅ~っ、…」
ボタボタと、涙と脂汗を流し首を振って哀願をしている。
「藤原くん、もう蹴られるのイヤ?」
うんうんと頷く藤原に、秀行は聞いた。
「それじゃ、次は俺の番ね!」
藤原のスカートを捲り下着を剥ぎ取ると、藤原はエビの様に体を曲げたり反ったり、暴れるたので宮田が蹴った。
「うぼっっ!!」
モロにみぞ落ちに入り、大人しくなった。
「あのさ、自分のした事忘れたの?お前…宮田の事もっと殴ったり蹴ったりしてただろ!?」
秀行は、自分がされた様に藤原にイチジクカンチョウを差し、栓を一気にねじ込んだ。
「んギィ~ッ!!」
スイッチを最大に入れると、藤原は腰を浮かせ仰け反り、額に血管が浮き出た。
スイッチを切って、藤原に命令した。
「止めて欲しいなら、今から言う事をスマホに向かって言うんだ!」
「…私、藤原拓海は…女装して犯されるのが大好きです。そしてドMのど変態で、激しいプレイで壊れるまで責められたいです。…」
「はい、良く出来ました。ご褒美は…」
そう言って、またスイッチを入れ藤原を放置した。
部室を出て、秀行達は学校の前に無断駐車の事があって危ない。と警察に連絡をして、ファミレスでのんびり食事をして、カラオケに行き夕方に戻ると、車が撤去されていた。
「そろそろいいかな?」
部室の中には、藤原が白目を向いてケイレンしていて、スカートは自分の出した体液でベトベトになった姿を写メに撮ると、紐をほどきガムテープを剥がした。
「ゴホッゴホッ…もう許して…許して下さい!」
涙と吐いた物でぐちゃぐちゃな顔で謝る藤原に、帰っていいと言った。
「ただ…藤原の服と靴を車に入れて置いたら、警察が駐車違反で車を、持って行っちゃったんだよね~、その格好で帰るしかないね!」
藤原を残し2人は部室を出て、校門で別れ帰って行った。
秀行は1人になると、無法地帯のアダルトサイトに藤原のムービーを貼り付け投稿し、“○○高校の付近で女装中、何人でもどんなハードプレイでもOK♡”と付け加えた。
(これで、1人終わった…)
1月3日の昼過ぎに、母親から明日の昼過ぎには帰るからね!と連絡があった。
その直後、高崎から着信があった。
「あのさ~、今アンタん家に行くトコなんだけど、欲しいブランドのバッグがあるんだよね…もういつもの亀井?あの親父に連絡したから、今すぐ表出て来いよ!恵とゆかりもいるから逃げらんないぞ~!」
次が思ったより早く、向こうから来てくれた。
(アイツらがバカで良かった、藤原の時より簡単かも…)
高崎が電話を切ると、亀井から連絡が来た。
「はい…さっき連絡来ました。…急だと人数が…」
「それは大丈夫!むしろ集まり過ぎたかも知れないですよ?」
「そうなんですか?」
「正月休みで暇な人とか、逆に家族サービスでストレス溜まってる人が、喜んでましたよ。」
「分かりました、それじゃ後で…」
秀行は、高崎達が来るのを玄関の外で待った。
派手な格好の3人が、カツカツとヒールを鳴らし歩いてきた。
「みっけ~!さぁ頑張ってバイトしましょ~!」
高崎の格好は、薄手のニットで胸元の開いたミニのワンピースにショート丈のコート、生脚にショートブーツ…
(…色違い持ってる…)
高崎の服装に吹き出すのを堪えてると、平井と大石が疑わしい目で秀行を見た。
「3人分、稼げるの?」
「ムリっぽい気がするけど…」
不服そうな言い方に、高崎が機嫌をそこねた。
「なら帰れば?アタシ1人で買い物してくるし!」
2人は分かったから…と高崎をなだめていると、亀井が大きめのバンの様な車で来た。
「取り敢えず、みなさん乗ってくれますか?」
優しく口調の亀井に、3人は後部座席に座りドアを閉めた瞬間、シートの後ろに隠れていた男達に口を塞いがれ、手足を拘束された。
「雪乃も乗りなさい。」
秀行が乗ると、車は暫らく走り続けた。
「何処に行くんですか?」
「ふふっ、私の会社で所有している物件だよ、古い旅館が何軒かあるけど…交通の便が悪くて潰れた所なんだよ。」
亀井と秀行が話している後ろでは、男達が藻掻いている高崎達を、服の上から弄り遊んでいた。
「1軒だけ?」
得意気に笑うと、亀井は首を振った。
「全部所有している、近くに民家も無い静かな場所なんだよ。」
道幅が狭くなり、ガードレールの向こうは崖になって、反対側は雑木林…まるで心霊スポットに向かっているような場所だった。
「…本当に古そうですね…」
落書きと蔦で覆われた壁に、ガラスの割れたエントランス、秀行は背中がゾワゾワした。
「ふふふっ、宴会場はキレイですよ。元々私が接待で使う為に、準備して置いた場所なので…先に来た私の知り合い達が色々用意してくれたみたいですよ。」
亀井が案内した宴会場は少し薄暗かったが、秀行は中を見て思わず微笑んだ。
「気に入りましたか?」
「はい、とっても気に入りました!ありがとう…」
秀行は甘える様に、亀井の腕に抱きつき手に指を絡ませ、恋人繋ぎをした。
亀井は浮かれ手を握り返すと、男達に抱えられた高崎達を広間の中央に転がした。
「雪乃、どうしたい?」
亀井に聞かれ、秀行は…最初に平井を指差した。
「アイツは、ガバガバになるまで犯して、たっぷり中出ししてやって欲しい。妊むまでヤッて!」
泣きながらイヤイヤと首を振っているが、男達は喜んで平井を簡易ベッドに繋ぎ、服を引き裂き歓喜した。
足元に震える大石を指差すと、大石は呻いて暴れた。
「コイツは…媚薬を使って、休まず犯して淫乱な肉便器に…」
大石も引きずられて、簡易ベッドの上で全裸にされ、男達が群がった。
「分かってるよ雪乃…この子は、お医者さんごっこだよね。」
そう言って、亀井が高崎を診察台に縛り、男達が服を全て剥ぎ取ると、後ろから平井と大石の呻き声と男達の声が響いた。
高崎は…青ざめた顔で泣きながらイヤイヤと首を振って怯えた。
「大丈夫だよ、自分のした事が自分に返っただけ…誰も殺したりしないよ?愉しむだけだから。」
男達が高崎の脚を広げると、亀井が液体がたっぷり入ったガラス製のカンチョウ器を秀行に渡し、秀行は可愛らしくウインクして、一気に液体を流し入れ栓をして最大でスイッチをいれた。
「ウギィ~~~!!」
1リットルの液体で膨れた腹を、激しく栓が掻き回して、高崎の顔を歪めた。
「それじゃ、後はゆっくりお医者さんごっこ愉しんでよ…大丈夫だよ、3人共ちゃんと中出ししてくれる様に言ってあるから。」
亀井はエントランスで待つよう秀行に言って、広間から出した後、男達にいった。
「それではみなさん、こちらはサービスです!」
大きなワゴンの上に、様々な責め具や淫らな道具がギッシリ並んでいた。
「ごゆっくり…」
男達は思うまま何時間も高崎達を犯し、気を失っても、泣き叫んでも責め上げ続けた。
秀行は亀井に報酬として、一晩中亀井の相手をした。
朝になり、秀行が高崎達の様子を見て戻ると、亀井が車の鍵を手にしていた。
「雪乃…そろそろ帰らないとね。」
秀行を送る車の中、亀井はずっと秀行の手を握り締めていた。
学校の近くで降りた秀行に、亀井がまた連絡するね…と言って高崎達の所へ戻って行った。
家に着くとすぐシャワーを浴びて着替え、両親が帰って来ると作り笑顔で迎えた。
翌日からは、父親は会社に出勤し、母親は夕方までパートだった。
秀行は部屋で日記帳を開き、赤いペンで藤原、高崎、平井、大石にバツ印を付けてまたしまった。
残りの休みの間、秀行は久しぶりにゆっくりした気持ちになった。
休みが開け、始業式に藤原と高崎達はいなかった。
教室で宮田が秀行の側に来て聞いた。
「高崎さん達って…」
秀行は何も言わず頷いた。
「そっか、後で教えてくれる?」
「あの部室で…」
担任から、3年は自由登校になるからと話しが終わり、みんなが帰る中…秀行は宮田の待つ部室に向かった。
「高崎さん達に何したの?」
「高崎達は自滅した!小遣い稼ぎしようとして、俺を連れ出したけど…そんなにゲイばっかりいる訳無いだろ?結局、自分達が相手するハメになったんだよ…」
「それじゃ…」
「俺が帰った後の事、分かる訳ないだろ?」
「そうだよね…」
宮田はモジモジして、秀行をチラッと見ると赤くなり秀行を苛立たせた。
(こいつも…でも勇斗の事を片付けてからだな…)
秀行は服を脱ぎ、宮田の手を取り自分の胸に当てた。
良く見ると秀行の胸に吸い付いた跡あり、宮田は服を脱ぎ捨てると秀行に覆いかぶさり、獣の様に犯した。
昼過ぎに秀行達は学校を後にした、腹が減りコンビニに寄ってから家に着くと、玄関に勇斗がいた。
「ずい分遅いな、何してたんだよ?」
以前の様に普通に話し掛ける勇斗に、底知れない不安がよぎった。
「上がってく?」
「もちろん、寒いから温かいコーヒー入れてよ。」
リビングに勇斗を座らせ、秀行は制服を着替えてからコーヒーを入れ、勇斗とリビングで対時した。
「香奈実知らないか?」
「知らない。」
「あのバカ女達、3日から帰らないんだって…香奈実の親から聞かれてさ、困ってんだよね~…その日、お前使って小遣い稼ぎするって言ってたけど、本当に知らないの?」
ドキドキと心臓がなっているが、宮田に話した内容を冷静に話しをした。
「確かに俺の所に来たけど…世の中そんなに男好きのゲイばっかりいる訳無いだろ?どんだけ金貰ったか知らないけど、自分達がその代償払うハメになったんだよ…俺は用無しになったから、帰った後の事なんか知らないよ。」
「そっか、それじゃ分かんないよな~。」
コーヒーを飲み干し、空のカップを秀行に渡すと、勇斗はおかわりを頼んだ。
「秀行、砂糖少なめのミルク多めでな!」
「分かったよ。」
勇斗の態度は、まるで何も無かったみたいに自然だったのが、秀行にはあまりにも不自然過ぎて、敢えて自分も自然に振る舞った。
「秀行はさ、工科大受験すんの?」
「するよ、多分受からないけどね…」
勇斗はコーヒーを冷ましながら聞いた。
「なんで?」
「色々あり過ぎて勉強出来なかったんだよ…一応受験だけはしないと、親が心配するから形だけな。」
「まぁ頑張れよ、香奈実の方は…そのうち帰って来るだろ。」
カップを置くと、勇斗はバイバイと手を振り帰って行った。
秀行はドッと疲れた、高崎達がまだ帰らない事に不安になり、亀井に連絡するが留守電になり、そわそわして落ち着かない気持ちに笑っていた。
(アイツらの事、心配する必要無いのに…バカだな俺って!)
夕方に亀井からの着信に出て、高崎達の事を聞いた。
「あの子達ね…ちょっとやり過ぎたみたいで、3人共かなりのドMの淫乱に仕上がって、お客達がまだ遊んでるけど、そろそろ飽きたから返すって言ってたから、2~3日中には帰って来ると思うよ。」
「そう、ありがとう。」
電話を切ろうとした時、亀井から次はいつ会えるかと言われた。
「…今度の土曜、お昼に友達と駅前に行くよ。」
「分かった、また準備した方がいいかな?」
「忘年会の場所…連れてくの男だから。」
「愉しみにしてるね。」
亀井の話しが分かる所はいいが、執着が凄くて面倒くさかった。
秀行は勇斗に電話した。
「勇斗、土曜の昼間空いてる?」
「あぁ、空いてると思うけど…」
「悪いけど、ちょっと買い物に付き合ってくれるか?」
「……いいよ、何時頃?」
「11時に駅前で待ち合わせで。」
「分かった、それじゃ土曜日な。」
秀行は部屋で、日記帳を広げ何かを書き足した。
土曜になり、駅前で勇斗を待っていた。
勇斗が秀行を見つけ小走りで近づき、2人は買い物をした。
12時近くになると、秀行が駅前でもう1人待ち合わせしてると話し、駅前に行くと亀井の車があった。
「あの人なんだ…」
「誰あのおじさん?」
「俺の支援者って言うのかな?」
「俺に聞くなよ、こえ~よ…」
笑いながら亀井の車に、2人が乗り込むと走り出した。
「始めまして、私は亀井と言います。」
勇斗はニコニコしながら、
「俺は、勇斗って言います。…それで2人はどんな知り合い?」
秀行がチラッと亀井を見ると、亀井が頷き話した。
「彼の崇拝者かな…」
勇斗は吹き出した。
「亀井さん面白いね、崇拝者って~…あれでしょ?秀行を買って、秀行のカマ掘った変態だよな!?」
足をバタバタさせ笑い転げていたが、勇斗の顔からスッと表情が無くなった。
「秀行、今度は俺を殺すのか?」
前を向いたまま、秀行は勇斗に言った。
「殺さないよ…ただ、勇斗にも同じ思いをして欲しいだけ…」
「あれか、俺もカマ掘っられるのか?」
秀行が黙っていると、亀井が勇斗に言った。
「心配しないで、勇斗くんが望まないならそんな事しませんから。」
「あっそ。」
無言のまま、寂れたスナックに着いた。
亀井に案内され、勇斗が付いて行く。
「勇斗…平気なのか?」
「はぁ?なんでお前が心配してんだ…?」
「いや…分からないけど…」
秀行の中で、普通に接する勇斗に、復讐が薄れていた。
亀井がドアを開け、2人を中に入れると…誰もいなかった。
秀行が亀井を見ると、亀井と勇斗が話していた。
「あぁ、秀行驚いた!?…実は~俺と亀井さん、会うのは始めましてだけど、ラインでやり取りしてたんだよね。」
「ごめんね雪乃、私と勇斗くんの利害が一致してね。」
秀行はまた裏切られ、体の力が抜け床に座り込んだ。
「秀行の計画は面白かったよ!…あの藤原が変態共にヤラれまくって引きこもりになって、うるさいバカ女達は淫乱ビッチのメス豚だし、どうせ俺の後…亀井さんにも復讐するつもりだったろうけど、爪が甘かったな!!」
「そうだよ、悪い子にはキツいお仕置きが必要だね!!」
震える秀行を、亀井と勇斗は診察台に縛りつけ、服を剥ぎ取ると…秀行に見覚えのあるガラス製のカンチョウ器を見せつけ、勇斗に渡した。
「こんなの俺に打ち込もうなんて、100年早い!コレは、雪乃ちゃんにっと!」
亀井が口を塞ぐと、勇斗はニヤニヤしながら秀行にカンチョウをした。
「ぐぅぅ!!」
全て流し込むと秀行の腹が膨れるた、空のカンチョウ器と歪な形の栓を交換して、勇斗がゆっくり栓を挿入していった。
「ヒィィ!!」
最後の太く部分が入ると、勇斗が秀行の顔を覗き込み笑って言った。
「なぁ、あんなの入るなんて…お前もビッチじゃね?」
「ぐっ、ふぐぐっ!!」
「怒った?機嫌直せよ…今から気持ち良くなるから!」
突然、ヴィ~~ン…と響くと、秀行は仰け反った。
亀井がスイッチを入れた為、秀行の中のモノが激しく振動しながら中を掻き回していた。
「うゎ~…秀行もうイキそうだな、媚薬がたっぷり入ったローションのカンチョウしたから、ヤバいくらい気持ち良くなると思うよ~!」
勇斗は面白がり、動きを最大にした。
「フゥーッ、フゥーッ、…」
虚ろな目になり、仰け反ったまま腰を震わせ何度も2人の前でイキまくった。
「ねぇ亀井さん、1番太くて激しく動くヤツある?」
「…あるけど、それはちょっと…」
亀井でさえ躊躇したが、勇斗が睨んで静かに手を出しているので、亀井は渡してしまった。
「俺の腕と変わんないね…表面はデコボコしてる…」
興味津々の様子で見た後、使い方を聞いた。
「それは…ドリルと言って、この工具みたいなヤツの先に付けて、指でレバーを引くと…」
勇斗がレバーを軽く引いた。
ゴゴゴ……!
「何これ!?めっちゃスゲー…」
指を引く程激しくピストンするドリルに、興奮した勇斗は…秀行の栓を抜き、穴に先端を押し当てた。
力任せに押し入れると、秀行が甲高い悲鳴を上げ白目を向いた。亀井が止めたが勇斗は暴走した。
グボッ!グププ…
1番太い部分が入ると、後は一気に入っていった。
「キツ~いお仕置き開始!!」
レバーをゆっくり引いていく。
ジュボッ!ジュボッ!ジュボッ!
秀行の腹に歪な膨らみが、出たり消えたりして、腹の中を責め立てた。
「ヒッ、ヒッ、…」
突き上げられるたび、秀行が短い悲鳴を上げると、勇斗は更にレバーを引いて、ピストンのスピードを上げた。
ドリルの先は秀行の腹を、ボコボコと突き破らんばかりに激しく動いてた。
「勇斗くん…もう、雪乃が壊れる!」
亀井が止めようと、勇斗に近づくと勇斗は笑いながら言った。
「もうとっくに、壊れてんだよ!」
最後までレバーを引くと、秀行は口から泡を出し、ケイレンしながら体液を吹き出すと、身体から力が抜けぐったりした。
秀行の中からズルリと、抜き取るとローションに血が混じりながら流れ出た。
「穴が裂けたか…もう復讐なんて言わないだろ。」
ガチャン!とドリルを投げ捨てると、勇斗は亀井に帰ると言った。
亀井は恐る恐る秀行に近づき青ざめた、秀行に服を着せて車に乗せ、送って行った。
秀行の家の前に停まり、勇斗が先に降り秀行を肩に抱えると、亀井に帰る様に言って、秀行を家の中に入れた。
幸い、秀行の母親はまだ帰宅していない、勇斗は秀行を部屋に運び布団の上に転がした。
「…うっ…、」
秀行が意識を戻すと、自分の部屋にいる事に不思議そうな顔をした。
「起きた?ちょっとお仕置きが効きすぎたかな…ケツ裂けてるから痛いかもな~。もう復讐なんて諦めなよ…」
勇斗は言うだけ言って出て行った。
後を追おうとしたが、激痛が走り立て無かった。
情けなくなり、ボロボロと涙が溢れ、次は勇斗を殺すと誓った。
秀行は2~3日動けず、心配する親には体調が悪いと誤魔化した。
何とか普通に動ける様になると、日記を出し勇斗と亀井の名を赤いペンでぐちゃぐちゃに塗り潰した。
次の日、秀行は朝早くから出掛けた。
学校にコッソリ入って行き、溜まり場だった部室で宮田を待っていた。
秀行は宮田が自分に惚れているのを、薄々分かってあたので、宮田を使う為に呼び出していた。
「ごめん、遅くなって…!?」
宮田が入ってくるなり、秀行は抱きつき涙を流した。
「どうしたの?大丈夫!?」
秀行は宮田の首に腕を絡め、キスをし音を立てながら宮田の舌に自分の舌を絡めた。
「岡野?本当にどうしたの…」
「秀行って呼んでよ、宮田の事…智矢って呼んでいい?」
赤い顔の宮田が頷くと、秀行はまた舌を絡ませた。
何度も何度もキスをしていると、秀行の下腹に宮田のモノが当たった。
それを秀行は、ズボンの上から優しく擦り、宮田の手をシャツのすき間から自分の胸に滑り込ませた。
「秀行…秀行…ひで…」
宮田は名前を呼びながら、秀行の小さな乳首に吸い付いた。秀行は夢中で男の胸に吸い付く宮田を、冷たい目で見下ろしながら服を脱いだ。
生暖かい唇と舌でしつこく弄られ、硬く尖ってきた乳首を指でつまみ、ハァハァと興奮しながら宮田も服を急いで脱いだ。
「秀行、よつん這いになって…」
よつん這いになって、尻を高く上げると、宮田が驚いた。
秀行の小さな穴は、赤く爛れた様に膨れ、裂けた跡があった。
「もしかして…」
宮田は膝を付き、赤く爛れた穴をピチャッピチャッと優しく舐めた。
「あっ…あぅっ…」
「ごめん痛かった?」
「ううん、気持ちいいの…智矢にならどんな事されても…」
その言葉に、宮田は秀行の尻を乱暴に掴み、左右に広げると激しく舐め回し下を深く入れると、中で動かし秀行をよがらせた。
「くっ…智…矢、…いい…」
秀行の声に堪らず、小さな穴に自分のモノを当てると…
「ゆっくり入れるから、痛かったら言って。」
「大丈夫だから、智矢のでいっぱいにして…」
宮田はゆっくり根元まで入れると、秀行が腰を震わせながら動かすので、堪え切れず秀行の細い腰を掴み激しく腰を打ち付けた。
「ひっ…ひぃっ…」
宮田は夢中で秀行の中を、乱暴に掻き回し突上げては体位を変え、何度も中に出していた。
それでも、秀行が宮田に絡み付きキスをしながら、もっともっととねだるので、体力の続く限り秀行の中に大量に体液を出した。
宮田と秀行は、半日も行為をしていた。繋がったまま向き合い、離れがたそうに深いキスをしている。
「智矢…離れたくない、離れたらまた…アイツに…」
「アイツって?秀行を何度も犯した親父の事だよね…」
「うん…アイツに…亀井に何度も何度も犯されて、俺を壊すって…腕みたいに太い…っっ…」
秀行が宮田の胸にしがみつき泣き出すと、宮田は泣いている秀行にキスをして、また突上げた。
「アヒィッ!」
「秀行は俺のモノだ!あんなヤツに!!」
宮田はどす黒い嫉妬に支配され、仰け反る秀行を激しく犯して、秀行が気を失うと…あるモノを手にした。
「…あっ…あふっ…智…」
「気が付いた?」
宮田はにっこり笑い、秀行をムリヤリ立たせた。
「ヒッ!キヒッ!?」
腹の中で何かが擦れ、秀行は堪らず悲鳴を上げた。
脚が震え宮田にしがみつくと、宮田がささえながらいっ。
「秀行は、俺だけのモノだから…俺のでいっぱいになった穴に…コレ3個入れたんだ、他の男のモノなんかはいんない様にね。」
宮田の手には、テニスボール大のゴム製のカラーボールが乗っていた。
「これね、藤原がよく俺に当てて遊んでたから、まだまだいっぱい奥にあるから…」
秀行は一瞬失敗したと思ったが、逆に自分に執着してくれた方が復讐する時に丁度良かった。
「お腹…苦しい…智矢ぁ…」
秀行は甘えた様に宮田を呼ぶと、宮田は秀行を抱きしめ首筋や胸にキスをして、硬く尖った乳首を吸いながら話しをした。
「今から亀井を呼び出して、秀行を犯した事の復讐をしよう!」
ヂュルヂュルと、音を立てて乳首を吸われている秀行が、宮田の頭を抱えながら返事をすると、また深いキスをして舌を絡ませた。
外はすでに薄暗くなっていたので、秀行が母親に電話をしていると、宮田が後ろから抱きつくと、首筋を舐めながら乳首を指てつまみ弄り回した。
「あっ…何でもない…っ…んっ、今日さ…遅くなっちゃったから、宮田くんの家に泊まるよ…ふぅ…」
電話を急いで切り、次は亀井に電話をした。
「あん…はぁはぁ…亀井さん…今から…あぁ~っ…」
宮田が乳首を引っ張り、指先で潰す様にグリグリと転がし、秀行が電話相手の亀井に喘ぎ声を聞かせていた。
「雪乃…自分で弄ってるの!?…雪乃が欲しいがるなら、私は構わないよ…今から会おうね!家にいるのかな?」
亀井の声が聞こえ、宮田は嫉妬を剥き出しにして、カラーボールが入っている穴に指を入れ、ボールを動かした。
「違うっ…ヒィィ、学校にいるの…おぉ…」
「分かった!飛んで行くよ!!」
電話を切り睨む秀行に、宮田は何度もキスをした。
「怒った顔も可愛いな…もう1個入れて変態親父を驚かせようか!」
宮田はボールを当てゆっくり力を入れると、小さな穴が広がり、はち切れそうなほど伸びて半分以上入れると、手を離した。
ボールがゆっくり穴の中に沈んでいった。
秀行はガクガクと突き出した尻と脚を震わせ、息をするのがいっぱいの状態だった。
「さぁ、服を着ないと外に出れないからね。」
宮田が甲斐甲斐しく、秀行にハイソックスを履かせ、肩の出たオフショルブラウスのメイド服を着せた。
「後はコートを着ればいいかな?」
秀行はコートの前を閉じれば、ミニスカートを履いた女子に見えた。
「智矢、パンツは?」
「履かなくていいよ、その代わりボールは落とさない事!」
2人で校門の前に行くと、宮田は校舎の影に潜み亀井が来るのを待った。
夜の校舎は生徒も教師も帰り、静まり返っていたが、エンジン音が校内に響き、亀井の車が門の前に停まった。
「雪乃、あの後…大丈夫だったかい?」
「…はぁ…はぁ、大丈夫…来て…」
フラつく足取りで、校舎の非常階段に行くと、亀井を迎えた。
コートのボタンをはずし、オフショルのブラウスを下げ、硬く尖った乳首を自分で弄りながら、亀井に見せつけた。
亀井は興奮して、ヂュッヂュルッ!音を立て左右の乳首を交互に吸い付つき、細い腰を抱き秀行の尻のすき間に指を滑らせ、小さな穴に指を入れようとして驚いた。
「雪乃!?何を入れているんだ?」
秀行は亀井に尻を向け突き出すと、顔を赤くし踏ん張り腹に力を入れてボールを押し出した。
ポン…コロコロ…
ピンクのカラーボールが、亀井の足元に転がる。
秀行以上に赤い顔で、血走った目がギラギラと鈍く光、秀行のヒクつく穴に3本の太い指を突っ込むとめちゃくちゃに掻き回して言った。
「私以外の男に、こんな事させて!アイツか?勇斗か!?アイツがしたのか!」
「アヒッ!アギィ~ッ!壊れ…壊れちゃ…」
腹の中のボールを突き奥へと押すが、指を抜くと秀行が踏ん張りボールを小さな穴をゆっくり広げ、ポン…ポン…と鳥が卵を産む様に押し出した。
興奮のあまり、まだ最後のボールが出ようとした時、怒号した亀井のモノが中へと押し返し、自分のモノを一気に入れて激しく犯した。
「あふっ…あっ…あっ…」
「雪乃…雪乃…悪い子だ!!」
ぱぁ~ん!ぱぁ~ん!腰を打ち付ける音が響き、亀井が体を震わせイキそうになった時、宮田に後ろからねじ伏せられ、亀井のモノは大きいまま脈打っていた。
「秀行、早く縛って!」
亀井を宮田が引き摺って、校舎裏のフェンスに大の字に縛ると、亀井の前で見せつけながら秀行を犯した。
「秀行は、俺のモノなんだよ…今日だって、朝からずっとさっきまで繋がって、秀行の腹の中に何度も俺の体液を出してボールで栓しといたのに…」
亀井は暴れてフェンスをガシャガシャ揺らしたが、宮田は笑いながら秀行を犯した。
「やっ…ボール、取って…壊れる~!!」
秀行の中に出すと、宮田が離れ…亀井の足元に秀行が崩れた。
「あはっ…ボール、あんっ…」
芝生に顔を埋め、秀行はイキっぱなしになり喘いでいた。
「ほら、秀行…早くしないと、今度はボール5個にするよ?」
秀行はよつん這いのまま、尻を振りながら亀井に近づくと、亀井のモノを口に含み…イキそうになると根元を指で締め付け口を離し、落ち着くとまた口に含み舌を絡ませ…と何度も亀井を生殺し状態にして、8回目に亀井が“ギイィ~!!”と悲鳴ともとれる声を上げた。
「そろそろ出させるか…」
宮田はボロボロのバレーボールを持って来た。
ボールには、カッターで抉った穴が空いている、それを亀井の怒号したモノにかぶせた。
「ウオォォ~ッ!!」
獣の様に唸り、腰だけがカクカク動いた。
「智矢、何をしたの?」
宮田は、亀井を見ながら笑い秀行に教えた。
「廃棄するボールの中に、ミミズを目いっぱい詰めただけだよ。アハハッ!よっぽど気持ちいいんだろうな、よだれ垂らしながら腰振ってるよ!!」
秀行も笑いながら亀井に近づき、お手伝いと言ってボールを動かした。
何度目かの絶頂をすると、亀井が甲高い悲鳴を上げケイレンした。
2人がボールを外すと、亀井のモノの先端の穴に太いミミズが入り、5センチ程出ているミミズの体がビチビチとうねっていた。
気絶した亀井を運転席に乗せ、ズボンと下着は脱がしたまま、またボールをかぶせると、ハンドルがボールを押さえてくれて、亀井はビクンッビクンッと車の中で腰を震わせていた。
2人は部室に戻り、また朝まで宮田が秀行を犯して、ボールを落とした罰と、ミミズがパンパンに入ったペットボトルを秀行の尻にねじ込むと、腹の中に流し込みよがり狂わせた。
宮田は、自分のモノを秀行に咥えさせ、頭を押さえ付けると苦しいのか、尻に刺さる空のペットボトルの底が床に当たり、コン…コン…と音を立てていた。
「そろそろ明るくなる前に、俺達はかえろうか!」
涙とよだれを垂らした秀行を、床にグッと押すと、ブチュブチュ…ペットボトルが深くめり込み、中のミミズを何匹か潰しながらほとんど入った。
秀行は宮田の前で、大量に体液を吹き出してイクと、
宮田はそのままメイド服にコートを着せ、秀行の服をバッグに入れて、まともに歩け無い秀行を恋人同士の様に、腰を抱き寄せ学校を後にした。
亀井はまだ学校の前で、腰を揺らしながら気を失っていた。
帰り道、何度も秀行にキスをして、秀行は俺のモノだよな?と確認していた。
秀行の両親が仕事に行くまで、時間を潰し秀行の家のバスルームで秀行の尻のペットボトルを抜き、掃除と言って、シャワーヘッドを外したホースを挿し、熱いお湯を一気に入れた。
「イギィッ!?ヒィィ~…熱い!!」
必死に尻を振る秀行を、宮田は押さえつけた。
「ダメだよ、キレイにしないと…」
熱いお湯にミミズが暴れ、秀行は何度もバスルームの床に体液を出してケイレンすると、穴からはお湯と一緒に動かなくなったミミズが流れ落ち、排水溝に吸い込まれていった。
腹の中が空っぽになるまで続けると、グッタリした秀行を抱きしめ、部屋へと運び布団に寝かせると、体中にキスをして、名残りおしそうに片付けて帰って行った。
布団の中で秀行は、あと2人…と静かに喜んだ。
亀井は早朝に出勤した教師達が発見し、警察に通報されたらしいが、少し精神状態がおかしくなっていたのと、局部にバイ菌が入り炎症を起こし、かなり苦しんでいるらしい。
秀行は勇斗の家を訪ねた。
「何か用か?」
無愛想に勇斗が迎えた。
「上がってもいいかな?」
秀行がスポーツバッグを肩に掛けている姿に、勇斗は警戒しながら中へ入れた。
「亀井、やったのお前だろ?…次は俺の番だから来たのか?」
秀行はバッグを降ろし、服を全て脱ぐと、勇斗に抱きつき言った。
「そうだよ…」
「ふざけんな!気持ち悪い!!」
秀行を突き飛ばそうとしたが、秀行が勇斗の首に腕を回し、顔を近づけてキスをした。
「ふっ!?」
秀行を押し退けようとした腕は、秀行の背中をキツく抱きしめ、長いキスをした。
「あの時…勇斗が俺を壊そうとした時、勇斗立ってたよね…気付いたんだ、勇斗は俺の事…」
「うるさいっ!!」
勇斗が秀行の口をキスで塞ぐと、秀行も勇斗にしがみつき、舌を絡ませ何度もキスをした。
「はぁ…もっと早く分かってれば、こんな風にならなかったのに…」
勇斗は、秀行を抱きしめたまま、
「俺が秀行に好きだって言ったら、お前恋人になったか?」
秀行は少し考えてから、
「いや、多分…男同士って!って引いたかも…」
拗ねた様な勇斗に、秀行がもう1度キスをした。
そして抱き合いながら、今までの事をお互い話し、怒ったり、笑ったりしながら深く繋がった。
「はぁ…ゆ、勇斗、もっと激しく…して!」
「クッ…だいぶ淫乱になっちゃったな…」
リビングの床で1度イクと、勇斗の部屋でまたキスをすると、秀行がバッグを指差した。
「アレで俺をもっと激しく愛して…」
勇斗がバッグを開けると、今まで秀行を責め立てる為に亀井が使っていた物が入っていた。
「これって!?」
勇斗は、秀行を縛り時間の許す限り犯して、道具で責め立て、何度もキスをした。
夕方になると、秀行はバッグを勇斗に預け帰った。
次の日も朝から秀行が勇斗を訪ね、1分、1秒も離れたくないと、言葉もなく抱き合った後、秀行を犯した。
そんな日が続き、受験の日…秀行は勇斗と、休校の学校に忍び込み、朝から屋上で秀行が壊れるほど激しく責め上げ、夕方になる頃には裸で抱き合いながら、繋がったままキスをして笑っていた。
夜になって、暗い屋上で秀行は最後の復讐をすると、勇斗に言うと勇斗は頷いた。
「復讐する2人のうち1人は、宮田なんだ…俺に夢中にさせて、離れられなくしてから放り出して、宮田の心に穴開けるんだ…」
勇斗が笑いながら、秀行の頬にキスをした。
「そんなに上手く行くのか?」
「行くよ!アイツ亀井に嫉妬して、亀井をあんな風にしたくらいだよ!?」
少し驚いた勇斗が、顔を歪めて聞いた。
「もしかして、宮田ともずっとしてたのか…?」
「亀井の時までね、その後は勇斗以外としてないよ。」
「そっか…」
秀行と勇斗は見つめ合うと、また激しく求め合った。
「なぁ…俺はいつ復讐されるんだ?」
「最後の1人は…今日ここでするよ…」
秀行が勇斗から離れ涙をこぼした。
「これで、俺の“復讐”と“終活”が終わるんだ…」
“終活”の言葉にハッとして、勇斗が秀行に駆け寄るが、秀行は柵を超え微笑みながら暗い闇の底に堕ちて行きながら、最期に勇斗に囁いた。
“最初から勇斗に抱かれたかったよ…”
ドサッ!!
柵から身を乗り出し、茫然とする勇斗は何故秀行が死んで、自分が生きているんだ?勇斗は自分が復讐をされるだろうと思っていた。
最期の瞬間に、秀行は弱かった自分に復讐をした。
「ようやく…ようやく思いが伝わったのに…それは無いよ…」
勇斗は柵を超え、秀行の待つ闇に吸い込まれる様に…愛し合った秀行の元に飛んだ。
“お前の復讐は、本当に死んだ方がマシだよ…”
ドサッ!!
秀行のすぐ側に勇斗が落ち、傷だらけの手がかさなった。
2人の体から流れる血が、アスファルトを赤黒く染めながら広がって行った。
3月の桜が舞う中、卒業式が行われている。
その卒業式には、秀行と勇斗の姿は無い…
屋上に、1人の男子生徒が…柵の前に飾ってある花を泣きながら見ていた。
ーENDー
高校生活が終わり、進学する者や就職する者…
校舎の前で涙を流し別れを惜しんでいる女子グループ、教師に肩を叩かれ期待をされている男子…
彼も、その中にいたはずだった。
3年前、高校の入学式で、これからの高校生活を期待し、希望に満ちたキラキラの目をしていた。
岡本秀行は、期待と不安で緊張気味だったが、たまたま隣の席にいた、加藤勇斗に話し掛けられた。
「君、どこ中?俺は南ニ中で加藤勇斗。」
「俺は、北中…岡野秀行です。」
そこかしこで、同じ様に出身中学を言い合い、自己紹介をしていた。
2人は隣同士と言う事もあり、それなりに仲良くなった。
1ヶ月もすれば、女子の仲良しグループが出来、男子達も話しが合う者同士かたまりだす。
秀行も、いつの間にか勇斗とばかり話していた。
まだ新しい制服の中、お下がりなのか少し色褪せた男子がいた。きっと兄のお下がりか、親戚の物なんだろうと、秀行と勇斗は気にしていなかったが、慣れてくると、集団の中で浮いている者を弾き出した。
最初は、女子の目立つグループがからかい出して、次にその女子達の下のグループ、そして更に下のグループが…
男子達は、それを笑う者や女子達に引く者、そして何もしない者に秀行と勇斗がいた。
「関わると面倒だから、スルーしとこう…」
「う、うん…」
同じクラスの宮田智矢が、その弾かれた標的だった。
朝、校舎の入り口で勇斗と会い、そのままくだらない話しをしながら教室に入ると、女子グループが宮田を囲み、嫌味を言っていた。
グループのリーダー格の高崎香奈実と、その手下みたいな平井恵と大石ゆかりの3人が飽きもせず絡んでいた。
「宮田くん、新しい制服買えないの?」
「もしかして、貧乏だからお古なのかしら?」
「エェッ、今どきそんな人いるの!?」
秀行達はそそくさとカバンを自分達の机に置くと、教室を出て廊下で話しの続きをしていた。
同じ様に、廊下に何人か同じクラスの男子がいた。
チャイムが鳴ると、教室に戻り教師が来るのを待つ、それがいつもの事だった。
1年間、まさにモブキャラをしていた。
2年生になり、勇斗と別のクラスになって少し不安になった。
不運な事に、目立つ女子グループの3人と一緒の上に、1年の時は別のクラスだったが、あまり良くない噂の男子がいた。
藤原拓海は、サッカー部に所属していて、女子には人気があるが…男子からは嫌味な奴として、同じサッカー部の奴らとしかつるんでいなかった。
「宮田遊ぼ~ぜ。」
藤原が女子達から話しを聞き、宮田をからかい出していたが、関わらずモブに徹していた。
秀行は2年になっても目立たない様に気を付け、将来エンジニアを目指し、大学受験の為に勉強をしていた。
(高校生にもなって、イジメみたいな事して楽しいのか?)
教師達はイジメに気が付いている、みんな仲良く集団生活で協調性を学ぶと言うが、そんなモノ上辺を取り繕うのが上手い奴等には何の意味もない事だ。
静かに、悪目立ちせず、必要以上に関わらない、それが秀行の高校生活だった。
唯一の友達の勇斗がいれば、それで良かったのが…2年の終わりに失敗をした。
機嫌が悪そうに、担任が期末テストの答案を教壇に置くと、ため息をつき生徒達を睨んだ。
「お前ら、後少しで3年になるの分かってるのか!?」
生徒達は、期末の結果が悪い事を見るまでもなく分かった。
「出席番号順に取りに来い!」
秀行はドキドキしながらテストを受け取るが、かなり良い点数にホッとした。
生徒全員に答案が戻ると、担任が追試を受ける者の名前を呼びキレた。
クラスの半分が追試だったからだ。
「…このままじゃ、進学どころか進級だって危ないぞ!高校生活を楽しむのはかまわんが…将来どうなるかお前達次第だからな!!」
シーン…と静まる教室に、藤原が笑いながら答案用紙を丸めた。
「センセー、今どきはそれぞれの個性や一芸が注目されんの…ガリ勉だからって、大学に入れるワケじゃないんだよね~!」
薄っぺらい奴ほど個性や一芸などと、努力も何もしていクセに言いたがる、藤原は成績はギリギリだがサッカーの腕前と英語だけはかなりの物だった。
「個性や一芸って言ったが、それだけでみんながみんな入れる所ばかりじゃないだろ、そんな浅い考えじゃ進学なんて無理だな…真面目に授業を受けてない結果がその点数だ、追試を受ける者は放課後残る様にな。」
ピシャンッ!
苛立った担任が、乱暴にドアを閉めて行った。
藤原は仲の良い者達と担任の悪口を言って、その後は他の教師の授業でも、文句を言い難癖をつけた為授業が進まなかった。
放課後になると、宮田はサッサと教室を出て行った。
(ずい分急いでたけど…八つ当たりされない様に帰ったのか?)
帰る生徒や部活に急ぐ生徒でざわつく校舎の出入口に、青ざめた宮田が立っていた。
「あっれ~っ宮田くん、追試じゃなかったんだ?意外に頭良いんだね~。」
藤原の取り巻きをしている女子達に捕まっていた、いつも3人でツルんで藤原に媚びを売り、宮田をからかっていた。
「あ…僕は赤点じゃなかったから…」
カバンを抱え小走りで女子達の横を通り抜け、バス停まで逃げる様に走った。
「あははは…何あれ、めっちゃビビってなかった?」
「アレはビビってたね、ウケる~!」
「でも、ウチら話し掛けてやったのに、あの態度なくない?」
高校生とは思えない派手なメイクの3人は、宮田の態度に笑いながら藤原を待っているのだろう、そしてさっきの宮田の事を藤原に告げ口して煽るのが、見なくても察しがついた。
(アイツら…たち悪いから、宮田も悲惨だな~。)
その次の日の放課後、追試でも赤点だった藤原と数人の生徒が、週末の土曜日に学校で再追試を受ける事になり…更に藤原の機嫌が悪くなった。
「おい藤原、頭悪いのも個性なのか?」
担任の嫌味に何人かの生徒がクスクスと笑い、宮田は下を向いて赤い顔で笑いを堪えていた。
秀行も藤原から顔を背向け、口元を拳で抑えながら肩を揺らしていた。
「チッ!」
眉間にシワを寄せて怒りを露わに、藤原は机を蹴りホームルームも終わらない教室を出た。
いつもの取り巻き女子達も後を追って出て行こうとしていたが、担任は女子達にも嫌味を言った。
「高崎、平井、大石、お前らもその濃い化粧が個性や一芸とか、藤原みたいに言うなよ?」
クラスの女子達がクスクス笑いながら、“キャバなら内定貰えそう…”とか“ヤンキーの嫁が似合う…”等と小バカにする声に宮田が耐え切れず吹き出すと、3人は宮田の背中を睨み出て行った。
ホームルームが終わり、校門の前で待っている勇斗に藤原達の話しを笑いを堪えながら話した。
「ウケるけど、担任がそんな事言っていいのかな?」
「大丈夫だよ、あいつ等は授業の邪魔したり、サボったりして、みんな迷惑してたし担任以外の先生にも何度も注意されてるし…」
勇斗は複雑な顔で秀行に忠告した。
「秀行、あんまりそいつ等と宮田に関わるな…」
「どうした?急に真面目な顔して…」
「いや、藤原はバカだからいいとして…高崎の方がちょっとな、あいつと同中だったんだけど…あいつ中学ん時も似た様な事して、女子1人不登校にしてんだよね。」
秀行の顔から笑みが消えた。
「…マジで?」
「マジだよ、噂だと小遣い稼ぎに危ない出会い系でウリさせてたって、親が呼び出されてたらしいよ…」
中学でそんな事を…とかなり引き気味になった秀行に、勇斗は少し困ったように笑いながら話しを変えた。
「関わらなきゃ大丈夫!それより明日買い物付き合ってよ!」
「あぁ、いいけど何買うの?」
重苦しい事を他愛もない話しで押しのけ、2人はわざとらしいくらいはしゃいで見せた。
翌日は午前中から勇斗に付き合い、本屋やCDショップを回っていたが、昼過ぎに勇斗に掛かってきた電話で解散になった。
「悪いな…まさか母さんに、俺のコレクションがバレるとは…」
この世の終わりか、と言う程勇斗は暗い顔をして頭を抱えた。
「いいけどさ、エロ本見つかったくらいで落ち込むなよ~!」
「なっ!?バカにすんなよ…これから家族会議をされる俺の身になれ!!母さんと婆ちゃんが親父まで呼んで会議されるんだからな…」
ガックリと肩を落とす勇斗に、同情と笑いが止まらなかった。
「ぷふっ、まぁ~頑張れよ…ふふふ…」
「畜生め!!誰かに言ったら、もう口聞いてやらないんだから~!」
「ツンデレか…?」
勇斗が手を振り走って帰る姿に、笑いながら手を振り返した。
(勇斗の家族は面白いな…同情はするが、バレる様な所に隠した自分を恨むんだ。)
1人で帰る途中、何度も思い出し笑っていると、昼飯がまだだった秀行は、コンビニに寄ると挙動不審な女子高生がいた。
(何処の生徒だ?見た事ない制服だけど…)
茶髪の前髪が長くて目元を隠し、冬だと言うのにペラペラのスカートに素脚で少し膝が震えていた。
(…まさか、今どきコンビニで万引きじゃないよな!?そんなの一発で捕まるだろ、せめて俺が出てからにしてくれよ!)
秀行が慌てて菓子パンとコーヒーを買ってコンビニを出ると、その女子高生も買い物を済ませ出て来た。
その女子高生は秀行よりも背が高く、がっしりした肩幅にコーヒーを吹き出しそうになった。
(でけー女だな…確かに俺は低いけど、それでも165cmはあるからな。)
何となく、がに股気味に歩く女子高生が気になったが、万引きじゃなくて良かったと歩くと、前方を歩く女子高生と道がカブったのか、後を追っているみたいになった。
(マジか…こんな昼間から変質者扱いされないよな?お願いだからもう少しで脇道それるから、振り向かないで下さい!!)
表情は平静を保っているが、内心ストーカーもしくは痴漢と誤解されないかヒヤヒヤしていたが、女子高生は振り向かないどころか、秀行の通う高校に向かって歩いていた。
「オェッ、マジかよ~!」
反対側の歩行者が、女子高生の顔を見たらしく嫌なものを見た様に苦笑いをしながらすれ違った。
(失礼かもしれないが…かなりのお顔しているのかな?じゃなきゃあんな反応しないよな…)
秀行が後少し、数歩歩けばいつもの登下校の道に曲がる所で、女子高生が振り向いた。
「エッ!?」
振り向いた顔は、女装した宮田だった。
「岡野くん…」
既に泣き腫らした目をした宮田が、青ざめボロボロと泣き出した。
「宮田くん、どうしてそんな格好してるんだ?…コスプレが趣味なら学校の側はマズ…」
「違う!!あいつ等に脅されて…女装してパシりしろって…うぅ…」
関わらないつもりが、宮田のありえない格好に驚いてしまい、つい声を掛けてしまった。
(正直…関わりたくないが、コレはやり過ぎだろ!?)
どうしてこんな事になったか、宮田に聞いてみると…
「多分…再追試で機嫌が悪かったのと、先生の話しで笑ってたのが原因だと思う。」
「そんな事で!?そしたらクラス全員そうだろ…まったく八つ当たりにしてもたちが悪い。」
ともかく、宮田はこれ以上酷い事になるのはイヤだからと、追試の終わった藤原が待つ教室にコンビニで買った物を届けるからと、コソコソ小走りで立ち去った。
ため息をつき、秀行は散々な土曜日になったと、モヤモヤしながら家に向かっていたがスマホが鳴った。
(勇斗からかな?家族会議が終わって泣き言でも…??)
スマホの画面に、知らない番号から着信が表示されている、出るか出ないか悩んでいると切れた。
また同じ番号からの着信、イヤな予感はしたが出てみると宮田からだった。
イヤな予感が当たった気がした。
「あの、岡野くん…申し訳ないんだけど、学校に…教室に来てくれないかな?」
明らかに藤原達の指し図と分かる、秀行は当然行かない事を告げたが、宮田が中々しつこく粘るのに苛つき強い口調で言った。
「あのさ、まず何で俺の番号知ってるのか気になるんだけど…俺教えてないよね?
それに友達と約束あるから、学校に行くの無理だから…大体理由も言わないで来いって、ちょっとおかしくない?悪いけどそれじゃ!」
何か言っていたが、秀行はイライラしながら家に戻り、誰が番号を教えたのか探した。
(勇斗のワケないから、後は2人くらいだけど…あいつらは宮田の事嫌ってるから、教えないと思うけど…一応確認しとくか?)
勇斗以外の2人に確認したが、どちらも宮田なんかに教えてないと、疑われた事に不満をもらしていた。
「やっぱり違うか…誰だろ?」
宮田は今頃どうなったか、ふと頭をよぎったが秀行は机に向かって勉強に集中して、考えない様にした。
夢中で参考書を見ながら、ノートを文字で埋めていくとスマホが鳴った。
一瞬ドキッとしたが、勇斗の名前が表示され安心して出た。
「もしも~し、秀行聞いてくれよ…」
おそらく家族会議の結果だろうと、秀行は半笑いで返事をした。
「はいはい、コレクションでも処分されたか?」
「そうだけどさぁ~、母さんがめっちゃ怒りながら泣くんだもん、婆ちゃんは変質者扱いするし、1番酷いのは親父だよ!!」
「おじさんがどうしたのさ?」
「リビングのDVDラックの奥に、親父のエロDVD隠してあったのもバレたの…それも俺のせいにしやがってさ、最悪だよ~!」
「マジか!?あはははっ勇斗災難じゃん!」
「笑い事じゃねえからな!俺は当分小遣い無しになったんだから!!」
「でも、なんでおじさんのまでバレたの?」
「それが…親父のエロDVDを見つけた母さんが、俺を疑って部屋を家捜しして…」
「あぁ~、勇斗コレクションが見つかり、お前のだと決めつけられた上に、おじさんが勇斗のだと言った感じか?」
「まったくその通り!!」
「諦めろ…そして後でおじさんに弁償して貰えよ。」
秀行の話しを聞いて、勇斗の声が明るくなった。
「そうだよな!?親父に弁償して貰えばいいか、もしくは小遣いを貰えば…」
「そうだよ、でも暫らくはエロ本は買わない方がいいかもな…ふふふっ」
「笑うなよ、分かったから!それと…今日は悪かったな、付き合ってもらったのに途中で帰る事になって…」
さっきまで忘れていた宮田の事を、急に思い出し胸かモヤモヤして不安になり、つい勇斗に別れた後に起こった話しをした。
「…それヤバくないか?だって藤原の命令で掛けたワケだろ?」
「まぁ多分、宮田が酷い目に合ってるかも知れないけど、俺が行った所でどうにかなるワケじゃないだろ?」
暫らく沈黙が続いたが、勇斗が敢えて最悪な事を告げた。
「…もし、月曜日に宮田が学校に来なかったら、お前気を付けた方がいいぞ!確実に宮田はパシリの最中にお前に会った事を藤原達に言ったから、電話が掛かってきたんだし、お前は呼び出しに応じ無かったんだから…宮田が来たとしても、注意した方がいいな。」
秀行は今更ながら、宮田と話しをした事を後悔した。
運動が苦手な秀行は、ヒョロっとしていて喧嘩などした事もなければ、乱暴な事は一切しない草食男子で、一方宮田は、ケガをして辞めたとは言え柔道をしていたのに、今では藤原達の言いなり…
「分かった…気を付けるよ…」
電話を切った後、勉強をする気になれなくなり、不安で親のいるリビングでテレビを眺めていた。
今まで学校に行きたくない、なんて思った事が無かった秀行が、初めて学校に行く事が嫌で仕方なかた。
(雨の日とか、雪の日だって面倒くさいとは思ったけど…今日は本当に行きたくない…)
ダラダラとしている秀行に、母親は早くしなさいと怒り家から送り出した。
「ハァ~…あの時宮田に会わなければなぁ…」
秀行の家は学校から然程離れていない為、ゆっくり歩いても20分くらいで着いてしまう、その間何度もため息をついていたが、他の生徒に紛れながら教室に向かった。
教室には宮田がいたが、秀行は話し掛ける事なくカバンを置くと勇斗のクラスに行き、勇斗を探した。
「勇斗?来てるみたいだけど、トイレでも行ったのかな…教室にはいないよ。」
秀行はしぶしぶ自分のクラスに戻り、今日をなんとか乗り切る事を考えていた。
不安とは裏腹に、自分どころか宮田も何事もなく放課後になった。
(なんだよ…勇斗が脅すからビビって構えてたけど、逆に平和過ぎて肩の力が抜けちゃったよ~。)
いそいそと、勇斗と一緒に帰ろうと教室を出た所で高崎達に捕まった。
「岡野く~ん、ちょっと付き合ってよ!」
秀行の両腕に平井と大石が腕をガッチリ絡ませ、高崎が歩く後ろを引っ張られながら付いて行った。
「ちょっと!俺友達待たせてるんだけど…」
振り向く高崎が、ニヤニヤしながら秀行の話しをムシして、ジロジロ見て話した。
「岡野くんてさ、ウチらと身長変わんないよね~。」
平井や大石も、クスクス笑いながら話して来た。
「それにウチらよりウエスト細くな~い?」
「そ~!?色も白いし、なんか女子っぽくない?」
イヤな予感しかしない、秀行は乱暴な事はしたくないが、絡んでいる2人から逃げる為に腕を引っ張り離そうとしたが、後ろにいた人物に気付かずぶつかった。
「すいません!急いでて…」
「遅い!宮田行くよ!!」
秀行は謝った相手が宮田と分かると、もう逃げられないと悟り、素直に付いて行った。
両腕に女子2人、後ろに宮田、そして前方の高崎と不自然な組み合わせで、今は廃部になっている水泳部の部室に連れ込まれた。
「遅いよ~香奈実!」
パイプ椅子にドカッと座ってタバコをふかす藤原に、高崎が擦り寄りイチャ突き出した。
「ちょっと!イチャイチャしないで、コイツ着替えさせるの?」
「ウチらも暇じゃないんだから!」
ぶーぶー文句を言う2人に、秀行は驚いた。
(着替えって!?まさか宮田みたいに女装!!)
秀行が勢い良く宮田を振り向くと、宮田は秀行を睨んでいた。
秀行が応じ無かった電話のせいで、宮田がどんな目にあったのか分からないが、宮田の目が怒りに満ちているのは確かだった。
秀行は何も言えなかった、宮田を見捨てた事でこうなったんだと、自分の事しか考え無かった事を恨むしかなかった。
「それじゃ、今から岡野くん改装計画をしま~す。」
高崎がニヤニヤしながら秀行のボタンを外すと、秀行が嫌がり体を反らすと、藤原はアゴで宮田に秀行を抑えさせた。
「宮田くん離してくれ、こんな事君だってしたく無いだろ!?」
宮田は冷たい目で秀行を見下ろし、口元だけで笑った。
「…いや、僕はしたいと思って手伝っているよ。」
両腕を痛いくらいに掴む宮田に、秀行は何も言えなかった。
「良し!大人しくなった処で、香奈実何を着せるんだ?」
藤原は相変わらず、椅子に座ってスマホをイジっている、高崎達は某量販店の袋からゴソゴソと薄っぺらい服を出して笑っいながら、どれにするか選んでいた。
「色白いから、ミニのチャイナ服は?」
「あははは!キワドッ、ナース服もあるよ~」
「やっぱ、これでしょ!!」
高崎が黒いセーラー服を持ち、秀行に当てて似合う似合うと大爆笑すると、秀行の服を脱がしトランクス1枚にしてまた笑った。
「ひゃ~ガリガリじゃん!!」
「これならイケるよ、宮田は酷かったけどね~」
高崎達にセーラー服を着せられ、宮田もかぶったカツラを付けられた、悪ノリした平井がメイクしてあげると、顔に化粧品を塗りたくられ気分が悪くなった。
「ねぇ、ねぇ、拓海見てよ!ウチら凄くない?」
「マジ、プロっぽいよ!女子にしか見えないって!!」
スマホから視線をずらし、秀行を見て藤原が驚いた。
「うぉ、マジ女に見えるわ…でもスカートからトランクスはみ出てるのが萎える…」
藤原の言葉に高崎達が笑い、4人は秀行の女装した姿をスマホで撮りだした。
「止めろ!撮るな!!」
暴れようにも体のガッチリした宮田に抑えられ、抵抗虚しく恥ずかしい姿を盾に、藤原達に逆らえなくなった。
「コレ、バラ撒かれたくないよな?これからは宮田と同じく俺らのパシリだから、逆らったらみんなのスマホに送信しちゃうかもな!」
ガックリと下を向く秀行に、高崎達はヒソヒソと何かを藤原に話していた。
「流石にそれはエグいだろ…」
得意気に笑っていた藤原が渋い顔をして、秀行をチラッと見て呆れた様に高崎達に帰れと言った。
「エェッ何で~?意外にイケると思ったのに…」
「宮田だけじゃ、お金になんないじゃん?」
(金?もしかして宮田、金も巻き上げられて…)
宮田を見上げると、少し赤い顔をした宮田が顔を背けた。
(バレたくないよな、カツアゲされてたなんて…)
高崎達があまりにもうるさく騒ぐので、藤原が苛つきパイプ椅子を蹴り上げると3人は黙って出て行った。
「チッ、宮田そのまま抑えとけ!」
ゴスッ!ゴッ!
藤原は怒りのまま秀行の腹を殴り、憂さばらしをして出て行った。
「ゴホッ!オェッ…」
咳き込みながら吐き気に耐える秀行の両腕を、宮田が離すとコンクリートの冷たい床にへたり込む秀行に脱がされた制服を渡した。
「僕はいつも殴られてた…でも誰も助けてくれなかったよ、先生にも言ったけど無意味だった。」
「ごめん、あの時俺も助けなかったから…」
「別にいいよ…早く着替えて帰った方がいいよ、藤原の奴カバン忘れてるから取りに戻ってくるかもしれない…」
そう言って宮田は出て行くと、秀行は泣きながら着替え顔を洗って、走って帰った。
家に着くと、自分の部屋で声を殺して泣いた。
どれくらい時間が経ったのか、母親が夕飯を食べない秀行に早く食べよう声を掛けたが、腫れぼたい目をした秀行の顔色が悪い事に驚き、具合いが悪いと勘違いして、布団に寝かせお粥を用意してくれた。
母親の優しさに泣きそうになりながら、お粥を少し食べ横になった。
眠れずに色々考えていると夜中にまた泣いた。
朝になり母親が様子を見にきたが顔色が悪く、生気のない目の秀行に休む様に言った。
「お母さん、学校に電話しとくから今日は寝てなさい、パートなるべく早く上がって来るから!」
両親が出掛けた後、殴られてた所を見るとアザが出来ていた。
布団にもぐり、天井を眺めているとスマホが鳴った。
ビクンッ!と体が反応して、恐る恐るスマホを見ると勇斗からの着信だった。
「秀行~体調悪いのか?大丈夫かぁ?」
少し間の抜けた喋り方に、力が抜けたが病欠の理由をどうするか考えながら話した。
「うん、大した事ないけど…腹が痛くて、顔色も悪かったらしく母さんが休む様にって…」
「そうか、それならいいけどさ…藤原達に何かされたかと思ったから…」
心臓がドキッとしたが、秀行は深呼吸をして落ち着かせてから答えた。
「それは大丈夫だったけど、宮田に睨まれたくらいかな…」
「う~ん、それは…宮田には悪いがほっとくしかないよ、関わらないのがいい!」
ズキンと胸が痛んだ、もし自分もイジメられる側になった、なんて言ったら勇斗はどうするか…考えただけで泣きそうになった。
「そうするよ…心配してくれてありがとう、明日は学校に行けると思うから…」
「おぅ、それじゃ明日な!」
電話を切った後、胸が苦しくなった。
誰にも言えない、言った処でどうにもならない…それどころかアレがバラ撒かれたらと考えただけで、秀行は精神が削られる様だった。
翌朝、まだ顔色が悪いままの秀行を心配する母親に、もう大丈夫だからと、作り笑顔で家を出た。
重い足取りで学校に向かうが、近くにつれ…今すぐ家に帰りたくなった。
「秀行~おはよう!」
明るく勇斗が声を掛け、後ろから走って来た。
「おはよう、朝から元気だな~」
「ん?秀行まだ顔色が悪いみたいだけど、本当に大丈夫か!?」
心配してくれる気持ちは嬉しかったが、勇斗まで巻き込んでしまったらと、その日から少しづつ距離を置き出した。
「おはよう~岡野くん、明日って暇かな?」
高崎が話し掛けてきた、断れない事を分かりながらワザとらしく聞いてくる辺り、綺麗な顔なのに性格の悪さが滲み出て醜悪に見えてくる。
「…予定はないけど…」
「そう、ただ聞いただけ~!」
ケタケタ笑いながら、女子3人でツルんで何か話しているが、秀行は親と勇斗に迷惑をかけない事と、進学の事を考え嫌な事を忘れたかった。
(もう少しで3年だし、春休みになればあいつ等に合わないですむ…)
秀行のひと欠片の希望も、春休み前に打ち砕かれる事になった。
3年になる時はクラス替えが無い、それは分かっていたが藤原達の小遣い稼ぎに秀行が使われた。
いつも溜まり場にしている部室で、飽きもせず高崎達は秀行に女装をさせ写メを撮り、藤原は宮田を殴っていた。
「宮田~、何回言えば分かんだよ!俺はコーヒー買って来いって言ったの、なんで炭酸入りのコーヒーってバカじゃね?」
どうやら宮田は、買って来る物を間違えてサンドバッグ並みに腹ばかり殴られていた。
「ごめん、ゴホッ…ペットボトルのコーヒーが売り切れててそれしか無かったから…」
「コンビニまで行けよ!購買の自販機はいつも売り切れが多いんだからさ~」
「ゴホッゴホッ…1分で往復はムリだ…!?」
ドゴッ!宮田の腹を蹴り上げた。
よつん這いで腹を抑え、咽ながら震える宮田に藤原は背中を踏みつけた。
「な~んか、つまんねぇな~!」
秀行の写メを撮り終わり、高崎が藤原に耳打ちした。
「またそんな事言ってんのかよ~…」
「だから、サイトで探して…」
所々聞こえてきたが、多分ロクでもない話しだろうと秀行も宮田も、とにかく藤原の機嫌が悪くならない様にと祈るばかりだったが、暫らくして藤原が機嫌を直し高崎を褒めた。
「香奈実!お前凄いな、それなら今から探すか!?」
藤原と高崎がニヤニヤしながら、平井と大石に合図をすると、キャッキャッとはしゃいでいた。
「それじゃ、ひでゆきだから…ひでこ?」
「可愛くない…ゆきこの方がよくない?」
高崎が2人のセンスの無さに笑い、
「せめて雪乃とか雪音くらいにしないと、冴えない名前だとね~」
秀行は未だ咳き込む宮田の背中を擦りながら、何の話しをしているのかと、気に留めていなかった。
藤原がタバコをふかし、3人はスマホをいじりクスクス笑いながら、時々藤原にスマホの画面を見せていた。
「おっ!いいんじゃね!?」
「それじゃ、雪乃ちゃんを可愛くしないとね!」
いつもの量販店の袋からセーラー服を出し、ご丁寧にハイソックスと女性用の下着まで秀行に渡し、着替える様命令した。断れば…と高崎は女装した秀行の写メを見せた。
仕方なくカーテンの影で着替えたが、下着だけは抵抗がありモジモジしていると、藤原が早くしろ!と宮田をボコボコ蹴りつけ、宮田が嗚咽をあげた。
窮屈な下着を履き、しぶしぶカーテンから出るとスカートを捲り確認した。
「確認とは言え…あんまり気分良くない…」
藤原は複雑な顔をしたが、高崎達がいいから、いいから、と秀行を両サイドから腕を絡ませ女子3人に連れて行かれた。
「良かったな宮田、お前は厳つくてある意味助かった感じ?サンドバッグくらいですんで…岡野は男として最悪だよ~自殺しちゃうかもね?」
うずくまりながら藤原を見上げて聞いた。
「…どういう意味ですか?」
「女って、金が絡むと怖いもの知らずだよな~…岡野は今からおじさん達相手に売られて行きました。そして香奈実達は金を受け取ったら…岡野を残しドロンして俺と遊びに行きます!」
体の痛みで思う様に動けない宮田に、笑いながら捨てゼリフを言った。
「大体、お前が岡野を巻き込んだんだろ?帰って来たら頭の良い人同士慰めてやれば?そんじゃまた来週~!」
いそいそと藤原は出て行くと、宮田は震えながら涙を流し自分の太ももを何度も殴った。
高崎達は、駅前でサイトで見つけた中年男性達を待っていた。
「遅くねぇ?」
「待ち合わせ何時よ?」
ブツブツ文句を言っていると、4人の男達が声を掛けて来た。
「えっと、雪乃ちゃんとその友達かな?」
高崎達がにっこり笑いながら、可愛らしく媚びて返事をしていた。
「はぁい、私達雪乃ちゃんの友達で~す。」
秀行が着いて行けずオロオロとしていると、平井や大石が黙っていろ!と秀行を蹴った。
「みんなオールでいいのかな?違うのかな?」
「雪乃ちゃんはOKだけど、私達はカラオケまでかな~ごめんね!」
高崎が可愛らしくウインクして小首をかしげる、あざといがおじさん達は鼻の下を伸ばしていた。
「大丈夫だよ!これはおじさん達からお小遣いね。」
高崎が亀井と名乗る男から封筒を受け取ると、カラオケ店に連れていかれ歌など歌わずに色々話しをしていた。
「雪乃ちゃん大人しいね?」
「その子、人見知りなんですよ~」
「それなのに1人でオールって…」
「あははは、ソッチは大好きだから欲張りなんですよ~」
高崎達の話しで興奮気味の男達は、秀行をジロジロと頭からつま先まで舐め回す様に見ていた。
居心地の悪さに立とうとすると、隣の平井が腕を引っ張り阻止した。
「おじさん達頑張らないと、雪乃ちゃんに負けちゃうかな?」
笑いながら酒を飲み、1時間もすると高崎のスマホが鳴り、藤原からなのかニコニコしながら男達に帰ると告げた。
「ごめんね~親から帰って来いってラインきちゃった~!」
「そうなんだ、おじさん達残念だなァ~!」
「そんな事言って~本当は早く雪乃ちゃんと遊びたいんでしょ?たっぷり遊んであげてね~!!」
3人は秀行を残し、手を振って帰って行った。
ギラつく目をした男達は、秀行を囲み酒をムリヤリ飲ませると、カラオケ店を後にした。
秀行は酒のせいでフラつき、男達に支えられながら歩いていたが、何処に向かっているか分からず、気が付いた時はホテルの1室だった。
理解した処で、逃げ場が無かったが…
「帰して下さい!俺、本当は男なんです!!」
秀行が殴られるのを覚悟で言ったが、男達は何をいまさら…と笑った。
「知ってるよ、だって雪乃ちゃん男の娘なんでしょ?」
「そうだよ、ラインでお小遣いくれたら、オールでおじさん達の相手するって、雪乃ちゃんが言ったんだよ?」
男の娘?何を言っているんだ?不思議そうな顔で男達を見ていた。
「それに…複数プレイとハードプレイをして♡ってお願いされたから、色々用意したよ…ほら!」
青ざめて床にへたり込み、涙を流しながら家に帰して…と何度もつぶやいていたが、秀行は容赦なく男達の欲望を受け、最後には壊れた人形の様に何度もケイレンをして気を失った。
しかし男達はそれでもなお、秀行をオモチャにして一晩中愉しむと、秀行にタクシー代と1万円札を渡しホテルを後にした。
ヨレヨレのセーラー服姿で藤原達の溜まり場に秀行が現れた、誰もいない部室に秀行の制服が置いてあった。
カツラを投げ捨てセーラー服を脱ぐと、体中余す事なく男達が付けたアザが痛々しかった。
「うっ、うぅ~っ…」
裸で自分の制服を抱え泣き出した。
ガチャッ!部室のドアが勢い良く開くと、宮田が入って来た。
「岡野くん!?」
泣きながらビクビクしている秀行に、宮田が手を伸ばすが、後退り怯えていた。
秀行の体には、縛られた跡やミミズ腫れとあちこちに赤黒い跡が付いて、どんな目にあったのか想像もつかなかった。
「大丈夫…大丈夫…俺は…大丈夫…」
宮田は部室を飛び出した。
(…今は、1人がいいんだ…悪いな宮田…)
しかし宮田が戻って来た。
「ごめん、こんな事しか出来ないけど…」
新しいタオルとバケツにお湯を入れて持って来た、バケツにタオルを入れ絞り、少しビクつく秀行をなだめながら体を拭いた。
「……」
2人共無言のまま、秀行が落ち着くまで部室の隅に座っていたが、秀行がフラつきながら立って宮田にお礼を言った。
「ありがとう…」
「いや、気にしないでいいよ…」
部室を出ると、グランドから野球部のランニングの掛け声がした。
「日曜なのに…怠くないのかな?」
秀行が、少しづつ調子を戻そうと話し掛けていた。
「そうだね、僕も元柔道部だったから朝練はキツかったよ…」
ぽつぽつと、あまり続かない会話をしながら途中まで宮田が送ってくれた。
「ここでいいよ…」
「うん、また明日…」
「宮田くん…昨夜は宮田くんの家に遊びに行って、そのまま泊まった事にしてくれないかな?連絡無しで外泊したから…」
「うん、いいよ!そのくらい気にしないで言ってよ」
そして、家に着くと…母親は怒りながら心配をした。
「ごめんね!連絡入れようと思ったんだけど…うっかり宮田くんとゲームに夢中になっちゃって、本当ごめんなさい!!」
「もう、次無断外泊したら外出禁止にするからね!?」
怒る母親をなだめながら、父親が秀行に優しく注意した。
「母さん落ち着いて、秀行もワザとじゃないみたいだし、だが秀行はキチンと連絡してから、遊び行くなり、友達の家に泊まるなりしなさい。」
「うん…次から気を付けます!」
謝ると、父親は母親の後ろで“早く部屋に行け!”とジェスチャーをして、母親にお茶を勧めていた。
(父さんありがとう…)
部屋に戻ると作り笑顔が能面の様になり、肩を抱いて部屋の隅で壁に寄りかかりながら、死んでしまいたいと涙を流した。
それでも無情にも月曜の朝になる、作り笑顔で家を出て行き、歩きながら自分の存在を消したくて仕方なかった。
学校に着き、教室に入ると藤原と高崎の2人がニヤニヤして秀行の耳元で、また小遣い稼ぎよろしく~と秀行の心を抉った。
週末になると小遣い稼ぎをさせられ、秀行は段々と表情が無くなり、様子がおかしい事が周りにも分かった。
藤原達もこれ以上はマズいか?と思ったが、かなりの金額を運ぶ秀行を手放すのも…そうした中、秀行が進路の相談を担任にしている話しを、高崎が聞きつけ怒り狂った。
秀行の目指す大学の推薦を推す担任と、推薦枠が1つしかない事、運悪く高崎もその大学に受験を希望していた。
女の嫉妬は残酷な事を平然とこなす…
「ねぇ拓海~、そろそろパシリで遊ぶのも、小遣い稼ぎもヤバいから~次で最後にしない?」
「そうだな、受験も控えてるし…岡野に至っては、ヘンな病気移ってそうだしな!」
「だから~岡野と宮田セットで売る?」
「宮田も!?」
オェッ、と舌を出して吐きそうな顔をした。
「なんか~いつもの常連?…ソイツにセットで売って倍額貰える様に聞いたらOKしてた!」
「いいんじゃね?」
夏休みに入るまでは、ただのパシリとサンドバッグだったが夏休みが入ってすぐ、藤原達から3日間予定を空けておけと命令された。
秀行は大事な時期だか、仕方なく予定を空けた。
「そうなんだ、友達と勉強会をしようって事になって…3日間なんだけどダメかな?お互いの苦手な科目を教えあおうって事なんだ、絶対サボらないから…」
頭を下げお願いポーズをする、母親は疑う様な目をしていたが、普段わがままを言わない秀行のお願いに負けて了承した。
「約束して、休憩はしなさい…あまりお菓子ばかりたべない、お友達のご家族に迷惑かけない、そして何かあったらすぐ連絡しなさい…分かった?」
「ありがとう!」
秀行は喜ぶフリをしながら、心では泣き叫んでいた。
(母さんごめんね…でも受験は本当に頑張るから!)
夏休みに入って1週間が過ぎた日、秀行と宮田は2人で駅前に立っていた。
「宮田くん、外泊許可貰えたんだ…」
「うん、友達と勉強会って言ったらすぐ…岡野くんも?」
「うん…本当は行きたくも無いんだけどね…」
駅のロータリーに白い乗用車が入って来て、2人の前に停まった。
窓か下がると、高崎がいつもの倍派手なメイクで笑いながら手を振った。
「お待たせ~後ろにサッサと乗って!」
言われるがまま後部座席に乗ると、運転しているのが藤原だった。
驚く2人に、サングラスをずらしドヤ顔をした。
「夏休み前に免許取ったんだ~岡野のおかげでな!」
前にいる2人はゲラゲラ笑い、後ろの2人はこの世の終わりの様に沈んでいた。
車を走らせながらもイチャつく2人に、無言で窓の外を眺めどんどん顔色が悪くなっていった。
1時間以上走らせると、寂れたキャンプ場らしき場所についた。
バンガロータイプだが、そのバンガローもあまり無い所で、何か出そうな雰囲気の人気がなさそうな場所に、2人はすぐにでも帰りたかった。
「やっと着いた!香奈実~後ヨロ。」
「はいはぁい!」
車から降りスマホで電話をしていると、バンガローから見た事のある中年男性に秀行は震えた。
高崎が厚みのある封筒を受け取り戻って来ると、秀行と宮田を下ろし自分が乗ると、窓から投げキッスをして走り去った。
「ねぇ岡野くん、あの人知ってる?」
無言で固まる秀行に、亀井はにこやかに笑いゆっくり近づいた。
「やぁ、雪乃ちゃんにお友達の…誰くんかな?」
「あっ、宮田です。」
「宮田くんか、それじゃ付いておいで。」
ジャリジャリと歩く音さえ、不安を煽っている様に聞こえてきた。
「さぁ入って、中はクーラーが効いてるから涼しいよ。」
中に入ると普通の部屋だった。
木製のテーブルと椅子に木製のベッド、荷物置きの棚があり、奥にあるドアはトイレや風呂だろうと想像がつくシンプルなバンガローだった。
「あの…僕達は、ここで何をするんですか?」
亀井の優しそうな感じと物腰の柔らかい話し方に、宮田は安心したのか話し掛けた。
その横に立つ秀行は、心臓の鼓動が周りに聞こえそうな程、激しく脈打っていた。
「香奈実ちゃんに聞いてない?」
「はい、ただ3日間予定を空けろとしか…」
「3日間?1週間って言ったはずだけど?…確認してみるか。」
嫌な想像ばかりが、秀行の中に溢れ出し吐き気さえして来た。
「まぁいいか、君達にはパーティーのお客さんをもてなす手伝いを頼みたいんだ~、まだお昼だから時間まで休んでていいよ。」
亀井が出て行くと、宮田は秀行に聞いた。
「岡野くんは1週間って聞いてた?」
「…3日間って、取り敢えず何か言い訳考えて親に連絡しないと!」
母親とした約束を守れなくても、せめて心配だけは…と慌てて親に連絡をしていた。
「宮田くん、どうだった?」
「めっちゃ嘘つき呼ばわりされた、でもちゃんと勉強するならって、最後は許してくれた。」
「俺も同じ…一応連絡して来たから今回だけって、念を押されたけどね…」
少し落ち着ついた、秀行にすれば宮田がいる事に安堵と不安が混じり複雑だが、1人で怯えるより話し相手がいる事に気持ちが緩んだ。
ジャリジャリ…足音が響き亀井が戻って来た。
「いや~、香奈実ちゃんが謝ってたよ!予定勘違いしてたって、君達は大丈夫かな?」
「はい、さっき親に連絡して1週間になったって伝えました。」
バカ正直な宮田が答えたると、うんうんと頷き。
「そうだね、心配かけちゃうからね…」
亀井は何も喋らない秀行に、にっこり笑い紙袋をムリヤリ渡した。
「雪乃ちゃんはコレに着替えて、宮田くんはそのままでいいから、準備出来た頃に迎えにくるから。」
亀井が出て行く。
「岡野くん、さっきから雪乃ちゃんって呼ばれてるけど…あの人って…」
「…ホモの変態親父だよ!」
秀行の言葉に、秀行以上に青ざめた。
無言で奥のトイレで着替える秀行は、もう諦めて何も考えない事にした。
暫らくしてドアから出て来た秀行は、クラスの女子より可憐で可愛らしかった。
胸元が開いたミニのメイド服に、黒髪のツインテールのカツラ、薄く化粧もしていた。
宮田はその姿に見惚れ、何も言えずボーッと見ていると、秀行が不機嫌そうに聞いた。
「どっかヘン?…まぁ女装の時点でヘンだよな?」
「…いや!ヘンじゃないよ、ヘンじゃないのがヘンって言うか…」
「何言ってんの?ヘンじゃないならいいけどさ…」
お互いおかしな会話に、一瞬笑うが亀井が入って来てすぐ笑顔が消えた。
「それじゃ行こうか、隣の少し大きめの部屋だからすぐだよ。」
秀行は宮田の影に隠れる様に、付いて行くと部屋の中は薄暗く、部屋の手前にあるテーブルに何人かの人影がいるがはっきり見えなかった。
ガチャンッ!鍵を掛ける音に怯え、宮田の腕にしがみついた。
「さぁ、パーティーを始めようか!?」
亀井が声を上げると、一気に部屋のライトが付き一瞬目が眩むが、秀行と宮田は目を見開いて言葉を失った。
部屋の奥は、パーティーとは逆の拷問器具の様な物が並び、シルバーのワゴンには卑猥な道具がギッシリ並んでいた。
固まる2人を囲み、10人近い男達は宮田を椅子に拘束すると、秀行を宮田から見やすい位置で散々弄り回した。
「や…もう、やめ…」
息も絶えだえの秀行を、宮田はただ見ているだけしか無かった。
その後も男達に嬲られ、着ていた服は布きれになり、カツラも外れた秀行をこれ見よがしに犯した。
一晩中行われた、パーティーと言う名の淫らな行為に秀行は気を失しない、宮田は拘束された手首から血が滲んでいた。
「愉しかったよ、また今夜も来るからね。」
「雪乃ちゃんによろしく~!」
男達はニヤニヤと笑いながら出て行った。
「さて、宮田くんには雪乃をキレイしてから休ませてもらうかな…特等席で愉しんだみたいだし。」
かすかに膨らむズボンを見て、意地悪く鼻で笑った。
拘束を解かれ、殴り掛かろうとしたが、長時間の拘束で手足が痺れ立ち上がるのがやっとだった。
なんとか痺れが取れると、ぐったりした秀行を支えながらバスルームでシャワーを浴びるのを待ち、出て来た秀行に怒った様子で聞いた。
「もしかして、いつもあんな事させられてたの!?」
「……たまに…」
いつも大人しい宮田が、テーブルを壊す勢いで叩いた。
「ふざけんな!!」
「…ごめん、俺が早く言って置けば…」
情けない気持ちで下を向く秀行に、宮田は慌てた。
「違う!岡野くんじゃなくてアイツらに怒ったんだ。」
フラつきながらベッドに潜る秀行に、備え付けの冷蔵庫から食べ物を出すが、いらない…と断られ宮田も少しだけ食べて秀行の隣のベッドに入った。
2人共いつの間にか寝息を立てていた。
夕方に目が覚めると、ベッドの足元に紙袋が置かれていた。
宮田の足元にもあり2人で覗くと、秀行には女物の浴衣で、宮田には男物の浴衣だった。
「…俺、浴衣なんか着たことない…」
「僕もだよ…どうしようか?」
2人が浴衣を広げて悩んでいると、亀井が来てワザとらしく驚いた。
「あれ!まだ着替えて無いの!?」
「…着方分からなくて…」
「仕方ない、着せてあげるから急いで!」
亀井は2人に浴衣を着付けると、下着は脱ぐ様に言ってまた隣の部屋に移動したが、2人の足取りは重くのろのろと歩いていた。
部屋の中は昨日と同じで、震える秀行を天井から垂れ下がる縄で縛り、宮田はまた椅子に拘束された。
「今夜は和風に、縛りと張り型で愉しみましょうか!」
亀井の声に客達が秀行に群がり、また淫らな行為が一晩中行われ、秀行が気を失っても朝まで続いた。
客が帰ると、宮田が秀行を介抱し、風呂に入れ眠る、それが続いた。
5日目、客が半分に減り秀行は少しホッとしたが、亀井はとんでもない事を言って客を沸かせた。
「今日でパーティーはお開きですが、飽きて来たお客さんにサプライズです。今日は雪乃の親友が最後に雪乃を壊れるまで犯します。」
「!?」
2人は驚き、お互いを見て固まった。
ペラペラのセーラー服の秀行は、宮田に見せつけられながら何度も犯され、宮田は拘束されていたがムリヤリ何かを飲まされた。
「雪乃、今お友達にたっぷり精力剤あげたから、いっぱい焦らしてあげようね。」
拘束されてた宮田のズボンは、はち切れそうに膨らみ男達を盛り上げた。
「彼は中々のモノだね、あれはかなり大きいから本当壊れるかもね。」
「ふふっ、それもいいね~」
秀行を嬲りながら、散々犯すが宮田が暴れ出すと…
「そろそろ限界が来たかな?」
「それじゃ、雪乃ちゃんのレイプショーの撮影会でもしますか!」
秀行は必死に体を捩り、カメラから逃れようとしたが逆にキツくくい込み身動きが出来なくなった。
その秀行に、精力剤のせいで目が血走った宮田が服を脱ぐのも面倒なのか引き千切り、秀行の中に荒々しく
巨大に膨れたモノをねじ込んだ。
「ヒギィッ!!」
短い悲鳴を上げ、体を震わせながら涙が溢れた。
グボッグボッ…激しく動くたび、大きな音が響くと男達は一斉に声を上げ喜び、獣の様に犯す宮田と涙を流し悲鳴を上げる秀行を、余す所無くカメラに収めた。
「いいぞ!もっと奥まで抉ってやれ!!」
「いや、後ろから突きまくれ!」
男達の野次に、宮田は反応して言われるがまま秀行を犯しまくり、出しても出しても収まらない。
秀行は声も出せなくなりぐったりするが、まだまだ興奮している男達は秀行に媚薬を飲ませた。
薬が効き始め、秀行のモノも反応し出した。
「雪乃ちゃんの可愛らしいのが、ぴくんぴくん跳ねて堪らないね。」
男達の言葉は、薬の効きが強くてそれどころじゃなかった。
散々犯されても、感じる事がなかった秀行が感じ始め、宮田に突かれるたび声を上げていた。
「…また、イク…出ちゃ…出…!」
体を仰け反らせ体液を飛ばした。
それでも宮田激しく抉られ、突かれまくると、声を出してねだった。
「やめ、や…止めないで、もっともっとかき回して!?」
涙とよだれを垂らし、虚ろな目でもっと犯される事を望むと、男達も堪らず宮田に突かれ喜ぶ秀行の、乳首に吸い付き、秀行のモノを擦りだした。
「アッ、アッ、アヒッ!」
部屋の中は、獣の様に秀行を貪る行為が朝まで続くと、男達は最後に秀行の顔に体液をぶち撒け、満足そうに帰って行ったが、宮田は未だ止まらなかった。
「おい、そろそろ離せ!本当に友達をヤリ殺す気か!?」
亀井が宮田を引き離すと、秀行の太ももに大量の体液がつたって流れてきた。
秀行は既に気を失っていて、宮田はかろうじて意識はあるものの、フラフラで役に立ちそうもない。
「パーティーを昨日迄にして正解だったね、今日からは私1人で残り2日間を愉しむとするか!」
宮田に犬用の首輪を付け、外れない様に南京錠まで付けてクサリで柱に繋ぐと、秀行を抱えてバスルームに入って行った。
複数人を相手するより亀井1人ならと思うが、そうでもなかった。
鼻歌まじりで服を脱ぎ捨て、秀行をバスルームに転がすといそいそと何かを用意していた。
まだ体が思う様に動かない秀行に、冷たいシャワーで汚れを丁寧に流した後、口をゴム製の物で塞ぎ、後ろに腕を拘束してよつん這いにさせた。
「さぁて、雪乃…中もキレイにしましょうね~」
秀行の後ろで、ズズッズズーッ…聞いた事のない音がして怖くなった。
「雪乃、そんなにお尻を震わせて…大丈夫だよ、今お腹いっぱいにしてあげるよ。」
クプンッ、細く硬い物が入った。
ガラス製のカンチョウ器を、亀井が楽しそうにゆっくり押し出し、冷たい液が流れ込んできた。
「ぐっ!ぅぐぐ…」
「慌てないでいいよ、1リットルあるからゆっくり入れてあげる。」
1リットルの半分程度入った辺りで、秀行は腹が膨れ圧迫されて、吐き気を催した。
「オェッ、オェッ…ゴホッ!」
「もうお腹いっぱいかな?」
亀井がスポンと抜くと、ヒクつく穴から液が漏れ出した。
「ダメダメ、我慢しないと中がキレイにならないよ。」
そんな事をいいながらも、厭らしくニヤつきもだえ苦しむ秀行の姿に興奮した。
「仕方ないから…栓をしようね。」
亀井が手にしたモノは、6個のピンポン玉がくっついた様な形だが、尖端から根元に向かって少しづつ大きくなっていた。
ジュプッ、ジュプッ、ジュプッ…ゴプッ!
「キヒッ!!」
「最後のは、ちょっと大き過ぎたかな?でも大丈夫だよ、スイッチ入れたらきっと気に入るから…」
カチカチ…小さな音がした後、ヴィ~~ンッヴィ~~ンッ…秀行の腹から重低音が響いた。
秀行は白目を向き、尻だけが震えていた。
「凄いだろ?激しく振動しながら回転して、きっと中をキレイにしてくれるから、そのまま愉しんでなさい。」
亀井はガウンを羽織り柱の前に来ると、抜け殻の様にボーッと動かない宮田の頬を殴った。
「目は覚めたかな?」
優しい口調が返って恐かったが、宮田が頷いた。
「おじさんね、愉しむ為にお金払ってるんだよ、だから分かるだろ?ちゃんと愉しませないと帰れないよ。
」
涙目で震えながら必死に宮田が頷くと、良い子だと頭を撫でて、菓子パンと飲み物を床に置いた。
「食べたらお手伝いを頼むよ。」
震える手で食事を取る姿を見てニヤつき、ゆっくりとバスルームに戻った。
バスルームでは、秀行が脂汗を滲ませ藻搔いていた。
「そろそろ頃合いかな?」
秀行の腹を擦り、突然グッ!と押した。
「オゴッ!?…オェッ…」
震える尻を撫で栓を一気に抜くと…噴水の様に液が吹き出した。
「思ったよりキレイだったね、シャワーを浴びてでようね。」
秀行と床をキレイにすると、またカンチョウ器を挿し液体を注入するが、今度は媚薬入りのローションを注入して栓をしてバスルームを出た。
宮田の前に降ろすと、亀井は秀行の口の拘束具を外し自分のモノを秀行の口に突っ込んだ。
「くうっ、歯を立てるとお仕置きだからね…宮田くんお手伝い出来るよね?雪乃のお尻の栓なんだけど、スイッチを入れたら…激しく出し入れしなさい。」
震える手でスイッチを入れると、秀行の尻が左右に揺れた。
「おぉ…雪乃、もっと強く吸うんだ!」
宮田は揺れる尻を抑え、栓の端を掴むと激しく出し入れをした。
「クフッ…クゥ…」
「雪乃も気持ちが良いらしい、遠慮なくやってくれ!」
残りの2日間は亀井と宮田に犯され続け、ありとあらゆる道具で責められて、秀行と宮田は欲望に呑まれた。
2人は駅前で車から降りると、無言で別れ家に帰って行った。
その後、藤原達は夏休みにハメを外し過ぎて、学校の許可無く免許を取り、乗り回していたのがバレ4人で連帯責任と、残りの夏休みは学校での補習になった。
秀行はたまに体が激しく疼き、親のいない昼間に宮田を呼び出し、夏休み中2人は時間さえあれば激しく求めた。
2学期になり、成績の落ちた2人を担任が心配したが、中間テストにはもち直した、学校が始まり2人で会う時間が無くなり少しづつ落ち着いていた。
藤原達は、秀行と宮田にちょっかいを出さなくなった。
流石に受験を控えてそれどころじゃなくなり、今更勉強をし出した感じだった。
色々と落ち着き、勇斗とも前の様に一緒に帰ったり、たまに息抜きで遊んだりしていた。
9月…10月…11月…と日々が過ぎて、12月になると、同じ大学を受ける者はライバルとなり、クラスの中がピリピリしていた。
冬休みを前にしても、浮かれているのは就職先の内定が決まっている者だけで、息苦しい雰囲気になった。
珍しく宮田が教室で秀行に話し掛けた。
「岡野くん、今日放課後って時間ある?」
秀行はもしかして…と思い、宮田の誘いを断わった。
「放課後に勇斗の家に寄る約束してるんだ…受験の対策をするんだごめんな!」
秀行は急いで教室を出て、校門の前で待つ勇斗と帰った。
「秀行、参考書は持ってきたか?」
「持ってきた、3冊は重いよ~」
他愛もない話しをしていると勇斗の家に着き、勇斗の部屋で参考書を広げた。
「ちょっと待ってて、なんか飲み物とお菓子持ってくるから!」
「はいよ、出来ればチョコがいいな~」
「分かった、ちょっと待って!」
秀行がマーカーだらけの参考書を捲っていると、お盆に飲み物とお菓子を乗せられるだけ持って来た。
「勇斗!そんなに持ってきておばさんに怒られないか?」
「大丈夫、母さんは気にしない人だから、それにパートの後買い物して来るんだけど、特売してるとパンでもお菓子でもあるのに買って来ちゃうんだよね…」
「うちの母親もそうだよ、バカみたいにシャンプーとかストックしてるのに、また買って来る…」
2人は雑談をしながら参考書を広げ、鉛筆を走らせた。
「…秀行は工科大だよな?」
「うん、勇斗は何処にしたの?」
「実は…俺も工科大なんだ。」
勇斗はスマホを取り何か操作していたが、秀行は参考書を見ながら話しをしていた。
「そうだったんだ、じゃあ2人で同じ大学行けるといいな!」
「う~ん、でも秀行は推薦枠何だろ?なんでそんなに勉強してんの?」
秀行が勇斗を見ると、無表情の勇斗がじっと秀行を見ていた。
「いや、推薦は別の人になったんだ…夏休み明けのテストが平均以下の科目があって、だから普通受験するんだよ…」
勇斗の今まで見た事のない、ゾッとする笑顔をした。
無表情の顔の口元だけがニヤッと笑った。
「でも、ライバルには変わらないよな?…なぁ秀行、これ何だか分かる?」
勇斗がスマホの画面を見せた。
「なんで!?」
青ざめ震える秀行に、勇斗は話しを続けた。
「コレ?香奈実から貰った、香奈実も亀井って奴から貰ったらしいよ…だって香奈実と俺付き合ってんだ!」
頭が混乱して、勇斗が言っている言葉が入って来なかった。
「香奈実さぁ、夏休み明けに藤原と別れて、俺と付き合い出したら…秀行と俺が同じ大学受験するって言ったら、コレくれたんだ~、ついでに香奈実も同じ大学なんだよ、知らなかっただろ?」
「勇斗…それ、…」
「あぁ~、消さないよ!それにしても…お前凄いな、何人の男とヤッたんだよ?最後は…ムービーもあるぞ!!」
秀行は頭を抱え、何も言えなくなった。
「マジか!?お前めっちゃ宮田にヤラれてんじゃん!」
ゲラゲラと笑い秀行にムリヤリ見せると、目の前で高崎に電話をした。
「香奈?…今見せたら震えてんだけど~…うん…いいよ…ちょっと待って!」
勇斗はスマホをスピーカーにすると、高崎の声が響いた。
「もっしも~し岡野くん、あの亀井って親父が岡野くんと忘年会したいってさ、年末空けとけよ!」
言いたいだけ言って高崎は電話を切った。
「良かったな、秀行…じゃないか、雪乃ちゃん!」
震えの止まらない秀行に、勇斗は脅しを掛けた。
「受験辞めれば、そうすればデータ消すし、香奈にも消させるよ…どうする?」
「あっ!悪いけど忘年会はキャンセル無しで、俺と香奈の卒業旅行の資金だから、アリバイ工作は協力するよ!?」
秀行は参考書をカバンに入れ、勇斗の家を慌てて出た。
(俺…無理だよ…もう死にたい…)
フラフラと家に帰った。
翌日から秀行は学校を休んだ、後2~3日で冬休みなのに、とても行くどころでは無かった。
親に心配を掛けたくない気持ちと、大学受験の事、勇斗の裏切り、1度に起こり秀行自身もどうしていいか分からなかった。
冬休みに入っても勉強が手に付かず、不安と疑心暗鬼でギリギリの精神状態に追い込まれていた。
母親が心配をして声を掛けると、秀行は静かにしてくれ!と怒鳴り、些細な事で騒いだ。
秀行の両親は、受験でピリピリしていると思い、1人で静かに…と年末年始は父親の実家に両親が行く事になった。
12月28日の昼前、カバンを持つ両親から話し掛けられた。
「秀行、父さん達は行くけど…1人で考え過ぎるな!何かあれば連絡しなさい、飛んで帰ってくるから!」
「無理しないでね…お母さん達は受かっても、受からなくても、秀行の事…」
両親の優しさは、今はただ胸を締め付けるだけだったが、秀行は頷いた。
「それじゃ、行ってくるよ!」
頑張れと言わない両親に涙が出たが、そんな気持ちを粉々にする電話が来た。
「秀行?昼過ぎに亀井って親父が、お前の家に迎えに行くから、頑張って来いよ~!」
「なっ!なんで俺んちに!?」
「キャンセル防止だよ、あの親父が来たら早く家から出ないと…雪乃ちゃ~んって呼ばれちゃうかもな!!」
「勇斗!」
電話は切れて、やり場の無い怒りと不安に、胸が苦しくて息が詰まりそうだった。
ピンポーン!
インターホンが鳴り、急いでモニターを見ると亀井が立っている、慌てて外に出ると、ニヤリと笑いながら秀行の手を握った。
手を振り払い、玄関に鍵を掛け亀井の車に乗った。
「雪乃、ちょっと寄り道しようか。」
亀井はショッピングモールに寄り、服や下着を買い秀行をトイレに連れて行った。
(こんな所で着替えなくても…)
しぶしぶ従う秀行を、個室の中に引きずり込んだ。
「さぁ雪乃、全部脱ぐんだ。」
(狭い場所に小太りの親父と2人はキツいだろ、外で待ってればいいのに…)
秀行は服も下着も靴下も全て脱ぎ、寒さに震えていると、亀井は壁に両手を付くよう指示した。
「声を出しちゃダメだからね、すぐ済むからね。」
洋式トイレの便座を跨ぎ、尻を亀井に突き出す格好になった。
「大丈夫ここではしないよ、準備だけだから…」
プスッ!ジュルル…、秀行が思わず振り向くと、亀井は秀行にイチジクカンチョウを挿していた。
「後2つあるから、全部入れたら着替えるんだよ。」
亀井が残りも入れ終わると、秀行が壁から手を離した。
後ろから押され、慌てて壁に手を付くと亀井が耳元で喋った。
「まだだよ、雪乃の大好きな栓をしようね!」
グプッ、グプッ…グボッ!!
拳を噛み、声を殺す秀行にいい子だ…と頭を撫で、服を着せた。
胸元が開いた黒いニットのワンピースに、黒のニーハイソックス、グレーのコート、グレーのショートブーツ…マネキンが着ていた物をそのまま買ったらしい。
「さぁ、下着も履こうね!」
両サイドを持ち、思いっきり上げられ小さな悲鳴が漏れた。
「ヒッ!」
秀行の膝がカタカタ震え、立っているのがやっとだった。
「急いで車に戻るよ!じゃないと雪乃が痴女で捕まっちゃうからね。」
亀井がドアを開けと、誰もいなかったが秀行の手を握り走った。
「ヒャッ!?」
足を動かすたび、中が掻き回され亀井の手を振り解こうとしたが、ガッチリ握られた上にかなりのスピードで走った為、駐車場の車に着く時には、スカートの前が少し膨らんでいた。
「雪乃、もう我慢出来ないの?仕方ない…早く乗りなさい。」
秀行が躊躇した、シートに座ったら全部入ってしまう…モジモジしている秀行の手を、運転席から引っ張り助手席に座らせると、グボッ!!と音がして秀行はシートに仰け反りケイレンした。
亀井は急いで降り、助手席側のドアを閉め車に乗り走り出した。
「気持ち良くて、イッちゃったのかな?」
運転をしながら左手を秀行の尻の下に這わせ、かろうじて出ているスイッチを最大で入れた。
「ヒギィッ~!」
シートの上で仰け反る秀行に、亀井が路肩に車を寄せてシートをフラットに倒し、そのまま走らせた。
「いい子だ、雪乃は本当いい子だね、脚を開いて。」
秀行が脚を開くと、亀井は太ももを撫でたり軽くつねったりして、運転中でも愉しんでいた。
「ハァ…ハァ…ん!…もう…」
秀行がイきそうになると、亀井が秀行のモノを潰さんばかりに握り、イクのを何度も止めていた。
生殺し状態のまま亀井の目的地に着いた。
着いた先は、潰れた店が長屋の様に並んでいる所で、その中の1つに入った。
店の中は濃い赤の壁紙に黒いビニールの床、椅子やテーブルを見ると元々はスナックらしかった。着いてからは、興奮気味の亀井は“いい子だ…”しか言わなくなり、秀行は腹の痛みのせいで大人しく言われるがままになっていた。
薄暗い店の奥は小さなステージになっているが、そこに診察台が置いてありスポットライトを浴びていた。
「雪乃の為に、みんなで色々用意したよ…」
一歩づつ歩くたび、脂汗を吹き出しながらステージに近づくと、座っていた男達が後に続きゾロゾロステージの周りに集まり、診察台に秀行を寝かせた。
亀井と男達は、秀行の服をゆっくり脱がし、手首と足首にベルトを付けて大の字に固定した。
ギュルギュルッ…、秀行の腹が豪快に音を立てると、亀井があぁっ!と何かを思い出したのか笑った。
「何も言わないから、ずっとトイレ我慢してたんだね……でももう少し我慢しようか?今からお医者さんごっこをみんなでするよ!」
周りにいた男達はニヤニヤして秀行の腹を撫でたり、唯一履いていた下着を剥ぎ取ると、栓をしてある部分をギラついた目で見ていた。
亀井は布で覆ったワゴンを運んできて、男達に“診察の道具”と言って布を取った。
「それじゃ、先生達診察を始めましょう!」
男達はカチャカチャと、“診察道具”を選びだした。
「まずは、胸から診察しましょうね。」
亀井が振動するローターを秀行の乳首に当てると、ビクンッと秀行が体を震わせた。
「さぁ、先生お願いします。」
何個ものローターが、小さな突起に当てられた。
秀行が体を捩ったり声を漏らすと、男達は歓喜し異様な雰囲気に興奮して、次は!?と亀井をせっついた。
「次は…お腹の調子が悪い様なので、中をキレイにしてから…腸の検査をしますか。」
そう言うと亀井は別のワゴンを運び、ワゴンからガラス製のカンチョウ器を見せた。
『おぉ~っ!!』
男達が低いを漏らし、俺が!俺が!とざわついた。
「大丈夫!1人1本づつ用意してあります…但し、中身は色々ですけどね。」
亀井はワゴンを秀行の側に置き、秀行の口をゴム製のボールで口を塞いだ。
「準備OK、全部100ccづつ10本、グリセリン、ビール、炭酸水、コーラ、石鹸水、…」
聞いているだけで男達は更に興奮し、秀行はゾッとして手足をバタつかせた。
「ふふふっ、待ちきれなくて催促しているので、早速始めますか。」
「んん~!!」
秀行が呻いても誰も気にも止めない。
最初の男は乱暴に栓を抜くき、グリセリンを一気に押し入れた。
ジュルル~ッ…、秀行は手足に力か入り仰け反り呻く。
「次は石鹸水だよ。」
……
「次は…コーラ。」
……
腹が少し膨れて、口を塞いだボールのすき間から泡をふいた。
「仕方ない、1度出させる方がいいか…」
誰かがバケツを持って来ると、手足のベルトを外しガタイの良い男が秀行を、小さい子供に用を足させる様に後ろから抱えた。
「フーッフーッ…」
虚ろな目で荒い息の秀行は、恥も外聞もなくバケツに腹の中身を出した。
また男達から歓声が上がり、ボロボロと涙が出た。
キレイにされ、診察台に固定されるとお医者さんごっこが続いた。
10本全て無くなるまで続け、中が空っぽになった。
亀井達は汚物や使ったカンチョウ器を片付けると、腸の検査がはじまった。
「ローションをたっぷり付けて、何本指が入るか試しますよ。」
男達は我先にと、太い指を小さな穴にムリヤリねじ込んだ。
「ストップ!ストップ!時間はあるから、ゆっくり愉しまないと。」
5本の指が中を掻き回すと、秀行は腰を浮かせ太ももを震わせつま先を伸ばした。
男達は何度も交代しながら愉しむと、もう我慢出来ないと騒いだ。
「そうですね、そろそろ淫乱な穴にお注射しますか。」
足のベルトを外し、男達が満足するまで秀行の中に欲望を吐き出し続けた。
どれだけ時間が過ぎたのか、ぐったりする秀行に覆いかぶさる男が果てると、亀井は男達の体液でいっぱいの穴にまた栓をした。
「みなさんは少し休憩しましょう、雪乃はコレで我慢してようね。」
スイッチを入れ、秀行は休む暇なく責め立てられ、休憩と言いつつ、男達は酒を飲みながら秀行の体をイジりまわしていた。
その後も、亀井と男達は時間も忘れ、秀行を容赦なく好き放題オモチャにして、亀井に礼を言って帰って行った。
「最高の忘年会だったよ!」
最後の男が帰ると、亀井は秀行に話しをした。
診察台の上によつん這いで縛られ、ペットボトル並みに太く凶暴に暴れるモノが、秀行の腹に歪な膨らみが出たり消えたりして、意識がもうろうとしていた。
「今回は…雪乃の友達に、雪乃を本気で壊してくれって、頼まれたんだよね…」
震える尻を撫で回しながら、更に話しを続けた。
「おじさんは、雪乃のおかげで接待が上手くいったから…お礼に何か望みがあれば聞くけど?」
亀井はさが口を塞いだボールを取ると、秀行は光を失ったガラス玉の様な目で、亀井を見つめながら言った。
「…亀井さん、接待…もっともっとしない?」
秀行の中の感情が、怒りと復讐だけがのこった。
「それはいいけど、雪乃が壊れるよ?」
「女の子でもいいなら、毎日でも大丈夫だよ…」
秀行の言っている意味を理解した。
「それはいいね~、私の趣味と合わない人にも接待出来る!」
秀行は小悪魔の様な笑みを浮かべ、亀井と取り引きした。
「出来るだけ、ドSでハードプレイが大好きな人達を集めてくれる?」
秀行の笑みと言葉にドキッとした亀井は、堪らずスイッチを最大にして、秀行の髪を掴んで顔を上げると、口の中に怒号したモノを喉の奥まで突っ込んだ。
「ハゥッ…いいね、雪乃の為に…ゥッ、用意してあげるよ…ご褒美は、…雪乃だ!!」
口の中で果て、ハァハァ…と荒い息を吐く亀井と同時に秀行もイッた。
寂れたスナックを後にし、亀井に家まで送って貰ったが、深夜になっていた。
「それじゃ、後で連絡するからよろしくね。」
秀行はそう言ってドアを開けようとするが、亀井が秀行の手を引っ張り、前金と言って舌を絡める口付けをした。
ヌメつく舌が、秀行の口の中をヌチュヌチュ…音を立て絡まり、亀井は満足気に離れると秀行はにっこり笑い降りた。
車が去ると、無表情になりペッ!っと唾を吐き出した。
暗い家に入ると、そのままバスルームに向かい身体中を赤くなるまで擦った。
ひと息付いて、スマホを見ると日付は12月31日になっていた。2日間見ていなかったスマホには、母親から1件、宮田から何件も着信があった。
秀行は深夜にもかかわらず、宮田に電話をした。
「はい、もしも…」
「何か用?」
秀行が掛けたのに、面倒くさそうに宮田に聞いた。
「いや…あのさ、岡野くんと仲がいい…加藤くんなんだけど…」
「…高崎と付き合ってるって、知ってるよ!」
「それもそうだけど…加藤くん、藤原と中学の時凄く仲が良かったらしいんだ…」
秀行はもう驚かなかった、どっちも復讐するのに変わらないから、そして宮田も…
「…そう、ありがとう…明日、って言うか今日だけど、空いてる?」
電話の向こうで、宮田が慌てているのが分かりクスッと笑い、返事を待った。
「あ、え~っと…昼間はバタバタしてるけど、夜なら…」
「それじゃ、友達と初詣に行くって言って、うちに来なよ…親いないからさ。」
うわずった声で宮田が、
「はい!…なるべく早く行くよ!」
「じゃ、夜待ってるから…」
秀行は宮田も巻き込んだ、復讐の計画を立てた。
部屋に戻ると、押し入れの奥から箱を出して漁った、前に母親から貰った鍵付きの日記帳、貰ったまま使わずに閉まって置いた物を出した。
開くと、キレイな白紙のページに復讐する人間の名前を書き出した。
次のページに自分がされた事を書き出し、自然に涙が溢れ文字が震えた。
「…クッ、みんな…地獄を見ればいいんだ!!」
復讐方法でページが埋まっていくと、秀行は少し落ち着き、自分が受けた仕打ちより…もっと惨く悲惨な事を思い付く限り書き殴り、日記帳を閉じ鍵を掛けて引き出しの奥にしまうと、小さな鍵を壁に掛かる制服のポケットに入れた。
気付けば昼を過ぎ、取り敢えず母親に連絡をした。
「うん…ごめんね、勉強に煮詰まって母さん達に当たってた。…心配しないで、父さんとゆっくりしてきなよ。……うん、明日は友達と初詣に行って、受験の事お願いしてくるよ、それじゃ…」
電話を切ると、今度は亀井に電話をして、計画の一部を伝えた。
ピンポーン!
玄関モニターに宮田が映る。
「鍵開いてるから、入って来て大丈夫だよ。」
少し赤い顔の宮田が、落ち着つかない様子でリビングに入って来た。
「お邪魔します…」
「何緊張してるの?…それより、話しがあるんだ。」
秀行は、下を向き手を震わせながら宮田に、勇斗と高崎にされた事、亀井と男達にされた事を話し、涙を浮かべ宮田にしがみついた。
「俺…もう死にたい、こんな事宮田にしか言えなくて…アイツら…まだ俺で、小遣い稼ぎするって…うぅっ…」
宮田は秀行を抱きしめ、背中を擦り怒りを露わにした。
「そんな事もうしなくていいよ!…アイツら最低だ!!」
「でも…俺達のムービー、持っててバラ撒くって脅されて…そしたら、言う通りにしないと…」
俺達の…と言われ、宮田は眉間にシワを寄せて秀行の思った通りになった。
「アイツらに、痛い目を見せてやろう!自分達が同じ目に遭わないと、分からないんだよ!!」
秀行は小さく頷き、涙で潤んだ目で宮田を見上げて、感情がたかぶっている宮田に秀行は、服を脱ぎ亀井達の跡を見せた。
「俺と…同じ事、アイツらに味あわせる。…宮田も一緒に復讐しよう。」
秀行は裸で抱きつくと、宮田は秀行に口付けをしてそのまま床に押し倒し、何度も抱き合った。
夜が明ける頃、2人は近くの神社で初詣を済まし別れた。
最初の計画は、藤原拓海…
奴は簡単だった。
高崎に振られてむしゃくしゃしているから、正月早々に宮田が呼び出された。
藤原が禁止されている車を乗り付け、呼び出した場所…学校に現れた。
「なんだ?岡野く~ん、一緒にイジメられたいのか?」
ニヤニヤしながら、溜まり場に行く藤原の後に付いて行くと、中に入った途端に宮田の腹を殴り、パイプ椅子に座った。
タバコをふかし、秀行をジロジロ見ると…部室に置いてあったコスプレの袋を投げて、メイドになれと命令した。
秀行は、ワザと嫌がる素振りをして着替えた。
「宮田、可愛い~メイドさんにご奉仕して欲しいよな?」
うつ向いて黙る宮田に苛つき、秀行の尻を蹴って言った。
「メイドさん、宮田の咥えてやれよ!!」
秀行は、立っている宮田の前にしゃがみ込むと、ファスナーを開け、宮田のモノを咥えた。
「マジか!?いいよ~メイドさん!」
藤原が野次を飛ばし、笑っていたが…宮田が秀行の頭を押さえ呻くと、藤原は秀行の髪を引っ張り引き剥がした。
「そこまで!何イきそうになってんだよ…宮田?」
藤原は空になったタバコの箱を投げつけ、宮田にタバコと飲み物を買いに行かせた。
「メイドさん、俺のもご奉仕してよ~溜まってるから、いっぱい出るかもね!」
秀行は藤原の脚の間に潜り、亀井達に仕込まれた技を藤原に試した。
「うぉっ、…ヤバ、…メイドさん、上手過ぎっ、」
1分も保たずに口に出すと、飲めと命令してもう1度咥えさせた。
「気持ち…良過ぎ!…でも、…うぅっ、…ケツは無理だな…」
宮田が息を切らし戻った。
「つっ、戻んの早~よ!」
藤原は、まだ少し膨らんでいる宮田のズボンを見て、ニヤリと笑った。
「宮田、さっき途中だったから…辛いだろ?続きさせてやるよ!」
秀行に腰を持ち上げさせ、スカートを捲ると尻を叩き、ヤレと合図した。
コンビニの袋を床に置くと、秀行の下着をずらし自分モノを一気にねじ込んだ。
「ウグッ!!」
秀行が呻くと、藤原が興奮しながら笑った。
「宮田のえげつなくデカイな!メイドさん大丈夫?」
秀行の頭を撫でていると、宮田が激しく秀行を何度も突上げると、反動で秀行が藤原のモノを奥まで咥えてしまい、藤原が仰け反ってイッた。
しかし、秀行が離さない為、イッても舌が絡み付き吸い付くので、藤原はイキまくった。
膝に力が入らない藤原は、2人を怒鳴ったが、まだ繋がったまま行為を続ける宮田を蹴ると、コンビニ袋から飲み物を取り一気に飲んだ。
「どんだけ盛ってんだよ、メイドさん意識飛んでないか?」
タバコをふかし、呆れて立とうとした時、藤原は足元から崩れ倒れた。
宮田は秀行の中に出し、落ち着つくと藤原の服を脱がせ、自分が着せられたブレザーの制服を着せてカツラをかぶった。
「岡野、あの薬って大丈夫なんだよな?」
「普通の睡眠剤だよ、ただお酒と一緒に飲むと一気に効くらしいよ…くれた人が言ってた。」
「なら、いいんだ…」
くれた人は亀井だった、秀行達は女装させた藤原を縛り、目を覚ますのを待った。
「…頭いて~…」
「あっ、起きた?おはよう藤原くん。」
秀行はメイド服を着替え、藤原を覗き込み笑っていたが、スッと無表情になると口にガムテープを貼っり、宮田と2人で見下ろした。
「これから、お前にされた事を…そのまま返す。」
宮田が冷たく言い放ち、藤原の腹を蹴り上げた。
「オゴッ!!…ゴホッ、」
衝撃に目を見開いた藤原の目に涙が滲んだ、しかし宮田はもう1度蹴った。
「ぐっ!…うぅ~っ、…」
ボタボタと、涙と脂汗を流し首を振って哀願をしている。
「藤原くん、もう蹴られるのイヤ?」
うんうんと頷く藤原に、秀行は聞いた。
「それじゃ、次は俺の番ね!」
藤原のスカートを捲り下着を剥ぎ取ると、藤原はエビの様に体を曲げたり反ったり、暴れるたので宮田が蹴った。
「うぼっっ!!」
モロにみぞ落ちに入り、大人しくなった。
「あのさ、自分のした事忘れたの?お前…宮田の事もっと殴ったり蹴ったりしてただろ!?」
秀行は、自分がされた様に藤原にイチジクカンチョウを差し、栓を一気にねじ込んだ。
「んギィ~ッ!!」
スイッチを最大に入れると、藤原は腰を浮かせ仰け反り、額に血管が浮き出た。
スイッチを切って、藤原に命令した。
「止めて欲しいなら、今から言う事をスマホに向かって言うんだ!」
「…私、藤原拓海は…女装して犯されるのが大好きです。そしてドMのど変態で、激しいプレイで壊れるまで責められたいです。…」
「はい、良く出来ました。ご褒美は…」
そう言って、またスイッチを入れ藤原を放置した。
部室を出て、秀行達は学校の前に無断駐車の事があって危ない。と警察に連絡をして、ファミレスでのんびり食事をして、カラオケに行き夕方に戻ると、車が撤去されていた。
「そろそろいいかな?」
部室の中には、藤原が白目を向いてケイレンしていて、スカートは自分の出した体液でベトベトになった姿を写メに撮ると、紐をほどきガムテープを剥がした。
「ゴホッゴホッ…もう許して…許して下さい!」
涙と吐いた物でぐちゃぐちゃな顔で謝る藤原に、帰っていいと言った。
「ただ…藤原の服と靴を車に入れて置いたら、警察が駐車違反で車を、持って行っちゃったんだよね~、その格好で帰るしかないね!」
藤原を残し2人は部室を出て、校門で別れ帰って行った。
秀行は1人になると、無法地帯のアダルトサイトに藤原のムービーを貼り付け投稿し、“○○高校の付近で女装中、何人でもどんなハードプレイでもOK♡”と付け加えた。
(これで、1人終わった…)
1月3日の昼過ぎに、母親から明日の昼過ぎには帰るからね!と連絡があった。
その直後、高崎から着信があった。
「あのさ~、今アンタん家に行くトコなんだけど、欲しいブランドのバッグがあるんだよね…もういつもの亀井?あの親父に連絡したから、今すぐ表出て来いよ!恵とゆかりもいるから逃げらんないぞ~!」
次が思ったより早く、向こうから来てくれた。
(アイツらがバカで良かった、藤原の時より簡単かも…)
高崎が電話を切ると、亀井から連絡が来た。
「はい…さっき連絡来ました。…急だと人数が…」
「それは大丈夫!むしろ集まり過ぎたかも知れないですよ?」
「そうなんですか?」
「正月休みで暇な人とか、逆に家族サービスでストレス溜まってる人が、喜んでましたよ。」
「分かりました、それじゃ後で…」
秀行は、高崎達が来るのを玄関の外で待った。
派手な格好の3人が、カツカツとヒールを鳴らし歩いてきた。
「みっけ~!さぁ頑張ってバイトしましょ~!」
高崎の格好は、薄手のニットで胸元の開いたミニのワンピースにショート丈のコート、生脚にショートブーツ…
(…色違い持ってる…)
高崎の服装に吹き出すのを堪えてると、平井と大石が疑わしい目で秀行を見た。
「3人分、稼げるの?」
「ムリっぽい気がするけど…」
不服そうな言い方に、高崎が機嫌をそこねた。
「なら帰れば?アタシ1人で買い物してくるし!」
2人は分かったから…と高崎をなだめていると、亀井が大きめのバンの様な車で来た。
「取り敢えず、みなさん乗ってくれますか?」
優しく口調の亀井に、3人は後部座席に座りドアを閉めた瞬間、シートの後ろに隠れていた男達に口を塞いがれ、手足を拘束された。
「雪乃も乗りなさい。」
秀行が乗ると、車は暫らく走り続けた。
「何処に行くんですか?」
「ふふっ、私の会社で所有している物件だよ、古い旅館が何軒かあるけど…交通の便が悪くて潰れた所なんだよ。」
亀井と秀行が話している後ろでは、男達が藻掻いている高崎達を、服の上から弄り遊んでいた。
「1軒だけ?」
得意気に笑うと、亀井は首を振った。
「全部所有している、近くに民家も無い静かな場所なんだよ。」
道幅が狭くなり、ガードレールの向こうは崖になって、反対側は雑木林…まるで心霊スポットに向かっているような場所だった。
「…本当に古そうですね…」
落書きと蔦で覆われた壁に、ガラスの割れたエントランス、秀行は背中がゾワゾワした。
「ふふふっ、宴会場はキレイですよ。元々私が接待で使う為に、準備して置いた場所なので…先に来た私の知り合い達が色々用意してくれたみたいですよ。」
亀井が案内した宴会場は少し薄暗かったが、秀行は中を見て思わず微笑んだ。
「気に入りましたか?」
「はい、とっても気に入りました!ありがとう…」
秀行は甘える様に、亀井の腕に抱きつき手に指を絡ませ、恋人繋ぎをした。
亀井は浮かれ手を握り返すと、男達に抱えられた高崎達を広間の中央に転がした。
「雪乃、どうしたい?」
亀井に聞かれ、秀行は…最初に平井を指差した。
「アイツは、ガバガバになるまで犯して、たっぷり中出ししてやって欲しい。妊むまでヤッて!」
泣きながらイヤイヤと首を振っているが、男達は喜んで平井を簡易ベッドに繋ぎ、服を引き裂き歓喜した。
足元に震える大石を指差すと、大石は呻いて暴れた。
「コイツは…媚薬を使って、休まず犯して淫乱な肉便器に…」
大石も引きずられて、簡易ベッドの上で全裸にされ、男達が群がった。
「分かってるよ雪乃…この子は、お医者さんごっこだよね。」
そう言って、亀井が高崎を診察台に縛り、男達が服を全て剥ぎ取ると、後ろから平井と大石の呻き声と男達の声が響いた。
高崎は…青ざめた顔で泣きながらイヤイヤと首を振って怯えた。
「大丈夫だよ、自分のした事が自分に返っただけ…誰も殺したりしないよ?愉しむだけだから。」
男達が高崎の脚を広げると、亀井が液体がたっぷり入ったガラス製のカンチョウ器を秀行に渡し、秀行は可愛らしくウインクして、一気に液体を流し入れ栓をして最大でスイッチをいれた。
「ウギィ~~~!!」
1リットルの液体で膨れた腹を、激しく栓が掻き回して、高崎の顔を歪めた。
「それじゃ、後はゆっくりお医者さんごっこ愉しんでよ…大丈夫だよ、3人共ちゃんと中出ししてくれる様に言ってあるから。」
亀井はエントランスで待つよう秀行に言って、広間から出した後、男達にいった。
「それではみなさん、こちらはサービスです!」
大きなワゴンの上に、様々な責め具や淫らな道具がギッシリ並んでいた。
「ごゆっくり…」
男達は思うまま何時間も高崎達を犯し、気を失っても、泣き叫んでも責め上げ続けた。
秀行は亀井に報酬として、一晩中亀井の相手をした。
朝になり、秀行が高崎達の様子を見て戻ると、亀井が車の鍵を手にしていた。
「雪乃…そろそろ帰らないとね。」
秀行を送る車の中、亀井はずっと秀行の手を握り締めていた。
学校の近くで降りた秀行に、亀井がまた連絡するね…と言って高崎達の所へ戻って行った。
家に着くとすぐシャワーを浴びて着替え、両親が帰って来ると作り笑顔で迎えた。
翌日からは、父親は会社に出勤し、母親は夕方までパートだった。
秀行は部屋で日記帳を開き、赤いペンで藤原、高崎、平井、大石にバツ印を付けてまたしまった。
残りの休みの間、秀行は久しぶりにゆっくりした気持ちになった。
休みが開け、始業式に藤原と高崎達はいなかった。
教室で宮田が秀行の側に来て聞いた。
「高崎さん達って…」
秀行は何も言わず頷いた。
「そっか、後で教えてくれる?」
「あの部室で…」
担任から、3年は自由登校になるからと話しが終わり、みんなが帰る中…秀行は宮田の待つ部室に向かった。
「高崎さん達に何したの?」
「高崎達は自滅した!小遣い稼ぎしようとして、俺を連れ出したけど…そんなにゲイばっかりいる訳無いだろ?結局、自分達が相手するハメになったんだよ…」
「それじゃ…」
「俺が帰った後の事、分かる訳ないだろ?」
「そうだよね…」
宮田はモジモジして、秀行をチラッと見ると赤くなり秀行を苛立たせた。
(こいつも…でも勇斗の事を片付けてからだな…)
秀行は服を脱ぎ、宮田の手を取り自分の胸に当てた。
良く見ると秀行の胸に吸い付いた跡あり、宮田は服を脱ぎ捨てると秀行に覆いかぶさり、獣の様に犯した。
昼過ぎに秀行達は学校を後にした、腹が減りコンビニに寄ってから家に着くと、玄関に勇斗がいた。
「ずい分遅いな、何してたんだよ?」
以前の様に普通に話し掛ける勇斗に、底知れない不安がよぎった。
「上がってく?」
「もちろん、寒いから温かいコーヒー入れてよ。」
リビングに勇斗を座らせ、秀行は制服を着替えてからコーヒーを入れ、勇斗とリビングで対時した。
「香奈実知らないか?」
「知らない。」
「あのバカ女達、3日から帰らないんだって…香奈実の親から聞かれてさ、困ってんだよね~…その日、お前使って小遣い稼ぎするって言ってたけど、本当に知らないの?」
ドキドキと心臓がなっているが、宮田に話した内容を冷静に話しをした。
「確かに俺の所に来たけど…世の中そんなに男好きのゲイばっかりいる訳無いだろ?どんだけ金貰ったか知らないけど、自分達がその代償払うハメになったんだよ…俺は用無しになったから、帰った後の事なんか知らないよ。」
「そっか、それじゃ分かんないよな~。」
コーヒーを飲み干し、空のカップを秀行に渡すと、勇斗はおかわりを頼んだ。
「秀行、砂糖少なめのミルク多めでな!」
「分かったよ。」
勇斗の態度は、まるで何も無かったみたいに自然だったのが、秀行にはあまりにも不自然過ぎて、敢えて自分も自然に振る舞った。
「秀行はさ、工科大受験すんの?」
「するよ、多分受からないけどね…」
勇斗はコーヒーを冷ましながら聞いた。
「なんで?」
「色々あり過ぎて勉強出来なかったんだよ…一応受験だけはしないと、親が心配するから形だけな。」
「まぁ頑張れよ、香奈実の方は…そのうち帰って来るだろ。」
カップを置くと、勇斗はバイバイと手を振り帰って行った。
秀行はドッと疲れた、高崎達がまだ帰らない事に不安になり、亀井に連絡するが留守電になり、そわそわして落ち着かない気持ちに笑っていた。
(アイツらの事、心配する必要無いのに…バカだな俺って!)
夕方に亀井からの着信に出て、高崎達の事を聞いた。
「あの子達ね…ちょっとやり過ぎたみたいで、3人共かなりのドMの淫乱に仕上がって、お客達がまだ遊んでるけど、そろそろ飽きたから返すって言ってたから、2~3日中には帰って来ると思うよ。」
「そう、ありがとう。」
電話を切ろうとした時、亀井から次はいつ会えるかと言われた。
「…今度の土曜、お昼に友達と駅前に行くよ。」
「分かった、また準備した方がいいかな?」
「忘年会の場所…連れてくの男だから。」
「愉しみにしてるね。」
亀井の話しが分かる所はいいが、執着が凄くて面倒くさかった。
秀行は勇斗に電話した。
「勇斗、土曜の昼間空いてる?」
「あぁ、空いてると思うけど…」
「悪いけど、ちょっと買い物に付き合ってくれるか?」
「……いいよ、何時頃?」
「11時に駅前で待ち合わせで。」
「分かった、それじゃ土曜日な。」
秀行は部屋で、日記帳を広げ何かを書き足した。
土曜になり、駅前で勇斗を待っていた。
勇斗が秀行を見つけ小走りで近づき、2人は買い物をした。
12時近くになると、秀行が駅前でもう1人待ち合わせしてると話し、駅前に行くと亀井の車があった。
「あの人なんだ…」
「誰あのおじさん?」
「俺の支援者って言うのかな?」
「俺に聞くなよ、こえ~よ…」
笑いながら亀井の車に、2人が乗り込むと走り出した。
「始めまして、私は亀井と言います。」
勇斗はニコニコしながら、
「俺は、勇斗って言います。…それで2人はどんな知り合い?」
秀行がチラッと亀井を見ると、亀井が頷き話した。
「彼の崇拝者かな…」
勇斗は吹き出した。
「亀井さん面白いね、崇拝者って~…あれでしょ?秀行を買って、秀行のカマ掘った変態だよな!?」
足をバタバタさせ笑い転げていたが、勇斗の顔からスッと表情が無くなった。
「秀行、今度は俺を殺すのか?」
前を向いたまま、秀行は勇斗に言った。
「殺さないよ…ただ、勇斗にも同じ思いをして欲しいだけ…」
「あれか、俺もカマ掘っられるのか?」
秀行が黙っていると、亀井が勇斗に言った。
「心配しないで、勇斗くんが望まないならそんな事しませんから。」
「あっそ。」
無言のまま、寂れたスナックに着いた。
亀井に案内され、勇斗が付いて行く。
「勇斗…平気なのか?」
「はぁ?なんでお前が心配してんだ…?」
「いや…分からないけど…」
秀行の中で、普通に接する勇斗に、復讐が薄れていた。
亀井がドアを開け、2人を中に入れると…誰もいなかった。
秀行が亀井を見ると、亀井と勇斗が話していた。
「あぁ、秀行驚いた!?…実は~俺と亀井さん、会うのは始めましてだけど、ラインでやり取りしてたんだよね。」
「ごめんね雪乃、私と勇斗くんの利害が一致してね。」
秀行はまた裏切られ、体の力が抜け床に座り込んだ。
「秀行の計画は面白かったよ!…あの藤原が変態共にヤラれまくって引きこもりになって、うるさいバカ女達は淫乱ビッチのメス豚だし、どうせ俺の後…亀井さんにも復讐するつもりだったろうけど、爪が甘かったな!!」
「そうだよ、悪い子にはキツいお仕置きが必要だね!!」
震える秀行を、亀井と勇斗は診察台に縛りつけ、服を剥ぎ取ると…秀行に見覚えのあるガラス製のカンチョウ器を見せつけ、勇斗に渡した。
「こんなの俺に打ち込もうなんて、100年早い!コレは、雪乃ちゃんにっと!」
亀井が口を塞ぐと、勇斗はニヤニヤしながら秀行にカンチョウをした。
「ぐぅぅ!!」
全て流し込むと秀行の腹が膨れるた、空のカンチョウ器と歪な形の栓を交換して、勇斗がゆっくり栓を挿入していった。
「ヒィィ!!」
最後の太く部分が入ると、勇斗が秀行の顔を覗き込み笑って言った。
「なぁ、あんなの入るなんて…お前もビッチじゃね?」
「ぐっ、ふぐぐっ!!」
「怒った?機嫌直せよ…今から気持ち良くなるから!」
突然、ヴィ~~ン…と響くと、秀行は仰け反った。
亀井がスイッチを入れた為、秀行の中のモノが激しく振動しながら中を掻き回していた。
「うゎ~…秀行もうイキそうだな、媚薬がたっぷり入ったローションのカンチョウしたから、ヤバいくらい気持ち良くなると思うよ~!」
勇斗は面白がり、動きを最大にした。
「フゥーッ、フゥーッ、…」
虚ろな目になり、仰け反ったまま腰を震わせ何度も2人の前でイキまくった。
「ねぇ亀井さん、1番太くて激しく動くヤツある?」
「…あるけど、それはちょっと…」
亀井でさえ躊躇したが、勇斗が睨んで静かに手を出しているので、亀井は渡してしまった。
「俺の腕と変わんないね…表面はデコボコしてる…」
興味津々の様子で見た後、使い方を聞いた。
「それは…ドリルと言って、この工具みたいなヤツの先に付けて、指でレバーを引くと…」
勇斗がレバーを軽く引いた。
ゴゴゴ……!
「何これ!?めっちゃスゲー…」
指を引く程激しくピストンするドリルに、興奮した勇斗は…秀行の栓を抜き、穴に先端を押し当てた。
力任せに押し入れると、秀行が甲高い悲鳴を上げ白目を向いた。亀井が止めたが勇斗は暴走した。
グボッ!グププ…
1番太い部分が入ると、後は一気に入っていった。
「キツ~いお仕置き開始!!」
レバーをゆっくり引いていく。
ジュボッ!ジュボッ!ジュボッ!
秀行の腹に歪な膨らみが、出たり消えたりして、腹の中を責め立てた。
「ヒッ、ヒッ、…」
突き上げられるたび、秀行が短い悲鳴を上げると、勇斗は更にレバーを引いて、ピストンのスピードを上げた。
ドリルの先は秀行の腹を、ボコボコと突き破らんばかりに激しく動いてた。
「勇斗くん…もう、雪乃が壊れる!」
亀井が止めようと、勇斗に近づくと勇斗は笑いながら言った。
「もうとっくに、壊れてんだよ!」
最後までレバーを引くと、秀行は口から泡を出し、ケイレンしながら体液を吹き出すと、身体から力が抜けぐったりした。
秀行の中からズルリと、抜き取るとローションに血が混じりながら流れ出た。
「穴が裂けたか…もう復讐なんて言わないだろ。」
ガチャン!とドリルを投げ捨てると、勇斗は亀井に帰ると言った。
亀井は恐る恐る秀行に近づき青ざめた、秀行に服を着せて車に乗せ、送って行った。
秀行の家の前に停まり、勇斗が先に降り秀行を肩に抱えると、亀井に帰る様に言って、秀行を家の中に入れた。
幸い、秀行の母親はまだ帰宅していない、勇斗は秀行を部屋に運び布団の上に転がした。
「…うっ…、」
秀行が意識を戻すと、自分の部屋にいる事に不思議そうな顔をした。
「起きた?ちょっとお仕置きが効きすぎたかな…ケツ裂けてるから痛いかもな~。もう復讐なんて諦めなよ…」
勇斗は言うだけ言って出て行った。
後を追おうとしたが、激痛が走り立て無かった。
情けなくなり、ボロボロと涙が溢れ、次は勇斗を殺すと誓った。
秀行は2~3日動けず、心配する親には体調が悪いと誤魔化した。
何とか普通に動ける様になると、日記を出し勇斗と亀井の名を赤いペンでぐちゃぐちゃに塗り潰した。
次の日、秀行は朝早くから出掛けた。
学校にコッソリ入って行き、溜まり場だった部室で宮田を待っていた。
秀行は宮田が自分に惚れているのを、薄々分かってあたので、宮田を使う為に呼び出していた。
「ごめん、遅くなって…!?」
宮田が入ってくるなり、秀行は抱きつき涙を流した。
「どうしたの?大丈夫!?」
秀行は宮田の首に腕を絡め、キスをし音を立てながら宮田の舌に自分の舌を絡めた。
「岡野?本当にどうしたの…」
「秀行って呼んでよ、宮田の事…智矢って呼んでいい?」
赤い顔の宮田が頷くと、秀行はまた舌を絡ませた。
何度も何度もキスをしていると、秀行の下腹に宮田のモノが当たった。
それを秀行は、ズボンの上から優しく擦り、宮田の手をシャツのすき間から自分の胸に滑り込ませた。
「秀行…秀行…ひで…」
宮田は名前を呼びながら、秀行の小さな乳首に吸い付いた。秀行は夢中で男の胸に吸い付く宮田を、冷たい目で見下ろしながら服を脱いだ。
生暖かい唇と舌でしつこく弄られ、硬く尖ってきた乳首を指でつまみ、ハァハァと興奮しながら宮田も服を急いで脱いだ。
「秀行、よつん這いになって…」
よつん這いになって、尻を高く上げると、宮田が驚いた。
秀行の小さな穴は、赤く爛れた様に膨れ、裂けた跡があった。
「もしかして…」
宮田は膝を付き、赤く爛れた穴をピチャッピチャッと優しく舐めた。
「あっ…あぅっ…」
「ごめん痛かった?」
「ううん、気持ちいいの…智矢にならどんな事されても…」
その言葉に、宮田は秀行の尻を乱暴に掴み、左右に広げると激しく舐め回し下を深く入れると、中で動かし秀行をよがらせた。
「くっ…智…矢、…いい…」
秀行の声に堪らず、小さな穴に自分のモノを当てると…
「ゆっくり入れるから、痛かったら言って。」
「大丈夫だから、智矢のでいっぱいにして…」
宮田はゆっくり根元まで入れると、秀行が腰を震わせながら動かすので、堪え切れず秀行の細い腰を掴み激しく腰を打ち付けた。
「ひっ…ひぃっ…」
宮田は夢中で秀行の中を、乱暴に掻き回し突上げては体位を変え、何度も中に出していた。
それでも、秀行が宮田に絡み付きキスをしながら、もっともっととねだるので、体力の続く限り秀行の中に大量に体液を出した。
宮田と秀行は、半日も行為をしていた。繋がったまま向き合い、離れがたそうに深いキスをしている。
「智矢…離れたくない、離れたらまた…アイツに…」
「アイツって?秀行を何度も犯した親父の事だよね…」
「うん…アイツに…亀井に何度も何度も犯されて、俺を壊すって…腕みたいに太い…っっ…」
秀行が宮田の胸にしがみつき泣き出すと、宮田は泣いている秀行にキスをして、また突上げた。
「アヒィッ!」
「秀行は俺のモノだ!あんなヤツに!!」
宮田はどす黒い嫉妬に支配され、仰け反る秀行を激しく犯して、秀行が気を失うと…あるモノを手にした。
「…あっ…あふっ…智…」
「気が付いた?」
宮田はにっこり笑い、秀行をムリヤリ立たせた。
「ヒッ!キヒッ!?」
腹の中で何かが擦れ、秀行は堪らず悲鳴を上げた。
脚が震え宮田にしがみつくと、宮田がささえながらいっ。
「秀行は、俺だけのモノだから…俺のでいっぱいになった穴に…コレ3個入れたんだ、他の男のモノなんかはいんない様にね。」
宮田の手には、テニスボール大のゴム製のカラーボールが乗っていた。
「これね、藤原がよく俺に当てて遊んでたから、まだまだいっぱい奥にあるから…」
秀行は一瞬失敗したと思ったが、逆に自分に執着してくれた方が復讐する時に丁度良かった。
「お腹…苦しい…智矢ぁ…」
秀行は甘えた様に宮田を呼ぶと、宮田は秀行を抱きしめ首筋や胸にキスをして、硬く尖った乳首を吸いながら話しをした。
「今から亀井を呼び出して、秀行を犯した事の復讐をしよう!」
ヂュルヂュルと、音を立てて乳首を吸われている秀行が、宮田の頭を抱えながら返事をすると、また深いキスをして舌を絡ませた。
外はすでに薄暗くなっていたので、秀行が母親に電話をしていると、宮田が後ろから抱きつくと、首筋を舐めながら乳首を指てつまみ弄り回した。
「あっ…何でもない…っ…んっ、今日さ…遅くなっちゃったから、宮田くんの家に泊まるよ…ふぅ…」
電話を急いで切り、次は亀井に電話をした。
「あん…はぁはぁ…亀井さん…今から…あぁ~っ…」
宮田が乳首を引っ張り、指先で潰す様にグリグリと転がし、秀行が電話相手の亀井に喘ぎ声を聞かせていた。
「雪乃…自分で弄ってるの!?…雪乃が欲しいがるなら、私は構わないよ…今から会おうね!家にいるのかな?」
亀井の声が聞こえ、宮田は嫉妬を剥き出しにして、カラーボールが入っている穴に指を入れ、ボールを動かした。
「違うっ…ヒィィ、学校にいるの…おぉ…」
「分かった!飛んで行くよ!!」
電話を切り睨む秀行に、宮田は何度もキスをした。
「怒った顔も可愛いな…もう1個入れて変態親父を驚かせようか!」
宮田はボールを当てゆっくり力を入れると、小さな穴が広がり、はち切れそうなほど伸びて半分以上入れると、手を離した。
ボールがゆっくり穴の中に沈んでいった。
秀行はガクガクと突き出した尻と脚を震わせ、息をするのがいっぱいの状態だった。
「さぁ、服を着ないと外に出れないからね。」
宮田が甲斐甲斐しく、秀行にハイソックスを履かせ、肩の出たオフショルブラウスのメイド服を着せた。
「後はコートを着ればいいかな?」
秀行はコートの前を閉じれば、ミニスカートを履いた女子に見えた。
「智矢、パンツは?」
「履かなくていいよ、その代わりボールは落とさない事!」
2人で校門の前に行くと、宮田は校舎の影に潜み亀井が来るのを待った。
夜の校舎は生徒も教師も帰り、静まり返っていたが、エンジン音が校内に響き、亀井の車が門の前に停まった。
「雪乃、あの後…大丈夫だったかい?」
「…はぁ…はぁ、大丈夫…来て…」
フラつく足取りで、校舎の非常階段に行くと、亀井を迎えた。
コートのボタンをはずし、オフショルのブラウスを下げ、硬く尖った乳首を自分で弄りながら、亀井に見せつけた。
亀井は興奮して、ヂュッヂュルッ!音を立て左右の乳首を交互に吸い付つき、細い腰を抱き秀行の尻のすき間に指を滑らせ、小さな穴に指を入れようとして驚いた。
「雪乃!?何を入れているんだ?」
秀行は亀井に尻を向け突き出すと、顔を赤くし踏ん張り腹に力を入れてボールを押し出した。
ポン…コロコロ…
ピンクのカラーボールが、亀井の足元に転がる。
秀行以上に赤い顔で、血走った目がギラギラと鈍く光、秀行のヒクつく穴に3本の太い指を突っ込むとめちゃくちゃに掻き回して言った。
「私以外の男に、こんな事させて!アイツか?勇斗か!?アイツがしたのか!」
「アヒッ!アギィ~ッ!壊れ…壊れちゃ…」
腹の中のボールを突き奥へと押すが、指を抜くと秀行が踏ん張りボールを小さな穴をゆっくり広げ、ポン…ポン…と鳥が卵を産む様に押し出した。
興奮のあまり、まだ最後のボールが出ようとした時、怒号した亀井のモノが中へと押し返し、自分のモノを一気に入れて激しく犯した。
「あふっ…あっ…あっ…」
「雪乃…雪乃…悪い子だ!!」
ぱぁ~ん!ぱぁ~ん!腰を打ち付ける音が響き、亀井が体を震わせイキそうになった時、宮田に後ろからねじ伏せられ、亀井のモノは大きいまま脈打っていた。
「秀行、早く縛って!」
亀井を宮田が引き摺って、校舎裏のフェンスに大の字に縛ると、亀井の前で見せつけながら秀行を犯した。
「秀行は、俺のモノなんだよ…今日だって、朝からずっとさっきまで繋がって、秀行の腹の中に何度も俺の体液を出してボールで栓しといたのに…」
亀井は暴れてフェンスをガシャガシャ揺らしたが、宮田は笑いながら秀行を犯した。
「やっ…ボール、取って…壊れる~!!」
秀行の中に出すと、宮田が離れ…亀井の足元に秀行が崩れた。
「あはっ…ボール、あんっ…」
芝生に顔を埋め、秀行はイキっぱなしになり喘いでいた。
「ほら、秀行…早くしないと、今度はボール5個にするよ?」
秀行はよつん這いのまま、尻を振りながら亀井に近づくと、亀井のモノを口に含み…イキそうになると根元を指で締め付け口を離し、落ち着くとまた口に含み舌を絡ませ…と何度も亀井を生殺し状態にして、8回目に亀井が“ギイィ~!!”と悲鳴ともとれる声を上げた。
「そろそろ出させるか…」
宮田はボロボロのバレーボールを持って来た。
ボールには、カッターで抉った穴が空いている、それを亀井の怒号したモノにかぶせた。
「ウオォォ~ッ!!」
獣の様に唸り、腰だけがカクカク動いた。
「智矢、何をしたの?」
宮田は、亀井を見ながら笑い秀行に教えた。
「廃棄するボールの中に、ミミズを目いっぱい詰めただけだよ。アハハッ!よっぽど気持ちいいんだろうな、よだれ垂らしながら腰振ってるよ!!」
秀行も笑いながら亀井に近づき、お手伝いと言ってボールを動かした。
何度目かの絶頂をすると、亀井が甲高い悲鳴を上げケイレンした。
2人がボールを外すと、亀井のモノの先端の穴に太いミミズが入り、5センチ程出ているミミズの体がビチビチとうねっていた。
気絶した亀井を運転席に乗せ、ズボンと下着は脱がしたまま、またボールをかぶせると、ハンドルがボールを押さえてくれて、亀井はビクンッビクンッと車の中で腰を震わせていた。
2人は部室に戻り、また朝まで宮田が秀行を犯して、ボールを落とした罰と、ミミズがパンパンに入ったペットボトルを秀行の尻にねじ込むと、腹の中に流し込みよがり狂わせた。
宮田は、自分のモノを秀行に咥えさせ、頭を押さえ付けると苦しいのか、尻に刺さる空のペットボトルの底が床に当たり、コン…コン…と音を立てていた。
「そろそろ明るくなる前に、俺達はかえろうか!」
涙とよだれを垂らした秀行を、床にグッと押すと、ブチュブチュ…ペットボトルが深くめり込み、中のミミズを何匹か潰しながらほとんど入った。
秀行は宮田の前で、大量に体液を吹き出してイクと、
宮田はそのままメイド服にコートを着せ、秀行の服をバッグに入れて、まともに歩け無い秀行を恋人同士の様に、腰を抱き寄せ学校を後にした。
亀井はまだ学校の前で、腰を揺らしながら気を失っていた。
帰り道、何度も秀行にキスをして、秀行は俺のモノだよな?と確認していた。
秀行の両親が仕事に行くまで、時間を潰し秀行の家のバスルームで秀行の尻のペットボトルを抜き、掃除と言って、シャワーヘッドを外したホースを挿し、熱いお湯を一気に入れた。
「イギィッ!?ヒィィ~…熱い!!」
必死に尻を振る秀行を、宮田は押さえつけた。
「ダメだよ、キレイにしないと…」
熱いお湯にミミズが暴れ、秀行は何度もバスルームの床に体液を出してケイレンすると、穴からはお湯と一緒に動かなくなったミミズが流れ落ち、排水溝に吸い込まれていった。
腹の中が空っぽになるまで続けると、グッタリした秀行を抱きしめ、部屋へと運び布団に寝かせると、体中にキスをして、名残りおしそうに片付けて帰って行った。
布団の中で秀行は、あと2人…と静かに喜んだ。
亀井は早朝に出勤した教師達が発見し、警察に通報されたらしいが、少し精神状態がおかしくなっていたのと、局部にバイ菌が入り炎症を起こし、かなり苦しんでいるらしい。
秀行は勇斗の家を訪ねた。
「何か用か?」
無愛想に勇斗が迎えた。
「上がってもいいかな?」
秀行がスポーツバッグを肩に掛けている姿に、勇斗は警戒しながら中へ入れた。
「亀井、やったのお前だろ?…次は俺の番だから来たのか?」
秀行はバッグを降ろし、服を全て脱ぐと、勇斗に抱きつき言った。
「そうだよ…」
「ふざけんな!気持ち悪い!!」
秀行を突き飛ばそうとしたが、秀行が勇斗の首に腕を回し、顔を近づけてキスをした。
「ふっ!?」
秀行を押し退けようとした腕は、秀行の背中をキツく抱きしめ、長いキスをした。
「あの時…勇斗が俺を壊そうとした時、勇斗立ってたよね…気付いたんだ、勇斗は俺の事…」
「うるさいっ!!」
勇斗が秀行の口をキスで塞ぐと、秀行も勇斗にしがみつき、舌を絡ませ何度もキスをした。
「はぁ…もっと早く分かってれば、こんな風にならなかったのに…」
勇斗は、秀行を抱きしめたまま、
「俺が秀行に好きだって言ったら、お前恋人になったか?」
秀行は少し考えてから、
「いや、多分…男同士って!って引いたかも…」
拗ねた様な勇斗に、秀行がもう1度キスをした。
そして抱き合いながら、今までの事をお互い話し、怒ったり、笑ったりしながら深く繋がった。
「はぁ…ゆ、勇斗、もっと激しく…して!」
「クッ…だいぶ淫乱になっちゃったな…」
リビングの床で1度イクと、勇斗の部屋でまたキスをすると、秀行がバッグを指差した。
「アレで俺をもっと激しく愛して…」
勇斗がバッグを開けると、今まで秀行を責め立てる為に亀井が使っていた物が入っていた。
「これって!?」
勇斗は、秀行を縛り時間の許す限り犯して、道具で責め立て、何度もキスをした。
夕方になると、秀行はバッグを勇斗に預け帰った。
次の日も朝から秀行が勇斗を訪ね、1分、1秒も離れたくないと、言葉もなく抱き合った後、秀行を犯した。
そんな日が続き、受験の日…秀行は勇斗と、休校の学校に忍び込み、朝から屋上で秀行が壊れるほど激しく責め上げ、夕方になる頃には裸で抱き合いながら、繋がったままキスをして笑っていた。
夜になって、暗い屋上で秀行は最後の復讐をすると、勇斗に言うと勇斗は頷いた。
「復讐する2人のうち1人は、宮田なんだ…俺に夢中にさせて、離れられなくしてから放り出して、宮田の心に穴開けるんだ…」
勇斗が笑いながら、秀行の頬にキスをした。
「そんなに上手く行くのか?」
「行くよ!アイツ亀井に嫉妬して、亀井をあんな風にしたくらいだよ!?」
少し驚いた勇斗が、顔を歪めて聞いた。
「もしかして、宮田ともずっとしてたのか…?」
「亀井の時までね、その後は勇斗以外としてないよ。」
「そっか…」
秀行と勇斗は見つめ合うと、また激しく求め合った。
「なぁ…俺はいつ復讐されるんだ?」
「最後の1人は…今日ここでするよ…」
秀行が勇斗から離れ涙をこぼした。
「これで、俺の“復讐”と“終活”が終わるんだ…」
“終活”の言葉にハッとして、勇斗が秀行に駆け寄るが、秀行は柵を超え微笑みながら暗い闇の底に堕ちて行きながら、最期に勇斗に囁いた。
“最初から勇斗に抱かれたかったよ…”
ドサッ!!
柵から身を乗り出し、茫然とする勇斗は何故秀行が死んで、自分が生きているんだ?勇斗は自分が復讐をされるだろうと思っていた。
最期の瞬間に、秀行は弱かった自分に復讐をした。
「ようやく…ようやく思いが伝わったのに…それは無いよ…」
勇斗は柵を超え、秀行の待つ闇に吸い込まれる様に…愛し合った秀行の元に飛んだ。
“お前の復讐は、本当に死んだ方がマシだよ…”
ドサッ!!
秀行のすぐ側に勇斗が落ち、傷だらけの手がかさなった。
2人の体から流れる血が、アスファルトを赤黒く染めながら広がって行った。
3月の桜が舞う中、卒業式が行われている。
その卒業式には、秀行と勇斗の姿は無い…
屋上に、1人の男子生徒が…柵の前に飾ってある花を泣きながら見ていた。
ーENDー
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
さかなのみるゆめ
ruki
BL
発情期時の事故で子供を産むことが出来なくなったオメガの佐奈はその時のアルファの相手、智明と一緒に暮らすことになった。常に優しくて穏やかな智明のことを好きになってしまった佐奈は、その時初めて智明が自分を好きではないことに気づく。佐奈の身体を傷つけてしまった責任を取るために一緒にいる智明の優しさに佐奈はいつしか苦しみを覚えていく。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
秀行君勇斗君可哀想😭😢でも想いが繋がったからよかったですε-(´∀`*)ホッ
番外編があるなら秀行君の両親と勇斗君の両親の後日談や智矢君の後日談も見てみたいです!!
この度は読んで頂きありがとうございます(^∇^)
後日談までは考えていなかったですが、機会があれば短編で考えようと思います。
感想まで頂けてとても嬉しい限りです。
これからもジャンル問わず小説を🆙するつもりなので、1つでも気に入って頂けたら幸いです、本当にありがとうございます(*˘︶˘*).。*♡