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第5話
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「まあっ! こんなにやつれてしまって、可哀そうに!」
私の顔を一目見るなり、ミーシャ・フェリーネは大声でそう言いました。
初対面でしたので、この時点では彼女が誰だか、私にはさっぱり分かりません。知らない女です。
ノックもなしに急に部屋の扉を開け放って入ってきたものですから、私は驚いて固まってしまいました。
そんな事はおかまいなしに、闖入者はずんずんと私の前へ歩み出て、上からずいっと見下ろしてきます。
私はベッドに腰かけたまま、ぽかんと彼女の顔を見上げました。
……リカルド様と同じ、犬の獣人だと思います。
ですが彼女の纏う雰囲気は、どことなく小型犬のようでした。目がくりくりと大きくて、なんだか派手な顔立ちをしています。
彼女はじぃっと私の顔を覗き込み、やがて「ふっ」と鼻から息を吹きました。
そしてにっこりと、わざとらしい笑顔を浮かべます。
「私はミーシャ・フェリーネっていうの。よろしくね、聖女さん。怖がらなくてもいいのよ? ほら、よ・ろ・し・く! 分かる?」
「……ミー、シャ? って、リカルド様の……?」
「ええ、そうよ。ちゃんとお話はできるみたいね。よかった」
「そりゃ、話せますけど……」
……彼女が、リカルド様の『運命の番』だからでしょうか?
何だか失礼で、変な態度で、嫌な人だな。と思います。
思わずじとりと睨み付けると、ミーシャはそんな私を見下ろしたまま、何だか妙な顔をしました。
苦笑いとも、泣きそうとも、申し訳なさそう……とも、少し違う。
顔を歪めた薄ら笑いのような、なんとも言えない表情です。
「聖女さん、ごめんなさいね。私とリカルドの事で、あなたを傷付けちゃったって、侍女の方から聞いて来たの」
「…………そうですか」
謝罪をしに来た、という事でしょうか?
でも、そんな事をされても、余計に嫌な気分になるだけです。
……もう、放っておいて欲しい。元の世界に、帰りたい。
とにかく、彼女の自己満足を聞かされるのは御免でした。今の私には、それを許せるだけの心の余裕はありません。
どうやって穏便に追い返そうかと考えていると、ミーシャはふいに、私の頭に手を乗せました。
「本当にごめんなさいね? あなたはリカルドに懐いていたのでしょう? 私にリカルドが取られると思って、そんなにやつれてしまったのね……。でも安心して? 結婚しても、ちゃんとリカルドはあなたに会いにきてくれるわよ? 私だって、リカルドの妻になるんですもの。夫と一緒に、頑張ってあなたのお世話をしてあげる」
「っ!?」
頭に乗せられた手を、私は思いっきり払い除けました。
私の顔を一目見るなり、ミーシャ・フェリーネは大声でそう言いました。
初対面でしたので、この時点では彼女が誰だか、私にはさっぱり分かりません。知らない女です。
ノックもなしに急に部屋の扉を開け放って入ってきたものですから、私は驚いて固まってしまいました。
そんな事はおかまいなしに、闖入者はずんずんと私の前へ歩み出て、上からずいっと見下ろしてきます。
私はベッドに腰かけたまま、ぽかんと彼女の顔を見上げました。
……リカルド様と同じ、犬の獣人だと思います。
ですが彼女の纏う雰囲気は、どことなく小型犬のようでした。目がくりくりと大きくて、なんだか派手な顔立ちをしています。
彼女はじぃっと私の顔を覗き込み、やがて「ふっ」と鼻から息を吹きました。
そしてにっこりと、わざとらしい笑顔を浮かべます。
「私はミーシャ・フェリーネっていうの。よろしくね、聖女さん。怖がらなくてもいいのよ? ほら、よ・ろ・し・く! 分かる?」
「……ミー、シャ? って、リカルド様の……?」
「ええ、そうよ。ちゃんとお話はできるみたいね。よかった」
「そりゃ、話せますけど……」
……彼女が、リカルド様の『運命の番』だからでしょうか?
何だか失礼で、変な態度で、嫌な人だな。と思います。
思わずじとりと睨み付けると、ミーシャはそんな私を見下ろしたまま、何だか妙な顔をしました。
苦笑いとも、泣きそうとも、申し訳なさそう……とも、少し違う。
顔を歪めた薄ら笑いのような、なんとも言えない表情です。
「聖女さん、ごめんなさいね。私とリカルドの事で、あなたを傷付けちゃったって、侍女の方から聞いて来たの」
「…………そうですか」
謝罪をしに来た、という事でしょうか?
でも、そんな事をされても、余計に嫌な気分になるだけです。
……もう、放っておいて欲しい。元の世界に、帰りたい。
とにかく、彼女の自己満足を聞かされるのは御免でした。今の私には、それを許せるだけの心の余裕はありません。
どうやって穏便に追い返そうかと考えていると、ミーシャはふいに、私の頭に手を乗せました。
「本当にごめんなさいね? あなたはリカルドに懐いていたのでしょう? 私にリカルドが取られると思って、そんなにやつれてしまったのね……。でも安心して? 結婚しても、ちゃんとリカルドはあなたに会いにきてくれるわよ? 私だって、リカルドの妻になるんですもの。夫と一緒に、頑張ってあなたのお世話をしてあげる」
「っ!?」
頭に乗せられた手を、私は思いっきり払い除けました。
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