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2.伽の習慣
儀式の部屋で
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カサブランカはエディ王子とお茶会の会場に戻ると、そのまま王に城の中枢にある、とある部屋に連れて行かれた。
それは王が有事の時に魔力を使うための儀式の部屋。
中央にあるのは、王国の核となっているもの。
球体の光だけが置かれ、あとは大理石の柱があるだけ。
王族と、その王族によって許された人間にしか足を踏み入れてはいけない場所。
今まで綺麗なレースカーテンや家具、大好きなぬいぐるみや花に囲まれたお嬢様のカサブランカにとって、その場所はあまりにも異質で、逃げ出してしまいたくなるほど。
カサブランカが涙目で震えていると、横にいたエディ王子がそっと手を繋いでくる。
「大丈夫だよ」
その手がとても温かくて気持ちが良いと、カサブランカは思った。
「お、二人はもう、仲良しなのかな?」
王……つまりエディ王子の父親は、二人が仲良さそうな様子に満足げな笑みを浮かべる。
「エディ、カシー」
カサブランカは、王からはすでにカシーと呼ばれるようになっていた。
「二人は、この国を守るためのパートナーになる」
「パートナーとは何ですか?父上」
エディ王子が純真な目で聞く。
「二人が仲良くすると、王子の魔力がとても大きくなる。その魔力をこの球体に注ぎ込むことで、この国はずーっと平和でいられるんだよ」
「そうなんだー。じゃあ僕、仲良くする。ねー」
カサブランカは、その笑みを見た途端、顔が真っ赤になり、俯いてしまうが、こくりと頷く。
「やった!!よろしくね!」
「……よろしく……」
カサブランカには、王が言っていた魔力のことも、国を守るということもよく分かっていなかった。
内心ではこの綺麗な男の子と一緒にお友達になれるという事実だけが、とても嬉しかった。
エディ王子もまた、この時期魔法を覚えたばかりなため「魔力が大きくなる」という言葉が嬉しかったし、一緒に遊べる人間が一人増えたということを喜んだ。
最初は、本当にそれだけ。
しかし、カサブランカにとってはこの後、3歳の幼い頭では決して想像することができない出来事が、次から次へと起きることになる。
エディ王子とカサブランカ。
二人が16歳になるまでの準備が、この日を境に始まった。
エディ王子のこれからの13年は、カサブランカの記憶に残る「月1のお茶会」という名の、大人にセッティングされた仲良くなるためのデートの時だけしか分からない。
ただ、カサブランカの13年について言えることがあるとすると……現代社会に置き換えると間違いなく……地獄そのもの。
それは王が有事の時に魔力を使うための儀式の部屋。
中央にあるのは、王国の核となっているもの。
球体の光だけが置かれ、あとは大理石の柱があるだけ。
王族と、その王族によって許された人間にしか足を踏み入れてはいけない場所。
今まで綺麗なレースカーテンや家具、大好きなぬいぐるみや花に囲まれたお嬢様のカサブランカにとって、その場所はあまりにも異質で、逃げ出してしまいたくなるほど。
カサブランカが涙目で震えていると、横にいたエディ王子がそっと手を繋いでくる。
「大丈夫だよ」
その手がとても温かくて気持ちが良いと、カサブランカは思った。
「お、二人はもう、仲良しなのかな?」
王……つまりエディ王子の父親は、二人が仲良さそうな様子に満足げな笑みを浮かべる。
「エディ、カシー」
カサブランカは、王からはすでにカシーと呼ばれるようになっていた。
「二人は、この国を守るためのパートナーになる」
「パートナーとは何ですか?父上」
エディ王子が純真な目で聞く。
「二人が仲良くすると、王子の魔力がとても大きくなる。その魔力をこの球体に注ぎ込むことで、この国はずーっと平和でいられるんだよ」
「そうなんだー。じゃあ僕、仲良くする。ねー」
カサブランカは、その笑みを見た途端、顔が真っ赤になり、俯いてしまうが、こくりと頷く。
「やった!!よろしくね!」
「……よろしく……」
カサブランカには、王が言っていた魔力のことも、国を守るということもよく分かっていなかった。
内心ではこの綺麗な男の子と一緒にお友達になれるという事実だけが、とても嬉しかった。
エディ王子もまた、この時期魔法を覚えたばかりなため「魔力が大きくなる」という言葉が嬉しかったし、一緒に遊べる人間が一人増えたということを喜んだ。
最初は、本当にそれだけ。
しかし、カサブランカにとってはこの後、3歳の幼い頭では決して想像することができない出来事が、次から次へと起きることになる。
エディ王子とカサブランカ。
二人が16歳になるまでの準備が、この日を境に始まった。
エディ王子のこれからの13年は、カサブランカの記憶に残る「月1のお茶会」という名の、大人にセッティングされた仲良くなるためのデートの時だけしか分からない。
ただ、カサブランカの13年について言えることがあるとすると……現代社会に置き換えると間違いなく……地獄そのもの。
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