小さな町の不思議・怖い話

みつか

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呼ばれる (実話)

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誰かに呼ばれたような気がする事ってありませんか?

誰も居ないのに……

もしくは、用事もないのに無性に行かないといけない気分になる場所。

そういう経験した事ないですか?

今日はそんな経験をしたお話。

何度か書いてきたのですが、ここの集落はお墓参りを旧暦の1日と15日に行う風習がある。

8月の旧暦は『長崎原爆の日』の前日8月8日であった。

暑い夏の日。スマホ液晶画面に緑の線が……

「まだ1年経ってないのに……」

そんな風に思いながら壊れかけのスマホを持参で旧暦のお墓参りの日より1日早い前日夕方にお墓参りに出かけた。

その日は珍しく、前日お墓参りするメンバーも居らず貸し切り状態。

(水道を使うのも気を遣わなくて済む!)

そんな風に思いながら親のお墓を掃除し花を替えお線香を立てて感謝の意を唱えながら拝む。

何かと毎回飛んできたり、ちょっとした驚かしがあるが……今日は蝶々がひらひらと飛んでくるのみだった。

(じゃっ、また来るね!)

心の中でそう話すと、今度はご先祖様が眠るお墓へ移動する。
やはり誰も来ない……

(旧暦間違えたか?)

不安になり、スマホを開き検索する。
旧暦は合っているのに誰も来ない……

(前日の夕方数人お墓参りするのだが……まぁ、いいか。そんな日もあるさっ!)

のんびり1人でお墓参りを行う。花を替え掃除してお線香を立てて……

(よしっ!終わりッ!!暑っついなぁ~帰ろ)

荷物とゴミを持ち、壊れかけのスマホで時間を確認する。

午後の5時前。
山の影に入るがやはり暑い墓場。

お墓の真ん中の大きな通路を歩いていると、妙に友達のお墓にお墓参りしないといけない気になる。

17歳の若さでこの世を去った友。不慮の事故だった。
生まれ育った地元のここのお墓で眠っている。

毎回は友のお墓をお墓参りしない。
お盆の時にお墓参りに寄るのが私の中での習慣だった。

ご先祖様のお墓から、大きな道路に出て数十歩歩き左に曲がり、曲がりくねった小さな道の先。
数人のお墓の前を通って友のお墓がある。

友のお墓なら毎回ついでに行けよって思う人もいるだろうが……
「毎回行かない」には理由がある。

随分前には毎回お墓参りの日には立ち寄って居たのだが、友のお墓の前には誰も手を合わせてくれる事の無くなったお墓が数基ある。

そのせいもあってか、たまに『障り』が起こるよ様になった。

友のお墓参りに行く度に何か良くない事が起こる。
怪我したり、病気になったり……たまたまだったのかもしれないけれど、無縁仏となった拝まれないお墓の主が羨ましがって向こうの世界へと誘おうとするのではないかと……

言われたことがある。

それ以来、友の命日とお盆以外は立ち寄らない事にしていた。

だが、何故かその日は無性に友のお墓に寄らないといけない様な気分になる。

(う~ん……お盆近いし、その時来るから!時間も遅いし帰らないと。……また来るから!)

そう心で唱えながら足早に大きな道を歩く。

何故友の墓に行かないといけない気分になったのか不思議であったが、その理由を数日後思い出す。

数日経って8月11日カレンダーを見てふと気づく。

「ヤバっ!命日忘れてた!!8月9日は友の命日だったのに……なんてこった!毎年忘れずにお墓参りしてたのに……ごめんよ……」

気付いた時は既に3日過ぎていた。

そう、あの時友は私を呼んだのだ。命日にお墓参りしてほしかったから……

地元に残っているのは私だけ。寂しかったんだろうな……

旧暦の15日の墓参りに友の墓場へ立ち寄る。

「本当にすまなかった……自分の事でいっぱいで……許してくれるかい?いつも見守ってくれてありがとう。私ばっかり年を取っていくよ……ふふっお盆にまた来るね!」

2週間程遅れてしまったが、友のお墓を墓参りする事が出来て良かったのだが怒っているのかは謎である。

とても優しい友だったからそんな事はしないだろう……障りがない事を祈りつつ、9月の旧暦のお盆に再来する事を誓って墓場を後にする。

若くして此の世を去った友の命日をすっかり忘れるなんて……大失態だと反省しつつお盆に会える事を楽しみにしている。




お盆の前後は引き込まれる事が多いらしいので許してくれていることを願うばかりだ……




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