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山 2 暴行、暴力表現あり
しおりを挟む『今日は、兄が出かけています。そっと山の作業小屋にいらして下さい。待ってます。』
ガラの悪い男は、女性からの手紙だと思い込み鼻の下を伸ばし意気揚々と山の作業小屋へ向かった。
「来たよ~~!アイツよりワンが忘れられんくてね?ま~た楽しもうでぃ~?!!」
ガラッと作業小屋の戸を開けると、ナタが上から振り下ろされる。
「ひぃ~!!!なんね?!なんでアンタが居るわけ?!」
驚きと恐怖で腰を抜かし、そのまま地面に座り込むガラの悪い男。
腰を抜かしつつ、四つん這いになりながら逃げようとするガラの悪い男の足に容赦なくナタが振り下ろされる。
ザンッ!!
ゴトリとガラの悪い男の左足首が地面に落ちる。
「ぎゃーーーっ!!!すまんかった!本当にごめん!ワンが悪かった!許してくれ!!」
必死に謝り、許しを請うがガラの悪い男が見たのは兄ではなく鬼に成り果てた男だった。
酷く怖い顔……まさに『鬼』と呼べるような表情。
眉毛はつり上がり大きく見開いた鋭い眼光、への字口。
無表情に近いが、生気も無くただただ怒りに身を任せた人間の末路。
許しを請う男に躊躇なく、無言で容赦なくナタは振り下ろされる。
ザシュッ!がッゴリッ!!
膝や太ももが容赦なく切り落とされていく。
叫び声を挙げながら、どうにか逃げようともがくが反対の足も容赦なく切り刻まれる。
ガラの悪い男が絶命する迄その行為は繰り返される。
斬り刻まれた男の遺体はガジュマルの木の根元に放置され色んなモノの栄養となる。
数日が経ち、ガラの悪い男が居なくなった事に気付いたが村の人は行方を探す事は無かった。
「アイツの事だ何処かに行ったのだろう」
そんな風に考えていた。大の男。心配する人は居なかった。
村の厄介者が消えてせいせいする人も多かったからである。
山の作業小屋に住む兄の所にある日村人がおとずれた。
「お~い元気してるね?最近村に来ないがね?大丈夫か?」
そんな風に気軽に話しかける。
返事は返ってこない……
そこに居たのは兄ではなく、変わり果てた姿の男だった。
そこに居たのは、ボサボサの髪に角が生え、大きな牙も生えて狂気に満ちた目をした男だった。
「ひっ!ひぃ~~!!!ムンじゃ!鬼じゃぁーー!!」
何の感情も示さない変わり果てた兄は女性の墓を守る為か、川を守る為か目的は分からないがナタを振り上げ近寄る事を拒否する様に村人を容赦なく追いかけ回した。
命からがら逃げた村人は、兄の事を村人へ報告した。
「兄の気が触れて、アレは鬼になった!!ムンに化かされて人じゃなくなった!!恐ろしい恐ろしい!!」
その後、大きなガジュマルの樹の根元、作業小屋のある川には兄の名前を付け山小屋へは近付かないようにお触れをだし兄を拝み奉った。(おがみたてまつった)
鬼人となってしまった兄は人に戻る事は叶わず、只々その場に留まり肝試しに登ってくる人を誰彼構わず襲いその命を奪った。
何十年、何百年と経った今でも山の上、川の源流には今もまだ鬼となった兄が川を守って居る。
遊び半分で人の名前のついた川をさかのぼって大きなガジュマルの樹の下へ行ってはいけない。
命を粗末にしたくなければ……
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