97 / 105
第20章:新しい同盟
第97話:拳の対話と、見えない鎖 〜固い石は己を砕き、柔らかな風は山を越える〜
しおりを挟む
地下アジトの澱んだ空気が、一瞬にして沸点へと達した。
虎の獣人ガウが放った拳は、単なる暴力の塊ではない。それは、長年虐げられ、尊厳を踏みにじられてきた獣人たちの怒り、悲しみ、そして現状を打破できない自分自身への焦燥が凝縮された、魂の鉄槌だった。
ブォォン!!
風圧だけで周囲の松明(たいまつ)が揺らぎ、消えかけるほどの威力。直撃すれば、人間の頭蓋骨など熟れたトマトのように弾け飛ぶだろう。
しかし。
瞬(シュン)の表情には、恐怖も焦りもなかった。
彼は、目の前に迫る死の塊を、まるでスローモーションの映像を眺めるように冷静に見つめていた。
(……重いな)
物理的な重さではない。その拳に込められた「執着」の重さだ。
「勝たなければならない」「強くあらねばならない」「奪い返さねばならない」。
その強すぎる思いが、ガウの筋肉を過剰に硬直させ、動きを直線的で読みやすいものにしてしまっている。
仏教で言うところの「苦(ドゥッカ)」――思い通りにならない現実への苛立ちが、彼自身の視野を狭くし、本来持っているはずのしなやかな獣の強さを濁らせているのだ。
「遅い」
瞬は、短く呟いた。
彼は一歩も動かなかった。ただ、足裏の力を抜き、上半身を柳の枝のようにゆらりと傾けただけだ。
ドゴォッ!
ガウの拳が、瞬の頬をかすめて空を切る。
その風圧で瞬の黒髪が激しく舞い上がり、背後の壁に拳大の穴が空いたが、彼自身には傷一つない。
「なっ!?」
ガウが黄金色の目を見開く。
必殺の間合い。回避不可能なタイミングだったはずだ。なぜ避けられた?
思考が追いつかないまま、ガウは二撃目、三撃目を繰り出す。
左フック、右アッパー、回し蹴り。
嵐のような連撃。だが、その全てが瞬の体をすり抜けていく。まるで陽炎(かげろう)を殴っているかのような手応えのなさ。
「お前、怒りすぎだ」
瞬は、ガウの懐(ふところ)にするりと入り込んだまま、淡々と言った。その声は、戦場の喧騒の中で奇妙なほど静かに響いた。
「怒りで周りが見えてねぇから、動きが全部バレバレなんだよ。……力んでる奴ほど、転ばすのは簡単だ」
瞬は、ガウが渾身の力で振り下ろした右腕の下を潜り抜け、その軸足に軽く自分の足を掛けた。
そして、ほんの少し。
指先で、ガウの無防備な脇腹を「トン」と押した。
デコピンのような、拍子抜けするほど軽い力で。
「――ゼロになれ」
その瞬間。
世界が裏返った。
ガウの巨体が、宙を舞っていた。
自らの突進の勢いと、瞬による絶妙な力の誘導が合わさり、制御不能な回転運動へと変換されたのだ。
天井が下に見え、床が上に見える。
ガウは、自分が何故飛んでいるのか理解できないまま、重力に逆らって天井へと射出された。
ズドンッ!!
ベキベキベキッ!
凄まじい破壊音が響き、地下アジト全体が地震のように揺れた。
パラパラと土砂が落ちてくる中、全員が見上げた先には――。
ガウの頭が、天井の岩盤に深々と突き刺さっていた。
下半身だけがぶらんと垂れ下がり、振り子のように寂しげに揺れている。
まるで、シュールレアリスムの彫刻のような、あまりにも間抜けで、しかし圧倒的な光景。
シーン……。
静寂が戻る。
レジスタンスのメンバーたちは、ポカンと口を開け、目玉が飛び出さんばかりの表情で固まっていた。
最強のリーダーが。
獣人国で一番の怪力無双が。
人間ごときに。指先一つで。
天井のシミにされてしまった。
「……手加減はしたぞ。首の骨は折れてねぇはずだ」
瞬は、パンパンと手の埃(ほこり)を払いながら、何事もなかったかのように言った。
メリメリ……ドサッ。
数秒後、ガウが自重で天井から抜け落ち、床に落下した。
彼はふらつきながら立ち上がり、頭から落ちてくる瓦礫の粉を乱暴に払った。額からは血が流れているが、その顔に浮かんでいるのは怒りよりも、底知れぬ驚愕だった。
「……テメェ、何をしやがった」
ガウの声が震える。獣の威嚇ではない。未知への畏怖だ。
「魔法か? 呪いか? 筋力で負けるはずが……」
「いいや。ただの『脱力』だ」
瞬は肩をすくめた。
「お前は『強さ』を『固めること』だと思ってるだろ?
鎧を着込んで、筋肉を固くして、心を閉ざして。……でもな、固いものほど脆いんだよ」
瞬は、足元に落ちていた乾いた木の枝を拾い上げた。
両端を持って力を込める。パキッと簡単に折れる。
次に、彼はポケットからハンカチを取り出し、風になびかせた。指で弾いても、布はふわりと逃げて衝撃を受け流す。
「『中道(ちゅうどう)』って知ってるか?」
瞬はニカっと笑った。
「張り詰めすぎず、緩すぎず。……極端に走るんじゃなくて、ちょうどいいバランスでいることだ。心が自由なら、体も自由になる。そうすりゃ、どんな重い攻撃も受け流せるし、逆に相手の力を利用して吹っ飛ばすこともできる」
それは、戦闘技術の話であり、同時に生き方の話でもあった。
ガウは、国を背負う重圧、人間への憎しみ、過去の屈辱……そういった「重い荷物」を背負い込みすぎて、心も体もガチガチに凝り固まっていたのだ。
瞬は、その荷物をちょっと揺さぶって、彼に「バランス」を思い出させたに過ぎない。
執着を捨てろとは言わない。だが、執着に振り回されるな、と。
ガウは、しばらく呆然と瞬を見ていたが、やがて「ふっ」と自嘲気味に鼻で笑った。
その笑みには、さっきまでの刺々しさは消え、憑き物が落ちたような色が混じっていた。
「……わけのわからん理屈だ。中道だの、脱力だの。……だが、負けは負けだ」
ガウは、ドカッとその場に胡座(あぐら)をかいて座り込んだ。
そして、瞬を見上げて牙を剥き出しにして笑った。
「人間にしては、面白い奴だ。……獣の臭いがしねぇと思ってたが、お前、中身は『風』みてぇな奴だな。掴みどころがなくて、自由で……ムカつくくらい強い」
「よく言われるよ。……で、約束通り晩飯奢ってくれるんだろ?」
「ああ。……ここにある一番上等な干し肉と、秘蔵の酒を出してやる」
こうして、拳による対話は終わった。
殴り合った後に芽生える奇妙な友情。それは種族や理屈を超えて通じ合う、男たちの単純で強固な絆だった。
レジスタンスのメンバーたちも、リーダーを倒した男の実力を認めざるを得ず、ざわめきながらも武器を下ろしていった。
***
その夜、レジスタンスとの緊急作戦会議が開かれた。
場所は、アジトの奥にある作戦室。粗末なテーブルを囲み、瞬たちとガウ、そして幹部たちが顔を突き合わせる。
ガウは、瞬の実力を認めたことで、ようやく聞く耳を持つようになっていた。
「現状は最悪だ」
ガウが王都の地図を広げ、太い指で王城を指差す。
「ここ数ヶ月、王城は正体不明の黒い霧に包まれている。近づくだけで体力を奪われ、正気を失う奴もいる。……俺たちの仲間も、偵察に行って何人も戻ってこなかった」
「黒い霧……」
エリーゼが眼鏡(予備のものだ)を光らせ、興味深そうに頷く。
「間違いありませんわ。魔族特有の『瘴気(ミアズマ)』です。それも、生物の負の感情を養分にして増殖する、極めて悪質なタイプですわ」
アリスが、持参した魔導端末(タブレット型の魔道具)を展開した。
空中に王城の立体地図がホログラムのように映し出されると、獣人たちが「おおっ!」「なんだこれは魔法か!?」とどよめく。
「驚いてる場合じゃないわよ。……解析結果が出たわ」
アリスの表情が険しい。
「この霧の発生源は、王城の最奥部……玉座の間。……つまり、国王そのものよ」
「なんだと!?」
ガウがバンと机を叩いて立ち上がる。
「王が……魔族の手先になったと言うのか!? あの賢王と呼ばれたお方が!」
「違うわ。……乗っ取られているのよ」
アリスは冷徹に告げた。
「王の『欲望』を依り代にして、魔族が憑依している。……仏教的に言えば『渇愛(かつあい)』の暴走ね。権力への執着、国を富ませたいという焦り、あるいは永遠の命への渇望……そういった心の隙間に入り込まれたのよ」
執着。
それは、誰もが持つ心の弱さだ。
ガウもまた、一歩間違えば同じ闇に飲まれていたかもしれない。瞬との戦いで「力を抜く」ことを知らなければ、怒りの炎に身を焦がし、魔族につけ込まれていた可能性もあった。
「……助けられるのか?」
ガウが絞り出すように問う。
彼にとって、王は敵である以前に、かつて尊敬していた主君でもあった。できれば、殺したくはない。
「やってみる価値はあるわ」
瞬が言った。彼は干し肉をかじりながら、真剣な目で地図を見つめていた。
「憑依してる本体を引っこ抜けば、元に戻るかもしれねぇ。……俺たちなら、できる」
「だが、どうやって城に入る?」
レジスタンスの副官が悲観的に言う。
「正面突破は自殺行為だ。城壁には数百の衛兵がいるし、空にはワイバーン部隊が監視している」
「ふふん。そこで私の出番よ」
アリスが扇子を開き、不敵に微笑んだ。
彼女は大きなトランクケースを足元に置き、ガチャリと開けた。
「正面突破なんて野蛮なことはしないわ。……これを使うのよ」
アリスが取り出したのは、フワフワの毛が生えた、可愛らしい「猫耳カチューシャ」だった。
黒、白、茶色、三毛。バリエーションも豊富だ。
しーん……。
会議室に、気まずい沈黙が流れる。
「……おい、嬢ちゃん。ふざけてんのか?」
ガウがこめかみをピクつかせる。
「失礼ね! これは私の魔道具開発技術の粋(すい)を集めた最高傑作、『認識阻害カチューシャ・ニャンコVer.』よ!」
アリスが得意げに説明する。
「これを装着すると、周囲の認識を歪曲させ、強制的に『あ、この人は猫の獣人だな』と思い込ませる強力な暗示がかかるの。……ついでに、鳴き真似をすれば効果倍増よ」
「……」
全員が絶句した。
高性能な潜入アイテムだということは分かる。だが、デザインがふざけすぎている。
「さあ、みんな着けて! 時間がないわよ!」
アリスが強制的に配給を始める。
数分後。
そこには、地獄のような光景が広がっていた。
ゼイクは、白銀のフルプレートアーマーの上に、黒い猫耳をつけていた。
彼は兜を小脇に抱え、死んだ魚のような目で虚空を見つめている。
「……私は、元王立騎士団長だぞ。……これは、何の罰ゲームだ? 騎士道精神への冒涜(ぼうとく)ではないか?」
エリーゼは、知的なローブ姿に白い猫耳をつけていた。
彼女は鏡を見ながら、意外と満更でもなさそうに耳をピコピコ動かしている。
「あら、悪くありませんわね。魔力伝導率も良好。……興味深い術式ですわ、あとで分解させてくださいまし」
メイは、茶色の猫耳をつけていた。
これは文句なしに可愛い。ただただ可愛い。獣人たちからも「守ってあげたい」という視線が注がれている。
「にゃ、にゃあ?」
そして、瞬。
彼は三毛猫の耳をつけて、アリスに言われるがままにポーズを取っていた。
「これでいいのか? ……にゃあ」
投げやりだが、意外と馴染んでいる。
「ぷっ……くくっ……」
ガウが腹を抱えて震えていた。
「お前ら……最高だぜ。そんな格好で王城に攻め込むなんて、歴史に残る馬鹿だ」
「うるせぇ! お前もつけるんだよ!」
瞬が予備の猫耳(特大サイズ)をガウの頭に無理やり乗せる。
本物の虎耳の上に、偽物の猫耳が乗るという、カオスな状態になった。
「よし! 準備完了ね!」
アリスが満足げに頷く。
「作戦名『猫の手も借りたいニャンニャン大作戦』、開始よ!」
「作戦名どうにかならんのか……」
***
深夜。
冷たい風が吹き荒れる中、一行は王城の裏門へと接近していた。
見張り台には、松明を持った屈強な獣人兵士たちが目を光らせている。
「止まれ! 何者だ!」
兵士が槍を向ける。
瞬たちは、一列に並んで姿を現した。
猫耳をつけたフルプレートの騎士、猫耳をつけた魔法使い、猫耳をつけた……変な集団。
「あ、あの……交代の猫部隊です……にゃあ」
瞬が、棒読みで言った。
兵士は怪訝な顔をして近づいてきた。
ゼイクが冷や汗を流し、剣に手をかける。バレたら強行突破だ。
兵士は、ゼイクの顔をまじまじと見つめた。
そして――。
「……おお、猫部隊か。ご苦労さん」
あっさりと通した。
「えっ?」
ゼイクが思わず声を上げる。
「なんだその声は。風邪か? 暖かくして寝ろよ」
兵士は親切に言葉をかけ、門を開けた。
アリスの技術力、恐るべし。人間の認識機能のバグを突いた、完璧なハッキングだ。
城内に潜入した一行は、音もなく回廊を進んでいく。
石造りの廊下には、黒い血管のような不気味な蔦(つた)が這い回り、城全体が巨大な魔物の内臓のようになっていた。
空気は重く、湿っている。呼吸をするたびに、肺の中に鉛が溜まっていくような圧迫感。
「……来るぞ」
先頭を歩くアリア(彼女は本物のエルフ耳なので猫耳は免除されたが、なぜか悔しそうだ)が、小声で警告する。
「前方に巡回兵。……数は四」
「私がやる」
ゼイクが前に出た。
猫耳を揺らしながら、彼は音もなく疾走する。
巡回兵たちが気づいた時には、すでに遅かった。
剣の峰(みね)で首筋を一撃。
ドサッ、ドサッ。
一瞬で四人を気絶させ、物陰に隠す。完璧な手際だ。見た目はふざけているが、中身は歴戦の騎士そのものだ。
「さすがだな、石頭。猫耳つけてても強いぜ」
「褒め言葉に聞こえん……。早く終わらせて、この耳を外したい」
一行は、さらに奥へと進む。
最上階、玉座の間。
そこから溢れ出す瘴気は、もはや隠しようもないほど濃密になっていた。
扉の隙間から、赤黒い光が漏れ出している。
「……中にいる」
ガウが、扉の前で足を止めた。
彼の拳が震えている。かつての主君と、敵として対峙する恐怖と悲しみ。
「大丈夫だ」
瞬が、ガウの背中を叩いた。
「俺たちがついてる。……王様の目を覚まさせてやろうぜ」
瞬は、扉に手をかけた。
猫耳をつけたまま、その瞳は真剣そのものだった。
「準備はいいか?
ここからは、ふざけた真似はなしだ」
(お前が言うな、と全員が思ったが、口には出さなかった)
「開けるぞ」
ギィィィ……。
重い扉が、悲鳴のような音を立てて開かれる。
そこには、地獄があった。
玉座に深く沈み込んだ、異形の王。
体は通常の獣人の倍以上に膨れ上がり、皮膚からは黒い棘が突き出している。
目は血のように赤く発光し、口からは黒い液体が垂れ流されている。
「……力が……欲しい……」
「もっと……もっとよこせ……!」
王は、うわ言のように繰り返していた。
その声は、何重にも重なり、不協和音となって響く。
もはや理性ある王の姿ではない。
欲望という名の化け物に食い荒らされ、その抜け殻に魔族が巣食っている、哀れな傀儡(くぐつ)。
「……誰だァァァ!!
我が領土を侵す蟲(むし)ケラ共はァァァ!!」
王が顔を上げ、吠えた。
その咆哮だけで、物理的な衝撃波が発生し、瞬たちの猫耳が吹き飛びそうになる。
窓ガラスが割れ、燭台が倒れる。
「ひるむな! 突撃!」
瞬が叫ぶ。
戦いのゴングが鳴った。
だが、それは単なる力と力のぶつかり合いではない。
「執着」に囚われた哀れな王と、それを「解放」しようとする規格外の英雄たちの、魂の戦いだった。
瞬が地を蹴る。
アリスが術式を展開する。
ゼイクが剣を構える。
エリーゼが詠唱を始める。
メイが祈る。
そしてガウが、咆哮を上げて突っ込む。
夜明け前の闇の中で、決戦の幕が上がった。
虎の獣人ガウが放った拳は、単なる暴力の塊ではない。それは、長年虐げられ、尊厳を踏みにじられてきた獣人たちの怒り、悲しみ、そして現状を打破できない自分自身への焦燥が凝縮された、魂の鉄槌だった。
ブォォン!!
風圧だけで周囲の松明(たいまつ)が揺らぎ、消えかけるほどの威力。直撃すれば、人間の頭蓋骨など熟れたトマトのように弾け飛ぶだろう。
しかし。
瞬(シュン)の表情には、恐怖も焦りもなかった。
彼は、目の前に迫る死の塊を、まるでスローモーションの映像を眺めるように冷静に見つめていた。
(……重いな)
物理的な重さではない。その拳に込められた「執着」の重さだ。
「勝たなければならない」「強くあらねばならない」「奪い返さねばならない」。
その強すぎる思いが、ガウの筋肉を過剰に硬直させ、動きを直線的で読みやすいものにしてしまっている。
仏教で言うところの「苦(ドゥッカ)」――思い通りにならない現実への苛立ちが、彼自身の視野を狭くし、本来持っているはずのしなやかな獣の強さを濁らせているのだ。
「遅い」
瞬は、短く呟いた。
彼は一歩も動かなかった。ただ、足裏の力を抜き、上半身を柳の枝のようにゆらりと傾けただけだ。
ドゴォッ!
ガウの拳が、瞬の頬をかすめて空を切る。
その風圧で瞬の黒髪が激しく舞い上がり、背後の壁に拳大の穴が空いたが、彼自身には傷一つない。
「なっ!?」
ガウが黄金色の目を見開く。
必殺の間合い。回避不可能なタイミングだったはずだ。なぜ避けられた?
思考が追いつかないまま、ガウは二撃目、三撃目を繰り出す。
左フック、右アッパー、回し蹴り。
嵐のような連撃。だが、その全てが瞬の体をすり抜けていく。まるで陽炎(かげろう)を殴っているかのような手応えのなさ。
「お前、怒りすぎだ」
瞬は、ガウの懐(ふところ)にするりと入り込んだまま、淡々と言った。その声は、戦場の喧騒の中で奇妙なほど静かに響いた。
「怒りで周りが見えてねぇから、動きが全部バレバレなんだよ。……力んでる奴ほど、転ばすのは簡単だ」
瞬は、ガウが渾身の力で振り下ろした右腕の下を潜り抜け、その軸足に軽く自分の足を掛けた。
そして、ほんの少し。
指先で、ガウの無防備な脇腹を「トン」と押した。
デコピンのような、拍子抜けするほど軽い力で。
「――ゼロになれ」
その瞬間。
世界が裏返った。
ガウの巨体が、宙を舞っていた。
自らの突進の勢いと、瞬による絶妙な力の誘導が合わさり、制御不能な回転運動へと変換されたのだ。
天井が下に見え、床が上に見える。
ガウは、自分が何故飛んでいるのか理解できないまま、重力に逆らって天井へと射出された。
ズドンッ!!
ベキベキベキッ!
凄まじい破壊音が響き、地下アジト全体が地震のように揺れた。
パラパラと土砂が落ちてくる中、全員が見上げた先には――。
ガウの頭が、天井の岩盤に深々と突き刺さっていた。
下半身だけがぶらんと垂れ下がり、振り子のように寂しげに揺れている。
まるで、シュールレアリスムの彫刻のような、あまりにも間抜けで、しかし圧倒的な光景。
シーン……。
静寂が戻る。
レジスタンスのメンバーたちは、ポカンと口を開け、目玉が飛び出さんばかりの表情で固まっていた。
最強のリーダーが。
獣人国で一番の怪力無双が。
人間ごときに。指先一つで。
天井のシミにされてしまった。
「……手加減はしたぞ。首の骨は折れてねぇはずだ」
瞬は、パンパンと手の埃(ほこり)を払いながら、何事もなかったかのように言った。
メリメリ……ドサッ。
数秒後、ガウが自重で天井から抜け落ち、床に落下した。
彼はふらつきながら立ち上がり、頭から落ちてくる瓦礫の粉を乱暴に払った。額からは血が流れているが、その顔に浮かんでいるのは怒りよりも、底知れぬ驚愕だった。
「……テメェ、何をしやがった」
ガウの声が震える。獣の威嚇ではない。未知への畏怖だ。
「魔法か? 呪いか? 筋力で負けるはずが……」
「いいや。ただの『脱力』だ」
瞬は肩をすくめた。
「お前は『強さ』を『固めること』だと思ってるだろ?
鎧を着込んで、筋肉を固くして、心を閉ざして。……でもな、固いものほど脆いんだよ」
瞬は、足元に落ちていた乾いた木の枝を拾い上げた。
両端を持って力を込める。パキッと簡単に折れる。
次に、彼はポケットからハンカチを取り出し、風になびかせた。指で弾いても、布はふわりと逃げて衝撃を受け流す。
「『中道(ちゅうどう)』って知ってるか?」
瞬はニカっと笑った。
「張り詰めすぎず、緩すぎず。……極端に走るんじゃなくて、ちょうどいいバランスでいることだ。心が自由なら、体も自由になる。そうすりゃ、どんな重い攻撃も受け流せるし、逆に相手の力を利用して吹っ飛ばすこともできる」
それは、戦闘技術の話であり、同時に生き方の話でもあった。
ガウは、国を背負う重圧、人間への憎しみ、過去の屈辱……そういった「重い荷物」を背負い込みすぎて、心も体もガチガチに凝り固まっていたのだ。
瞬は、その荷物をちょっと揺さぶって、彼に「バランス」を思い出させたに過ぎない。
執着を捨てろとは言わない。だが、執着に振り回されるな、と。
ガウは、しばらく呆然と瞬を見ていたが、やがて「ふっ」と自嘲気味に鼻で笑った。
その笑みには、さっきまでの刺々しさは消え、憑き物が落ちたような色が混じっていた。
「……わけのわからん理屈だ。中道だの、脱力だの。……だが、負けは負けだ」
ガウは、ドカッとその場に胡座(あぐら)をかいて座り込んだ。
そして、瞬を見上げて牙を剥き出しにして笑った。
「人間にしては、面白い奴だ。……獣の臭いがしねぇと思ってたが、お前、中身は『風』みてぇな奴だな。掴みどころがなくて、自由で……ムカつくくらい強い」
「よく言われるよ。……で、約束通り晩飯奢ってくれるんだろ?」
「ああ。……ここにある一番上等な干し肉と、秘蔵の酒を出してやる」
こうして、拳による対話は終わった。
殴り合った後に芽生える奇妙な友情。それは種族や理屈を超えて通じ合う、男たちの単純で強固な絆だった。
レジスタンスのメンバーたちも、リーダーを倒した男の実力を認めざるを得ず、ざわめきながらも武器を下ろしていった。
***
その夜、レジスタンスとの緊急作戦会議が開かれた。
場所は、アジトの奥にある作戦室。粗末なテーブルを囲み、瞬たちとガウ、そして幹部たちが顔を突き合わせる。
ガウは、瞬の実力を認めたことで、ようやく聞く耳を持つようになっていた。
「現状は最悪だ」
ガウが王都の地図を広げ、太い指で王城を指差す。
「ここ数ヶ月、王城は正体不明の黒い霧に包まれている。近づくだけで体力を奪われ、正気を失う奴もいる。……俺たちの仲間も、偵察に行って何人も戻ってこなかった」
「黒い霧……」
エリーゼが眼鏡(予備のものだ)を光らせ、興味深そうに頷く。
「間違いありませんわ。魔族特有の『瘴気(ミアズマ)』です。それも、生物の負の感情を養分にして増殖する、極めて悪質なタイプですわ」
アリスが、持参した魔導端末(タブレット型の魔道具)を展開した。
空中に王城の立体地図がホログラムのように映し出されると、獣人たちが「おおっ!」「なんだこれは魔法か!?」とどよめく。
「驚いてる場合じゃないわよ。……解析結果が出たわ」
アリスの表情が険しい。
「この霧の発生源は、王城の最奥部……玉座の間。……つまり、国王そのものよ」
「なんだと!?」
ガウがバンと机を叩いて立ち上がる。
「王が……魔族の手先になったと言うのか!? あの賢王と呼ばれたお方が!」
「違うわ。……乗っ取られているのよ」
アリスは冷徹に告げた。
「王の『欲望』を依り代にして、魔族が憑依している。……仏教的に言えば『渇愛(かつあい)』の暴走ね。権力への執着、国を富ませたいという焦り、あるいは永遠の命への渇望……そういった心の隙間に入り込まれたのよ」
執着。
それは、誰もが持つ心の弱さだ。
ガウもまた、一歩間違えば同じ闇に飲まれていたかもしれない。瞬との戦いで「力を抜く」ことを知らなければ、怒りの炎に身を焦がし、魔族につけ込まれていた可能性もあった。
「……助けられるのか?」
ガウが絞り出すように問う。
彼にとって、王は敵である以前に、かつて尊敬していた主君でもあった。できれば、殺したくはない。
「やってみる価値はあるわ」
瞬が言った。彼は干し肉をかじりながら、真剣な目で地図を見つめていた。
「憑依してる本体を引っこ抜けば、元に戻るかもしれねぇ。……俺たちなら、できる」
「だが、どうやって城に入る?」
レジスタンスの副官が悲観的に言う。
「正面突破は自殺行為だ。城壁には数百の衛兵がいるし、空にはワイバーン部隊が監視している」
「ふふん。そこで私の出番よ」
アリスが扇子を開き、不敵に微笑んだ。
彼女は大きなトランクケースを足元に置き、ガチャリと開けた。
「正面突破なんて野蛮なことはしないわ。……これを使うのよ」
アリスが取り出したのは、フワフワの毛が生えた、可愛らしい「猫耳カチューシャ」だった。
黒、白、茶色、三毛。バリエーションも豊富だ。
しーん……。
会議室に、気まずい沈黙が流れる。
「……おい、嬢ちゃん。ふざけてんのか?」
ガウがこめかみをピクつかせる。
「失礼ね! これは私の魔道具開発技術の粋(すい)を集めた最高傑作、『認識阻害カチューシャ・ニャンコVer.』よ!」
アリスが得意げに説明する。
「これを装着すると、周囲の認識を歪曲させ、強制的に『あ、この人は猫の獣人だな』と思い込ませる強力な暗示がかかるの。……ついでに、鳴き真似をすれば効果倍増よ」
「……」
全員が絶句した。
高性能な潜入アイテムだということは分かる。だが、デザインがふざけすぎている。
「さあ、みんな着けて! 時間がないわよ!」
アリスが強制的に配給を始める。
数分後。
そこには、地獄のような光景が広がっていた。
ゼイクは、白銀のフルプレートアーマーの上に、黒い猫耳をつけていた。
彼は兜を小脇に抱え、死んだ魚のような目で虚空を見つめている。
「……私は、元王立騎士団長だぞ。……これは、何の罰ゲームだ? 騎士道精神への冒涜(ぼうとく)ではないか?」
エリーゼは、知的なローブ姿に白い猫耳をつけていた。
彼女は鏡を見ながら、意外と満更でもなさそうに耳をピコピコ動かしている。
「あら、悪くありませんわね。魔力伝導率も良好。……興味深い術式ですわ、あとで分解させてくださいまし」
メイは、茶色の猫耳をつけていた。
これは文句なしに可愛い。ただただ可愛い。獣人たちからも「守ってあげたい」という視線が注がれている。
「にゃ、にゃあ?」
そして、瞬。
彼は三毛猫の耳をつけて、アリスに言われるがままにポーズを取っていた。
「これでいいのか? ……にゃあ」
投げやりだが、意外と馴染んでいる。
「ぷっ……くくっ……」
ガウが腹を抱えて震えていた。
「お前ら……最高だぜ。そんな格好で王城に攻め込むなんて、歴史に残る馬鹿だ」
「うるせぇ! お前もつけるんだよ!」
瞬が予備の猫耳(特大サイズ)をガウの頭に無理やり乗せる。
本物の虎耳の上に、偽物の猫耳が乗るという、カオスな状態になった。
「よし! 準備完了ね!」
アリスが満足げに頷く。
「作戦名『猫の手も借りたいニャンニャン大作戦』、開始よ!」
「作戦名どうにかならんのか……」
***
深夜。
冷たい風が吹き荒れる中、一行は王城の裏門へと接近していた。
見張り台には、松明を持った屈強な獣人兵士たちが目を光らせている。
「止まれ! 何者だ!」
兵士が槍を向ける。
瞬たちは、一列に並んで姿を現した。
猫耳をつけたフルプレートの騎士、猫耳をつけた魔法使い、猫耳をつけた……変な集団。
「あ、あの……交代の猫部隊です……にゃあ」
瞬が、棒読みで言った。
兵士は怪訝な顔をして近づいてきた。
ゼイクが冷や汗を流し、剣に手をかける。バレたら強行突破だ。
兵士は、ゼイクの顔をまじまじと見つめた。
そして――。
「……おお、猫部隊か。ご苦労さん」
あっさりと通した。
「えっ?」
ゼイクが思わず声を上げる。
「なんだその声は。風邪か? 暖かくして寝ろよ」
兵士は親切に言葉をかけ、門を開けた。
アリスの技術力、恐るべし。人間の認識機能のバグを突いた、完璧なハッキングだ。
城内に潜入した一行は、音もなく回廊を進んでいく。
石造りの廊下には、黒い血管のような不気味な蔦(つた)が這い回り、城全体が巨大な魔物の内臓のようになっていた。
空気は重く、湿っている。呼吸をするたびに、肺の中に鉛が溜まっていくような圧迫感。
「……来るぞ」
先頭を歩くアリア(彼女は本物のエルフ耳なので猫耳は免除されたが、なぜか悔しそうだ)が、小声で警告する。
「前方に巡回兵。……数は四」
「私がやる」
ゼイクが前に出た。
猫耳を揺らしながら、彼は音もなく疾走する。
巡回兵たちが気づいた時には、すでに遅かった。
剣の峰(みね)で首筋を一撃。
ドサッ、ドサッ。
一瞬で四人を気絶させ、物陰に隠す。完璧な手際だ。見た目はふざけているが、中身は歴戦の騎士そのものだ。
「さすがだな、石頭。猫耳つけてても強いぜ」
「褒め言葉に聞こえん……。早く終わらせて、この耳を外したい」
一行は、さらに奥へと進む。
最上階、玉座の間。
そこから溢れ出す瘴気は、もはや隠しようもないほど濃密になっていた。
扉の隙間から、赤黒い光が漏れ出している。
「……中にいる」
ガウが、扉の前で足を止めた。
彼の拳が震えている。かつての主君と、敵として対峙する恐怖と悲しみ。
「大丈夫だ」
瞬が、ガウの背中を叩いた。
「俺たちがついてる。……王様の目を覚まさせてやろうぜ」
瞬は、扉に手をかけた。
猫耳をつけたまま、その瞳は真剣そのものだった。
「準備はいいか?
ここからは、ふざけた真似はなしだ」
(お前が言うな、と全員が思ったが、口には出さなかった)
「開けるぞ」
ギィィィ……。
重い扉が、悲鳴のような音を立てて開かれる。
そこには、地獄があった。
玉座に深く沈み込んだ、異形の王。
体は通常の獣人の倍以上に膨れ上がり、皮膚からは黒い棘が突き出している。
目は血のように赤く発光し、口からは黒い液体が垂れ流されている。
「……力が……欲しい……」
「もっと……もっとよこせ……!」
王は、うわ言のように繰り返していた。
その声は、何重にも重なり、不協和音となって響く。
もはや理性ある王の姿ではない。
欲望という名の化け物に食い荒らされ、その抜け殻に魔族が巣食っている、哀れな傀儡(くぐつ)。
「……誰だァァァ!!
我が領土を侵す蟲(むし)ケラ共はァァァ!!」
王が顔を上げ、吠えた。
その咆哮だけで、物理的な衝撃波が発生し、瞬たちの猫耳が吹き飛びそうになる。
窓ガラスが割れ、燭台が倒れる。
「ひるむな! 突撃!」
瞬が叫ぶ。
戦いのゴングが鳴った。
だが、それは単なる力と力のぶつかり合いではない。
「執着」に囚われた哀れな王と、それを「解放」しようとする規格外の英雄たちの、魂の戦いだった。
瞬が地を蹴る。
アリスが術式を展開する。
ゼイクが剣を構える。
エリーゼが詠唱を始める。
メイが祈る。
そしてガウが、咆哮を上げて突っ込む。
夜明け前の闇の中で、決戦の幕が上がった。
10
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので
eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」
勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。
しかし、勇者たちは気づいていなかった。
彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。
アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。
一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。
そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……?
一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。
「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」
これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
追放された鍛冶師、異世界で最強の神器を作ってしまう ~国を捨てたら聖女と龍姫と精霊王に囲まれた件~
えりぽん
ファンタジー
王国唯一の鍛冶師である青年カイルは、嫉妬深い貴族により「無能」と断じられ、王都を追放される。しかし、辺境で出会った美しい聖女と契約したことで、彼の鍛冶の才が神話級であることが判明!作る武器すべてが神器となり、魔物どころか国すら震える存在に。本人はただ「役立つものを作りたい」だけなのに――いつの間にか聖女、龍姫、精霊王に慕われる無自覚最強伝説が始まる。ざまぁとスカッと展開、上昇ハーレムファンタジー!
無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件
fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。
実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。
追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。
そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。
これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。
ゲームの悪役貴族に転生した俺、断罪されて処刑される未来を回避するため死ぬ気で努力したら、いつの間にか“救国の聖人”と呼ばれてたんだが
夏見ナイ
ファンタジー
過労死した俺が転生したのは、大好きな乙女ゲームの悪役貴族アレン。待つのはヒロインたちからの断罪と処刑エンド!?冗談じゃない!
絶対に生き延びて平穏な老後を送るため、俺はゲーム知識を総動員して破滅フラグ回避に奔走する。領地を改革し、民を救い、来るべき災厄に備えて血の滲むような努力を重ねた。
ただ死にたくない一心だったのに、その行動はなぜか周囲に「深謀遠慮の聖人」と勘違いされ、評価はうなぎ登り。
おまけに、俺を断罪するはずの聖女や王女、天才魔導師といったヒロインたちが「運命の人だわ!」「結婚してください!」と次々に迫ってきて……!?
これは、破滅を回避したいだけの悪役貴族が、いつの間にか国を救う英雄に祭り上げられ、ヒロインたちに溺愛される勘違い救国ファンタジー!
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる