詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku

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第3章:冒険者、始めました

第25話:機械都市と偏屈な爺さん 〜発明って、なんか魔法に似てるな〜

あの忌まわしいキメラの骸を深い森の奥に残してから、数日が経っていた。

街道を北へ向かって歩く四人の背中を、傾きかけた太陽が容赦なく焦がしている。
背後から照りつける強烈な西日が、ガクたちの足元から前方の道へと、逆光による影の伸びをどこまでも長く、黒々と這わせていた。時折すれ違う行商人の馬車が乾いた土を蹴り上げるたび、空中に巻き上げられた埃が光を反射する様子は、まるで無数の黄金の砂粒が宙で静止しているかのような錯覚を引き起こす。眩しさに思わず目を細めると、網膜に焼き付くオレンジ色の残像が視界の端でチカチカと明滅を繰り返し、強烈な光の余韻を脳裏に刻み込んでいた。

街道の脇に広がる平原では、風が通り抜ける時の草の波打ちが、見渡す限りの緑の海面に滑らかなうねりを作り出している。足元で揺れる葉が擦れるカサカサという乾いた音は、自然が規則正しく呼吸をしているようで、ひどく心地よかった。

「でな! その時の俺の斧の振りがこう、ギュルンッ!って回って、ドガァァン!って岩を砕いたわけよ! 凄かっただろ、なあガク!」
「はいはい、凄かったですね。でもその直後にバランス崩して川に落ちましたよね」
「うっさいわい! わしの華麗なる炎の詠唱の邪魔をした筋肉ダルマめ!」
「まあまあドルセンさん、ハガンさんも悪気は……いや、悪気がないから余計にタチが悪いのか」
「ちょっとハガン! 歩きながら身振り手振りで斧を振り回さないで! 危ないでしょ!」

サラの怒声が、美しい平原の静寂を見事にぶち壊して響き渡った。
相変わらずの、耳をつんざくような不協和音。歩幅も、ペースも、話題すらも各自がバラバラだ。連携という概念は、このパーティの辞書には一行たりとも記されていないらしい。

だが、ガクは前世の記憶に似たアスファルトを叩く足音の硬さを革靴の裏に感じながら、ふと口元を緩めていた。
(悪くないな、これ)

数日前、キメラの凄惨な姿を見たとき、ガクの胸の内には絶対零度の怒りと、世界に対する重苦しい絶望が渦巻いていた。「命を弄ぶ悪意を絶対に許さない」という強烈なこだわりは、今も彼の芯にある。だが、その重すぎる使命感に執着し、四六時中眉間に皺を寄せていては、心はすぐに限界を迎えてしまう。
思い通りにならないハガンの猪突猛進、ドルセンの偏屈、サラの小言。そのコントロール不能な日常のドタバタが、皮肉なことに、今のガクにとっては「今、ここ」の生々しい現実を繋ぎ止める最高の重りとなっていた。過剰な悲壮感を手放し、ただ目の前のポンコツたちにツッコミを入れる。その行為自体が、ガクの心を奇妙なほど清々しく洗い流していたのだ。

風に乗って、遠くの喧騒が微かに響いてきた。
ただの街の喧騒ではない。規則正しい金属の打撃音、蒸気が吹き抜けるような甲高い音、そして無数の歯車が噛み合う重低音。

「見えてきたわよ」
サラが指差した先には、城壁に囲まれた巨大な街があった。
ドルセンの知り合いの薬師を訪ねるために立ち寄ることになった、目的地の「機械都市・ガレン」である。

門をくぐり、石畳の街へ踏み込んだ瞬間、一行の目は釘付けになった。
水路を跨ぐように設置された巨大な水車が、信じられないほど複雑な歯車機構と連動し、街中の建物へ動力を送り込んでいる。等間隔に並ぶ街灯は、油や炎ではなく、内部に魔力を蓄えたガラス球体が青白い光を放っていた。

「……なんだこれ。すげえ」
ガクは、純粋な少年のように目を輝かせた。前世の知識で見慣れた「機械」と、この異世界の「魔法」が、見事なまでに融合し、一つの生態系を作り上げている。

しかし、ガクの感動は隣の巨漢の絶叫によって一瞬でかき消された。

「ひいいいいいっ!? ガ、ガク! あの四角い化け物は何だ!? 足がないのに、勝手に動いてるぞ!!」
ハガンが涙目でガクの背後に隠れ(隠れきれていないが)、ガタガタと震えながら巨大な戦斧に手をかけていた。
彼が指差す先では、木と鉄でできた箱型の自動荷台が、からからと車輪の音を立てて道を自走していた。

「魔力で駆動してるただの荷台ですよ。化け物じゃないです」
「嘘だ! 俺にはわかる、あいつは俺たちの命を狙ってる! どりゃああああっ!!」
「馬鹿やめろ!」
パニックを起こしたハガンが自動荷台に斬りかかろうとした瞬間、横からドルセンの杖がハガンの膝裏にクリーンヒットした。
「痛っっ!!」
顔面から石畳に突っ込む大男。
「うるさいわ筋肉ダルマ! いちいち田舎者丸出しで騒ぐな、みっともない!」
「ちょっと二人とも、目立たないでって言ってるでしょ!」
サラが頭を抱えて青筋を立てる。いつもの光景である。

ドルセンの知人である薬師の店で無事に用事を済ませた後、四人は物珍しい街並みを眺めながら路地裏を歩いていた。

その時だった。

ドッゴォォォォォォォンッ!!!

突然、路地裏の奥にある石造りの建物から、鼓膜を破るような爆発音が轟いた。
直後、窓枠から真っ黒な煙が勢いよく噴き出し、周囲の空気にツンとしたオゾンの焦げた匂いと、油の臭いが立ち込める。

「敵襲か!?」
ハガンが鼻血を出したまま立ち上がり、斧を構える。
ガクは即座に風魔法で周囲の煙を散らしながら、爆発のあった建物の開け放たれた扉へと飛び込んだ。

「大丈夫ですか!」

視界が開けた工房の中は、悲惨の一言だった。
床には無数の真鍮の歯車や導線が散乱し、天井には真っ黒な焦げ跡がこびりついている。
そして、部屋の中央。
爆発の中心地らしき作業台の前に、髪も顔も煤で真っ黒になった小柄な白髪の老人が立っていた。

老人は咳き込むこともなく、ただ血走った目で手元の分厚い設計図を睨みつけながら、ギリリと歯軋りをした。
「くそっ……! また失敗か! なぜだ、理論上は完璧なはずなのに!」

ガクが近づこうとすると、老人は獲物を狙う鷹のような鋭い眼光でこちらを射抜いた。
「なんだお前ら! 余計なお世話だ、見物なら帰れ! 俺は今、宇宙の真理と格闘しているんだ!」

完全に自分の世界に没入し、他者を強烈に拒絶する偏屈なオーラ。
通常であれば、「すいませんでした」と謝ってそそくさと退散するのが一般人の対応だろう。ガクの内なる『モブ冒険者でありたい』というこだわりも、全力で「関わるな、逃げろ」と警告を発していた。

しかし、ガクの目は、老人の手元に広げられた設計図に吸い寄せられていた。
前世の物理法則の記憶と、この世界で極め尽くした魔力操作の感覚。その二つが頭の中で高速で結びつき、目の前の図面の違和感を強烈に弾き出していた。

ガクは、「関わらない」というこだわりを、あっさりと捨てた。
気になるものは、気になるのだ。

「……これ、動力部の設計図ですよね」
ガクは無意識のうちに一歩踏み込み、図面を指差していた。
「おい小僧、気安く触るな! 素人に何がわかる!」
「いえ、素人ですけど……ここ。魔力石から駆動輪へ伝達する回路のバイパス。これ、魔力の流れる向きが『逆』になってますよ」

ピタッ。

老人の怒鳴り声が、止まった。
工房の中に、絶対的な静寂が訪れた。
ハガンも、ドルセンも、サラも、息を呑んで成り行きを見守っている。時間が凍りついたかのような真空状態。

その静寂の奥底で。
爆発で割れた冷却管から漏れ出した水滴が、床の水たまりに落ちる音が響いた。

『ピチャン……』

水の雫が落ちる「ピチャン」という音の響きが、静まり返った工房内に恐ろしいほどの透明感を持って反響した。

ガクの背筋を、一筋の冷たい汗がゆっくりと流れ落ちていく。
(やばい、出しゃばりすぎたか? 職人のプライドを傷つけて、ハンマーで殴られるパターンか?)
首筋から背骨に沿って這い下りるような、生々しくリアルな悪寒。自分の心臓の音だけが、耳の奥で早鐘を打っていた。

老人——ジン爺さんは、目をひん剥いたまま、手元の図面とガクの顔を三往復ほど見比べた。
そして、震える指で図面の一角をなぞり……。

「チッ……!」
盛大な舌打ちをした。

「……確かに、逆だ。ここが逆流しているから、臨界点で魔力圧が衝突して爆発を起こす。……なぜ、気付かなかったんだ」
ジン爺さんは自分の頭をガシガシと掻き毟り、それから、幽鬼のような目でガクをじろじろと舐め回すように観察した。

「……小僧。お前、ただの冒険者だろう。なぜ、俺の独自言語で書いた魔力回路の図面がわかる」
「いや、独自言語というか……魔法のエネルギーの流れ方と、すごく似てたので。頭の中で魔力を流すイメージを組み立てたら、そこでぶつかるのが見えただけです」
「魔法のエネルギーの流れだと? 術式ではなく、イメージで回路を読んだというのか」

ジン爺さんの目が、怪しく光った。
彼は深く、深く沈黙し、それからボソリと呟いた。

「……奥へ来い。お茶くらい出してやる」

ジン爺さんが踵を返し、工房の奥の居住スペースへと消えていく。

背後で、サラが信じられないものを見るような顔で、ガクの耳元でヒソヒソと囁いた。
「……ちょっとガク。あの人、この街で一番偏屈で有名な発明家よ。これまでに百人以上の弟子を『話が通じない』って追い返してきた伝説の職人なのよ。お茶に招かれた人間なんて、初めて見たわ……!」

「え? そうなんですか?」
「お前、また無自覚に規格外なことを……」
サラが深いため息をつく横で、ハガンが「お茶! 茶菓子もあるのか!?」と無邪気に喜んでいる。

(モブでいることを諦めた途端、どうしてこう、濃い人たちばかりに縁ができるんだろうな……)
ガクは、自分の思い通りにならない数奇な運命のドタバタ加減に、もはや笑うしかなかった。

「おい小僧! 早く来い! この回路のバイパスについて、お前の『イメージ』とやらを根掘り葉掘り聞かせろ!」
奥から響くジン爺さんの急かすような怒声。

「はいはい、今行きますよ」
ガクは肩をすくめながら、ひどく軽い足取りで工房の奥へと足を踏み入れた。

この偏屈な天才発明家との出会いが、翌日に街全体を巻き込む「前代未聞の大暴走事件」の引き金になるとは、この時のガクはまだ知る由もなかったのである。

(お茶、美味しいといいな……)
油とオゾンの匂いが漂う工房の奥底で、ガクのドタバタ異世界生活は、また一つ新たな、そして最悪に騒がしい歯車を回し始めていた。
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