詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku

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第4章:王女と腐敗の王国

第39話:クルセイダーとの出会い

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生命の息吹に満ちたエルフの集落で過ごした数日間は、俺の人生において、まさに珠玉のように輝く、夢幻の如き時間であった。そこは、俗世の喧騒から完全に切り離された聖域であり、時間の流れさえもが穏やかに感じられる、不思議な場所だった。

集落の長である長老は、その深い森の叡智を湛えた瞳で、俺が内に秘めながらも持て余していた、この規格外の力の謎について、数多くの貴重な示唆を与えてくれた。彼の言葉は、まるで霧深い森の小道を照らす月光のように、俺の進むべき道を朧げに、しかし確かに示してくれたのだ。

ある夜、満天の星が降り注ぐような大樹の下で、長老は静かに語り始めた。
「若者よ、君のその力は、我々や人間たちが用いる現代魔法とは、その根源的な理、すなわち世界の法則そのものとの関わり方が全く異なっている。現代魔法とは、いわば世界の隅々に満ちる大いなるマナの海から、術式という器を用いてその力を一時的に『借りる』技術に過ぎん。しかし、君の力はそうではない」
長老は一度言葉を切り、俺の目をじっと見つめた。その視線は、俺の魂の奥底まで見透かしているかのようだった。
「君自身が、一つの小さな、しかし完結した『世界』そのものなのだ。君という世界には、君だけの法則が存在する。君の抱く強い意思、その祈りや願いが、そのまま世界の法則を直接書き換える言霊となる。それは創造であり、変革であり、まさに神の御業に等しい所業なのじゃよ」

あまりにも壮大で、形而上的なその言葉は、正直なところ、すぐには俺の理解の範疇を超えていた。自分が『世界』であると言われても、にわかには信じがたい。しかし、彼の言葉が紛れもなく俺の力の核心に触れているという、確信にも似た感覚が、体の芯を震わせた。それは、ずっと探していたパズルの、決定的なピースを見つけたような、そんな衝撃だった。

エルフたちとの交流の中で、俺は彼らが自然と共生するために培ってきた、様々な技術の一端に触れる機会を得た。それは、森全体に張り巡らされたマナの流れを、自らの呼吸と同期させるように感じ取る方法であったり、言葉を交わすことなく、木々や動物たちと魂のレベルで対話し、その意思を汲み取る術であったりした。もちろん、数日間で教わったごく僅かな知識は、まだ実践できるレベルには程遠い。しかし、この経験は間違いなく、俺の内に眠る力の、新たな可能性の扉を、また一つ、静かに、しかし確実に開いてくれたような気がした。

一方、俺の愉快で騒々しい仲間たちはといえば、それぞれが実に彼ららしい形で、このエルフの集落での日々を過ごしていた。

剣の達人であるサラは、エルフたちの人間離れした、神懸かり的な弓の技術には、同じ武人として心からの感銘を受けていた。彼らの放つ矢は、風を読み、木の葉を避け、まるで意思を持っているかのように的確に目標を射抜く。「あの集中力と動体視力……剣技にも応用できるはずだわ!」そう確信した彼女は、ある日、弓の達人であるエルフの青年に詰め寄り、「ねえ、あんた!その目の使い方、私にも教えなさいよ!」と、有無を言わさぬ勢いで一方的に弟子入りを志願した。突然のことに、争いを好まない温厚なエルフたちはひどく困惑し、眉を下げて顔を見合わせるばかりだった。

魔術の探求者であるドルセンは、かの賢者と名高い長老との知的な対話に夢中になっていた。特に、「古代魔法の定義」という、極めて専門的で難解なテーマについて、二人の議論は白熱を極めた。失われた魔法体系、そのルーツ、そして現代魔法への影響。尽きることのない議題を前に、彼らは昼夜を忘れ、食事の時間さえ惜しんで語り続けた。その情熱は実に三日三晩に及び、最終的に、老齢のドルセンは自身の知的好奇心の熱量に体が耐えきれず、高熱を出してばったりと倒れてしまった。

聖職者でありながら、誰よりも食欲旺盛なハガンにとっては、この集落での生活は試練そのものであった。エルフたちの食事は、森の恵みである新鮮な木の実や果物、そして一点の曇りもない清らかな湧き水が基本。質素で、健康的極まりないそのメニューに、肉食をこよなく愛するハガンの我慢は早々に限界を迎えた。「肉!肉を、肉を食わせろおおおっ!」と、彼は森の中で獣のように咆哮し、禁断症状を引き起こした。あろうことか、森の神聖な生き物を見てよだれを垂らす始末で、危うく聖域からつまみ出されるところを、俺たちが必死で宥めすかしたのだった。

そして、アリシアとセリアの二人にとって、この場所はまさにおとぎ話の世界そのものだった。あまりにも幻想的で、清らかで、美しい集落の風景に、彼女たちは完全に心を奪われていた。エルフの奏でる竪琴の神秘的な音色に耳を傾け、自らも演奏会を開いたり、色とりどりの花を摘んで可憐な花の冠を作ったりと、実に優雅で、夢のようなお姫様ライフを満喫していたのだった。

そんな、それぞれが忘れ得ぬ思い出と、そして新たな課題をその胸に抱き、俺たちは、エルフたちに見送られて再び旅路へと戻った。その眼差しには、温かい友情と共に、我々の引き起こした珍騒動に対する、半分ほどの呆れが混じっていたことは言うまでもない。

季節は、厳しくも美しい、冬の真っ只中へと移り変わっていた。
生命力に満ち溢れた賢者の森を一歩抜け出すと、そこには、先ほどまでの光景が嘘であったかのように、どこまでも続く冬枯れの、荒涼とした景色が広がっていた。しかし、その寂寥とした風景には、不思議と心を惹きつける、凛とした美しさが宿っていた。

空は、まるで水面に薄墨をそっと流したかのように、白く、重たい雲に覆われている。生命の源である太陽は、その分厚い雲の向こう側で、ぼんやりとした光の輪郭を辛うじて見せているだけで、その力は弱々しかった。街道の両脇には、枯れ草に覆われた広大な平原が地平線の彼方まで続き、その上を、骨身に染みるような冷たい北風が、ひゅう、ひゅう、と泣くような音を立てて絶え間なく吹き抜けていく。その風は、コートの隙間から容赦なく入り込み、体温を奪っていった。時折、風に乗って乾いた雪が、ちらちらと儚く舞い降りてきては、俺たちのコートの肩や、旅の相棒である荷馬車の幌を、薄っすらと白く染めていった。

「うう、さむい……。さっきまでの、あの陽だまりみたいに暖かい森が、もう恋しいわ」
サラが、真っ赤なマフラーに顔を深くうずめ、ぶるりと一度大きく身を震わせた。彼女の吐く息は、真っ白な霧となって空気に溶けていく。
「全くだ。こんな凍えるような寒さでは、ワシの長年使い込んできた自慢の関節が、ミシミシと悲鳴を上げてしまうわい」
ドルセンも、何枚も重ねた分厚い毛布にくるまりながら、常の快活さも影を潜めた弱々しい声を出した。

俺たちの荷馬車は、そんな冬の厳しい荒野を、ゴトゴトと、凍てついた轍を軋ませながら、ゆっくりと進んでいた。馬の吐く息も白く、その歩みはどこか重々しい。あまりにも平和で、そして、少しだけ退屈とも言える静寂が、俺たちを包み込んでいた。

その静寂を、まるで鋭利な刃物で切り裂くように破ったのは、突如として風に乗って聞こえてきた、甲高い悲鳴と、それに続く、心の底から下劣で品のない、ゲラゲラという笑い声だった。
音は、街道の少し先。小高い丘の、その向こう側から聞こえてくる。
「何かしら?」
サラが鋭く眉をひそめ、慣れた手つきで馬の手綱をぐっと引いた。馬たちは心得たように静かに歩みを止める。
俺たちは馬車を街道脇の茂みに隠すように止め、息を殺し、音を立てずに丘の上へと慎重に登っていった。そして、その頂から眼下の光景を目にした瞬間、俺たちの表情は一様に険しいものへと変わった。

「ちっ、またあいつらか。性懲りもない連中ね」
サラが、まるで道端の汚物でも見るかのような目で、忌々しげに舌打ちをした。
眼下の街道で繰り広げられていたのは、実に古典的で、しかし当事者にとっては悲劇以外の何物でもない、「追いはぎ」の現場だった。
数人の、身なりの良い、いかにも裕福そうな商人の一行が、その倍以上の数、十数人の武装したゴブリンの集団に完全に取り囲まれていたのだ。ゴブリンたちは、錆びた剣や棍棒を振り回し、威嚇している。商人たちは恐怖に顔を引きつらせて悲鳴を上げ、その場にへたり込んで腰を抜かしている者もいた。その周りを、ゴブリンたちが、ゲヒ、ゲヒ、と実に下品で卑しい笑い声を上げながら、荷馬車から金目のものを物色し、奪おうとしている。その光景は、弱肉強食という言葉を生々しく体現していた。

「助太刀に入るわよ!」
正義感の強いサラが、即座に腰の剣の柄に手をかける。彼女の瞳には、既に闘志の炎が宿っていた。
「おお!神よ!我に、その聖なる鉄槌を下すべき、邪悪なる存在を、今ここにお示しくださったか!」
ハガンもまた、背負っていた巨大な棍棒をその屈強な腕に握りしめ、その目は神の代行者としての喜びに満ちていた。
俺も、「やれやれ、旅に面倒事はつきものとはいえ、こうも続くものか」と、内心でため息をつきながら、いつでも動けるように腰を上げた。

俺たちが、丘の上から一気に駆け下りて、悪逆非道なゴブリン共に正義の刃を振るおうとした、まさにその時だった。

どこからともなく、一条の閃光がほとばしった。

ヒュンッ!

という、空気を切り裂く鋭い音と共に、一条の、まるで天から降り注いだかのような聖なる光の矢が、冬の曇り空を一直線に切り裂き、ゴブリンの集団を率いていたリーダー格らしき、ひときわ体格の大きな一体の眉間に、寸分の狂いもなく深々と突き刺さった。

ゴブリンは、「ぎゃ!?」という、実に情けない、断末魔とも呼べぬ悲鳴を上げ、その巨体は糸の切れた人形のように、その場にばたりと音を立てて倒れた。ピクリとも動かない。

「「「!?」」」

俺たちも、商人たちも、そして仲間を失った他のゴブリンたちも、あまりに突然の、そしてあまりに不可解な出来事に、何が起きたのかを瞬時に理解できず、ただ呆然と、その場に立ち尽くすしかなかった。

そして、彼は現れた。

丘の、頂上。俺たちがほんの先ほどまで身を潜めていた、まさにその場所に、いつの間にか、一人の騎士が、神々しい白馬にまたがり、まるで世界のすべてを見下ろすかのように、静かに立っていたのだ。

その姿は、あまりにも荘厳で、あまりにも神々しく、そして、この荒涼とした冬の景色の中では、あまりにも非現実的であった。
全身を、寸分の曇りも、傷一つない、磨き上げられた白銀のプレートアーマーで固めている。丹念に磨き上げられたその美しい鎧は、冬の弱々しい太陽の光さえも余すところなく反射して、まるで自ら発光しているかのように、まばゆいばかりに輝いていた。
左手には、巨大なカイトシールドを構えている。その盾の中央には、邪を祓う聖なる力の象徴である、巨大な十字の紋章が鮮やかに刻まれていた。
そして、右手には、刀身そのものが聖なる光を帯び、淡いオーラを放っているかのような、巨大な両手剣(グレートソード)が、静かに、しかし確かな存在感を放って握られている。
その騎士がまたがっている白馬もまた、その主と同じく、一点の染みもない純白の見事な毛並みをしており、その佇まいは気高く、神聖ささえ感じさせた。

それは、まるで、由緒ある大聖堂のステンドグラスに描かれた、伝説の聖人を称える絵画から、そのまま現実の世界へと抜け出てきたかのような、完璧なまでの「聖騎士」の姿だった。

騎士は、その白馬から、流れるような所作で静かに降り立つと、その、非常によく通る、しかし一切の感情の起伏を感じさせない、氷のように冷たい声で言った。

「悪は、滅すべし」

その声は、決して大きくはなかった。しかし、その場にいた全ての者の耳に、いや、魂に直接響き渡るかのような、不思議な威厳と強制力を持っていた。

「神の裁きを、受けよ」

騎士は、そう短く宣告すると、あの巨大な両手剣を、まるで小枝でも振るうかのように軽々と構えた。
そして、次の瞬間。
その姿は、もはや人間の動きではなかった。それは、まるで閃光そのものだった。
残像を残すほどの速度でゴブリンの群れの中に飛び込むと、その巨大な剣が、凄まじい威力を伴った銀色の旋風となって舞い始めたのだ。

ズバッ!
ギャアッ!
ドスッ!

悲鳴と、肉を断ち、骨を砕く、あまりにも生々しい音が、次々と冬の荒野に響き渡る。
騎士の動きには、一切の無駄というものが存在しなかった。最小限の動きで、最大限の破壊を生み出す。一振りで複数のゴブリンを薙ぎ払い、突きは的確に急所を貫く。それは、もはや戦闘と呼ぶことすら憚られる、一方的な「浄化」、あるいは害虫を「駆除」するといった、冷徹な作業に近かった。

俺たちが瞬きをする間、わずか数十秒の後。
そこには、立っているゴブリンは一体も残ってはいなかった。
後に残されたのは、無数のゴブリンの亡骸が転がる惨状と、それを、まるで路傍の石でも見るかのような冷たい目で見下ろす、一人の聖騎士の姿だけだった。

「「「「「「…………」」」」」」

俺たちは、その、あまりにも圧倒的な、そして、あまりにも美しく、冷徹な光景に、ただただ言葉を失っていた。

「す、すごい……」
サラが、我知らずといった様子で、そう呟いた。
「あの剣技、ただの力任せじゃないわ。剣の一振り一振りに、自らの魔力を刃に乗せて、切れ味と破壊力を増幅させている。あれこそが、本物の『魔導剣』……」
彼女は、剣士として、どこか憧れと、そして手の届かないものへの嫉妬が入り混じった複雑な目で、その白銀の騎士をじっと見つめていた。

救い出された商人たちは、命の恩人であるその神々しい騎士の前にひれ伏し、嗚咽を漏らしながら、涙ながらに感謝の言葉を述べていた。
「あ、ありがとうございます!聖騎士様!あなた様のおかげで、我々は命が、財産が、助かりました!このご恩は一生忘れません!」
騎士は、そんな商人たちの激情のこもった感謝の言葉にも、一切表情を変えることはなく、ただ、静かに一礼を返した。その所作は、どこまでも礼儀正しく、しかしどこまでも人間的な温かみを欠いていた。

そして、騎士は、俺たちのいる方へと、ゆっくりと、しかし迷いのない足取りで歩み寄ってきた。
(お、俺たちにも、何か礼でも言いに来たのか?あるいは、協力に感謝するとか?)
俺が、そんな少しばかり楽観的なことを思った、次の瞬間。

騎士――その、精巧な兜の隙間から覗く、鋭いサファイアのような青い瞳は、俺たちを、まるで道端に転がる汚物でも見るかのような、冷たい侮蔑の色をありありと浮かべていた。
そして彼は、言った。その、静かで、冷たい声で。

「貴殿らは、その出で立ちからして冒険者と見受けるが」
その言葉は、疑問形ではなかった。揺るぎない、断定だった。
「目の前で、か弱き者たちが、悪に蹂躙されているというのに。それを、あの丘の上から高みの見物とは。感心しないな」

「は?」
サラが、あんぐりと口を開けて、素っ頓狂な声を上げた。
「な、何を言ってるのよ、あんた!私たちだって、今まさに、助けに入ろうとしていたところじゃない!」
彼女の抗議は、当然のものだった。

「言い訳は、無用だ」
騎士は、サラの言葉を、まるで冬の風のように冷たく、ぴしゃりと遮った。
「結果が、全てだ。君たちは、何もしなかった。私は、悪を滅した。ただ、それだけのこと。行動のみが真実を語るのだ」
その、あまりにも独善的で、あまりにも融通の利かない、一方的な物言いに、サラの額に、青筋がぴきりと浮かんだのが見えた。
「なっ……この、石頭の、正義バカ!」
「サラ、やめろ!落ち着け!」
今にも騎士に飛びかかっていきそうなサラを、俺は慌てて後ろから羽交い締めにして制止した。

騎士は、そんな俺たちのドタバタとしたやり取りを、さらに冷たい目で見下すように一瞥すると、俺たちのパーティ構成を、まるで品定めでもするかのように、じろりと見回した。
そして、彼の視線が、美しいドレス姿の、しかし戦闘には全く不向きなアリシアとセリアの二人で、ぴたり、と止まった。
騎士の眉が、わずかにひそめられる。

「姫君を、このような危険に満ちた旅に、護衛も不十分なまま同行させるとは」
彼は、アリシアが極めて高貴な身分であることを、一目で見抜いたようだった。
「冒険者とは、なんと規律のなっていない、無責任な者たちだ。実に嘆かわしい」

彼は、心底がっかりしたというように、深々とため息をつくと、俺たちに興味を失ったかのように背を向けた。
そして、最後に、一言だけ、まるで置き土産のように言い残した。

「我が名は、リヒト。光を司り、悪を裁く者。その名を、覚えておくがいい」

彼は、そう言うと、待たせていた白馬の元へと戻り、その美しい背に、ひらりと音もなく飛び乗った。
そして、一度も、こちらを振り返ることなく、まるで一陣の風のように、冬枯れの街道を去っていった。

後に残されたのは、ゴブリンの無数の亡骸と、呆然と立ち尽くす俺たちと、救われたはずなのにどこか居心地の悪そうな商人たち。
そして、非常に、後味の悪い、気まずい空気だけだった。

「な、なんなのよ、あいつ!感じ、悪すぎでしょ!」
怒りの収まらないサラが、地面を思いっきり蹴飛ばしながら叫んだ。
「ふむ。正義感が強いのは、結構なことじゃが……。ちと、融通が利かんというか、視野が狭いようじゃのう」
ドルセンが、困ったように自慢の長い髭を捻っている。

俺は、リヒトが去っていった、その道の先をじっと見つめながら、思った。
(また、とんでもなく面倒くさいのが出てきたな……)
正義。
それは、尊い理念であると同時に、時に、何よりも厄介で、そして、何よりもたちが悪いものになる。特に、彼のように、自らの正義を疑わない人間は。
この、石頭の聖騎士、リヒトとの出会い。
それは、俺たちのドタバタな冒険に、新たな、そして非常に面倒くさい軋轢を生み出す、始まりの予感がした。
俺は、白く重たい冬の空を見上げ、深く、深く、ため息をついた。
荒野に、冷たい風が、またひとしきり強く吹き抜けていく。
俺たちの珍道中は、まだまだ、続くらしい。
そしてどうやら、次なるトラブルの種は、もう、確かに蒔かれてしまったようだった。
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