魔王アリスは、正義の味方を殺したい。

ボヌ無音

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前編 第一章「降臨」

サキュバスの集落1

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「じゃあ行ってくるね。お城とアベスカに関しては、みんなよろしくね」
「お任せ下さい」

 部下達に送り出され、アリス率いるサキュバス訪問チームは魔王城を後にした。
 頻繁に通っていたと言うフィリベルトを先導に、その足を進める。
走ると言ってもその速度は馬車のように速い。風を切る音がまるで、車の窓を開けて聞いたような速度だ。
アリス自身もこんなに早く動けるとは思っておらず、驚きつつももう過去の自分ではないことを噛み締めた。
 とはいえフィリベルトは本気の速度を出している訳では無い。が、フィリベルトが本気を出して走っても、アリスは簡単に追いつけるだろう。
フィリベルトは多少の手加減はしているが、それでも疲れを生じる速度だった。しかしアリス達はそんな素振りを見せない。
なんと言っても魔術職の少女ですら余裕綽々でついて来るのだ。

「あ、あのー、走って良かった、ですか?」
「あの城に馬車なんてあったっけ? 脚しか手段ないよね」
「うっ……はい、です」
「でしたら今後の課題ですね、アリス様!」

 馬車が無いことを不満に思っているようで、ルーシーが会話に割り込んでくる。
明るいトーンで喋っているものの、その腹には「なんでないの?」という怒りを含んでいた。
脳筋のフィリベルトには伝わっていないようで、これは良いのか悪いのか。

「集落までどれくらい?」

 魔王城はもう遥か後方に見える。普通に徒歩で来ていたら、半日は掛かるだろう距離だ。
それをゆうゆうとこなしてしまうのが、脳筋担当のフィリベルトだったのだ。

「えー……、あぁ、あの、いや」
「なにそれー、はっきりしない系?」
「そ、それが、いつもならもう着いてるんすよ」

 それを聞くとアリスとルーシーは足を止めた。
 サキュバス――人々を魅了しその精力を取り込んで生きながらえる一種の悪魔。言い方を変えれば人を惑わせる事ができるということ。

「全くめんどくさいね」
「お下がり下さいアリス様。脳筋くんも下がって」
「お、おす」

 ルーシーは腰にぶら下げていた30センチ程の杖を取り出す。ラインストーンなどでゴテゴテにデコレーションされたそれで、額を何度かトントンと叩く。
時折「んー」などと言いながら瞳を閉じて、辺りに漂う魔術や魔力を拾い集める。

 彼女の所有しているスキル〈絶対固有空間・常常つねづね〉があれば、既に展開されている魔術のキャンセルなど容易いことだ。
しかしそれを行わないということは、それすらに値しない弱い魔術なのだろう。

「ありました。少し戻りましょう」

 ルーシーについて行き、来た道筋を数メートル戻る。
一見何の変哲もない森が続いているようだったが、アリスもようやくここが森ではないと気付き始めた。
 何のためにこんな幻術を張り巡らせているのか不明だが、他者を招き入れたくないのは確かだろう。フィリベルトが居たところで知らない女を連れているのだ。警戒するのも無理はない。

 ルーシーが足を止める。アイコンタクトで「さがって下さい」と伝えると、アリス達は数歩後ろに下がる。
 目の前にあった細い白い木にふれると、その場の木々がどんどん消えていく。草花も何もかも消え、その場の情景が一瞬にして変わる――いや、もとに戻った。
 ルーシーが木から手を離す。幻術の解除を終えたというところだろう。そのままアリスのもとへ戻った。

「こちらです」
「うん。こりゃぁ……洞窟、だね」

 木々で覆われていたはずの場所は、今となっては薄暗い洞窟が目の前に現れていた。
幻術を用いてまで隠したいとなれば、住処であることは確かだろう。
 特に敵意は感じられないし、殺意も漏れていない。不自然なほどに生きているものがいる反応も見受けられないが、アリス達は足を進めた。

 中はかろうじて生物が住めるように整備されていた。所々に薬草や霊薬が転がっていることから、錬金術の知識と技術も持ち合わせていたと見て取れる。
 どこかからかき集めたであろう布類や、干し草も散見する。恐らくこれが行為を行う際に使われたベッド代わりなのだろう。
フィリベルトはあまりのみすぼらしさに言葉も失っていた。
魔術耐性の低い体力系だからとはいえ、淫魔相手にこうも幻術を施されてよがっていたのだからそうなるだろう。

「待て」

 アリスが歩いていた二人を制止させる。床にしゃがめば、一つ指をさした。そこには大量の血液があった。まだ固まりきっておらず、液体として触れることが出来る。
何が行われたかは不明だが、ここ数時間程度で流れた血に間違いはないだろう、と推測をつける。

「新しいね」
「直近で何かあったんですね」
「多分。…………。ルーシー、索敵を頼めるかな」
「はい!」

 ルーシーは杖を取り出して索敵魔術を展開する。洞窟内をくまなく調べ上げ、一つの違和感をすくい上げた。
 ハッとした顔でアリスの方を振り向けば、アリスは優しく微笑んだ。

 探索魔術には一つの小さな生命反応が引っかかった。小さいというのは子供というわけではなく、瀕死という意味だった。
あまりにもか細くもうすぐで切れそうな生命に、ルーシーは気付かなかったのだ。
 本来であれば洞窟に入る前、いやもっと前。幻術を解除する時点でこの洞窟の索敵及びマッピングを完了するべきだった。
主の心配をするのであれば、それが適切な行為だった。
しかしそれを忘れていたのだ。

 アリスもルーシーと同じくこの世界に来て自分の新たな体を得てから、同等の時間を過ごしている。
しかし幹部以上に自分の体を知り尽くさなければならなかった。
 感覚が研ぎ澄まされ、脳が冴え渡り、自分が何の魔術を扱えて、どんな体術で渡り合えるのか。
それは幹部も同じである。
 しかし生み出されただけの幹部達と違って、アリスには園 麻子として生きてきた年数も加算される。ゲームだとか漫画だとか、映画だとか。
こういった場面で主人公や登場人物は何をしているか。そういうのを思い出しては実行に移しているのだ。
 だから魔王としては優秀でなくとも、趣味や仕事から取り入れていた事前知識が彼女を救っていたのだ。

「! アリス様」
「うん、見てきて」
「???」

 アリスの許可を得ると、先程走っていた速度とは比較にならないほどの高速でルーシーが消えた。
消えたように見えるほどの速度だったのだ。少なくともフィリベルトにはそう見えた。

 俊敏さにおいては幹部トップであるのはベル・フェゴールだが、他の幹部がトロトロしている訳ではない。
ただの人間や、アリス達よりも遥かに劣る存在であれば、彼らの動きなど一瞬だ。
その中で一番秀でているのがベルであって、この魔術に特化したルーシーであっても人間に比べれば素早く動けるのだ。

 それはさておき、フィリベルトは会話においてかれていた。分かりやすく頭上にハテナを浮かべるような顔をしていれば、アリスが親切にも解説をしてくれる。

「奥に一匹、瀕死の反応があってね」
「そ、そんなことまで分かるんすか」
「うーん……」

 あはは、とアリスは苦笑いする。その程度のことも気付けなかったのか、と。
 まぁ「園 麻子」であればそんなこと気付けないだろう。そこに免じてアリスは何も言わなかった。
 この神から直接手に入れたチート設定がなければ、アリスもただの人間だったのだから。

「お待たせしました、アリス様。大変申し上げにくいのですが、損傷がひどく連れてくるのは困難でして……」
「いいよ、行こうか。どんな子?」
「恐らくサキュバスかと。この世界の魔物に関しての知識が乏しいので、確実にそうとは言えません」
「フィリベルトに判断してもらおう」
「あのー、アリス様。俺の今までの記憶との食い違いからして、もしかするとサキュバスの容姿も……」
「あぁ、そっか。惑わされてた可能性もある。じゃあ本人に直接聞こうか」

 アリスもルーシーも、索敵をした時点で見つけられた生命反応はそれだけだった。
 洞窟を歩いていけば、そこら中に死んでいる魔族が転がっていた。その状況は悲惨で、目を覆いたくなるようなグロテスクさ。
 胴で真っ二つにされている死体や、元の形がわからぬほどぐちゃぐちゃに殴打された死体。
それ以外にも体が綺麗なまま普通に死んでいる見た目の者もいたが、《体の中身》は本当に普通だったのだろうか。

 そしてその死体を見ながらこの世界のサキュバスというものを知っていった。
上半身は女性の、美しい女性の体。下半身はヤギであった。

「……俺が抱いた女は、みんな人間の姿だった」
「フィリベルトは今日だけで、中々な回数傷ついてきたんじゃない?」
「やっば、ちょーウケる! あっははは!」

 ルーシーに笑われガックリとうなだれるフィリベルト。気持ちのいい思いをしたし、サキュバスも強くていい男の精液を手に入れられたのだから、いっときの快楽とは言えウィンウィンだったはずだ。
 尋常じゃないくらいに笑い転げるルーシーを一瞥し、フィリベルトを見る。ここまで笑われてしまえば何だか可哀想だなと思ったアリスは、部下を気遣うようにフォローを入れる。

「まぁ……ヴァルデマルに、魔術耐性の稽古でもつけてもらいなさい」
「……そうする、です」

 やる気スイッチが性交の経験から来るのはなんだかやりきれないが、今後のパワーアップに向けてその気になってくれたのはアリス的にも良いことだった。
 寝返ったり裏切りを見せない限り、部下の成長というものは今後の課題の一つだ。特に彼らは勇者よりも弱い。
本格的な戦いに身を投じていくのであれば、今よりも強くなってもらわねば困るのだ。

「アリス様」

 爆笑していたルーシーが真面目なトーンでアリスを呼べば、目的地に着いたのだと知る。
 場所は洞窟最奥。辺りにはシーツが転がっている。
カーテンが雑に施されており、その奥からは小さい呼吸音が聞こえる。
 アリスがゆっくりと近づく。ルーシーがそれを止めなかったのも、この奥にいる女がアリスに危害を加えられるほど、生命力を持っていないと知っていたからだ。

 アリスはカーテンを開けた。
洞窟の岩肌が目の前に現れ、視線を下に落とす。血だらけのシーツや布にくるまれて、瀕死のサキュバスがそこに横たわっていた。
 頭部からは尋常じゃない程の血液が流れ、体にも幾多もの傷が生まれている。今もなお血液が垂れ流れていた。
 ヤギの両足は詳しく医者に見せずとも分かるほどに砕かれ、這うことすら難しいだろう。

 恐らくこのまま放置しておいても、数分。もって十数分の命と言ったところか。
 森に掛かっていた幻術がこのサキュバスのかけたものなのであれば、最後の最後の力を振り絞った防衛だったに違いない。

「ルーシー、足以外を治して」
「良いのですか?」
「逃げるようなら止めて。殺さないでね」
「了解しました」

 回復が十八番の幹部は他にもいるが、魔術に精通したルーシーであればこの程度の傷を治すのは容易い。それに全部治さなくていいならなおさらだ。
 ルーシーは言われた通り足以外の傷を治した。
 現れたのは美しい少女。見た目的には17,8程度だとアリスは思ったが、魔物の年齢なんて見た目では判断出来ない。
その少女はピンク色のウェーブのかかった長い髪と、きらめく薄いブルーの瞳を持っていた。
園 麻子の世界では地毛などでは考えられない色味だったが、この魔術ありきの世界では普通の色なのだろう。
 サキュバスも完治したことに目を白黒させて、パクパクと口を開けている。朦朧としていた意識が突然戻ったのだ、そうもなる。

「ひっ!? こ、殺さないで! お願い!」
「あぁ、この顔は見たことあるっすよ」
「え、は、フィリベルト様!? なに!? え!?」
「落ち着いてくれる? 私はアリス・ヴェル・トレラント。知ってるか知らないかは別として、新たな魔王をやってるよ」
「魔王……? ヴァルデマルの部下?」

 サキュバスの少女がそう言うと、アリスの背後で「ビシリ」と音が聞こえた。
膨大な魔力が漏れ出て、洞窟の壁面が一部割れてしまった。振り向かずともその発生源がルーシーだとは分かっていた。
 おおかたアリスを侮辱したことを怒っているのだが、アリスとしてはもう少し冷静にいられないのか……と嘆息するばかりだった。ルーシーに限らず、幹部全体で。

「は? あんなクソ雑魚の部下なわけないんですケド。アリス様、このブス殺していいですか?」
「ブス……!?」
「さっき言ったでしょ、殺さないで」

 人を騙せる程度には、賢い魔族のはずだ。とアリスは思った。本来の彼女達であれば、アリスを目の前にしただけでこんな態度を取っていいと思わないだろう。
 しかしこの瀕死だったサキュバスは、先程まで三途の川を目の前にしていたのだ。一度死を見ていれば頭が混乱しているのも仕方がない。

 だがアリス達が幸運だったのは、フィリベルトと認識のあるサキュバスだったことだ。少し時間を置けば、冷静になったサキュバスからちゃんとした話を聞けるのかもしれないのだ。
 いや、聞けるはずだった。

「お、お願い! ヴァルデマルの部下でも上司でもなんでも良い、仲間を助けて……!!」
「? どういうこと?」
「す、少し前にトロール達が、ここを襲って来たんです」

 トロールだけではなく、力のある魔族達が結集してサキュバスの隠れ家を襲った。サキュバスは純粋な力で言えば他の魔族と比べて、圧倒的に弱い。
 入り口を隠す魔術さえ見破られてしまえば、この場所を蹂躙されることなど容易かった。抵抗もろくに出来ないまま、ねぐらは破壊され仲間は肉塊へと姿を変える。

 この、名をガブリエラというサキュバスは、部族の中では弱い方らしい。仲間はガブリエラをかばうように最奥へ追いやり、シーツで隠し、洞窟に幻術を掛けたのだ。
 誰にも見られないようにと掛けた幻術ではあったが、あれはヴァルデマル以上の魔術使いでなければ気付け無いほどだろう。
彼女を助けてほしいのかほしくないのか。

「しかしトロールね。そんなことする種族なの?」
「俺が言うのもなんですが、賢い種族じゃねっすよ。ただ――命令とかがあれば別だ、です」
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