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第二十六話 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
しおりを挟む「お母さん、あのね」
「…向こうで遊んでて」
「でも、お母さん」
「お願いだから、あっち行ってて」
深く、海よりも深く、妻は夫を愛していた。妻の関心事は、夫がどれだけ自分を愛してくれているのか、ただそれだけだった。夫の願いを叶えることでその愛が確固たるものになる、と妻は夫のために子を産んだ。夫は父に、妻は母になるはずだったが、ふたりは夫と妻のままだった。
仕事が忙しく家にいない父と、その父を想って泣いてばかりの母には産まれた子の姿が見えなかった。子は母に振り向いて欲しくて必死だったが、その思いが母に届くことはなかった。
妻の雁字搦めの愛に息苦しさを感じ始めた夫は、徐々に家から足が遠のいて行く。
「お母さん、あのね」
「…お部屋で勉強してて」
「でも、お母さん」
「言うことを聞いてちょうだい」
父がいてもいなくても、子は母の愛情を得ることができなかった。
やがて子も大きくなり母に愛情を求めなくなった頃、夫の不在に心が壊れ始めた妻は、我が子に愛情を求めるようになった。母の異常な愛の形に圧し潰されそうになった彼は、外の世界に救いを求めるようになる。
「自分は正常なんだ」
そう思いたくて普通の身体の関係を築いた。その行為に意味などなかったが、他人との情事は彼に安心を与えた。しかし彼は正常と異常の狭間で自分の本性に気付く。
母親との情事の果て、絶頂に達した時につぶやいたひと言で彼はすべてを終わらせようと決意した。
「……桜庭…」
腕の中の母親を抱き締めながら、彼は目を閉じて密やかに欲望を満たした。
──
「どうなんだ、容態」
病室に入って来た桜庭が少し不機嫌そうな声で訊く。
「痛いよ」
「そりゃそうだろうな……」
幸か不幸か、あのあと、なぜか正常な意識を取り戻した母が志紀さんに連絡をしてくれたおかげで、おれは放置されることなく病院へと運び込まれた。
目を覚ました時の志紀さんのあまりの剣幕に、こういうことは二度とするまい、と思った。母のことを志紀さんに訊くと、言いづらそうに「入院の手続きを取りました」と俯いた。とうとうあの家におれひとりっきりか……とはいえ志紀さんがいてくれれば身の回りのことに困ることはない。
「なんで……自分を刺したりしたんだ」
「……母を刺すつもりだったよ」
「おまえな……」
「でも、目の前で泣く母が……可哀想になっちゃって」
志紀さんが家に駆け付けた時、桜庭はまだ玄関にいたらしく結局この騒動を知ることとなった。申し訳ないと思いつつ、桜庭ならいいか、という安心感もあった。きっと、母親から注がれる異常な愛に嫌気がさし、この狂行に及んだと思ってくれているだろう。
初めて母とそうなった時、後悔する自分の他にもうひとり、父に捨てられた母を支配したという充足感を覚える自分がいた。悉くおれの存在を無視し続けた母が、涙を流し、よだれと体液を垂らしながらおれを求める姿は滑稽でもあり憐れでもあったけれど、同時に愛しくもあった。
頼るものも縋るものもなく、塵より軽かった息子にしか腕を伸ばせない母の醜さに安心した。欲しくて仕方なかったものを、このひとはやっと与えてくれるんだ、と。父を超えたような錯覚さえおれには心地よかった。
ザマアミロ ──
桜庭との交流が増えた時点で、おれは母を刺すつもりはなかったのかもしれない。隠して来た想いと一緒に消えてしまえば、何もかもなかったことになるんじゃないか、と淡い期待を抱いたことは事実だから。
……でも、生かされてしまったな。
「とにかく……無事でよかったよ」
「巻き込むようなことになってごめん」
気にするな、と病室を出て行こうとした桜庭を呼び止めた。
「どうした?」
「おれが桜庭を好きだって、気付いてた?」
「……え?」
「やっぱり、気付きもしてなかったか」
「ちょっと待て、好きって……」
「友情とかじゃなくてさ」
「だって、おまえ女の子と」
「うん、いいんだ……言いたくなっただけ」
「……橘…」
「ふふっ……まさか男に告る日が来るとは思ってなかった」
「…ごめん、橘……おれ」
「いいんだって。自分でもどうかしてるって思うから」
「おれ好きなひとが……っていうか…彼…氏が…いるっていうか…」
「……はい?」
「気付かなくて…ごめん」
「いや、そこじゃなくて、え!?」
……普通にフラれるとは思ってなかった。
入院中、面会時間が始まると同時にアヤが現れ、「何か困ってること、ない?」と訊いては一日中ギターを弾き続け、面会時間が終わると同時に帰って行くという不思議な日々が続いた。
おまえが一日中張り付いていること以外に困ってることなんてないよ、と言うとアヤはベッドに潜り込み、「こうしてれば寂しくない」と笑った。ああ、母が入院したことを知って気を遣ってくれているのか。
「……アヤ、まあまあ傷が痛いんだけど」
「うん」
「なんでそんなところを触ってるのかな」
「入院中、いつもみたいにヤりまくれないじゃん?」
「……うん…まあ、そう…だね…」
「だからボクが代わりに」
「いくらおれでもこんな状態でヤらないよ……」
「あ、そうなんだ……タチバナのことだから看護師さんに手出したりするかなあって」
「あのね……」
「でもタチバナ、おっきくなってるけど」
「おまえが触ってるからだろ!」
小さい頃から一緒にいるけど、いまだにアヤが何を考えているのかわからない……ただ、母のことも、フラれたことも、アヤの天真爛漫さのおかげで深く落ち込まずに済んだ気がした。
それから、閉鎖病棟の病室の窓から見える景色があのひとの心を癒すといいな、と思った。
***
── 絶対、宗さんに言うなよ
「……どっちが…上になるか…ですか」
「……結局決まらなくて」
「桜庭さん、ジャンケンに負けたんですよね…?」
「負けたけど……」
「じゃあ桜庭さんが下なのでは…」
「いや、そう言うけどさ…」
「宗さんが……嫌なんですか?」
「…っ違う!」
「じゃあ、単純に怖いとか……?」
「怖いのは……行為そのものじゃなくて」
「……宗さんがノンケだから、ですか?」
「…いままで女性しか抱いたことのないひとが……って思うと、どうしても……」
「それは、わかります……」
「目の前でガッカリされたくないんだよ」
浮かない顔で桜庭さんは溜息を吐いた。気持ちは痛いほどよくわかる。好きな相手に「やっぱり女性のほうがいい」なんて思われたら立ち直れない。僕だって……いつ久御山がそう思うんだろうって考えないわけじゃない。
「僕は自分に自信がないので同じように不安になりますけど」
「うん……」
「宗さんのことは、自信を持って推せますよ」
「……藤城」
「宗さんは、桜庭さんを悲しませるようなことはしません」
「うん…それは……わかってるつもりなんだ」
「だから、安心して下になってください」
「いや藤城それはそれで不安というか」
こんなことで悩んでるっていうのに、AVなんて貸して宗さんを焚き付けるような真似するわけないだろ、と桜庭さんは少し照れたように言った。僕は漠然と、あの宗さんがよく我慢しているな、と思った。十四も年下の現役DKに手が出しづらいのか、それとも入試の前だから気を遣っているのか。
──
「失礼します……」
病室に入ると、本を読んでいた橘さんが顔を上げひらひらと手を振った。入院してる、とだけ聞いて来た僕は詳細がわからなくて、顔を見るまで少し不安だった。
「あの、桜庭さんから入院してるって聞いて…」
「わざわざお見舞いなんて、よかったのに」
「いえ、あの……どうしたんですか?」
「ちょっと怪我しちゃったっていうか」
思ったより元気そうだけど……この、ベッドで寝ている綾小路さんは一体なんなんだろう。
「……もう起きて大丈夫なんですか?」
「ああ、コレは気にしないで」
橘さんは困ったように笑いながら、布団の塊をポンッと叩いた。それから僕の顔をしげしげと眺め、首を傾げながら小声で訊いた。
「…藤城って、桜庭と付き合ってたの?」
「……!? 付き合ってませんよ!?」
「あれ、じゃあ別のひとなのか」
「なんの話ですか!?」
「いや、桜庭が藤城に優しいのって、友情か愛情かどっちかなーって思ってて」
「……多分、そのどっちでもないと思いますけど」
「昨日かな、告ったら彼氏いるってフラれちゃったから」
「告っ…彼……えええ!?」
「だから、藤城のことなのかなって」
「ボク、見たことあるよ」
布団の塊がモソっと動き、綾小路さんが「よっこいしょ」と上体を起こす。
「見たことある、って……何を?」
「桜庭とその彼氏」
「そうなの? どこで?」
「スタジオ入る前にカフェでダベってたとき」
「へえ……普通にデートしてるんだ…」
「ビシっとスーツ着た背の高いイケメンだったよ」
……宗さんだ。
「まあ、単なる友達とか親戚かもしれないしね」
「んー違うと思う」
「なんで?」
「恋してる顔だったから」
「わー……見てみたいな、桜庭のそんな顔…」
「あ、ほら、雑誌に写真載ってたじゃん。あのひと」
「……奇跡のイケメンラヴァー、本物だったんだ」
橘さんは笑いながら「いたたたた…」とお腹を押さえた。でもやっぱり優しい笑顔のままだった。そっか、橘さんは桜庭さんが好きだったのか……フラれたって言う割には、なんだかサッパリした顔してるな、と思った。
まあ……相手が桜庭さんじゃ、どうしようもないもんな。
──
「……久御山はさ」
「うん?」
「なんで僕と…その、エッチしようと思った?」
「……それはオレの愚息に直接」
「おまえに訊いてるんだよ…」
「なんでって……カラダが勝手に…」
「……はいはい」
無駄なことを訊いてしまった、と僕は再び広げた参考書と問題集に向かった。期末の範囲、広いんだよな……後ろから久御山が抱き着き、耳たぶを噛む。
「どうした?」
「切り替え早いねえ……」
「カラダが勝手に反応したんだろ?」
「じゃあ他のひとにも反応するかもね、って思ってるくせに……」
「その通りだろ……別にいいよ」
「いいの? ほんとに?」
「いいよ」
「なんで?」
「勝手に反応しちゃうものを、どうやって止めるんだよ」
「そこは理屈じゃないだろ、ノーリーズンだろ」
「どういう意味? 止めろってこと?」
「イヤがれよ、駄々こねろよ、独占欲とかないのかよ」
「ないわけじゃないよ」
「他のヤツに触られるのイヤだっつってたじゃん」
「見たくない、って言ったんだよ」
「見えなきゃいいの?」
「うん、いいよ」
「……湊、ドライ過ぎない?」
「ドライなわけじゃないよ……分をわきまえてるだけ」
「なんだよそれ」
「……好きなひとの気持ちがさ、ほんのちょっとでも自分に向いてるっていうだけで奇跡だと思うから……それを自分のつまらない嫉妬心とか独占欲で失いたくないんだよ」
「奥床しいかよ」
仕方ないじゃん、こんな僕を受け入れてくれたってだけで、充分過ぎるって思うんだよ……それに、相手のほうから寄って来る久御山に文句なんて言えるわけもないし、久御山がモテるのを悪いことだと思いたくないし……って、久御山、いま勉強してるのになんでベッドに連れて行くんだよ…
「久御山、勉強するって言わなかったか?」
「言ったよ」
「じゃあなんで服脱がせてるんだよ、おい」
「口で言うよりわかりやすいと思うから」
「なにが!?」
ちょ、ちょっと待て、触られたら反応しちゃうから! やめろ久御山、やめ…大きく…なるってば……あ、ちょっと…
久御山の手の中で硬くなったモノを、根元からゆっくり吮め上げられ背筋がゾクゾクした。口の中の熱さと舌の滑らかさにすっかり平伏しながら、いつもとは違う感覚に脚が震え始める。
「…久御山…あの…は、放して…」
「…なんで?」
「お願…い…放し」
「だからなんで?」
「…あの…出…ちゃうから…」
「うん、出して」
「…っ!? え、ちょっ…やだ、久御山放して」
「嫌がる理由が…わかんない」
わかんない、じゃないよ久御山!! あ……っ…ちょ、ほんとにヤメテ…我慢にも限界が…
「久御山…っ…放してって…」
「だから、なんで」
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「こんなこと、ってなに?」
「…久御山!」
「ちょうだい? 湊の」
「…っ…くみや……あ…久御山…っ!!」
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「……久御山!?」
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「え…口の中に湊がエッチな体液を出したので…」
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誰かを好きになるのはしあわせなことだと思うけど、同じくらいしんどいこともある。でもそれは、決して僕だけじゃないんだってことがわかった気がする。
桜庭さんも、宗さんも、そしてフラれた橘さんも、しあわせでありますように…
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