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第四十二話 東男と京男 其の壱
しおりを挟む「藤城先輩、いま付き合ってるひといますか?」
「…いないけど」
「じゃあ……ふたりっきりでイケナイことしませんか?」
「……は?」
昼休み、見知らぬ女子に突然声を掛けられ、東棟の屋上手前の踊り場で僕は次の言葉を失っていた。えっと、この子はいきなり何を言い出すんだ? すると背後から笑い声が聞こえ、振り返ろうとした僕は肩を抱かれて引き寄せられた。
「オレも一緒でいいかな」
「…っ、ケンソー先輩…!」
「なんてね……お嬢ちゃん、コイツに用があるんならまずはオレを通してくれる?」
「あのな、久御山」
唐突におかしなことを言い出した女子は、わかりました、とうなずいて階段を下りて行った。一体何を理解したんだ……隣を見ると久御山がニヤニヤといやらしい笑顔を浮かべている。
「憎いねぇ、今週何人目?」
「さあ…数えてないから…」
「……クールビューティーって言われるわけだ」
「なんだそれ」
二年の終わり辺りから頻繁に声を掛けられるようになった。三年になってからはその頻度は一層増え、こうして女子からいろんなお誘いを受ける。
「湊、モテるようになったよなあ」
「あれはモテてんの…?」
「そりゃそうでしょ…犯罪組織に勧誘されてるとでも思ったのか?」
「イケナイコトの内容によっては…」
一年の時、毎日盛大にモテている久御山を見てすごいな、と思った。イケメンで身長が高くて頭が良くて、そのうえ割れた腹筋が男らしく格好いい久御山が羨ましかった。二年になって僕の身長が伸び初め、その高さに比例して女子から声を掛けられる回数が増えた。
二年の間に22cm身長が伸びて、それに伴い体重も25kg増えた。おまけに変声期まで迎え、もう誰も僕を女子だと間違えることはなくなった。
ずっと男らしくなりたいと思っていた僕は、念願叶って……新たな悩みを抱えることになった。
──
「そういえば誰だったの? 藍田に告ってたヤツ」
家に帰ると久御山は、着替えながら思い出したように訊いた。
「ああ、三組の塚本だって」
テレビのリモコンを手に取り、僕は久御山に視線を動かした。相変わらずきれいな肌だな……それでいて腹筋もバキバキ割れてるし、ほんと格好いい身体してるよなあ…
「は? 塚本って、あの塚本? 陸上部の?」
「そうそう、その塚本」
「どのツラさげて告白なんてできたんだよ」
一年の時、藍田はいまよりずっと大人しく目立たない生徒だった。人見知りで友達がいない、と言った藍田はいつの間にか人間観察が癖になっていたそうだ。
何気なく見ていた陸上部の練習風景には、常に塚本の走る姿があった。そりゃそうだ、塚本は一年の時から100mのエントリーメンバーだったんだから。そこで小さな事件が起こった。
藍田と同じクラスの女子が、「藍田がいつも塚本のことを見てる」と面白おかしく塚本を冷やかした。冷やかされた塚本は藍田の視線を気にし始め、そしてある日の放課後、塚本は陸上部の練習を見ていた藍田を大勢の生徒の前でフッた。けちょんけちょんに。
そんなつもりなどまったくなかった藍田は、次の日から三日間学校を休んだ。僕と久御山がお見舞いに行ったからよーく憶えてる……告白してもいない相手をフるなんてどんな神経してるんだよ、とふたりで憤慨したもんだ。
「その場で断ったって言ってた」
「当たり前だろ……塚本だけは父さん許しませんよ」
「誰が父さんだ誰が」
この時間って、お茶の間向けの情報番組ばっかりなんだな、とリモコンを触っていると、久御山が僕の制服のボタンを外そうと目の前でしゃがんだ。「テレビ見えない」と言ったら「オレよりテレビがいいの?」と三つほどボタンを外した。
リモコンをテーブルの上に置いて、久御山のジーンズのファスナーをおろす。そこから手を入れ脚の間にあるモノを弄ると、ジーンズの中で窮屈そうに大きく硬くなって行く。ボタンを外し、ボクサーパンツの上から指を入れ尖端をなぞったら、久御山の腰がピクッと動いた。
「……ズルくない?」
「何が?」
そのまま手前に手を動かして、窮屈に縮こまっていたモノを解放する。舌先で触れながらしばらく焦らしていると、久御山が小さく息を吐きながら、僕の頭を両手で優しく掴んだ。うん、まだまだ……ここで手加減すると立場が逆転しかねない。口唇で圧迫しながら、喉の奥まで咥え込んで舌で包み込む。
「…湊…絶対わざとだろ…」
「んー?」
「ん…すぐイっちゃうじゃん…」
「イヤなの?」
久御山、口でされるの弱いよな……口の中でイくとき、久御山が僕の頭を優しく引き寄せて、イった瞬間に頭を抱え込むのが好きだ。抱え込んだ腕が震えてて、ああ、いま出してるんだな、と思うと下腹の奥が疼く……久御山が、弱い部分とエロい部分を剥き出しにする姿に、毎回堪らなくなる。
「…湊のお口、すっごくイイんだけどさ」
「うん」
「セックスしたい」
「……まだ足りない?」
「1日24時間365日いつだって足りない」
「そっか、わかった」
「ちょ、待て、イった直後に吮められるのは拷問だから!」
「耐え切った向こう側に、新しい扉があるよ」
「そんな刺激は求めてない!」
──
「ただいま」
「……お帰りなさい」
「…なに、その間は」
「ううん、いつも漣さんか宗弥だと思っちゃって」
自宅に帰ると、玄関まで迎えに出て来た母がしげしげと僕の顔を確かめる。成長した僕に、母はまだ慣れない。毎日顔を合わせてるのに、毎日新鮮に驚く。
「漣さんより大きくなるなんて、思ってなかった」
母はそう言いながら、少し嬉しそうに笑う。きっと、息子の成長が嬉しいわけじゃなく、これだけ大きくなれば不審者や変質者に狙われることがなくなるという部分に、安心感を覚えるんだろう、と思う。
「ねえ湊、怒りそうなこと訊いてもいい?」
「は? 何を訊こうっての…」
「湊、そんなに格好良くなったけど…彼女とかいないの?」
「……その程度で怒ったりしないけど、彼女はいないよ」
そっかあ、と口唇を突き出し残念そうな顔をしながら、母はキッチンに戻って行った。母親は息子を「小さな恋人」だと思う瞬間があるって聞くけど、うちの親に限ってそれはないな、と思う。結婚してもう十七年以上経つのに、いまだにふたりでデートに出掛けたりするくらい、ラブラブだしな…
洗面所で服を脱いで、鏡に映る自分の姿を眺めた。男らしくなりたくて、毎晩アブローラーで大胸筋と三角筋と上腕二頭筋と腹直筋と外腹斜筋と広背筋を鍛えまくった。元々脂肪のない身体だったから筋肉は付き難かったけど、小さくて頼りないヒョロ眼鏡だった頃と比べれば育ったと思う。
嬉しい、はずなのに。
風呂場で溜息を吐いて、浴槽に身体を沈めた。はあ…どっからどう見ても男だよな……昔みたいに可愛いって言われることもなくなったし、何より声が完全に男だ。
久御山は、初めて逢ったのがいまだったら……僕とこうなってたんだろうか。
イケメンでモテモテで、普通の男なら誰もが羨む毎日を送っていたはずの久御山は、話を聞く限り地獄のように女癖が悪かった。特定の相手と付き合うわけではなく、いわゆる「後腐れのない身体だけの関係」を常に複数人と持ちながら、その日の気分で相手を取っ替え引っ替えしていたらしい。
それが……一年の七月辺りから、僕と一緒にいる時間が増えた。夏休みが終わり秋になって冬を迎え、年が変わる頃にはほぼプライベートな時間を共有してた気がする。平日、僕が帰ったあととかバイトのある日のことは知らないけど、それでも女の子と遊ぶ時間は確実に減ったと思う。
それが久御山の意思なのか優しさなのかはわからない。僕たちは付き合ってるわけじゃないし、約束があるわけでも何かの保障があるわけでもない。だから……
小さくも可愛くもない僕を抱いて、久御山は満たされるんだろうか。
たとえば都築さんとか藍田ほどじゃないにしろ、久御山に言い寄る女の子たちの中には可愛い子だって大勢いるわけで、その子たちと関係を結ぼうと思えばいますぐにでも結べるわけで。
「……のぼせる」
湯舟からあがり椅子に腰掛けて俯くと、溜息が深くなる。はあ…どっからどう見ても男なんだよなあ……女の子には付いてないもんな、こんなの……産まれてこのかたずっと慣れ親しんだモノを握って、男だよな、とあらためて思う。ノンケの久御山はこれを見てどう思ってるんだろう。
性的指向が違うって、大きな問題なんじゃないかな。僕は久御山の身体を見ると、当たり前に興奮するわけだけど…割れた腹筋とエロ筋と言われる外腹斜筋、そこから続く小さい尻と……そういえば久御山、下の毛が柔らかくて最初ビックリしたな…
以前SNSでちょっと流行ったことのある「トイレットペーパーの芯チャレンジ」を思い出した。ナニの理想の大きさがトイレットペーパーの芯と同じ大きさだという話で、芯にナニが収まるかどうかを試した男は多かっただろう。久御山のナニがまったく入らなかったのを見てドキドキしたもんな……
久御山のソレが収まる僕の身体もどうかと思うけど…あ、いまそういうこと考えたら負けだ……先生としてるときは、慣れて痛くなくなっても常に緊張感があって、物理的な快感は確かにあったけどイイと思ったことがなかった。できれば回避したかったけど、そうすると僕の存在理由がなくなる気がした。
「…ん…っ…」
でも…久御山と初めてそうなった時、自分でも驚くくらいヨかったんだよな……久御山の舌や指の動きを思い出して、腰が落ち着かなくなる。久御山が入って来る瞬間、胸の奥と下腹の奥が熱くなって身体が溶けるんじゃないかと思う。
「はあっ…は…っ…」
いつからだろう……ひとりでするとき、後ろを刺激しないとイけなくなった。自分の指を挿し込んで、内側の壁を擦りながら久御山の淫らな顔を想像する。久御山…僕はこんなに久御山で高まって、いやらしい気持ちになるのに……
「ん…くみ…や…っ…」
久御山がイくとき、小さな声で「…っ、ごめん…」と言うのを、脳が鮮明に再生した。
風呂場の床に飛び散った体液をシャワーで流しながら、「久御山はいつ僕を男だと認識するのかな…」と、心に鉛を詰め込まれたような感覚に泣きたくなった。
***
「……湊ッ!」
授業が終わり、藤城と久御山が移動教室から教室へ戻ろうと階段をのぼっている時、久御山のただならぬ声が響いた。藤城はもちろん、周りにいた生徒たちも声のしたほうを注視した。
久御山はいち早く、階段を踏み外した男子生徒に気付いたが、足元を見ていた藤城はまず久御山の様子に驚き、上から落ちて来る生徒に気付いた時はすでに身体が接触する寸前だった。
慌てて腕を伸ばした藤城は男子生徒をかろうじて受け止め、自身が落ちることを見越してその男子生徒を突き飛ばした。おかげで男子生徒は、階段で前のめりに転んだだけで済んだが、藤城は衝撃を受け止め階段から落ち……ればまだ被害は小さかったかもしれない。
藤城は上から降って来る生徒を突き飛ばしたあと、藤城に腕を伸ばした久御山を巻き込み階段を転げ落ちた。その場にいた生徒たちは顔面蒼白になりながら、しかし階段の下で重なり倒れている藤城と久御山の姿をスマホに収めるべく一斉にポケットからスマホを取り出す。
「……久御山…おい、久御山…」
藤城を抱えて下敷きになった久御山の意識はなく、保健室レベルじゃないな、と慌てた藤城は周りにいる生徒を仰いだ。
「すみません、誰か救急車呼んでもらえますか」
カメラを向けていた生徒が一斉に緊急ダイヤルを掛けようと構えた。
「あの、一台でいいんで」
五分ほどで救急車が到着し、藤城は久御山に付き添い救急車に同乗した。
「藤城先輩、どんなときも冷静極まりないよね」
「かっこ良過ぎ」
「あの状況で慌てないってスゴイよね」
「普通は取り乱すよね……藤城先輩ステキだわ…」
藤城は充分慌てていたが、周りに伝わるレベルではなかったようだ。
「出血や脳挫傷などはありませんので、大丈夫ですよ。すぐ意識も戻ると思いますが、念のため一晩入院していただき、向こう一週間は安静にして経過観察をしてください」
搬送先の病院で医師の説明を受けた藤城は、久御山のベッドのわきでうなだれた。
「いい加減、僕のサイズが以前と違うんだって覚えろよ……」
高校入学当時164センチ45キロだった藤城も、二年の時を経ていまでは186センチ70キロと随分立派に成長した。久御山は、藤城がいまでは自分と変わらない体型だということを把握してはいるが、咄嗟のときはなぜか藤城を守るために身体を張ってしまうクセが抜けなかった。
医師の言う「すぐ意識も戻る」の「すぐ」が何分なのか、何十分なのか、何時間なのか、藤城は具体的な数字がわからず不安を感じ始めていた。具体的な数字など医師にもわかるはずはないが、藤城の「すぐ」はせいぜいが十分程度であり、搬送されてから既に一時間は経過している状況を冷静に待てる余裕はない。
── あと五分待って意識が戻らなかったらナースコールしよう…
「…ん……」
「…久御山? 大丈夫か、久御山」
「……ん?」
「久御山……頭痛とか吐き気とか」
「ここ……」
「意識なかったから救急車呼んで」
「意識……?」
「……大丈夫…か?」
「…えっと……誰…だっけ…」
「……は?」
藤城は即座にナースコールで看護師と医師を呼んだ。
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