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小さな友人達
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皆さん、おはようございます。
ゴロゴロと不貞寝をしているユニコーンです。
朝日が差し込み、何度かの寝返りを繰り返していた時の事でした。
「えっと、うーんと、おはようございます?どうしよう、何て声をかけたらいいかな?」
「新しい、白い主様、ご挨拶」
なにやら声が聞こえます。声がする方へ目を向けるとそこには大きめのリスのようなモフモフが。
前世のリスの記憶は手のひらサイズ。しかし、目の前にいるリスは50センチ程の大きさで、身長よりも長いであろう尻尾がもふん!と頭の後ろでロール巻きされ揺れているのです。
大きなお耳、つぶらなお目眼、やや短く見える手足にちょこんとおしり座りしている姿勢。
素晴らしい。初めて異世界に来て「ブラボー!」と叫びたくなりました。
しかもお二人いらっしゃる。
これはすぐにでもお友達申請をしなくては!
体を起こしてリス達の方に座り直していると、リス達は小さく体をビクつかせこちらの方をじっと見ていました。落ち着かせるようにか自分の長い尻尾を両手にぎゅっと抱き締めながら。
さて、ここは落ち着いてご挨拶をしなければなりませんね。いきなりここで『君達、超可愛いね。挨拶代わりにちょっと尻尾触らせてよ。』なんて、エロ親父のような発言をしてはなりません。それが本心であってもです。
「おはようございます、小さな訪問者達。」
「……」
無反応です。挨拶間違えたかな?緊張している様子も見られますね。少し様子を見ましょうか。
それにしても、白い主様?とは私の事でいいのでしょうか?
「白い主様、起きた、おはよう。」
「はい、おはようございます。」
片言のようにお話しするリスと軽く挨拶をしていると、もう片方のリスが冷静になったのか話が出来るような状態になったようです。
「お目覚めのところすいません。今日は挨拶とお願いに来ました。」
「挨拶、お願い。」
「私達をここに住まわせて下さい。お願いします。」
「ここ、住む、お願い。」
「はい、いいですよ。」
あっさりと挨拶を交わし、お願いを聞き入れる。
別に私の許可なんて要らないと思うけど、異世界のルールってよく分からないし。
小さな住人達の話を聞くと、この子達も自分の住みかを追われたそうです。
グループで行動する一族で、住んでいた所が汚染され食べるものが少なくなり、弱く小さなもの達が切り捨てられていったそうです。
なんとか生き延びてこの場所にたどり着いたものの、黒い主様が白い主様に殺られる姿を目撃しガタブルと震えて震えて数日過ごし、浄化されていく景色を目にして勇気を出してお願いに来たそうです。
いやぁ、なんか、ごめん。
異世界生活を結構軽く考えてたけど、周りの生き物達の設定が結構重いです。
気を取り直して、お話を続けましょう。
「君達はよく似てるから間違えそうなんだけど、名前はありますか?」
「私達一族は親から名前を貰ったりしますが、私達の両親はすぐに亡くなってしまったので」
「私達、名無し。」
「では、小さな住人達に…いえ、小さな友人達に私から名前を贈っても宜しいですか?」
ここでさりげなく友人アピールをしているのは、いつかモフモフさせてもらうための根回しです。
「友人?私達がですか?」
「白い主様、友人、嬉しい。名前、嬉しい」
どうしましょう。こんなに喜んでもらえるなんて。さっきの根回し発言は忘れてください。
お話上手のお姉さんリスの方を向いて
「あなたはララ」
片言で話す弟リスの方を向いて
「あなたはルル」
「ララとルル、私の友人達。これからもよろしくね。」
こうして、小さな住人達は私の友人達となったのです。
ゴロゴロと不貞寝をしているユニコーンです。
朝日が差し込み、何度かの寝返りを繰り返していた時の事でした。
「えっと、うーんと、おはようございます?どうしよう、何て声をかけたらいいかな?」
「新しい、白い主様、ご挨拶」
なにやら声が聞こえます。声がする方へ目を向けるとそこには大きめのリスのようなモフモフが。
前世のリスの記憶は手のひらサイズ。しかし、目の前にいるリスは50センチ程の大きさで、身長よりも長いであろう尻尾がもふん!と頭の後ろでロール巻きされ揺れているのです。
大きなお耳、つぶらなお目眼、やや短く見える手足にちょこんとおしり座りしている姿勢。
素晴らしい。初めて異世界に来て「ブラボー!」と叫びたくなりました。
しかもお二人いらっしゃる。
これはすぐにでもお友達申請をしなくては!
体を起こしてリス達の方に座り直していると、リス達は小さく体をビクつかせこちらの方をじっと見ていました。落ち着かせるようにか自分の長い尻尾を両手にぎゅっと抱き締めながら。
さて、ここは落ち着いてご挨拶をしなければなりませんね。いきなりここで『君達、超可愛いね。挨拶代わりにちょっと尻尾触らせてよ。』なんて、エロ親父のような発言をしてはなりません。それが本心であってもです。
「おはようございます、小さな訪問者達。」
「……」
無反応です。挨拶間違えたかな?緊張している様子も見られますね。少し様子を見ましょうか。
それにしても、白い主様?とは私の事でいいのでしょうか?
「白い主様、起きた、おはよう。」
「はい、おはようございます。」
片言のようにお話しするリスと軽く挨拶をしていると、もう片方のリスが冷静になったのか話が出来るような状態になったようです。
「お目覚めのところすいません。今日は挨拶とお願いに来ました。」
「挨拶、お願い。」
「私達をここに住まわせて下さい。お願いします。」
「ここ、住む、お願い。」
「はい、いいですよ。」
あっさりと挨拶を交わし、お願いを聞き入れる。
別に私の許可なんて要らないと思うけど、異世界のルールってよく分からないし。
小さな住人達の話を聞くと、この子達も自分の住みかを追われたそうです。
グループで行動する一族で、住んでいた所が汚染され食べるものが少なくなり、弱く小さなもの達が切り捨てられていったそうです。
なんとか生き延びてこの場所にたどり着いたものの、黒い主様が白い主様に殺られる姿を目撃しガタブルと震えて震えて数日過ごし、浄化されていく景色を目にして勇気を出してお願いに来たそうです。
いやぁ、なんか、ごめん。
異世界生活を結構軽く考えてたけど、周りの生き物達の設定が結構重いです。
気を取り直して、お話を続けましょう。
「君達はよく似てるから間違えそうなんだけど、名前はありますか?」
「私達一族は親から名前を貰ったりしますが、私達の両親はすぐに亡くなってしまったので」
「私達、名無し。」
「では、小さな住人達に…いえ、小さな友人達に私から名前を贈っても宜しいですか?」
ここでさりげなく友人アピールをしているのは、いつかモフモフさせてもらうための根回しです。
「友人?私達がですか?」
「白い主様、友人、嬉しい。名前、嬉しい」
どうしましょう。こんなに喜んでもらえるなんて。さっきの根回し発言は忘れてください。
お話上手のお姉さんリスの方を向いて
「あなたはララ」
片言で話す弟リスの方を向いて
「あなたはルル」
「ララとルル、私の友人達。これからもよろしくね。」
こうして、小さな住人達は私の友人達となったのです。
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