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一章 〜雑魚魔物使い〜
十一話 祝勝会にて
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「かんぱーい!」
思いの外高額だった優勝賞金を手にした俺達は、観戦していたジェリアも誘い酒場で祝勝会を開いた。
こんな贅沢はここに来て初めてだ。だが、酒はほどほどにしておこう。この世界の酒場には飲み放題とかは絶対無いだろうからな……無い、よね?
「私、まだ信じられないです。一匹しか魔物を仲間に出来なかったあの私達が、大会で優勝までして……うぅ、グスッ」
開始早々、感極まったコルリスが泣き出した。
この子も俺が弱いせいで色々と辛い思いをしてきたのだろう……まあでも、喜んで貰えて何よりだ。
その隣ではプチ男とルーが黙々と食べ続けている。
凄まじい食いっぷりだ。彼らの前に運ばれた料理達は、一瞬にして一枚のただの皿へと変わってゆく……
「確かに私もあの試合、正直勝てるとは思ってなかったわ。クボタさん、貴方才能あるわよ」
そう褒めてくれるのは嬉しいが……ジェリアは俺の右隣にいると言うのに視線をプチ男から離そうとしない。
やはり、彼女が誘う前からついて来ようとしていたのは、コイツが目当てだったからのようだ……
「いや、俺が勝てたのは、ルーの頑張りとトーバスさんのアドバイスがあったからで……」
「いやいや!それもあるでしょうけど!
でも!クボタさんがルーちゃんをここまで育て上げたから優勝出来たんですよ!もっと自信持ってください!」
俺の言葉を遮ったコルリスが肩をバシバシと叩いてくる。
彼女は酒を飲んでいないはずなのだが……今の絡み方は、酔っ払いのそれと非常に良く似ていた。
「ん?クボタ?」
「クボタってあの?」
するとコルリスの声がデカ過ぎたのか、周囲の人々の視線が俺達のテーブルに集中した。
それを皮切りに、酒場は静寂に満たされてゆく……何なんだ?俺か、もしくは俺以外のクボタさんが何かしでかしてしまったのか?
「君って……あのクボタ?」
その静寂を断ち切ってまず真っ先に、俺に話し掛けてきたのは隣のテーブルにいたおっちゃんだった。
しかし、この人も皆と同じである。
人に名前を聞く時はまず自分から、そしてそれよりも前に『あのクボタ』とはどのクボタなのか。それを説明するのが常識だと親に教わらなかったのだろうか。
「ええと、あの……」
「ええそうよ。この人が〝あの〟クボタよ。」
言い淀む俺に代わり、おっちゃんに返答したのはジェリアだった。
しかも勝手に、『あのクボタ』にされてしまっている。
「ちょっとジェリアちゃん!人違いだったらどうするの!?」
「安心して。そもそもこの国に『クボタさん』って名前の人は貴方しかいないわ」
あ、そうなんだ。
「おお!君がクボタなのか!あの試合は見事だったよ!」
そして、おっちゃんがそう言った途端。
俺達はそれを聞いていた群衆にもみくちゃにされた。
「こんなに小さいトロールがあんなのに勝ったのね!しかもカワイイ!」
「このプチスライムもミドルスライム相手に勝利した奴らしいぞ!」
「なあなあ、あの凄い技俺の魔物にも教えてやってくれよ!」
どうやら酒場には、あの試合を観戦していた者達が大勢いたようだ。
まあそれは、嬉しくもあるが……ただ。
正直、ここまで注目されると恥ずかしさが勝ってしまう……
そうして照れた俺が何も言えずにいると。
人と人の間から、さっきのおっちゃんが顔を出してこう言った。
「ところでクボタさんよ。試合を見てからずっと気になってたんだが……
何でアンタの魔物はそんなに利口なんだい?
トロールのお嬢ちゃんは完璧な程アンタの指示通りに動いてたし、噂じゃそこにいるプチスライムまでそんな感じらしいじゃないか」
「それは……う~ん……」
ただ、そうは言われても……そんなものは考えた事すら無かったので何も答えられない。
と言うか、もしそうなのであれば俺が聞きたいくらいだ。
「あ、私もそれ気になる」
上記したような理由により俺が回答に困っていると言うのにも関わらず、今度はジェリアまでもが、おっちゃんと一緒になって俺を見つめ始めた。
そう言えば、彼女にも似たような事を過去に言われたような気がするな……まあでも、やっぱり答えられないものは答えられないのだが。
「……実は、私も気になってました!
クボタさんと一緒にいる時のルーちゃんはまるで言葉が通じてるみたいに物覚えが良いし、プチ男君なんか頷いたりするじゃないですか!
それってどうしてなんですかクボタさん!?
勿体ぶってないで教えてください!」
しかし、誰も助けてはくれず。
それどころか終いには、酔っ払いモード(仮)のコルリスまでが彼等に加勢し始め。
つまりはその瞬間から、俺を射抜くように見つめる目玉は六つとなったのだ。
…………初めて出会った時。
コルリスが魔物使いには二種類のタイプがあり、俺にはその両方の素質があるかもしれないと教えてくれた。
だが、彼女が俺に疑問を投げ掛けてくるという事は、今回の件は『俺に二つの素質があるから』では、説明がつかない事柄であるからなのだろう。
……じゃあ、俺に。
「俺に……俺に分かるわけないじゃないかぁぁぁ!」
俺はテーブルを囲む群衆と言う名の荒波を掻き分け。
つまりは逃走する事で、ひとまずはその場をやり過ごしたのだった。
思いの外高額だった優勝賞金を手にした俺達は、観戦していたジェリアも誘い酒場で祝勝会を開いた。
こんな贅沢はここに来て初めてだ。だが、酒はほどほどにしておこう。この世界の酒場には飲み放題とかは絶対無いだろうからな……無い、よね?
「私、まだ信じられないです。一匹しか魔物を仲間に出来なかったあの私達が、大会で優勝までして……うぅ、グスッ」
開始早々、感極まったコルリスが泣き出した。
この子も俺が弱いせいで色々と辛い思いをしてきたのだろう……まあでも、喜んで貰えて何よりだ。
その隣ではプチ男とルーが黙々と食べ続けている。
凄まじい食いっぷりだ。彼らの前に運ばれた料理達は、一瞬にして一枚のただの皿へと変わってゆく……
「確かに私もあの試合、正直勝てるとは思ってなかったわ。クボタさん、貴方才能あるわよ」
そう褒めてくれるのは嬉しいが……ジェリアは俺の右隣にいると言うのに視線をプチ男から離そうとしない。
やはり、彼女が誘う前からついて来ようとしていたのは、コイツが目当てだったからのようだ……
「いや、俺が勝てたのは、ルーの頑張りとトーバスさんのアドバイスがあったからで……」
「いやいや!それもあるでしょうけど!
でも!クボタさんがルーちゃんをここまで育て上げたから優勝出来たんですよ!もっと自信持ってください!」
俺の言葉を遮ったコルリスが肩をバシバシと叩いてくる。
彼女は酒を飲んでいないはずなのだが……今の絡み方は、酔っ払いのそれと非常に良く似ていた。
「ん?クボタ?」
「クボタってあの?」
するとコルリスの声がデカ過ぎたのか、周囲の人々の視線が俺達のテーブルに集中した。
それを皮切りに、酒場は静寂に満たされてゆく……何なんだ?俺か、もしくは俺以外のクボタさんが何かしでかしてしまったのか?
「君って……あのクボタ?」
その静寂を断ち切ってまず真っ先に、俺に話し掛けてきたのは隣のテーブルにいたおっちゃんだった。
しかし、この人も皆と同じである。
人に名前を聞く時はまず自分から、そしてそれよりも前に『あのクボタ』とはどのクボタなのか。それを説明するのが常識だと親に教わらなかったのだろうか。
「ええと、あの……」
「ええそうよ。この人が〝あの〟クボタよ。」
言い淀む俺に代わり、おっちゃんに返答したのはジェリアだった。
しかも勝手に、『あのクボタ』にされてしまっている。
「ちょっとジェリアちゃん!人違いだったらどうするの!?」
「安心して。そもそもこの国に『クボタさん』って名前の人は貴方しかいないわ」
あ、そうなんだ。
「おお!君がクボタなのか!あの試合は見事だったよ!」
そして、おっちゃんがそう言った途端。
俺達はそれを聞いていた群衆にもみくちゃにされた。
「こんなに小さいトロールがあんなのに勝ったのね!しかもカワイイ!」
「このプチスライムもミドルスライム相手に勝利した奴らしいぞ!」
「なあなあ、あの凄い技俺の魔物にも教えてやってくれよ!」
どうやら酒場には、あの試合を観戦していた者達が大勢いたようだ。
まあそれは、嬉しくもあるが……ただ。
正直、ここまで注目されると恥ずかしさが勝ってしまう……
そうして照れた俺が何も言えずにいると。
人と人の間から、さっきのおっちゃんが顔を出してこう言った。
「ところでクボタさんよ。試合を見てからずっと気になってたんだが……
何でアンタの魔物はそんなに利口なんだい?
トロールのお嬢ちゃんは完璧な程アンタの指示通りに動いてたし、噂じゃそこにいるプチスライムまでそんな感じらしいじゃないか」
「それは……う~ん……」
ただ、そうは言われても……そんなものは考えた事すら無かったので何も答えられない。
と言うか、もしそうなのであれば俺が聞きたいくらいだ。
「あ、私もそれ気になる」
上記したような理由により俺が回答に困っていると言うのにも関わらず、今度はジェリアまでもが、おっちゃんと一緒になって俺を見つめ始めた。
そう言えば、彼女にも似たような事を過去に言われたような気がするな……まあでも、やっぱり答えられないものは答えられないのだが。
「……実は、私も気になってました!
クボタさんと一緒にいる時のルーちゃんはまるで言葉が通じてるみたいに物覚えが良いし、プチ男君なんか頷いたりするじゃないですか!
それってどうしてなんですかクボタさん!?
勿体ぶってないで教えてください!」
しかし、誰も助けてはくれず。
それどころか終いには、酔っ払いモード(仮)のコルリスまでが彼等に加勢し始め。
つまりはその瞬間から、俺を射抜くように見つめる目玉は六つとなったのだ。
…………初めて出会った時。
コルリスが魔物使いには二種類のタイプがあり、俺にはその両方の素質があるかもしれないと教えてくれた。
だが、彼女が俺に疑問を投げ掛けてくるという事は、今回の件は『俺に二つの素質があるから』では、説明がつかない事柄であるからなのだろう。
……じゃあ、俺に。
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