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二章 〜下級魔物使い〜
四話 登録をしよう その3
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魔力測定を終えた俺とプチ男は、最後となる『力』測定の順番待ちをしていた。
一方、コルリスとジェリアは全ての種目をやり終えたらしく、俺の近くにある椅子に座って何故か今日の献立について楽しそうに話している。
またアイツは我が家の晩ご飯に突撃しようとしているのか……たまにはそっちで、高級食材をふんだんに使用した料理を振る舞ってくれても良いんだぞ?
「それでは次の方~」
と、そこで漸く俺達の番が来た。
だが、二人のせいで俺まで夕食の事に頭を占領されてしまい、胃袋が物欲しげな声を上げている。
こうなればさっさと終わらせて帰るとしよう。
目の前にはサンドバッグに似た何かがある。
それを見た俺は一瞬にして測定方法を理解し、同時にゲームセンターやトレーニングジムでこれにそっくりな物をしこたま殴り付けていた、かつての日々を思い出した。
そして、久し振りに殴ってみたくもなった。
俺達の測定をしてくれるはずの、スタッフ的なお姉さんは会場の何処かでトラブルがあったらしく、現在離席している……
しかもその上、プチ男は不動を決め込んでいると来た。
もしかするとコイツ、これを見たのが初めてでやり方がよく分からないのかもしれない。
ならばそれを教えるのは、親代わりである俺の役目であろう……と言うか、やるなら今しかない。
「…………プチ男、こうやるんだぞ」
そして遂に、俺は行動に移した。
そう言った後、やや強めの右ストレートをサンドバッグ的な物へと打ち込む。
……うん、物は違えど、相変わらず実に良い叩き心地である。
すると、サンドバッグの上部にあった計測機器のような物に数字が浮かび上がって来た。
なになに……408、か。
多分だが、悪くない数値だと思われる。
……と、そこへお姉さんが戻って来てしまった。
ヤバいヤバい!!
数字よ早く!!早く消えてくれ……!!
「すみません、お待たせしちゃって……あら?」
結論から言うと、間に合わなかった。
「あっ!あのっ、すみませんでした!
僕がちょっと、やってみたくなってしまって、勝手にと言いますか、一足先にと言いますか……」
「貴方が?またまたご冗談を。
それにしてもこの子、かなり鍛えてるみたいですね。
Fランクになりたてのプチスライムが、ここまでの数値を出すのは初めて見ましたよ!」
「えっ?」
だが、お姉さんは俺の言葉を全く信じてはいないようだ。
そしてその理由は、これがプチスライムとしてはかなりのハイスコアだから……そう言われても、全然程度が分からない。
……が。
とにかく、これ以上この会話を続けるのは危険だ。いつ地雷を踏んでもおかしくない。
そう感じた俺はとりあえずお姉さんに合わせる事に徹し、何とか地雷原から無傷で生還を果たした。
……かのように思えていたんだ。
この時はまだ、な。
ここはFランクの闘技場。
先程までは人々で賑わっていたこの場所だが、今は登録も終わり、閑散としている。
そこにいるのは会場の後片付けを行う、数人の者達を除けば……
一匹のプチスライムだけであった。
彼……もとい、一匹のプチスライムは。
『力』測定の際に使用された、サンドバッグに似た測定具の前に立っている。
すると突然、彼はその身が引きちぎれんばかりに肉体を大きく引き伸ばす……
そして、それは限界に達し。
バチン!!
と、大きな音を立てて、体を縮ませた彼はその反動を利用して剛速球となり、サンドバッグへと向かって行った。
〝バチィン!!〟
そうしてファストボールはサンドバッグに直撃し、再び大きな破裂音が闘技場に木霊する。
それを聞いた場内の人間は突然の事に驚くばかりで、音の発信源はおろか小さな彼の存在にすら気付く者はいなかった。
……その時。
彼の元へと歩み寄る、一人の人物がいた。
「あ!こんな所にいたのか……って。
もしかしてお前、それやりたかったのか?
……それは、悪かった。
でも、とりあえず今は逃げよう。
なんかスタッフさん達、凄い慌ててるし……もしかしてお前、何かしてない……よな?」
そう言うとその人物はすぐさま彼を鷲掴みにし、会場を出ようとする。
ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。
だが、彼は抵抗した。
主人の元を抜け出し、やっと思いで文字通り渾身の力を込めた一撃をこの無抵抗な肉塊へと叩き付けたのだ。
なら、主人のように、それの上部に出た数値を眺めて誇らしげにする時間くらい、与えてくれても良いではないか……とでも言いたげな様子で。
「おい、暴れるなってプチ男!!
早くしないと晩飯なくなっちゃうぞ?」
ぷるぷるぷる、ぷるぷるぷる……
しかし、彼の抵抗も虚しく。
一人と一匹の影は、心地良さげな音を響かせながら小さくなり、やがては消えてしまった。
『500』と、彼の繰り出した一撃への感想を述べる、サンドバッグを置き去りにして……
一方、コルリスとジェリアは全ての種目をやり終えたらしく、俺の近くにある椅子に座って何故か今日の献立について楽しそうに話している。
またアイツは我が家の晩ご飯に突撃しようとしているのか……たまにはそっちで、高級食材をふんだんに使用した料理を振る舞ってくれても良いんだぞ?
「それでは次の方~」
と、そこで漸く俺達の番が来た。
だが、二人のせいで俺まで夕食の事に頭を占領されてしまい、胃袋が物欲しげな声を上げている。
こうなればさっさと終わらせて帰るとしよう。
目の前にはサンドバッグに似た何かがある。
それを見た俺は一瞬にして測定方法を理解し、同時にゲームセンターやトレーニングジムでこれにそっくりな物をしこたま殴り付けていた、かつての日々を思い出した。
そして、久し振りに殴ってみたくもなった。
俺達の測定をしてくれるはずの、スタッフ的なお姉さんは会場の何処かでトラブルがあったらしく、現在離席している……
しかもその上、プチ男は不動を決め込んでいると来た。
もしかするとコイツ、これを見たのが初めてでやり方がよく分からないのかもしれない。
ならばそれを教えるのは、親代わりである俺の役目であろう……と言うか、やるなら今しかない。
「…………プチ男、こうやるんだぞ」
そして遂に、俺は行動に移した。
そう言った後、やや強めの右ストレートをサンドバッグ的な物へと打ち込む。
……うん、物は違えど、相変わらず実に良い叩き心地である。
すると、サンドバッグの上部にあった計測機器のような物に数字が浮かび上がって来た。
なになに……408、か。
多分だが、悪くない数値だと思われる。
……と、そこへお姉さんが戻って来てしまった。
ヤバいヤバい!!
数字よ早く!!早く消えてくれ……!!
「すみません、お待たせしちゃって……あら?」
結論から言うと、間に合わなかった。
「あっ!あのっ、すみませんでした!
僕がちょっと、やってみたくなってしまって、勝手にと言いますか、一足先にと言いますか……」
「貴方が?またまたご冗談を。
それにしてもこの子、かなり鍛えてるみたいですね。
Fランクになりたてのプチスライムが、ここまでの数値を出すのは初めて見ましたよ!」
「えっ?」
だが、お姉さんは俺の言葉を全く信じてはいないようだ。
そしてその理由は、これがプチスライムとしてはかなりのハイスコアだから……そう言われても、全然程度が分からない。
……が。
とにかく、これ以上この会話を続けるのは危険だ。いつ地雷を踏んでもおかしくない。
そう感じた俺はとりあえずお姉さんに合わせる事に徹し、何とか地雷原から無傷で生還を果たした。
……かのように思えていたんだ。
この時はまだ、な。
ここはFランクの闘技場。
先程までは人々で賑わっていたこの場所だが、今は登録も終わり、閑散としている。
そこにいるのは会場の後片付けを行う、数人の者達を除けば……
一匹のプチスライムだけであった。
彼……もとい、一匹のプチスライムは。
『力』測定の際に使用された、サンドバッグに似た測定具の前に立っている。
すると突然、彼はその身が引きちぎれんばかりに肉体を大きく引き伸ばす……
そして、それは限界に達し。
バチン!!
と、大きな音を立てて、体を縮ませた彼はその反動を利用して剛速球となり、サンドバッグへと向かって行った。
〝バチィン!!〟
そうしてファストボールはサンドバッグに直撃し、再び大きな破裂音が闘技場に木霊する。
それを聞いた場内の人間は突然の事に驚くばかりで、音の発信源はおろか小さな彼の存在にすら気付く者はいなかった。
……その時。
彼の元へと歩み寄る、一人の人物がいた。
「あ!こんな所にいたのか……って。
もしかしてお前、それやりたかったのか?
……それは、悪かった。
でも、とりあえず今は逃げよう。
なんかスタッフさん達、凄い慌ててるし……もしかしてお前、何かしてない……よな?」
そう言うとその人物はすぐさま彼を鷲掴みにし、会場を出ようとする。
ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。
だが、彼は抵抗した。
主人の元を抜け出し、やっと思いで文字通り渾身の力を込めた一撃をこの無抵抗な肉塊へと叩き付けたのだ。
なら、主人のように、それの上部に出た数値を眺めて誇らしげにする時間くらい、与えてくれても良いではないか……とでも言いたげな様子で。
「おい、暴れるなってプチ男!!
早くしないと晩飯なくなっちゃうぞ?」
ぷるぷるぷる、ぷるぷるぷる……
しかし、彼の抵抗も虚しく。
一人と一匹の影は、心地良さげな音を響かせながら小さくなり、やがては消えてしまった。
『500』と、彼の繰り出した一撃への感想を述べる、サンドバッグを置き去りにして……
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