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二章 〜下級魔物使い〜
十話 新たなる力を
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朝食を取った後、俺は魔物達と共にトレーニングを始めた。
今回はいつものキックボクシング的なものとは違い、総合格闘技をやっていた頃に覚えた組技系の練習だ。
ただし、俺は恥ずかしながら関節技や絞め技は苦手であったため、受け身、タックル、投げ技等の練習が主ではあるが。
一応言っておくと、これは対先遣隊ゴブリン時の事を反省した結果の練習内容である。
もしもあの時、組技の知識を持ってさえいたならば……彼女はあそこまで深傷を負わず。
むしろ受け身をとって即座に体勢を立て直したり、相手の引っ張り込む力を逆に利用した投げ技等で、試合を有利に進める事が出来たかもしれない。
先遣隊ゴブリンがあれよりももう少し強かったらと思うと今でもぞっとする。
その場合、あのまま劣勢となったルーは……
そう、このトレーニングはFランクと言う、あれよりも強い魔物が必ず現れるであろう環境でも、魔物達が無事に俺の元へと戻って来てくれるために重要なものなのだ。
そうして、暫く教え続けていると、ルーはすぐに複数の投げ技を物にした。
間違い無く、あの頃の俺よりも上達は早い。
とても嬉しいが、少々複雑な気分だ。
まあ彼女は、前に我流の投げ技を披露した事もあるのだし、格闘センスで敵うはずがないのは充分理解しているのだがな。
まあそれはともかくとして、他の二匹の調子はと言うと……そちらもなかなか良かった。
まず、コイツらは初動が全て多少の伸び縮みから始まるので、ただでさえそれが移動か攻撃か判別するのが難しかったのだが。
組技を覚えた事によってその攻撃ですら、打撃なのか投げなのか挙動からでは完全に分からなくなった。これは相手としては非常にやり辛いだろう。
そしてこれは、二匹の様子を見ていて気付いた事なのだが……
スライムはその身体的特徴により、人型の魔物ではほぼ不可能に近いような状態からでも投げ技を使用出来る……と言う、とんでもない強みを持っていたようだ。
(相手にくっ付いている時や、地面に接していない時等だ)
もしかするとスライムと組技、と言うのは最高の組み合わせだったのかもしれない。
そんな彼等は今、俺やルーの腕に巻き付いたまま体を伸縮させて無理矢理反動を起こし、投げ技を繰り出すと言う実に応用的な練習をしていた。
受け身をとり、プチ男の技を身をもって体感した俺は全員が早い段階で組技をある程度習得した事に喜びつつも、驚きを隠せずにいた。
昇格試合の事も踏まえ、充分な実力がつくまではFランクの依頼、大会には参加しない予定だったが。
これならば、新しい環境へと踏み出せる日も近いだろう。
「良し、今日はここまでかな。
じゃあそろそろ休憩にしよう!」
俺は皆へとそう告げたが、ルー、プチ男、ケロ太は練習からじゃれあいに移行したようで、まだドタバタとあちこちを跳ね回っている。
好きこそ物の上手なれ、とはよく言ったものだ。技の上達には、コイツらが体を動かす事が大好きなのも関係しているのかもしれない。
……まあ、とにかく。
ひとまずは彼等を放置すると決めた俺は汗を軽く流した後で服を着替え、身支度を整えた。
「あれ?クボタさん、お出掛けですか?」
そして準備を終えた俺が外に出ようとしていた時、コルリスから声を掛けられた。
「うん、ちょっとね。
晩ご飯までには帰って来るよ。
あ、あとプチ男も連れて行くね」
彼女にそう告げた俺は、遊んでいた三匹の中からプチ男のみをつまみ上げると、彼の体に付いた土埃を軽く払い、そのまま歩き出した。
が、プチ男は少々不満だったようで、俺の手の中でぷるぷると震えている。
しかし、それを見た俺が「ゴメンゴメン。着いたら何か好きな物買ってやるから、怒らないでくれよ」と言うと、途端にその震えは止まった。
今回はいつものキックボクシング的なものとは違い、総合格闘技をやっていた頃に覚えた組技系の練習だ。
ただし、俺は恥ずかしながら関節技や絞め技は苦手であったため、受け身、タックル、投げ技等の練習が主ではあるが。
一応言っておくと、これは対先遣隊ゴブリン時の事を反省した結果の練習内容である。
もしもあの時、組技の知識を持ってさえいたならば……彼女はあそこまで深傷を負わず。
むしろ受け身をとって即座に体勢を立て直したり、相手の引っ張り込む力を逆に利用した投げ技等で、試合を有利に進める事が出来たかもしれない。
先遣隊ゴブリンがあれよりももう少し強かったらと思うと今でもぞっとする。
その場合、あのまま劣勢となったルーは……
そう、このトレーニングはFランクと言う、あれよりも強い魔物が必ず現れるであろう環境でも、魔物達が無事に俺の元へと戻って来てくれるために重要なものなのだ。
そうして、暫く教え続けていると、ルーはすぐに複数の投げ技を物にした。
間違い無く、あの頃の俺よりも上達は早い。
とても嬉しいが、少々複雑な気分だ。
まあ彼女は、前に我流の投げ技を披露した事もあるのだし、格闘センスで敵うはずがないのは充分理解しているのだがな。
まあそれはともかくとして、他の二匹の調子はと言うと……そちらもなかなか良かった。
まず、コイツらは初動が全て多少の伸び縮みから始まるので、ただでさえそれが移動か攻撃か判別するのが難しかったのだが。
組技を覚えた事によってその攻撃ですら、打撃なのか投げなのか挙動からでは完全に分からなくなった。これは相手としては非常にやり辛いだろう。
そしてこれは、二匹の様子を見ていて気付いた事なのだが……
スライムはその身体的特徴により、人型の魔物ではほぼ不可能に近いような状態からでも投げ技を使用出来る……と言う、とんでもない強みを持っていたようだ。
(相手にくっ付いている時や、地面に接していない時等だ)
もしかするとスライムと組技、と言うのは最高の組み合わせだったのかもしれない。
そんな彼等は今、俺やルーの腕に巻き付いたまま体を伸縮させて無理矢理反動を起こし、投げ技を繰り出すと言う実に応用的な練習をしていた。
受け身をとり、プチ男の技を身をもって体感した俺は全員が早い段階で組技をある程度習得した事に喜びつつも、驚きを隠せずにいた。
昇格試合の事も踏まえ、充分な実力がつくまではFランクの依頼、大会には参加しない予定だったが。
これならば、新しい環境へと踏み出せる日も近いだろう。
「良し、今日はここまでかな。
じゃあそろそろ休憩にしよう!」
俺は皆へとそう告げたが、ルー、プチ男、ケロ太は練習からじゃれあいに移行したようで、まだドタバタとあちこちを跳ね回っている。
好きこそ物の上手なれ、とはよく言ったものだ。技の上達には、コイツらが体を動かす事が大好きなのも関係しているのかもしれない。
……まあ、とにかく。
ひとまずは彼等を放置すると決めた俺は汗を軽く流した後で服を着替え、身支度を整えた。
「あれ?クボタさん、お出掛けですか?」
そして準備を終えた俺が外に出ようとしていた時、コルリスから声を掛けられた。
「うん、ちょっとね。
晩ご飯までには帰って来るよ。
あ、あとプチ男も連れて行くね」
彼女にそう告げた俺は、遊んでいた三匹の中からプチ男のみをつまみ上げると、彼の体に付いた土埃を軽く払い、そのまま歩き出した。
が、プチ男は少々不満だったようで、俺の手の中でぷるぷると震えている。
しかし、それを見た俺が「ゴメンゴメン。着いたら何か好きな物買ってやるから、怒らないでくれよ」と言うと、途端にその震えは止まった。
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