異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん

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二章 〜下級魔物使い〜

二十一話 もう、私を見捨てないで、二度と離さないで

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簡単なあらすじ『クボタさんが交戦中のスライム〝チビちゃん〟に大ダメージを与えました』



目が覚めた。

どうやら久し振りに気絶していたようだ。

ルーが俺の頭を撫でながら、膝枕してくれている。
もしかすると、頼みさえすればいつでもしてくれるのだろうか?

……まあ良い、今はそれどころじゃない。

そう思った俺はそのような思考をしていたもう一人の自分を叱責し、周囲をきょろきょろと見回す。

ルーは見れば分かるが、プチ男とミドルスライムも無事であったようだ。本当に良かった。

そして、ジェリアはと言うと……

何と、あのチビちゃんなる巨大スライムと涙ながらの抱擁を交わしている。

「チビちゃん。
ありがとう、ごめんね……」

そう言って涙する彼女を、スライムは宥めているかのような動きをしながら包み込んでおり。また、その様子から敵意は微塵も感じられなかった。

……とりあえず、一件落着なのには間違いないようだな。なら身体を張った甲斐があると言うものだ。

ぷるり  ぷるり

すると、先程までミドルスライムと共にぷるぷるしていたはずのプチ男が俺へと近付いて来た。

そして、俺の元までやって来たプチ男は、無表情……と言うか、無いその顔で精一杯、俺を心配するような表情を作っているように見える。

……そう言えば確か。
コイツは俺がぶっ飛ばされた時、1番に魔物へと飛び込んで行ったな。

キレると少々危なっかしい選択をするのには驚いたが、ただ間違い無くアレは、俺がやられたのに対して怒った上での行動だったのだろう。

そう思うと注意する気にもなれず、俺は彼にポンと手を置きわしゃわしゃと撫で回した。

「プチ男……悪かったな。約束破って」

彼からの返事は勿論返って来なかったが。

その代わりプチ男は、俺の手を振り解こうとはしなかった。



クボタ砲が見事命中した後、スライムはぐでっとしてすぐに大人しくなったらしい。

そんな奴へとジェリアが再び問いかけてみた所、スライムは優しく彼女を包み込んでくれたと言う。

そして、それはどうやら先程と全く同じような動きだったようだ……

つまり、アイツは最初からジェリアを憎んでなどいなかったのだ。

アイツはただ、彼女を抱き締めようとしていただけで……と、まあそんな訳で。

こうして無事にスライムとの関係を修復し、ジェリアには新しい仲間が加わったのだった。

それも大型のスライムが。

まあ、それはめでたいのだが……しかし、なあ。

「ジェリアちゃん、この子これからも連れて行くの?ずっとこんな感じで……」

全ての目的を達成した俺達は、今漸く帰路へと就いているのだが。

定期便にチビちゃんだけが乗る事が出来ず、ヴルヴルの後をぺたんぺたんと足(無いけど)音を立てながら付いて来ているのだ。

理由は勿論、デカ過ぎるから……

彼女と感動の再会を果たしたコイツだ。
歓迎してはやりたいが、ただかなり目立つがために依頼には不向きな気しかしない。

討伐依頼の場合は対象に発見されて襲われたり、逆に逃げられてしまう可能性だって考えられるからだ。

それに……カムラ地方の停留所へと近付きつつあるだけだと言うのに。

定期便の跡をつける球体を見た人々はそれをパレードか何かと勘違いしているのか俺達を射抜くような視線で見つめ、子供達はまるで英雄を迎えるかのように、こちらへと向けて手を千切れんばかりに振り続けている。

だからまあ、何が言いたいのかというとだな……

物凄く恥ずかしいのだ。

正直、これをすぐにでもどうにかしてもらわなければ、俺の方がどうにかなってしまうかもしれない。

主に、羞恥心によって。

「当たり前でしょ?そもそも私達の魔物なんてスライムばっかりなんだから、今更一匹増えた所で何の問題も無いわ」

しかし、ジェリアはそう答え。
俺は彼女の意思があのぷるぷるとは真逆にも、鋼のように硬い事を知った。

まあでも、やっぱそうだよなぁ……と言うか、俺が言いたいのはそう言う事ではないのだが。

「いや、そういう事言ってるんじゃなくてね……」

俺は無視するのも可哀想だと思い、子供達に手を振りつつ彼女に返事をする。

「……?あぁ、もしかしてまた襲ってくるんじゃないかと心配してるの?

それなら大丈夫よ。この子には別に敵意があったワケじゃない。それは貴方も知ってるはずでしょ?

それに、チビちゃんは貴方達の実力を認めているみたいだから、絶対そんな事しないわ……

こうなれたのも貴方達のお陰よ、クボタさん。
今日は本当にありがとう」

すると、ジェリアはそう言って最後に、満面の笑みをこちらに向けた。

……そんな顔をされてしまうともう何も言えない。

そこで仕方無く俺は沈黙し、それを肯定として彼女へと見せる事にしたのだった。

「さあチビちゃん!もう少しでお家に着くから頑張って!

まあ、私達の家じゃないけどね!」

そして次に彼女がそう言うと、チビちゃんは軽くぶよぶよと跳ねて返事をした……ように見えた。

「…………って、またウチ来るの!?
あんなの入らないよ!?」



その後、俺はジェリアを家に帰そうと説得を続けたが……

「良いじゃない別に。今後の予定も話したいし」
と彼女はのたまい、それは失敗に終わった。

いや良くない。
俺にはコルリスのメンタルケアと言う、大事なクエストが残されているんだ。

それなのに、彼女まで来たりしたら……更に忙しくなってしまうではないか。
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