373 / 515
番外編 クボタさんの魔物図鑑
クボタさんの魔物図鑑 その219 リグラゴン
しおりを挟む
No.243 リグラゴン
魔獣類キョダイガマ科
体長 1.9~2.1m
体重 115~140kg
能力値(野生下での平均値)
『力』1000~1250
『魔力』0
『機動力』640~850
討伐依頼受諾可能最低ランク
F(E推奨)
・俺のまだ行った事のない地方に多く生息しているらしい。また、そこよりも数は少ないが、カムラ地方にも生息しているようだ。
・集会所兼酒場で俺達がよく食べる安い肉料理。その食感が普段とは少し違い、それに違和感を覚えた俺が店主にその事を話してみた所……この魔物の存在を知った。(意味が分からないと思うが……その理由は後で説明しよう)
俺が偶然知ったのがこのリグラゴンという魔物……
今回はこの魔物を紹介していこうと思う。
コイツは魔獣類のキョダイガマ科に分類されている……
なんとなく分かった方もいるかもしれないが、この魔物は※1『アートード』が成長した姿であるのだ。
「ん?でもそれは※2『リグラゴトード』だったような……」と思うだろうが安心してくれ、別に間違えたワケではない。
コイツとリグラゴトードは、そのどちらもがアートードの進化系(?)なんだからな。つまりリグラゴンはリグラゴトードの派生種というワケだ。
いや、アートードの派生種と言った方が良いのか?どっちだったっけ?まあ、どっちでも良いか。
話を戻そう。
コイツは俺のまだ行った事のない地方に生息している。そこでは住む環境こそまちまちで特にこれと言った共通点はないように思えるが、どうやら『湿気のある場所が好き』という事だけは一致しているようだ。
餌とするものは主に他の魔物だ。
その中でも特に、蛇型魔物が好物なんだそう。
あ、そうそう。
言い忘れていたが、コイツとリグラゴトードの見た目にはちゃんと違いがあるんだぞ。
コイツはアートード、リグラゴトードと違って尾がある。そこでリグラゴンか否かを判断する事が出来るのだ。
加えてリグラゴンには『鋭い牙』、『全ての指に生えている爪』等もあるため、それも覚えておけば判別はより簡単なものとなるであろう。
ちなみに、これには理由があるらしい。(まだ確定ではないがな)それは『かなりのストレスを受けた事』であると言う。
何でもリグラゴンは、アートードが早くから天敵である蛇型魔物等に襲われ続ける事によって肉体が退行(幼生化?)して尾が生え、変態途中のような姿になる事で誕生するようなのだ。
そして、それは……恐らくだが過剰なストレスを受けたせいで壊れそうになっている精神、肉体の痛みを少しでも和らげるため、敢えて幼くなっているのだと考えられている。
(……らしいぞ。精神、肉体両方に影響を与える防衛機制的なものだろうか?)
この魔物は大変な思いをして生きてきたんだな……
だが、こうなってからのコイツは強い。
それもそのはず、リグラゴンにある牙、爪は自身がアートードの頃から受け続けていた、あらゆる脅威に抗うため身に付けたらしいのだからな。
事実、コイツは自分よりも少し大きいくらいの蛇型魔物にならば、結構簡単に勝利する事が出来る程高い戦闘能力を持っているようだ。
また、そうして蛇型魔物との争いになる場合、殆どが仕方のない防衛戦ではなく、リグラゴン自身がそういった魔物に近付き、攻撃を仕掛ける事で発生する戦いなのだと言う。
つまり、コイツは自分から戦いを挑みに行くのだ。
予測でしかないが多分、コイツは自分と仲間達がこれ以上危険な目に遭わないようにと、早々にその〝芽〟となりそうなものを摘み取っているのだろう……
なるほどこの魔物は、そうだな……言うなれば、復讐者であったのか。
それで、こんな姿に……
弱肉強食の世界ならば仕方のない事かもしれないが。やはり悪戯に誰かを傷付けてはならない。と言う事だな。
自分達にいつ、しっぺ返しが来るか分からないのだから……
それでは最後に、俺がこの魔物の事を知った経緯を話して終了にしようと思う。
あれは俺達が久し振りの外食で集会所兼酒場へと赴き、いつもの安い肉料理を頼んだ時だった……
その料理が卓へと置かれたのを見、さあ舌鼓を打ちまくろうとフォークを伸ばしてそれを口にした時、俺は気付いてしまったのだ。
『いつもよりちょっと肉が硬い』と……
だが、俺の気のせいかもしれないし、そんな事をどストレートに店側に告げてしまえばクレーマーだと思われてしまうかもしれない。
とはいえ、俺達は今節約に節約を重ね漸く出来た、久方振りの外食をしているのだ。
そうだ、不満があってはならないのだ。
などと考えた末俺は店主に、なるべく遠回しにその事を尋ねてみたのだが……
結果、その肉は普段使用しているリグラゴトードのものではなく、リグラゴンの肉であったと言う事が判明したのだ。
しかし、リグラゴンはストレスばかり受けてきたせいかリグラゴトードと比べてかなり肉が硬く、それよりも更に安い値段で売られているそうなので、普段ならばまず間違える事はないそうなのだがな。
では、何故そのような間違いが起こったのかと言うと……
店主が仕入れにいった肉屋はセールの真っ最中であり、そこでほぼ同じ値段となっていたリグラゴトードとリグラゴンの肉を間違えて購入してきてしまったんだそうだ。
……以上、俺がこの魔物を知ったのにはこのようなワケがあったのだ。
ちなみに、店主には一応謝罪されたが、その後に『まあそんな変わるもんでもないだろ!』みたいな事を言われただけでそれ以外には特に何もなかった。
まあ、スライムなんかよりも美味いのは間違いないから不満はない……が。
ちょっと心に残る(色々な意味で)出来事であった。
注釈
※1 アートード 『第一章九話 地獄の大〝ガマ〟』にて紹介
※2 リグラゴトード 『クボタさんの魔物図鑑 その208』にて紹介
魔獣類キョダイガマ科
体長 1.9~2.1m
体重 115~140kg
能力値(野生下での平均値)
『力』1000~1250
『魔力』0
『機動力』640~850
討伐依頼受諾可能最低ランク
F(E推奨)
・俺のまだ行った事のない地方に多く生息しているらしい。また、そこよりも数は少ないが、カムラ地方にも生息しているようだ。
・集会所兼酒場で俺達がよく食べる安い肉料理。その食感が普段とは少し違い、それに違和感を覚えた俺が店主にその事を話してみた所……この魔物の存在を知った。(意味が分からないと思うが……その理由は後で説明しよう)
俺が偶然知ったのがこのリグラゴンという魔物……
今回はこの魔物を紹介していこうと思う。
コイツは魔獣類のキョダイガマ科に分類されている……
なんとなく分かった方もいるかもしれないが、この魔物は※1『アートード』が成長した姿であるのだ。
「ん?でもそれは※2『リグラゴトード』だったような……」と思うだろうが安心してくれ、別に間違えたワケではない。
コイツとリグラゴトードは、そのどちらもがアートードの進化系(?)なんだからな。つまりリグラゴンはリグラゴトードの派生種というワケだ。
いや、アートードの派生種と言った方が良いのか?どっちだったっけ?まあ、どっちでも良いか。
話を戻そう。
コイツは俺のまだ行った事のない地方に生息している。そこでは住む環境こそまちまちで特にこれと言った共通点はないように思えるが、どうやら『湿気のある場所が好き』という事だけは一致しているようだ。
餌とするものは主に他の魔物だ。
その中でも特に、蛇型魔物が好物なんだそう。
あ、そうそう。
言い忘れていたが、コイツとリグラゴトードの見た目にはちゃんと違いがあるんだぞ。
コイツはアートード、リグラゴトードと違って尾がある。そこでリグラゴンか否かを判断する事が出来るのだ。
加えてリグラゴンには『鋭い牙』、『全ての指に生えている爪』等もあるため、それも覚えておけば判別はより簡単なものとなるであろう。
ちなみに、これには理由があるらしい。(まだ確定ではないがな)それは『かなりのストレスを受けた事』であると言う。
何でもリグラゴンは、アートードが早くから天敵である蛇型魔物等に襲われ続ける事によって肉体が退行(幼生化?)して尾が生え、変態途中のような姿になる事で誕生するようなのだ。
そして、それは……恐らくだが過剰なストレスを受けたせいで壊れそうになっている精神、肉体の痛みを少しでも和らげるため、敢えて幼くなっているのだと考えられている。
(……らしいぞ。精神、肉体両方に影響を与える防衛機制的なものだろうか?)
この魔物は大変な思いをして生きてきたんだな……
だが、こうなってからのコイツは強い。
それもそのはず、リグラゴンにある牙、爪は自身がアートードの頃から受け続けていた、あらゆる脅威に抗うため身に付けたらしいのだからな。
事実、コイツは自分よりも少し大きいくらいの蛇型魔物にならば、結構簡単に勝利する事が出来る程高い戦闘能力を持っているようだ。
また、そうして蛇型魔物との争いになる場合、殆どが仕方のない防衛戦ではなく、リグラゴン自身がそういった魔物に近付き、攻撃を仕掛ける事で発生する戦いなのだと言う。
つまり、コイツは自分から戦いを挑みに行くのだ。
予測でしかないが多分、コイツは自分と仲間達がこれ以上危険な目に遭わないようにと、早々にその〝芽〟となりそうなものを摘み取っているのだろう……
なるほどこの魔物は、そうだな……言うなれば、復讐者であったのか。
それで、こんな姿に……
弱肉強食の世界ならば仕方のない事かもしれないが。やはり悪戯に誰かを傷付けてはならない。と言う事だな。
自分達にいつ、しっぺ返しが来るか分からないのだから……
それでは最後に、俺がこの魔物の事を知った経緯を話して終了にしようと思う。
あれは俺達が久し振りの外食で集会所兼酒場へと赴き、いつもの安い肉料理を頼んだ時だった……
その料理が卓へと置かれたのを見、さあ舌鼓を打ちまくろうとフォークを伸ばしてそれを口にした時、俺は気付いてしまったのだ。
『いつもよりちょっと肉が硬い』と……
だが、俺の気のせいかもしれないし、そんな事をどストレートに店側に告げてしまえばクレーマーだと思われてしまうかもしれない。
とはいえ、俺達は今節約に節約を重ね漸く出来た、久方振りの外食をしているのだ。
そうだ、不満があってはならないのだ。
などと考えた末俺は店主に、なるべく遠回しにその事を尋ねてみたのだが……
結果、その肉は普段使用しているリグラゴトードのものではなく、リグラゴンの肉であったと言う事が判明したのだ。
しかし、リグラゴンはストレスばかり受けてきたせいかリグラゴトードと比べてかなり肉が硬く、それよりも更に安い値段で売られているそうなので、普段ならばまず間違える事はないそうなのだがな。
では、何故そのような間違いが起こったのかと言うと……
店主が仕入れにいった肉屋はセールの真っ最中であり、そこでほぼ同じ値段となっていたリグラゴトードとリグラゴンの肉を間違えて購入してきてしまったんだそうだ。
……以上、俺がこの魔物を知ったのにはこのようなワケがあったのだ。
ちなみに、店主には一応謝罪されたが、その後に『まあそんな変わるもんでもないだろ!』みたいな事を言われただけでそれ以外には特に何もなかった。
まあ、スライムなんかよりも美味いのは間違いないから不満はない……が。
ちょっと心に残る(色々な意味で)出来事であった。
注釈
※1 アートード 『第一章九話 地獄の大〝ガマ〟』にて紹介
※2 リグラゴトード 『クボタさんの魔物図鑑 その208』にて紹介
0
あなたにおすすめの小説
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる