異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん

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番外編 クボタさんの魔物図鑑

クボタさんの魔物図鑑 その219 リグラゴン

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No.243 リグラゴン
魔獣類キョダイガマ科

体長 1.9~2.1m
体重 115~140kg

能力値(野生下での平均値)
『力』1000~1250
『魔力』0
『機動力』640~850

討伐依頼受諾可能最低ランク
F(E推奨)

・俺のまだ行った事のない地方に多く生息しているらしい。また、そこよりも数は少ないが、カムラ地方にも生息しているようだ。
・集会所兼酒場で俺達がよく食べる安い肉料理。その食感が普段とは少し違い、それに違和感を覚えた俺が店主にその事を話してみた所……この魔物の存在を知った。(意味が分からないと思うが……その理由は後で説明しよう)

俺が偶然知ったのがこのリグラゴンという魔物……
今回はこの魔物を紹介していこうと思う。

コイツは魔獣類のキョダイガマ科に分類されている……

なんとなく分かった方もいるかもしれないが、この魔物は※1『アートード』が成長した姿であるのだ。

「ん?でもそれは※2『リグラゴトード』だったような……」と思うだろうが安心してくれ、別に間違えたワケではない。

コイツとリグラゴトードは、そのどちらもがアートードの進化系(?)なんだからな。つまりリグラゴンはリグラゴトードの派生種というワケだ。

いや、アートードの派生種と言った方が良いのか?どっちだったっけ?まあ、どっちでも良いか。

話を戻そう。
コイツは俺のまだ行った事のない地方に生息している。そこでは住む環境こそまちまちで特にこれと言った共通点はないように思えるが、どうやら『湿気のある場所が好き』という事だけは一致しているようだ。

餌とするものは主に他の魔物だ。
その中でも特に、蛇型魔物が好物なんだそう。

あ、そうそう。
言い忘れていたが、コイツとリグラゴトードの見た目にはちゃんと違いがあるんだぞ。

コイツはアートード、リグラゴトードと違って尾がある。そこでリグラゴンか否かを判断する事が出来るのだ。

加えてリグラゴンには『鋭い牙』、『全ての指に生えている爪』等もあるため、それも覚えておけば判別はより簡単なものとなるであろう。

ちなみに、これには理由があるらしい。(まだ確定ではないがな)それは『かなりのストレスを受けた事』であると言う。

何でもリグラゴンは、アートードが早くから天敵である蛇型魔物等に襲われ続ける事によって肉体が退行(幼生化?)して尾が生え、変態途中のような姿になる事で誕生するようなのだ。

そして、それは……恐らくだが過剰なストレスを受けたせいで壊れそうになっている精神、肉体の痛みを少しでも和らげるため、敢えて幼くなっているのだと考えられている。

(……らしいぞ。精神、肉体両方に影響を与える防衛機制的なものだろうか?)

この魔物は大変な思いをして生きてきたんだな……

だが、こうなってからのコイツは強い。

それもそのはず、リグラゴンにある牙、爪は自身がアートードの頃から受け続けていた、あらゆる脅威に抗うため身に付けたらしいのだからな。

事実、コイツは自分よりも少し大きいくらいの蛇型魔物にならば、結構簡単に勝利する事が出来る程高い戦闘能力を持っているようだ。

また、そうして蛇型魔物との争いになる場合、殆どが仕方のない防衛戦ではなく、リグラゴン自身がそういった魔物に近付き、攻撃を仕掛ける事で発生する戦いなのだと言う。

つまり、コイツは自分から戦いを挑みに行くのだ。

予測でしかないが多分、コイツは自分と仲間達がこれ以上危険な目に遭わないようにと、早々にその〝芽〟となりそうなものを摘み取っているのだろう……

なるほどこの魔物は、そうだな……言うなれば、復讐者であったのか。

それで、こんな姿に……

弱肉強食の世界ならば仕方のない事かもしれないが。やはり悪戯に誰かを傷付けてはならない。と言う事だな。

自分達にいつ、しっぺ返しが来るか分からないのだから……

それでは最後に、俺がこの魔物の事を知った経緯を話して終了にしようと思う。

あれは俺達が久し振りの外食で集会所兼酒場へと赴き、いつもの安い肉料理を頼んだ時だった……

その料理が卓へと置かれたのを見、さあ舌鼓を打ちまくろうとフォークを伸ばしてそれを口にした時、俺は気付いてしまったのだ。

『いつもよりちょっと肉が硬い』と……

だが、俺の気のせいかもしれないし、そんな事をどストレートに店側に告げてしまえばクレーマーだと思われてしまうかもしれない。

とはいえ、俺達は今節約に節約を重ね漸く出来た、久方振りの外食をしているのだ。

そうだ、不満があってはならないのだ。

などと考えた末俺は店主に、なるべく遠回しにその事を尋ねてみたのだが……

結果、その肉は普段使用しているリグラゴトードのものではなく、リグラゴンの肉であったと言う事が判明したのだ。

しかし、リグラゴンはストレスばかり受けてきたせいかリグラゴトードと比べてかなり肉が硬く、それよりも更に安い値段で売られているそうなので、普段ならばまず間違える事はないそうなのだがな。

では、何故そのような間違いが起こったのかと言うと……

店主が仕入れにいった肉屋はセールの真っ最中であり、そこでほぼ同じ値段となっていたリグラゴトードとリグラゴンの肉を間違えて購入してきてしまったんだそうだ。

……以上、俺がこの魔物を知ったのにはこのようなワケがあったのだ。

ちなみに、店主には一応謝罪されたが、その後に『まあそんな変わるもんでもないだろ!』みたいな事を言われただけでそれ以外には特に何もなかった。

まあ、スライムなんかよりも美味いのは間違いないから不満はない……が。

ちょっと心に残る(色々な意味で)出来事であった。



注釈

※1 アートード 『第一章九話 地獄の大〝ガマ〟』にて紹介

※2 リグラゴトード 『クボタさんの魔物図鑑 その208』にて紹介
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