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二章 〜下級魔物使い〜
三十九話 少女の洗礼……洗礼!? その2
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簡単なあらすじ『バレたけどコルリスちゃんが笑ってくれて良かったねクボタさん』
計画が露見してしまったとは言え、コルリスの笑顔も見れたし、魔物候補も今日だけで何と二匹見つかったので良しとしよう。
だから俺達がサイロ君と戦ったり、ゴブリンに囲まれたりしてきたのは無駄ではなかったのだ。
結果的には、だけどな。
それはまあ良いとして、後はアートード(親)に了承を得るのと、アルワヒネ……はまだ先の話か。
等々の問題が残っているが、それは家の事が全て終わってからにしてしまっても構わないだろう。
後者の方は知らんが、前者の方はいつでも大丈夫だと思うし。
そう思い、俺は皆へと家に入るよう指示し、夕飯の準備をする事とした。
俺も結構疲れていたから、さっさと色々済ませて眠りたかったので……
その時、家の扉が内側から大きな音を出して開かれるのが見えた。
ルーとケロ太だ。
恐らくコルリス達の〝アレ〟には付き合わず、二匹で家の中で遊んでいたのだろう。
立ち尽くす(コイツらが扉の前にいて入れなかったからな)俺達と泣き顔のコルリスを見、二匹は何かを察したのかこちらへと駆け寄って来た。
すると、どちらもターゲットは俺だったようだ。
ケロ太が足へとしがみ付き、ルーは俺の胸にぽこぽこと拳を振り下ろす。
多分、俺がコルリスを泣かせたと思っているのだろう……何を察しているんだ。それはただの間違いだ。
そんな二匹を前にして俺が困り果てていると、アルワヒネが突然俺の服をくいくいと引っ張り始めた。
「ん?どうした?」
と、声を掛けてみると……アルワヒネはプチ男とケロ太、最後にルーの順に視線を移動させた後。
俺の目を見て、まるで悪戯っ子のようにニヤリと笑った。
「ごめん……よく分からないな」
俺がそう言うと、次にアルワヒネは自身の頭にある葉を指差す。どうやら『コレを見ろ!』と言いたいらしい。
いや、それはさっき見たのだが……それに今、ルー達にいじめられてて動けないし。
すると、アルワヒネの行動の意味を察したジェリアが少女に近付き、数秒後にこう言った。
「あら?クボタさん。
この子の葉っぱ、裏にも何か書いてあるわよ」
ああ、裏もあったのか。
今度は一体、何が書かれているのだろう?
……と、思って待っているのだが、ジェリアはそれに気付いたクセに全然読もうとしない。
心なしか、俺にその役目を押し付けたいように見える。
恐らくではあるが、この少女に書かれている妙ちきりんな怪文書は、同じく妙ちきりんな話をしていた俺が読むべきだと思っているらしい。
やはり、〝あの話〟を彼女は全然信じていないようだ。
はいはい、じゃあ良いですよ。俺が見れば良いんでしょう?〝そっち〟側の人間である俺がさ。
と、言うワケで仕方なく、俺は纏わりつく魔物達をどかし、少女の葉を裏返してそこにあった文字に目をやった。
「ふむふむ……えっ」
するとそこには、〝あの彼女〟のものだと思われる文字でこのような事が書かれていた。
『そ、それと!帰って来る時はあのダーリンもどきに届けてもらうように!
例えもどきでも……も、もう一度顔が見たいからな……でも、アイツあのままだと弱過ぎてここまで来れないと思うから、少しオマエが鍛えてやってくれ。
オレが怒っても気絶しないくらいにな!頼んだゾ!
追記
(裏に書いとくから、絶対他の奴に見せんなよ!恥ずかしいからな!見せたら……分かってんな……?)』
ふーん、なるほど。
彼女はアルワヒネを〝また会う口実〟として俺の元に送ったのか。
てか、見せてるじゃんこの子。悪い子だな。
待てよ……それより、鍛えるって事は……
俺の様子から全てを理解した事を悟ったのか。
アルワヒネは家から少し離れた場所までとことこと歩いた後、そこで構えをとってもう一度、ニヤリと笑った。
そうしてニヤニヤとしたまま、アルワヒネはまたプチ男、ケロ太、ルーを一瞥し、最後に俺の方へと顔を向ける。
……漸く分かった。
彼女は俺達と戦おうとしている。
そして、この子は俺の手持ち魔物がどれであるのかという事にも、既に気付いていたのだ。
しかも、その後で表情すら崩さず、あのようにやや挑発的な態度でいる。
そこから予想するに、この子は想像以上に手強い相手、なのかもしれない。
ただ……今戦うのはちょっと、めんどくさいなぁ。
少し、説得してみるか。
「カワイイ!何か芸でもやるんですかね?」
「……全く意味が分からないけど、確かにこうして見るとカワイイわね」
女性陣はアレを読んでいないので仕方ない部分もあるが、口々に、呑気に、そのような事を話している。
「……んー、まあ何か遊びたいっぽいから、二人は先に家戻っててよ。俺が相手するからさ」
俺はコルリスとジェリアにそう告げ、二人と魔物達を無事に帰還させた後。
アルワヒネへと近付いてその場でしゃがみ込み、少女に話し掛けた。
「あのさ、やりたい事は分かったけど……明日か、それかせめて、晩御飯の後にしない?
勿論、君の分も用意するよ?」
俺がそう言うと、アルワヒネは何故か衝撃を受けたような顔をした。
詳しく説明すると、少女は眉を顰めて唇をわなわなと震わせている。
『戦闘欲(遊びたい欲?)』と『食欲』が今、彼女の中にある天秤にかけられているのだろう……あー、まあコレは確かに、カワイイな。
「今日はね……お肉と野菜を煮込んだスープだと思うよ。食べた事ある?作るのは結構簡単だけど美味しくてさ、身体も温まるし……」
グゥゥ……
天秤が傾く音が少女の腹部から聞こえた。
それも、俺の望んだ通りの方向へと。
と、いうワケで俺は。
無抵抗のアルワヒネを抱きかかえ、家の扉を開けた。
計画が露見してしまったとは言え、コルリスの笑顔も見れたし、魔物候補も今日だけで何と二匹見つかったので良しとしよう。
だから俺達がサイロ君と戦ったり、ゴブリンに囲まれたりしてきたのは無駄ではなかったのだ。
結果的には、だけどな。
それはまあ良いとして、後はアートード(親)に了承を得るのと、アルワヒネ……はまだ先の話か。
等々の問題が残っているが、それは家の事が全て終わってからにしてしまっても構わないだろう。
後者の方は知らんが、前者の方はいつでも大丈夫だと思うし。
そう思い、俺は皆へと家に入るよう指示し、夕飯の準備をする事とした。
俺も結構疲れていたから、さっさと色々済ませて眠りたかったので……
その時、家の扉が内側から大きな音を出して開かれるのが見えた。
ルーとケロ太だ。
恐らくコルリス達の〝アレ〟には付き合わず、二匹で家の中で遊んでいたのだろう。
立ち尽くす(コイツらが扉の前にいて入れなかったからな)俺達と泣き顔のコルリスを見、二匹は何かを察したのかこちらへと駆け寄って来た。
すると、どちらもターゲットは俺だったようだ。
ケロ太が足へとしがみ付き、ルーは俺の胸にぽこぽこと拳を振り下ろす。
多分、俺がコルリスを泣かせたと思っているのだろう……何を察しているんだ。それはただの間違いだ。
そんな二匹を前にして俺が困り果てていると、アルワヒネが突然俺の服をくいくいと引っ張り始めた。
「ん?どうした?」
と、声を掛けてみると……アルワヒネはプチ男とケロ太、最後にルーの順に視線を移動させた後。
俺の目を見て、まるで悪戯っ子のようにニヤリと笑った。
「ごめん……よく分からないな」
俺がそう言うと、次にアルワヒネは自身の頭にある葉を指差す。どうやら『コレを見ろ!』と言いたいらしい。
いや、それはさっき見たのだが……それに今、ルー達にいじめられてて動けないし。
すると、アルワヒネの行動の意味を察したジェリアが少女に近付き、数秒後にこう言った。
「あら?クボタさん。
この子の葉っぱ、裏にも何か書いてあるわよ」
ああ、裏もあったのか。
今度は一体、何が書かれているのだろう?
……と、思って待っているのだが、ジェリアはそれに気付いたクセに全然読もうとしない。
心なしか、俺にその役目を押し付けたいように見える。
恐らくではあるが、この少女に書かれている妙ちきりんな怪文書は、同じく妙ちきりんな話をしていた俺が読むべきだと思っているらしい。
やはり、〝あの話〟を彼女は全然信じていないようだ。
はいはい、じゃあ良いですよ。俺が見れば良いんでしょう?〝そっち〟側の人間である俺がさ。
と、言うワケで仕方なく、俺は纏わりつく魔物達をどかし、少女の葉を裏返してそこにあった文字に目をやった。
「ふむふむ……えっ」
するとそこには、〝あの彼女〟のものだと思われる文字でこのような事が書かれていた。
『そ、それと!帰って来る時はあのダーリンもどきに届けてもらうように!
例えもどきでも……も、もう一度顔が見たいからな……でも、アイツあのままだと弱過ぎてここまで来れないと思うから、少しオマエが鍛えてやってくれ。
オレが怒っても気絶しないくらいにな!頼んだゾ!
追記
(裏に書いとくから、絶対他の奴に見せんなよ!恥ずかしいからな!見せたら……分かってんな……?)』
ふーん、なるほど。
彼女はアルワヒネを〝また会う口実〟として俺の元に送ったのか。
てか、見せてるじゃんこの子。悪い子だな。
待てよ……それより、鍛えるって事は……
俺の様子から全てを理解した事を悟ったのか。
アルワヒネは家から少し離れた場所までとことこと歩いた後、そこで構えをとってもう一度、ニヤリと笑った。
そうしてニヤニヤとしたまま、アルワヒネはまたプチ男、ケロ太、ルーを一瞥し、最後に俺の方へと顔を向ける。
……漸く分かった。
彼女は俺達と戦おうとしている。
そして、この子は俺の手持ち魔物がどれであるのかという事にも、既に気付いていたのだ。
しかも、その後で表情すら崩さず、あのようにやや挑発的な態度でいる。
そこから予想するに、この子は想像以上に手強い相手、なのかもしれない。
ただ……今戦うのはちょっと、めんどくさいなぁ。
少し、説得してみるか。
「カワイイ!何か芸でもやるんですかね?」
「……全く意味が分からないけど、確かにこうして見るとカワイイわね」
女性陣はアレを読んでいないので仕方ない部分もあるが、口々に、呑気に、そのような事を話している。
「……んー、まあ何か遊びたいっぽいから、二人は先に家戻っててよ。俺が相手するからさ」
俺はコルリスとジェリアにそう告げ、二人と魔物達を無事に帰還させた後。
アルワヒネへと近付いてその場でしゃがみ込み、少女に話し掛けた。
「あのさ、やりたい事は分かったけど……明日か、それかせめて、晩御飯の後にしない?
勿論、君の分も用意するよ?」
俺がそう言うと、アルワヒネは何故か衝撃を受けたような顔をした。
詳しく説明すると、少女は眉を顰めて唇をわなわなと震わせている。
『戦闘欲(遊びたい欲?)』と『食欲』が今、彼女の中にある天秤にかけられているのだろう……あー、まあコレは確かに、カワイイな。
「今日はね……お肉と野菜を煮込んだスープだと思うよ。食べた事ある?作るのは結構簡単だけど美味しくてさ、身体も温まるし……」
グゥゥ……
天秤が傾く音が少女の腹部から聞こえた。
それも、俺の望んだ通りの方向へと。
と、いうワケで俺は。
無抵抗のアルワヒネを抱きかかえ、家の扉を開けた。
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