異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん

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二章 〜下級魔物使い〜

44.5話 (?)『最近あんまり来ないワケ』

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久保田トシオとジェリアがコルリスの魔物探しを始める少し前……

自称神様はドロップ地方の奥地を目指し、木々の上を一直線に邁進していた。

理由は勿論、〝彼女〟に会うためだ。

もう暫くするとその台座の上でのみ、自由に動けるようになる、彼女に……



目的地へと近付くにつれ、徐々に光る球体の軌道が大きく揺らぎ始めた。

が、この行動には特にこれといった意味はない。
恐らく、彼女に会うのが嬉しくて堪らないのだろう。

そうしてゆらゆら、ふわふわと飛んでいた自称神様であったが、ドロップ地方の奥地周辺に辿り着くとその動きをやめ、地上付近にまで降下した。

するとその時球体の前に突然、周囲の木々を薙ぎ倒しながら大きな蚕のような姿をした魔物、ポポノサマが現れた。

自身の数倍、いや数十倍程の体格を持つ相手に、彼はどう対処するのだろう……

……憂慮の必要はなかった。
ポポノサマは自称神様の姿を目にした途端に再び木々を薙ぎ倒し、背中を見せて遁走したのだから。

豆粒のような相手を前にして、だ。

今更の事ながら、やはり神様と自称するのは伊達ではなかったようである。



神様と自称する者は無事、ドロップ地方の奥地に存在する女神像……もとい、彼女の元へと辿り着いた。

暇そうにゴロゴロとしながら、透明な壁に浮かぶ映像を見、欠伸している彼女を目前にした球体はより一層速く、早くその身を動かし、彼女に近づいて行った。

次の瞬間、自称神様はするりと透明な壁を抜け、彼女のすぐ後ろにまでやって来た。

今や姿を持たない身となった彼には、障害物をすり抜ける事など造作もなかったのだ。例えそれが、摩訶不思議なものであろうと。

「ン……?おわァ!!」

自身の頭部のすぐ上、そこに光る球体を発見した彼女はぴくりと跳ね、そう叫んだ。

「あっ!ごっ!ゴメン!驚かせて……」

「またテメーカ……」

自称神様はゆらゆらと揺れ動く事で自身の焦りを非常に分かりやすく彼女に示して見せ、それを見た彼女はうんざりした様子でそう言った。どうやらこの二人は面識があったらしい。

「会えて嬉しいよ……キミが動けるようになる日が待ち遠しくて、他の事が何にも手がつかなかったくらいだ」

「あーはいはイ、そりゃ良かったナ!……て言うかお前、いい加減ダ……じゃなくてオレの知り合いに声とか、〝フインキ〟似せるのヤメロよナ」

悦びに満ち溢れた表情……だと思われる自称神様に対して、彼女はやや不機嫌そうである。

(そして、彼女は恐らく〝フンイキ〟と言いたかったのだろう……)

「違うんだ!似せてるんじゃなくて僕は……」

「だー!!もうウッサイ!!どっか行けこのヤロー!!」

とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、彼女はそう言った直後に球体を鷲掴みにし……

天高く放り投げた。

「わぁああああぁああああああ!!」

「……ったク。ダーリンはンな姿してないっつーノ。つくならもっとマシな嘘つきナ」



それから暫くの間、宙を泳ぐ球体を見た者はいなかったと言う。

一体彼は、どれ程遠くにまで飛ばされてしまったのだろうか……



……以上。これが自称神様がクボタの前に姿を見せなかった理由である。
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