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二章 〜下級魔物使い〜
71.5話 少し先の未来に書かれるクボタメモ
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No.288 おザキ様(尾崎剛尊)
神獣類ジンメンチョウ科
体長 2.8m
体重 168kg
能力値
『力』7000~8000(と、言われている……本当の所は分からないが)
『魔力』4000~5000(これも〝恐らく〟だ)
『機動力』6000~7000
討伐依頼受諾可能最低ランク
なし(現在の我が国には、彼に勝てる者などいない。よって討伐依頼は出されない)
・ザキ地方の魔王城に一匹だけが生息。
・先日出会った。
人々からは『ザキ地方の守り神様』、『魔王城の主』等の通称で呼ばれ。
〝恐れ〟ではなく〝畏れ〟られた事により名前の一部が地名にも使われ。
そして、ほんの一握りの凄まじく強い、または神聖なる魔物のみが分類されるという『神獣類』の称号(?)までもを与えられている、先日あったあの魔物……
彼はやはりと言うべきか、とんでもない存在であったようだ。
それを今からメモると共に、紹介していこうと思う……が、国にはこんなメモ流せないからここだけの秘密にしておいてくれると助かる。
(ん?それは何故だって?
どうせ嘘か何かだと思われるからだぞ?
まず彼の姿を見た事のある者自体、ごく僅かなんだからな)
初めに、『人間だった彼が何故あのような姿となってしまったのか?』についてお話ししよう。
ただし、これから話す事は俺が書物等を漁りまくって知得した、彼にまつわる伝承?御伽話?……のようなものでしかなく。
おザキ様自身の口から直接聞いたワケではないので事実とは少し、異なるかもしれないのだがな。
……仕方ないだろう?
彼は良い魔物だったとはいえ、いきなりそんな突っ込んだ話は出来なかったのだ。俺の性格的にも。
だが、せっかく調べたのだ。
とりあえず聞いてくれ。
その昔、と言っても少し昔。
この国には『魔王』と呼ばれる存在があったのだと言う。
それだけ強大で、それだけ恐ろしい魔物と言う事だな……
そして、魔王は知能も非常に高い生物であったようで、他の魔物達を部下とし、それを率いて人間を滅ぼし自らの王国を作ろうとしたんだそうだ。
だが、当時の彼……尾崎剛尊は人間サイドであったらしく、魔王の野望を阻止するためにその軍勢と対峙したのだ。
(ちなみに……俺の見た書物にはどれも、彼の名前までは書かれておらず『英雄の一人』として登場していた)
またその際、親玉の相手は別の者が務め、彼は魔王の右腕であった、これまた強力な魔物と戦ったそうだ。
ちなみに、その魔物は……
真っ黒な体色で、人の顔を持つ巨大な怪鳥だったのだと言う……
『それ、今のおザキ様では?』
そう思った方もいるだろう。
それは半分正解で、半分間違いなのだ。
今から説明しよう。
何でもその時点では、ソイツはただのジンメンチョウという名の〝いち魔物〟でしかなかったようなのだ。恐ろしく強い存在であると言う事だけは変わりなかったのだが。
そして、尾崎剛尊はそれと戦い、無事勝利を収めたのだが……
ジンメンチョウが最後の悪あがきにと放った魔法を喰らい、姿形をそれそのもののようにされてしまったらしい……というワケなのだ。
(恐らく、自身を倒す程強かった彼をそのような姿に変える事で、『人間サイドに戻れなくした』のだろうな……)
そうして魔物となってしまった尾崎剛尊はザキ地方にあった魔王城を終の棲家と決め、人目を避けて今もそこで暮らしているのだと言う。
これもまた推測だが、多分彼は平和を取り戻した人々が、もう二度と自分達を滅ぼそうとした魔物の影に怯える事なく過ごせるようにとそうしたんだろうな……
自身の姿に怯えぬように、と。
以上が俺の調べた『彼についての過去』である。
あと、少し補足しておくと……
そもそも、先程話したのはニ十年程昔の話だから、今現在この世界に生きている人々にとって彼は『ただ単に強い魔物』でしかなく。
過去を掘り返されて再び恐れられ、『神獣類』や『守り神様』といった名誉あるその看板を外されるような事はなさそうである。
(補足の補足みたいになって申し訳ないが、この世界の人々は平均寿命が俺の元いた世界の日本よりもかなり短く、そのために二十年くらいでもそれを知る者達ががくっと減る、というような事が起こるのだ)
それに、最初にも言ったが彼は人前に殆ど姿を現さないため姿形等の細かい情報を知っている者も少なく、加えてそんな古い書物を見、彼の正体に辿り着こうとする者など余程の物好きくらいしかいないようなのだからな。
(ちなみに、アトラン族も彼については存在以外の事を知っている者自体が町の重役的な人物達を除いて少なく。
その上、部外者にはあまりそう言った話をしないがために彼の正体、そして過去の秘密?は守られているようだ……
意図的ではないとは言え、地域ぐるみで彼は守られているというワケだな。
まあ、例え知っていたとしてもアトラン族達は彼のお陰で戦争を回避出来たのだから、感謝こそすれどそれを恐れて攻撃しようとしたり、悪戯に他者に彼の情報を流そうとする者など皆無なのであろう)
……そう考えると、人々が過去の恐ろしい体験を忘れ、平和ボケするという事もそれ程悪い事ばかりではないのかもしれない。
『忘れ去られる事で救われる者もいる』というのに気付いた今、俺ははっきりとそう思う。
……ん?
『何シメようとしているんだ?〝初めに~〟という説明が終わったのだから、もっと他の事も話せ』だと?
そう言われても、これくらいしか分からなかったのだから仕方ないだろう?
先程も言ったように、彼についての情報はとても少ないのだ。
まあ確かに、魔物の紹介というよりはただ昔話を言っただけみたいになって申し訳ないとは思うが……
誰が何と言おうと、以上でおザキ様の説明は終わりだ。
しかし……いくら調べても。
『何故彼はそんな、俺の元いた世界にいるような人名なのか?』
『彼は俺と同じ世界から来たのか?』
『もしそうだとしたら……一体どうやって?』等の事は、結局分からずじまいだったな。
凄く気になる。気になって仕方がないが……今はとても聞けない。
では、もう少し仲良くなれたら聞いてみるとしようか。
神獣類ジンメンチョウ科
体長 2.8m
体重 168kg
能力値
『力』7000~8000(と、言われている……本当の所は分からないが)
『魔力』4000~5000(これも〝恐らく〟だ)
『機動力』6000~7000
討伐依頼受諾可能最低ランク
なし(現在の我が国には、彼に勝てる者などいない。よって討伐依頼は出されない)
・ザキ地方の魔王城に一匹だけが生息。
・先日出会った。
人々からは『ザキ地方の守り神様』、『魔王城の主』等の通称で呼ばれ。
〝恐れ〟ではなく〝畏れ〟られた事により名前の一部が地名にも使われ。
そして、ほんの一握りの凄まじく強い、または神聖なる魔物のみが分類されるという『神獣類』の称号(?)までもを与えられている、先日あったあの魔物……
彼はやはりと言うべきか、とんでもない存在であったようだ。
それを今からメモると共に、紹介していこうと思う……が、国にはこんなメモ流せないからここだけの秘密にしておいてくれると助かる。
(ん?それは何故だって?
どうせ嘘か何かだと思われるからだぞ?
まず彼の姿を見た事のある者自体、ごく僅かなんだからな)
初めに、『人間だった彼が何故あのような姿となってしまったのか?』についてお話ししよう。
ただし、これから話す事は俺が書物等を漁りまくって知得した、彼にまつわる伝承?御伽話?……のようなものでしかなく。
おザキ様自身の口から直接聞いたワケではないので事実とは少し、異なるかもしれないのだがな。
……仕方ないだろう?
彼は良い魔物だったとはいえ、いきなりそんな突っ込んだ話は出来なかったのだ。俺の性格的にも。
だが、せっかく調べたのだ。
とりあえず聞いてくれ。
その昔、と言っても少し昔。
この国には『魔王』と呼ばれる存在があったのだと言う。
それだけ強大で、それだけ恐ろしい魔物と言う事だな……
そして、魔王は知能も非常に高い生物であったようで、他の魔物達を部下とし、それを率いて人間を滅ぼし自らの王国を作ろうとしたんだそうだ。
だが、当時の彼……尾崎剛尊は人間サイドであったらしく、魔王の野望を阻止するためにその軍勢と対峙したのだ。
(ちなみに……俺の見た書物にはどれも、彼の名前までは書かれておらず『英雄の一人』として登場していた)
またその際、親玉の相手は別の者が務め、彼は魔王の右腕であった、これまた強力な魔物と戦ったそうだ。
ちなみに、その魔物は……
真っ黒な体色で、人の顔を持つ巨大な怪鳥だったのだと言う……
『それ、今のおザキ様では?』
そう思った方もいるだろう。
それは半分正解で、半分間違いなのだ。
今から説明しよう。
何でもその時点では、ソイツはただのジンメンチョウという名の〝いち魔物〟でしかなかったようなのだ。恐ろしく強い存在であると言う事だけは変わりなかったのだが。
そして、尾崎剛尊はそれと戦い、無事勝利を収めたのだが……
ジンメンチョウが最後の悪あがきにと放った魔法を喰らい、姿形をそれそのもののようにされてしまったらしい……というワケなのだ。
(恐らく、自身を倒す程強かった彼をそのような姿に変える事で、『人間サイドに戻れなくした』のだろうな……)
そうして魔物となってしまった尾崎剛尊はザキ地方にあった魔王城を終の棲家と決め、人目を避けて今もそこで暮らしているのだと言う。
これもまた推測だが、多分彼は平和を取り戻した人々が、もう二度と自分達を滅ぼそうとした魔物の影に怯える事なく過ごせるようにとそうしたんだろうな……
自身の姿に怯えぬように、と。
以上が俺の調べた『彼についての過去』である。
あと、少し補足しておくと……
そもそも、先程話したのはニ十年程昔の話だから、今現在この世界に生きている人々にとって彼は『ただ単に強い魔物』でしかなく。
過去を掘り返されて再び恐れられ、『神獣類』や『守り神様』といった名誉あるその看板を外されるような事はなさそうである。
(補足の補足みたいになって申し訳ないが、この世界の人々は平均寿命が俺の元いた世界の日本よりもかなり短く、そのために二十年くらいでもそれを知る者達ががくっと減る、というような事が起こるのだ)
それに、最初にも言ったが彼は人前に殆ど姿を現さないため姿形等の細かい情報を知っている者も少なく、加えてそんな古い書物を見、彼の正体に辿り着こうとする者など余程の物好きくらいしかいないようなのだからな。
(ちなみに、アトラン族も彼については存在以外の事を知っている者自体が町の重役的な人物達を除いて少なく。
その上、部外者にはあまりそう言った話をしないがために彼の正体、そして過去の秘密?は守られているようだ……
意図的ではないとは言え、地域ぐるみで彼は守られているというワケだな。
まあ、例え知っていたとしてもアトラン族達は彼のお陰で戦争を回避出来たのだから、感謝こそすれどそれを恐れて攻撃しようとしたり、悪戯に他者に彼の情報を流そうとする者など皆無なのであろう)
……そう考えると、人々が過去の恐ろしい体験を忘れ、平和ボケするという事もそれ程悪い事ばかりではないのかもしれない。
『忘れ去られる事で救われる者もいる』というのに気付いた今、俺ははっきりとそう思う。
……ん?
『何シメようとしているんだ?〝初めに~〟という説明が終わったのだから、もっと他の事も話せ』だと?
そう言われても、これくらいしか分からなかったのだから仕方ないだろう?
先程も言ったように、彼についての情報はとても少ないのだ。
まあ確かに、魔物の紹介というよりはただ昔話を言っただけみたいになって申し訳ないとは思うが……
誰が何と言おうと、以上でおザキ様の説明は終わりだ。
しかし……いくら調べても。
『何故彼はそんな、俺の元いた世界にいるような人名なのか?』
『彼は俺と同じ世界から来たのか?』
『もしそうだとしたら……一体どうやって?』等の事は、結局分からずじまいだったな。
凄く気になる。気になって仕方がないが……今はとても聞けない。
では、もう少し仲良くなれたら聞いてみるとしようか。
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