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二章 〜下級魔物使い〜
七十八話 帰還
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簡単なあらすじ『戦いは終わり……クボタさん視点に戻ります』
「グス……グスン……」
自称神様はまだ泣き止まない。
俺も、エリマもずっと慰めてはいるのだが。
それにしても……おザキ様遅いな。
でも、来たのが友人とかだったとしたらこのくらい普通か。いやでも、珍しいって言ってたような?
俺がそんな事を考えていると、こちらに近付いているであろう歪な足音が通路から響いてきた。
これぞまさしく『噂をすれば影がさす』ってヤツだな。まだ口には出してないのだけれども。
「あ……ザッキー……」
すると、それを見た自称神様が漸くまともに理解出来るような言葉を発した。というか、コイツはおザキ様をそんな風に呼んでるのか。
〝その呼び方はやめろ〟
こちらへと歩きながらおザキ様はそう言う。
……どうやら彼の方は、そのニックネームを良しとはしていないようだ。
〝まあそれは良い。
さあ町に戻るぞ。お迎えだ〟
次におザキ様はこちらの方に顔を向けた。
間違い無く、今彼は俺に向け話しているのだろう。
「え……お迎え、僕にですか?」
迎え……それがこんな所にまで来たと言うのか?
もしかしてさっきの客人とやらがそうなのだろうか?
と、そのような感じで俺が不思議がっている事に気付いたのか、おザキ様は俺の顔色を数秒間程窺った後に再び口を開いた。
〝そうだ。ほら、これは君の友人だろう?〟
そう言っておザキ様は俺達に背を向ける。
すると、そこにはボロボロの衣服を纏い、目を閉じているサチエの姿があった。
「サチエ!!」
おザキ様に背負われ、力無く目を瞑っているサチエ。
それを見た途端に身体が反応し、俺はすぐさま彼の元へと駆け寄った。
〝大丈夫だ。少し私の魔力を与えた、肉体は回復に向かっている。
後は傷の手当てをし、充分な休息を与えてやればすぐにでも目を覚ますだろう〟
「そう……なんですね。とりあえず、良かったです」
確かにサチエの出血と負傷はなかなかの量であるようだったが、彼の寝息は心地良さげに耳に届いて来る。
恐らく……いや、おザキ様もそう言っているし、サチエもこんな感じなのだから理屈は全然分からないがそれは本当なのであろう。
「サチエ、ありがとうな」
これは推測だが、恐らく彼はあの後すぐに俺を助けるためここへと来てくれたのだろう。このような姿となっても決して諦める事無く。
そう思い、俺は彼に感謝の意を込めてその頭を撫で……
ようとしたが、『下手に触ると今現在、傷だらけの彼は辛いのでは?』と考え直し、礼を言うのみに留めておいた。今の彼には聞こえていないだろうが。
だが必ず後でもう一度、それも彼が起きている時に礼を言うとしよう。
むしろここまでしてくれた大切な友には、最低でもそれくらいはしなければ俺の気が収まらない。
(ちなみにこれはどうでも良いが、そうして伸ばしかけた後にやり場のなくなった俺の右手は、側に寄って来たエリマを撫でるのに使用された)
〝では行くとしよう。応急処置をしたとは言え、彼には一刻も早く治療が必要なのには変わりが無い。
すまないなクボタ。
君に色々と話してやれるのは、また次回になりそうだ〟
心優しい彼の性分が本人にそう言わせたのだろう。
守り神様は俺に謝ってきた。
誰のせいでもないと言うのに。
「そうですね。今はサチエの事を優先しないと。と言うか、それは尾崎さんの謝る事じゃないですよ。
だから気にしないで下さい。
さあ、急ぎましょう」
〝ああ、そうだな……
おい〟
すると、おザキ様は不意に自称神様の方を向いて言った。
〝その時が来るまでお前はここにいろ。お前にだって彼に言う……いや、言わなければならない事があるだろう?〟
「…………ある」
自称神様はまるで子供のようにそう言った。
とっくの昔に気付いてはいたが、この球体よりもおザキ様の方が少し、いやかなり精神年齢は高いと見える。
だが、それでも。
「…………クボタさん。
今はまだちょっと精神的に難しいんですけど、その時は僕も…………
だからまた、お会いしましょう。
ここで待ってますから」
奴は最後に無い鼻をぐずつかせながらも、本日では珍しい、まともに理解できるような言葉ではっきりと俺にそう言ってくれた。
……仕方がない。
いつもならば文句の一つでも言ってやる所だが、今回だけはやめておくとしよう。
「分かったよ。じゃあ、またね」
こうして俺達は自称神様と別れ、魔王城を後にし……
そういえば、俺達(一人+一匹の事だ)はどうやって帰れば良いのだろう?
いや、普通に考えて歩きか。
エリマもいるんだし。
「では、僕らも町に向かいますね。エリマ、ここの出口分かる?」
とか何とか話していると、おザキ様が口を開いた。
〝その必要は無い。君達も私が送ろう。
だが、絶対に暴れるなよ?命の保証が出来ないからな〟
「えっ、なっ!何を…………
わぁああああああああ!!」
何と、おザキ様は背にサチエを乗せているにも関わらず。
俺とエリマまでもを両脚で軽々と持ち上げ、そのまま空へと飛び立った。
とまあ、そのようにして。
『怖さ』において俺の人生の中でもトップクラスに入る……どころか、首位を独走し続ける事となる、恐ろしい空の旅が始まった。
何せ、この旅では見たくも無いのに自分達がとんでもなく高い所にいるのを半強制的に見せつけられ、加えてこの旅客機には座席すらも用意されていないのだから。
……めっちゃ怖い。
大枚をはたいてでも、エコノミークラスに今すぐ乗り換えたい気分だ。
まあ、そこにはサチエがいるため、何を言おうが俺達はここで大人しくしているという選択しか出来ないのだが。
「グス……グスン……」
自称神様はまだ泣き止まない。
俺も、エリマもずっと慰めてはいるのだが。
それにしても……おザキ様遅いな。
でも、来たのが友人とかだったとしたらこのくらい普通か。いやでも、珍しいって言ってたような?
俺がそんな事を考えていると、こちらに近付いているであろう歪な足音が通路から響いてきた。
これぞまさしく『噂をすれば影がさす』ってヤツだな。まだ口には出してないのだけれども。
「あ……ザッキー……」
すると、それを見た自称神様が漸くまともに理解出来るような言葉を発した。というか、コイツはおザキ様をそんな風に呼んでるのか。
〝その呼び方はやめろ〟
こちらへと歩きながらおザキ様はそう言う。
……どうやら彼の方は、そのニックネームを良しとはしていないようだ。
〝まあそれは良い。
さあ町に戻るぞ。お迎えだ〟
次におザキ様はこちらの方に顔を向けた。
間違い無く、今彼は俺に向け話しているのだろう。
「え……お迎え、僕にですか?」
迎え……それがこんな所にまで来たと言うのか?
もしかしてさっきの客人とやらがそうなのだろうか?
と、そのような感じで俺が不思議がっている事に気付いたのか、おザキ様は俺の顔色を数秒間程窺った後に再び口を開いた。
〝そうだ。ほら、これは君の友人だろう?〟
そう言っておザキ様は俺達に背を向ける。
すると、そこにはボロボロの衣服を纏い、目を閉じているサチエの姿があった。
「サチエ!!」
おザキ様に背負われ、力無く目を瞑っているサチエ。
それを見た途端に身体が反応し、俺はすぐさま彼の元へと駆け寄った。
〝大丈夫だ。少し私の魔力を与えた、肉体は回復に向かっている。
後は傷の手当てをし、充分な休息を与えてやればすぐにでも目を覚ますだろう〟
「そう……なんですね。とりあえず、良かったです」
確かにサチエの出血と負傷はなかなかの量であるようだったが、彼の寝息は心地良さげに耳に届いて来る。
恐らく……いや、おザキ様もそう言っているし、サチエもこんな感じなのだから理屈は全然分からないがそれは本当なのであろう。
「サチエ、ありがとうな」
これは推測だが、恐らく彼はあの後すぐに俺を助けるためここへと来てくれたのだろう。このような姿となっても決して諦める事無く。
そう思い、俺は彼に感謝の意を込めてその頭を撫で……
ようとしたが、『下手に触ると今現在、傷だらけの彼は辛いのでは?』と考え直し、礼を言うのみに留めておいた。今の彼には聞こえていないだろうが。
だが必ず後でもう一度、それも彼が起きている時に礼を言うとしよう。
むしろここまでしてくれた大切な友には、最低でもそれくらいはしなければ俺の気が収まらない。
(ちなみにこれはどうでも良いが、そうして伸ばしかけた後にやり場のなくなった俺の右手は、側に寄って来たエリマを撫でるのに使用された)
〝では行くとしよう。応急処置をしたとは言え、彼には一刻も早く治療が必要なのには変わりが無い。
すまないなクボタ。
君に色々と話してやれるのは、また次回になりそうだ〟
心優しい彼の性分が本人にそう言わせたのだろう。
守り神様は俺に謝ってきた。
誰のせいでもないと言うのに。
「そうですね。今はサチエの事を優先しないと。と言うか、それは尾崎さんの謝る事じゃないですよ。
だから気にしないで下さい。
さあ、急ぎましょう」
〝ああ、そうだな……
おい〟
すると、おザキ様は不意に自称神様の方を向いて言った。
〝その時が来るまでお前はここにいろ。お前にだって彼に言う……いや、言わなければならない事があるだろう?〟
「…………ある」
自称神様はまるで子供のようにそう言った。
とっくの昔に気付いてはいたが、この球体よりもおザキ様の方が少し、いやかなり精神年齢は高いと見える。
だが、それでも。
「…………クボタさん。
今はまだちょっと精神的に難しいんですけど、その時は僕も…………
だからまた、お会いしましょう。
ここで待ってますから」
奴は最後に無い鼻をぐずつかせながらも、本日では珍しい、まともに理解できるような言葉ではっきりと俺にそう言ってくれた。
……仕方がない。
いつもならば文句の一つでも言ってやる所だが、今回だけはやめておくとしよう。
「分かったよ。じゃあ、またね」
こうして俺達は自称神様と別れ、魔王城を後にし……
そういえば、俺達(一人+一匹の事だ)はどうやって帰れば良いのだろう?
いや、普通に考えて歩きか。
エリマもいるんだし。
「では、僕らも町に向かいますね。エリマ、ここの出口分かる?」
とか何とか話していると、おザキ様が口を開いた。
〝その必要は無い。君達も私が送ろう。
だが、絶対に暴れるなよ?命の保証が出来ないからな〟
「えっ、なっ!何を…………
わぁああああああああ!!」
何と、おザキ様は背にサチエを乗せているにも関わらず。
俺とエリマまでもを両脚で軽々と持ち上げ、そのまま空へと飛び立った。
とまあ、そのようにして。
『怖さ』において俺の人生の中でもトップクラスに入る……どころか、首位を独走し続ける事となる、恐ろしい空の旅が始まった。
何せ、この旅では見たくも無いのに自分達がとんでもなく高い所にいるのを半強制的に見せつけられ、加えてこの旅客機には座席すらも用意されていないのだから。
……めっちゃ怖い。
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