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二章 〜下級魔物使い〜
78.8話 おザキ様とアトラン族 その4
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簡単なあらすじ『魔王城にまた、ダマレイがやって来ました』
再び魔王城へとやって来たダマレイ。
彼がここに来た目的はやはり、自らの子に名前を付けてもらうためでした。
ダマレイは最初にこの場所を訪れた時とは違って、今度は大勢の者と共に城の入り口に立ち、その者達の中心で産まれたばかりであろう我が子を愛おしげに抱きかかえています。
〝……成長したな〟
それを見たおザキ様は何処か感慨深いような気分になり、ぼそりとそう呟いて口元を僅かに緩めました。
そして、何故そのような事を呟いたのかと言うと。
答えは簡単、この時のダマレイは正式に族長となっていたからです。
何でも、以前ダマレイがここにやって来た後に名を貰い町へと戻ったあの日。
勇気とその名誉ある名を讃えられた彼は、その瞬間から族長となる事が決まったそうなのです。
(ちなみに、おザキ様はその事を少し前にここに来た他の者達の話から知ったようです。
それともう一つちなみに言うと、あの時ダマレイは自分が族長候補である事と、かつ危険が伴う事を考慮した上で敢えて皆を説得して単独でここへとやって来たようです。つまり彼は愚か者でも、粗忽者でも無かったのです)
……そうです。
だからおザキ様は自分が名前を付けた(事になった)青年が、他者を従えるまでに成長した事を喜んでいたのですね。
そうして事実上この地方の、そしてこの一族の守り神とまでなった彼はダマレイとその子供に再び目をやります。
彼に抱かれた子はここが魔王城であるにも関わらず、ぐっすりと眠っていました。
それを知らぬとは言え、これまた随分と大胆な……女の子ですね。
(……少なくとも、当時のおザキ様にはそう見えていたようです)
その時、おザキ様の頭に不意にある考えが浮かびました。
(そうだ。この娘に名を与えて、それで彼等との関係は終わりにし、私達はここを去ろう。
私が初めて名を与えた者の娘が今ここにやって来たのだ。それこそ最後に相応しいではないか)
そうです。
彼はまだ、ここを立ち去る事を諦めた訳ではなかったのです。
理由は勿論、アトラン族との関係があるからこそでした。
いくら儀式の際には安全であろうとも、それは『城の付近だけ』という狭い範囲での話。
おザキ様の目の届かない所で悲劇が起こる可能性は充分にありますし、そんな事はあってはならないと、彼はそう考えていたのです。
最も、おザキ様がそう考えていたのは以前からずっと……なのですがね。
とにかく。
そのような事を心に決めたおザキ様は、最後の『名付け親』としての役目を果たすべく、ダマレイの子の名前を思案し始めました。
(…………
ならば最後に、彼等アトラン族のより一層の幸せを願い、彼等とあの子が多くの幸福に恵まれるような名を……そんな願いを込めた名前を…………)
〝…………幸恵。
サチエだ。その子の名前は〟
そんなおザキ様の言葉が聞こえた途端、アトラン族の者達は皆喜びの表情を抑えながら跪き、彼にこれでもかという程の感謝の意を示すのでした。
ダマレイの娘に名を与えてからまた時は経ち……
ましたが、おザキ様はまだ魔王城にいました。
サチエの事が心配だったからです。
〝彼〟がその名前のせいで虐げられてはいないか、苦労してはいないかと……
……そう、彼女ではなく彼です。
サチエは女の子ではなかったのでした。
しかし、それを知った所で時既に遅し。
〝アトラン族の者達よ、すまない、間違えた。だからサチエの名前を変更させてもらう〟何て、人外であるおザキ様からはとても言えませんからね。
なので彼はまたまた、その心に残されてしまった罪悪感を胸に、サチエを、そしてアトラン族を陰ながら見守っているのでした。
……ですが。
その罪悪感のせいで彼の傷心はすっかり心の隅へと追いやられ、埃を被っているくらいなので、これで良かったのかもしれません。
ちなみに、おザキ様がサチエにしている軽いストーキング……ではなく。
見守りはいつでも、どんな時でも、魔法を捨てたあの時も、クボタと出会った時でも…………
そして、今になっても続いているので、おザキ様が他の場所へと飛び去る事は恐らくもう無いのでしょうね。
おしまい。
……こんな感じだな。
しかし、やっぱり結構長くなってしまったな。
まあ、これでおザキ様がサチエを知っていたワケが分かったから良いだろう。
それに……
この偶然が無ければ俺は彼に会う事は無かったのかもしれないんだから、それも考慮すれば全然良し。無問題。むしろこれで良かったのだ。
再び魔王城へとやって来たダマレイ。
彼がここに来た目的はやはり、自らの子に名前を付けてもらうためでした。
ダマレイは最初にこの場所を訪れた時とは違って、今度は大勢の者と共に城の入り口に立ち、その者達の中心で産まれたばかりであろう我が子を愛おしげに抱きかかえています。
〝……成長したな〟
それを見たおザキ様は何処か感慨深いような気分になり、ぼそりとそう呟いて口元を僅かに緩めました。
そして、何故そのような事を呟いたのかと言うと。
答えは簡単、この時のダマレイは正式に族長となっていたからです。
何でも、以前ダマレイがここにやって来た後に名を貰い町へと戻ったあの日。
勇気とその名誉ある名を讃えられた彼は、その瞬間から族長となる事が決まったそうなのです。
(ちなみに、おザキ様はその事を少し前にここに来た他の者達の話から知ったようです。
それともう一つちなみに言うと、あの時ダマレイは自分が族長候補である事と、かつ危険が伴う事を考慮した上で敢えて皆を説得して単独でここへとやって来たようです。つまり彼は愚か者でも、粗忽者でも無かったのです)
……そうです。
だからおザキ様は自分が名前を付けた(事になった)青年が、他者を従えるまでに成長した事を喜んでいたのですね。
そうして事実上この地方の、そしてこの一族の守り神とまでなった彼はダマレイとその子供に再び目をやります。
彼に抱かれた子はここが魔王城であるにも関わらず、ぐっすりと眠っていました。
それを知らぬとは言え、これまた随分と大胆な……女の子ですね。
(……少なくとも、当時のおザキ様にはそう見えていたようです)
その時、おザキ様の頭に不意にある考えが浮かびました。
(そうだ。この娘に名を与えて、それで彼等との関係は終わりにし、私達はここを去ろう。
私が初めて名を与えた者の娘が今ここにやって来たのだ。それこそ最後に相応しいではないか)
そうです。
彼はまだ、ここを立ち去る事を諦めた訳ではなかったのです。
理由は勿論、アトラン族との関係があるからこそでした。
いくら儀式の際には安全であろうとも、それは『城の付近だけ』という狭い範囲での話。
おザキ様の目の届かない所で悲劇が起こる可能性は充分にありますし、そんな事はあってはならないと、彼はそう考えていたのです。
最も、おザキ様がそう考えていたのは以前からずっと……なのですがね。
とにかく。
そのような事を心に決めたおザキ様は、最後の『名付け親』としての役目を果たすべく、ダマレイの子の名前を思案し始めました。
(…………
ならば最後に、彼等アトラン族のより一層の幸せを願い、彼等とあの子が多くの幸福に恵まれるような名を……そんな願いを込めた名前を…………)
〝…………幸恵。
サチエだ。その子の名前は〟
そんなおザキ様の言葉が聞こえた途端、アトラン族の者達は皆喜びの表情を抑えながら跪き、彼にこれでもかという程の感謝の意を示すのでした。
ダマレイの娘に名を与えてからまた時は経ち……
ましたが、おザキ様はまだ魔王城にいました。
サチエの事が心配だったからです。
〝彼〟がその名前のせいで虐げられてはいないか、苦労してはいないかと……
……そう、彼女ではなく彼です。
サチエは女の子ではなかったのでした。
しかし、それを知った所で時既に遅し。
〝アトラン族の者達よ、すまない、間違えた。だからサチエの名前を変更させてもらう〟何て、人外であるおザキ様からはとても言えませんからね。
なので彼はまたまた、その心に残されてしまった罪悪感を胸に、サチエを、そしてアトラン族を陰ながら見守っているのでした。
……ですが。
その罪悪感のせいで彼の傷心はすっかり心の隅へと追いやられ、埃を被っているくらいなので、これで良かったのかもしれません。
ちなみに、おザキ様がサチエにしている軽いストーキング……ではなく。
見守りはいつでも、どんな時でも、魔法を捨てたあの時も、クボタと出会った時でも…………
そして、今になっても続いているので、おザキ様が他の場所へと飛び去る事は恐らくもう無いのでしょうね。
おしまい。
……こんな感じだな。
しかし、やっぱり結構長くなってしまったな。
まあ、これでおザキ様がサチエを知っていたワケが分かったから良いだろう。
それに……
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