なんかずれてる彼への評価~神とて報告したくない~

みうら あきら

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お姫様の話

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イグド第二王女
フィオスマリナ・キングスレイ

兄の友人は変わっています。
兄、といっても一番上のフォルクス兄様の友人がという意味です。ちなみに私は兄妹の中で六番目に生まれました。
結構、中途半端な順番に生まれましたが、妹のティリアリアは超がつくほど可愛いです。天使です。多分食べれます。眼球インポケットです。

ああ、話が逸れてる。
ごめんなさい。

今日はその友人の、トップオブ変人。
アース様の話をしたいのです。

このアース様ですが、とても有能な殿方。
兄様と同い年にして、すでに宮廷魔導師と同等の扱いを受けています。今度、個人で爵位を与えられるそうで、御父様は、なにやら計画をしていました。
そして、御父様は私をアース様のお嫁さんにしたいみたいです。気に入っていますからね。

まじ、勘弁して貰いたいです。

私、王女ですから、結婚に制約がつくのはわかります。でも、自分より綺麗な人と結婚などできません。

まあ、どちらが奥方様?
お胸も似たようなものですわね?

未来が見えます。アース様は変わってますし、結婚とか無理です。無理ですよ。

でも、御父様はノリノリですし、周りもそれとなく動いていますし、どう回避したものかと悩んでいたら、ある日、東の島国から留学のお話を頂きました。

いえ、本当は東の島国から娘を一人嫁がせろと言われたのは知っています。
東の島国は非常に強い御国です。
かつては魔王ですら手を出すのを躊躇ったと言われ、独自の文化、伝統を持つ国。
島国ゆえ特権階級が少なく、皇室は近親婚を繰り返した過去があるそうで、外からの血を求めていました。

昔に何やら御父様が借りを作ったらしく、その伝で今回、お話が来たらしいです。

まさに渡りに舟。
どんな殿方でもアース様よりマシでしょう。あれ以上の変人でなければ、どんな殿方でも構いはいません。どうせ、自由に結婚など出来ないのです。

しかし、私が浮かれたのも束の間。
御父様が私の護衛団にアース様をつけたのです。なんという、余計な御世話でしょう。

「旅路の中、周りが大人だけでは気も疲れるだろう。それにアースは役にたつ。仲良くやりなさい」

最大限の疲れアースをつけておいて何をとは思いましたが、アース様が馬車や舟を改良したおかげで旅路が楽になったのも事実。なんて、反応に困るかたでしょうか。

そして、護衛団を尾行していたアルミリア様や、ティスト様が引っ捕らえられたのは驚きました。流石、アース様の友人。予想の斜め上を全力疾走してくださいます。
アース様や、護衛団のアームストロング様    の執り成しで護衛団に加わることになったのはびっくりしましたが、アルミリア様は可愛らしいかたです。

「ひ、姫しゃま。どっ、同行をお許しいてゃだき!あ、りがとう、ごじゃいましゅ!」 

顔が真っ赤なのが苺のようです。
ティリアリアに会えなくなった私にとって、癒しとなるかたでした。まさに天使。多分食べれます。苺ですし。

旅に潤いが出来たのは素晴らしいことでした。
旅路の中では毎日のように小さな宴が行われ、出てくる料理は美味な物ばかり、城にいたころより良い暮らしをしているような気がしました。ですが、今は旅の真っ最中なのです。舟の上で何故にこんなにも贅沢が出来るのかが不思議でなりません。
普通は命懸けだと聞いたのですが、やはりアース様がおかしいのでしょう。
巨大海蛇ジャイアントサーペントを一撃で仕留めた時点でおかしいとは思っていました。本当です。

予想を遥かに越えた順調な旅路。
そして、まるで進展しないアース様との仲に安心しながら東の島国、ドワクニスへと降り立ちました。

あちらの皇族は焦っていました。
予定の2ヶ月も前についたから当然でしょう。
しかし、その焦りかた。
それがまるで違うように感ぜられたのです。

そして、それを感じたのは私だけではありませんでした。

動いたのはアームストロング団長とティスト様、そして、当然のようにアース様。アルミリア様は私の護衛に残りました。
私がアルミリア様を着せ替え人形にして楽しんでいた、ある日。
それは起こったのです。

「これは、何事ですか!?」

私は目の前の光景に叫びをあげました。
王女としてあるまじき行為?
そんなこと、知ったことではありません。

目の前で血塗れでベッドに横たわるアース様。

それを目にして、崩れ落ちるアルミリア様。
涙すら出ないほど、取り乱していました。

ティスト様、アームストロング様も両隣のベッドに寝かされています。

「姫様、申し訳、………ありません」

アームストロング様が声を出しました。
しかし、アームストロング様の姿もボロボロです。ティスト様とアース様は意識もない状態。
私が回復魔法をかけながら、事情を聞くと、内容はあまりにも、驚くべきことでした。

「新しい、魔王?」

ただ、言葉を反芻するだけ。

御父様から話を聞きながら、お伽噺のように捉えていた。その存在。

神に祈ることすら出来ない。

私は何をすべきなのか。

この時の私は知るよしもありませんでした。

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